株式会社ICHI(イチ)は、アニメーション作品の版権管理および、実写映画を主体とした映像作品の企画・制作を主な事業内容とする日本の企業。2008年(平成20年)8月にナック(正式社名:株式会社KnacK)から社名を変更した。
1963年放映の『鉄腕アトム』を皮切りにテレビアニメの制作が本格化し、プロダクションの新規参入が相次ぐ中、それらと一線を画すアニメーション作家主体の制作プロダクションとして、東映動画(現・東映アニメーション)出身の月岡貞夫と時報映画社取締役の鈴木元章をはじめとする7名が発起人(登記上の役員)となり、1967年(昭和42年)9月25日に株式会社ナック(KnacK、アニメーション工房ナック)を設立した。
初代代表取締役には月岡が就任したが、月岡の退社・独立後は発起人の一人である西野清市(聖市)が長く代表取締役を務めた。登記上の社名は後に「株式会社KnacK」とアルファベット表記へ変更されたが、社名変更後もクレジットでは引き続き「ナック」の仮名表記が使用される場合もあった。
設立当初はコマーシャルフィルムやテレビ番組のオープニング制作を中心に手掛け、テレビアニメから距離を置いていたナックも、折からのアニメブームに煽られる形で経営方針を変え、『いじわるばあさん』(1970年 - 1971年放映)よりテレビアニメの元請制作に参入する。
とりわけ『チャージマン研!』は、放送当時はあまり注目されていなかったが、2000年代後半頃よりその作画や演出、ストーリーの奇妙さ等がインターネットのコミュニティを中心に話題となっている。
1969年(昭和44年)、東京都中野区の事務所から東京都練馬区関町北1丁目14番7号に建設されたビル(ナックビル)に本社機能を移転する。後にビルの壁面に『ドン・チャック物語』のタイルアートが施され、「ドンチャックビル」の愛称で親しまれた。
1984年(昭和59年)から企画・制作した『アタッカーYOU!』は日本国内での人気は振るわなかったが、フランスやイタリアでのテレビ放送では爆発的な人気を獲得した。特にイタリアでは、バレーボールのプロ・リーグが創設されるきっかけとなったほか、2008年には続編も放送された。
1988年(昭和63年)に制作した『渋谷ホンキィトンク』でOVAの制作元請業務に進出し、翌年手掛けた『冒険してもいい頃』にて18禁OVAの制作元請を始めた。1990年(平成2年)以降はオリジナルビデオの制作に進出し、アニメと並行して実写映画作品の制作を行うようになった。同ジャンルでの第1作は、『冒険してもいい頃2』である。
1996年(平成8年)、『LUNATIC NIGHT』の制作に関与したのを最後にアニメ制作事業から完全に撤退。その後は実写映画やオリジナルビデオの制作にシフトしたが、そちらも徐々に縮小していく。
2008年(平成20年)8月26日付で株式会社 ICHIに社名を変更した。
2017年(平成29年)4月、吉野晴亮と吉野百子が共同で代表取締役社長に就任。同年12月、前述の本社ビルを解体し、現住所に移転。
2018年(平成30年)9月25日、前社長(2代目代表取締役)の西野清市が死去。
2023年現在は、『チャージマン研!』をはじめとするアニメ作品の版権管理・プロモーションを中心に活動している。
アニメーション作画チェックシステム「クイック・アクション・レコーダー(Q.A.R)」を開発製造した株式会社ナック(2000年に現社名のナックイメージテクノロジーに商号変更)とは資本等無関係の法人である。
(株)ナック製作のテレビシリーズ作品・劇場用作品以外に、下記の作品が「パイロット版」として過去に製作された。そのうち、『スーパータロム』、『透明少年探偵アキラ』、『おこれ!!ノンクロ』、『日本の民話』、『みにっこ剣士』はパイロット版が存在するのみで、正式版は存在しない。現在は『チャージマン研!』のブルーレイソフト(No.BFTD-0390)の特典DVD『ナック・パイロット版作品集』に『スーパータロム』、『透明少年探偵アキラ』、『おこれ!!ノンクロ』(パイロット版B)、『のら犬ペスの冒険』、『とんち民話 がんばれ彦一」、『みにっこ剣士』、『SUE CAT』の7作品が収録され視聴できる。『おこれ!!ノンクロ』パイロット版Aは、過去にリリースされたDVDソフト『アニメの王国 チャージマン研!』の3作目として収録された。
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