株式会社東邦銀行(とうほうぎんこう、英: The Toho Bank, Ltd.)は、福島県福島市に本店を置く地方銀行。同県内を中心に123店舗を展開している。
福島県および県下多数の市町村の指定金融機関を受託している。東北地方では七十七銀行(宮城県仙台市)に次いで第2位の規模である。海外事務所を全廃するなど地元重視の堅実な経営を続けている。県内での預金シェアは高くまた、貸出金もシェア4割突破を目指して、資金需要の強い郡山地区を重点的に攻略中である。
行名は、「東から光を背負って進む、発展する銀行」という意味が託されている。
2015年度には、関連会社5社の株式を追加取得して連結子会社化した上、連携をより一層強固にしていく戦略を掲げた。2015年秋には北海道・東北の銀行グループとしては初となる全額出資の証券会社として「とうほう証券」を設立し、翌年4月に開業した。
1973年に東京証券取引所二部に上場、1974年には同一部に福島県の企業として初めて上場した。
郡山商業銀行、会津銀行、白河瀬谷銀行の3行が1941年に合併したことによって発足した。
福島県においては、明治以降、生糸や米の生産を中核として、電力、紡績、石炭(常磐炭田)といった産業が発展したことを背景に、1907年には38行もの銀行が存在していた。しかし、金融恐慌が発生すると第百七銀行、福島商業銀行、郡山合同銀行などの有力銀行が相次いで破綻し生き残った銀行はわずか11行のみであった。日中戦争勃発により日本全体が戦時体制に移行する中、一県一行主義が推進された。福島県においては小規模ながら堅実な経営により存続していた郡山商業銀行、会津銀行、白河瀬谷銀行の3行を合併させ、合同銀行の中核とする方針が大蔵省より打ち出され、3行に合併の勧奨がなされた。早期から国策に協力的であった郡山商業銀行と同族経営の白河瀬谷銀行においては合併の方針が早くに決定した。しかし、財界の有志の結集により発足した会津銀行においては、株主による根強い合併反対運動があったものの、国策に抗うことはできず、最終的には合併の方針となった。1941年6月に郡山商業銀行本店を本店所在地として東邦銀行が成立した。なお、前身3行はいずれも県北地域を地盤としておらず、県庁所在地の福島市に支店を有していなかったため、1942年12月に福島支店を開設(1946年に福島支店に本店を移転、旧本店に郡山支店を設置)、1944年には常陽銀行の梁川・桑折支店を譲り受け、県北地域の支店網拡充を図った。
合併後、1942年に三春銀行、猪苗代銀行、岩瀬興業銀行を、1943年には矢吹銀行、田村実業銀行、磐東銀行の各行を合併し、1944年には福島貯蓄銀行をさらに合併した。同年、福島県農工銀行が日本勧業銀行によって吸収合併されたことにより福島県における一県一行が完成を見た。
2014年4月1日、平支店をいわき営業部に改称、昇格した。これにより同行の営業部は、既存の本店、郡山と合わせ3店舗となる。また、2022年9月5日に会津支店を会津営業部に改称、昇格した。この結果、現在、同行の営業部は、4店舗となっている。
また2016年4月21日には、福島第一原子力発電所事故によって休業中の楢葉支店(楢葉町)の営業を再開するほか、その他の休業店も避難指示の解除に伴い順次営業を再開する方針である。
東京都内に2店舗(東京支店(中央区京橋)および新宿支店)、茨城県内に2店舗(日立支店および水戸支店)をそれぞれ開設しているほか、栃木県(宇都宮支店)および新潟県(新潟支店)にも支店を開設している。
宮城県仙台市には4店舗(仙台支店、仙台東支店、仙台泉支店、仙台南支店)を開設。また同県名取市にも支店を設置する。このほか、2016年4月27日には山形県米沢市にも支店を新設した。
2005年にインターネットバンキングの取り扱いを開始し、2009年にはインターネット支店を開設した。
2006年3月に福島大学と、2007年6月に会津大学と、同年11月に日本大学工学部と、2009年1月に福島工業高等専門学校と、2010年7月福島県立医科大学と連携協力協定を締結。地域の発展や、産業の振興を図るための相談支援体制を整えている。
2012年4月、千葉銀行など、主に日本IBMメインフレームの勘定系システム採用行(予定行を含む)など5行で構成する、TSUBASA(翼)プロジェクトに参加することを表明した。
富士通と共に開発にあたった勘定系システムであるPROBANKを導入しており、2011年9月20日には第2世代、2017年10月10日には第3世代へ移行している。また、2019年9月18日には、以前より参加していたTSUBASAアライアンスの基幹系システム共同化に基本合意し、2024年1月を目処に勘定系システムをリプレースする事を表明。2024年1月4日、共同システムの利用を開始した。
日立製作所開発のフレイア21プラスを採用している。
東邦銀行ATMでの取り扱い時間は毎日8:00~21:00。ATMコーナーにより営業日・営業時間が異なる。
同行のATM では、MYキャッシュポイントによる山形銀行と七十七銀行、秋田銀行、足利銀行、常陽銀行、第四北越銀行、北海道銀行、千葉銀行、横浜銀行、きらぼし銀行、武蔵野銀行、八十二銀行および群馬銀行のキャッシュカードによる出金については他行手数料を徴収していない(足銀のカードとは現金出金のみの提携)。
東日本大震災・福島第一原子力発電所事故による県外避難者支援の一環で、仙台駅3Fに設置し2012年10月31日より供用を開始した店舗外ATMは、仙台支店の店舗内ATMよりも稼働時間が長いほか、通常は県外店のATMでは対応していない通帳繰越にも対応している。また、同様に被災者支援等を目的に2013年6月には、イオンモール名取にも店舗外ATMを設置した。
他、2015年9月には山形県米沢市および山形市において、従来の移動ATMサービスから専用のATM設置を開始した。
同行では、第四北越銀行とATM提携(出金時の他行手数料無料化)を実施しているが、新たに県外避難者が多い都道府県の地銀とのATM提携拡大の検討が発表されていて、千葉銀行、北海道銀行、横浜銀行、東京都民銀行(現:きらぼし銀)、武蔵野銀行、八十二銀行、群馬銀行が加わった。
福島ガイナックスがアニメーションを手掛ける、東邦銀行のCM。東邦銀行入社3年目の新米銀行員「日向さやか」は窓口業務担当として勤務していたが、転勤となり、初めて融資業務を担当することになる。地元のためにがんばる物語。福島県内の民放テレビ局の他、店舗やATMコーナーでも放映されている。
CMに登場する店舗は、建物の構造や外観から、北福島支店だと思われるが、公表されていない。
上記のほか、金融教育、育英会運営、地域ボランティア、取引先事業所の人材教育などを行なっている。
2013年、福島県から福島県営あづま陸上競技場の命名権(ネーミングライツ)を取得。愛称がとうほう・みんなのスタジアムに決まった(金額は5年で総額5,250万円)。あづま陸上競技場をホームスタジアムで使用している福島ユナイテッドFCのスポンサーを担うほか、陸上競技部も擁していることもあり、命名権を取得した。
2016年3月7日、創立75周年記念事業の一環として県から福島県文化センターの命名権を取得。同年4月1日から「とうほう・みんなの文化センター」の愛称が使用される。契約期間は5年。
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