泉大津市(いずみおおつし)は、大阪府の泉北地域に位置する市。
市名は和泉国の国府の外港(国津)であったことに由来する。和泉木綿の集散地となった江戸時代に真田紐をはじめとした繊維産業が興ると、これを地盤に明治以降毛布の製造が始まり、毛布のまちとして発展した。現在も国内産毛布においては9割超のシェアを占める。港湾も昭和初期に近代化され、堺泉北臨海工業地帯の一角を占め、近年は物流拠点としての性格も強めてきている。港湾や中心駅の再開発が進み、人口は2000年代前半までは増加傾向にあったが、平成17年(2005年)以降は減少傾向にある。
前4~5世紀
奈良時代には大津の地名が見られ、日本書紀にも登場する。
鎌倉時代には大津城(眞鍋城)が築かれ、戦国時代にはその跡地に大津御堂(南溟寺)が建ち、周囲は寺内町の様相を呈した。安土桃山時代の本能寺の変ののち、明智光秀が市内の助松町に現存する蓮正寺に隠棲したと伝えられている。市内の豊中町では、徳政令を約束した光秀に謝恩を表す供養を長年行っていた。
江戸時代、泉州地域において綿花栽培の規模が拡大すると、港湾とその後背地としての在郷町を併せ持つ大津に綿花注文所が設けられ、綿花は船で大坂や堺の問屋に運ばれるようになった。また、原料の集散地に留まらず、真田紐などの加工品の製造も行われるようになった。また、真田紐については、「真田信繁(幸村)が考案し、後藤基次が当地に伝えた。」という伝承がある。
この地盤を活かして、明治時代には毛布の製造を開始。一大生産地に発展した。
過去には、泉大津市・和泉市・高石市・忠岡町の3市1町の間で合併の話が持ち上がったが、高石市が離脱したため、合併研究会の設置に至らなかった。
現在では、泉大津市・和泉市・忠岡町の2市1町(かつての和泉郡の範囲とほぼ一致)の間で、合併問題などを調査研究する「泉北2市1町広域行政研究会」が設置されている。
※なお、次回の執行選挙は、任期満了の前年となる2024年12月に年内実施として行われる予定であるが、現職本人は3期目の態度を明らかにしていない。
定数は16人。2023年5月11日時点での会派構成は以下の通り。
泉大津の「泉」と「大」の文字を波形に図案化し、湧きのぼる発展と海外への雄飛を表章している。1942年(昭和17年)9月25日に制定された。
毛布のまち泉大津にふさわしく羊の顔をイメージし、目と口の黒い丸は「創造」「躍動」「調和」を表している。
『おづみん』 - 2012年(平成24年)4月1日に市制70周年を記念して誕生したゆるキャラ。毛布工場で生まれた羊精(妖精)という設定。南海本線泉大津駅東口ロータリーに巨大な像「でかおづみん」として設置されていた。駅前展示は本来2012年(平成24年)12月31日までを予定していたが、市民からも好評を得たため2013年(平成25年)3月30日まで特別にそのまま駅前ロータリーで設置されていた。3月30日の深夜に有志により分解され現在はひまわり広場に移転され設置されている。
泉大津市のキャッチフレーズは、『日本一の毛布のまち』である。
泉大津市オリアム随筆賞は、「繊維のまち・泉大津」を全国にPRするために、市制施行70周年事業として、2012年より創設された独自の文学賞である。なお「随筆」と書いて「エッセイ」と読む。
おもな産業は繊維、タイヤ。特に毛布やニットの製造が盛んである。
泉大津市の経済や雇用を活性化させるため、市では、企業の誘致に積極的に努めてきたという。そうした長年に渡る努力の甲斐あって、現在では多くの企業が泉大津市へ進出し、事業を営んでいる。
(2012年12月現在)
※泉大津市内各区域の郵便番号は「595-00xx」(泉大津郵便局の集配担当)となっている。
この他、大阪国際空港(伊丹空港)を利用する市民も多くいる。
泉大津市にはJR阪和線の駅はひとつもないが、阪和線沿線の住民も市東部を中心にたくさんいる(厳密に言えば、阪和線は和泉府中駅の北側でほんの僅かながら泉大津市を通過しているのだが、泉大津市民の多くに、市内には南海本線しか無いという意識があるのも事実である)。なかでも、穴田や東豊中町など、和泉府中駅から徒歩数分程度という住民は、隣りの和泉市府中町にある同駅を利用する場合が多い。
2015年度の1日平均乗降人員は27,272人で、南海の駅(100駅)では10位、南海本線(今宮戎駅・萩ノ茶屋駅を除く41駅)では5位である。
高石市以南の泉州地域の鉄道駅としては、1日あたりの乗降客数が隣接する和泉市にある阪和線和泉府中駅、泉北高速鉄道和泉中央駅に次いで多い。また、南海の駅全体から見ても、当駅以南のすべての特急停車駅を上回っている。
南海バスは市域において、南海本線の泉大津駅を発着する路線バスを運行している。
すべて、JR阪和線和泉府中駅を経由し隣接する和泉市の各地域へ向かうものである。平日の夕方ラッシュ時に運行されている光明池駅へ向かうバスを除き、泉北高速鉄道和泉中央駅を経由する。
朝・夕の通勤・通学ラッシュ時における乗車率が特に高いが、和泉中央駅や和泉府中駅へ発着する路線を増強する傾向があることから、それに伴いやや減便傾向にある。
市民からの新たなバス路線を望む声が高まったため、福祉バス「ふれあいバス」を、中日臨海バスへ委託して運行している。高齢者・障害者・妊婦などの社会参加促進を目的として運行されているため、乗車はこれらの人に限られている。運賃は無料。
市内は格子状に道路網が整備されているが、人口が増加している和泉市中南部からのアクセスが、地形の制約もあって富田林泉大津線(戎町 - 穴田間)に集中し、近年渋滞が悪化している。
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