『ザ・トップテン』(THE TOP10)は、1981年4月6日から1986年3月31日まで日本テレビ系列局で毎週月曜日 20:00 - 20:54(JST)に生放送されていた音楽番組。5年間における放送回数は256回。
前番組の『NTV紅白歌のベストテン』のリニューアル版で、毎週独自の邦楽ランキング上位10曲をカウントダウン形式で発表し、ランキングされた曲を歌手が披露していた。『紅白歌のベストテン』の公開放送スタイルに、TBS系で放送されていた『ザ・ベストテン』をミックスしたような番組構成であり、その『ザ・ベストテン』と双璧をなす人気番組ともなった。
プロデューサーの吉岡正敏は、影響されないように『ザ・ベストテン』をあまり見ないようにしていたという。
前身の『紅白歌のベストテン』と同様、渋谷公会堂から公開生放送を行っていた。ただし、渋谷公会堂が使用できないときは日本青年館・東京郵便貯金ホール・日本テレビGスタジオ・日本テレビのマイスタジオのいずれかに場を移して生放送された。毎回番組の冒頭で会場に見学しに来た、修学旅行の中学生や高校生たちの姿がよく紹介されていた。
歌手が関西方面に集中し、大阪・池田市民文化会館大ホール(アゼリアホール)から生放送したことがあった。
放送はプロ野球の試合が基本的にない月曜日であったため、通常は放送休止になることはめったになかったが、特に9月から10月にかけて主に予備日として月曜日に急遽試合が組まれた場合は、巨人戦中継が優先された。当番組は生放送であったため前もって出演者のスケジュールが調整されており、さらに当時は巨人の本拠地が雨天中止もありえた後楽園球場の時代でもあったため放送休止とはいかず、多くは翌火曜日16:00から撮って出しで録画放送が行われた。なお、民放2・3局地域のクロスネット局を中心とした一部系列局では、他系列番組などとの関係上録画放送のネット受けができない場合があったため、それらの局に配慮して翌週の放送冒頭で簡単にランキングを紹介していた。
『ザ・ベストテン』と同様、当日会場に来られない歌手が、各地から中継で登場することもあった(公開生放送の会場ではステージ中央に緞帳代わりを兼ねた大型スクリーンが設置されて中継・VTRやスタジオサブの映像を上映していた)。なお、ランキング発表時だけではなくエンディングにも中継を呼び出していたが、歌手が次の仕事へ移動した為その場におらず、リポーターだけで締めた事も多かった。
毎週第4位までの歌唱・紹介が終わった後、合間のランク圏外の11 - 20位を紹介する「もうすぐトップテン」の担当として、番組の中継受けサブ[OAサブ]でもあった東京・麹町の日本テレビHスタジオに「エレクトリックおじさん」として、当時局アナだった徳光がスタンバイしていた。当時の徳光は『ズームイン!!朝!』の司会との掛け持ちであったが、『ズームイン!!』司会のために日本テレビの近くに住居を借りていたため出演が可能であった。1982年9月より「エレクトリックお兄さん」こと小倉アナにバトンタッチ(これは徳光が同年10月より『歌のワイド90分!』の司会に就任するため)、半年も経たないうちに小倉が結婚したことを機に「エレクトリックご主人」と改称した。小倉担当途中にOAサブがKスタジオに移行。代役として小林完吾アナが出演した時は「エレクトリック上司」だった。
堺が出演できないとき、初期は高島忠夫や徳光などがピンチヒッターで司会を務めたことがあった。1984年10月8日放送分では堺がロサンゼルスから衛星生中継で登場。当日は日本テレビGスタジオからの放送でスタジオサブも一緒だったため、小倉が司会と「エレクトリックご主人」の一人二役をこなした。一方、郁恵が夏季休暇などで休みとなった場合、例として1984年9月17日の放送では、すでにリポーターを降りていた小堺が一夜限りでカムバックしたことがあった。
ランキングの基準は「レコード部門」・「有線部門」・「ネット局部門」・「リクエスト部門」の4部門を合わせたポイント制で決定。各部門の配点比率は非公表。
毎週のランキングは20位までしか発表されていないが、100位まで出されている(『ザ・ベストテン』は70位まで)。
尚、レコードやCDが発売されなければ、ハガキのリクエストがあっても、ランキングに反映されなかった。少年隊がレコードデビュー前に話題曲コーナーで出演し、「あなたに今Good-by」という曲を披露したが、歌唱前に司会者より「ハガキのリクエストを頂いても、レコードが発売されていなければ、ランキングに反映されない。」旨の説明があった。
この番組は『ザ・ベストテン』とタイトル、中身も良く似ていたが、それぞれで相違点もあった。
ザ・ベストテンでは、オーケストラによるスタジオでの生演奏がほとんどで、ベストテンオリジナルのアレンジがなされていたが、ザ・トップテンでは、レコード音源を流すことが多かった。生演奏の場合でもベストテンや夜のヒットスタジオよりプレーヤーの人数が少なく、アーティストのオリジナルバックバンドが出演することも多く、レコードに近いアレンジだった。
曲の歌い出しは、ザ・ベストテンでは、イントロが終わるまでの間、久米宏などの男性司会者が視聴者からのリクエストはがきの内容を読んでいたが、ザ・トップテンでは、イントロが始まる前に、榊原郁恵が「どうぞ!」と言った後は、司会者が話すことはなかった。(但し、地方からの中継ではリポーターがイントロ中もエピソード等を紹介する場合もあった。)TBSはテレビでもイントロにかぶせてはがきの内容を読むという、ラジオ的な演出を取り入れていた。
視聴者へのプレゼントは、ザ・ベストテンでは、番組のエンディングで撮影した、出演歌手の記念写真を毎週50人に送っていたが、ザ・トップテンでは、スポンサーから提供された品物(シャンプーやお菓子など)を送っていた。
ザ・トップテンでは、日テレ系番組の主題歌や、日テレ系列のレコード会社であるvap所属の歌手(オメガトライブ、菊池桃子、森川美穂など)が高めにランキングされる傾向にあった。
特にアイドル・演歌歌手の曲はザ・ベストテンよりも高順位で、ランクインもしやすい傾向にあった。
なお、矢野顕子、松山千春、松任谷由実、井上陽水、渡辺美里の5組については、ザ・ベストテンに上記曲で出演経験がある。
話題曲コーナーでの披露は除く。
系列は放送終了時のもの。
2010年よりCS放送で再放送されている(日テレプラス、第一興商スターカラオケ、ファミリー劇場、ホームドラマチャンネル、歌謡ポップスチャンネルなど)。なお、VTRの保存状態や楽曲の著作権等をクリアした回を中心に順不同で放送しているほか、肖像権の問題によりジャニーズ事務所所属歌手(当時)とサザンオールスターズ出演の回は未放送(TOP10にランクインしている場合は欠席の回を放送する場合もある)もしくは、該当部分を割愛しての放送となった。
放送当時と同じ標準画質で放送されているほか、地上波放送当時と異なり、文字テロップ(曲の冒頭に表示された順位・曲名・歌手名などの字幕、ネット局表示、スタッフロールなど)が表示されない場合がある(オープニングタイトル、ランキング発表のコンピューター表示、エンディングの「ザ・トップテン また来週…」はそのまま放送されている)。
2012年からはファミリー劇場で不定期放送されており、同チャンネルにおける音楽番組の再放送も当番組が初である(ただし『ドリフ大爆笑』(フジテレビ系)など、歌のコーナーがあるバラエティ番組を放送することはあるが、音楽主体の番組の放送は当番組が初となった)。なお、放送回数表示は地上波放送当時に準ずる。
2014年12月24日に『30th anniversary 菊池桃子 in トップテン -日本テレビ秘蔵映像集-』として菊池桃子の『ザ・トップテン』・『歌のトップテン』出演時の歌唱映像(他に『うるとら7:00』・『スーパーJOCKEY』出演時映像も併録)を収録したDVD-BOXがVAPから発売された。
Owlapps.net - since 2012 - Les chouettes applications du hibou