『うたばん』(英:UTABAN)は、TBS系列で1996年10月15日から2010年3月23日まで放送されていた音楽バラエティ番組。
番組タイトルは「歌番組」をそのまま略したもの。MCの石橋貴明(とんねるず)と中居正広(当時SMAP)の男性コンビは、芸人とアイドルの異色な組み合わせと言われていた。
60分の音楽番組にもかかわらず演奏される曲は3・4曲程度で、歌唱よりもゲストとのトーク・バラエティ企画に重点を置いた番組構成が特徴だった。特にトークのみでゲストライブが1曲も放送されない『トーク総集編』や、ゲストがお笑い芸人のみの『ねたばん』も放送された。
2時間以上のスペシャル特番はそのまま『とくばん』と呼称され、総出演アーティストは637組で、中居の当時の所属事務所であるジャニーズのグループやハロープロジェクトのユニットが特に多く出演しており、石橋も参加している野猿やヘキサゴンファミリー等の他局の企画ユニットも多く見ることができた。視聴率が20%を超えることもあり、下記の理由で放送枠が何度か移動しつつも、TBSの看板長寿番組として全558回・約13年半放送された。
放送終了後も、復活を望む視聴者の声が多く。後年、中居のMCの番組、2018年11月の『UTAGE!』・2021年4月の『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』に石橋をゲストに招いて「うたばん特集」を放送している。
2006年の放送400回を記念した『ザテレビジョン』での特集記事では、「音楽番組界の大ベテランにして異端児」と評されていた。
音楽番組としては唯一、日本PTA全国協議会「親が子供に見せたくない番組」にランクインしていた。
※上記は2010年3月23日放送「うたばん無期限活動休止3時間SP」にて発表された。
長期間に亘って続けられていたコーナー・企画。
番組開始当初(1996年)から1999年ごろまで、オリコンチャートを元にシングルTOP20、アルバムTOP10を発表していた。時間の都合で、カットされたり、短縮(シングルTOP10、アルバムTOP5)の場合もあった。また、1996年のみ年間ランキングも発表した。この時は、CDTVと同じものであった。 これとは別に企画として番組1周年記念で、ゲストライブに登場したアーティストの曲でTOP100を発表したこともある。
本番組が毎週火曜日21時台で放送されていた時の裏番組『開運!なんでも鑑定団』(テレビ東京)をあえて模倣した企画で、不定期にゲストやMCの「お宝」を専門家が鑑定し値段付けを行った。BGMや鑑定の手順まで上記に似せており、さらに鑑定士も団長の前野重雄をはじめ石井久吾・岩崎紘昌他『なんでも鑑定団』の出演者を揃えていた。鑑定した「お宝」は全115品にもおよび、番組最大の「お宝」はDAIGOが持ち込んだ、河東純一が「平成」の文字を墨書した半紙で、価値があり過ぎて値踏み出来ず鑑定不能だった。
1999年から2002年までは同時間帯の裏番組にフジテレビの『FNS歌謡祭』がぶつかり、大半のアーティストが出演できないことがあった。(うたばんMCに中居がいるためSMAPも出演できず)その時番組では、今後注目の若手アーティストやお笑い芸人を集め『うたばんF・N・S歌謡祭』と題し、野球推薦などの企画や「うたばんのど自慢」という企画も行った。ここでいう「F・N・S」 とは「フレッシュ・ノーギャラ・スペシャル」の略称である。なお、「うたばんのど自慢」はMCである石橋貴明が所属するとんねるずと中居が所属するSMAPだけで開催した。
『うたばん寸前』は、TBSにて1999年4月15日から2009年3月12日まで、本編レギュラー放送開始前の毎週木曜日の19:54 - 20:00(JST)に生放送が行われていた関東ローカル向けのミニ・音楽番組である。ハイビジョン制作(2008年4月10日より)、リアルタイム字幕放送(2007年4月19日より)を実施。
『うたばん』本編の前番組(『見ればなっとく!』→『スパスパ人間学!』→『情報ドラマチック もくげき!』→『クイズ!日本語王』→『徳光和夫の感動再会"逢いたい"』)の終了直後に行われていた、当日出演のゲストを紹介するクロスプログラム(15秒)を拡大する形で放送を開始した。2009年3月30日放送開始の『総力報道!THE NEWS』の放送開始に伴い、日曜移動を機に終了した。
TBS労働組合と労働に関する取り決めから、午前0時に強制的に収録スタジオの照明の電源が落とされる措置が取られていた。本番組はこれを演出に利用しトーク途中や演奏の直前に、画面のカウントダウンとともに消灯するシーンを、時折見ることが出来た。後に、MCの中居が『UTAGE!』でもこのことについて触れている。
2001年10月16日、『モーニング娘。』に加入して間もない紺野あさ美が、『大玉転がしゲーム』の収録中にスタジオで転落する事故が発生し、右ひざ上に合計12針を縫う怪我を負った。企画自体はお蔵入りとなったが、紺野あさ美・小川麻琴の卒業が話題となった2006年6月15日の放送で事故前の一部が公開された。
桑田佳祐が作詞・作曲した『うたばんのオープニングテーマ』。2001年11月1日放送の『桑田VS石橋 アントニオ猪木対決』に桑田がやぶれ、罰ゲームとして制作・提供された曲。女体を強調したCGアニメとともに2003年7月17日よりオープニングで使用されたが、ゴールデンタイムの番組に合わない『エロ曲』だったため、桑田のもくろみ通りに3か月ほどで使用されなくなった。曲自体は『経験 (辺見マリの曲)』をモチーフにしており、題名もこれを踏まえて『経験II(セカンド)』となっている。サザンオールスターズの47枚目シングル『涙の海で抱かれたい 〜SEA OF LOVE〜』にカップリング収録されている。
『うたばんのマスコットキャラクター』。キャラクターデザインは薮内省吾、アニメーション制作はタツノコプロが担当。 2000から2002年まで番組内の短編アニメで登場した。着ぐるみも制作され、スーツアクターは番組スタッフの古谷英一が担当した。
『とんねるずのみなさんのおかげでした』のコーナーでMCの石橋貴明と演出の秋元康によるセルフパロディ企画。当初はものまねやプロモーションビデオのパロディコーナーだったが、のちに『野猿』の企画がメインとなり、野猿は本番組『うたばん』にもゲスト出演するようになった。2018年3月22日放送の最終回では、最終回バージョン『さいごのうたばん』として放送された。
中居正広がMCを務める歌番組『UTAGE!』の2018年11月7日放送回『UTAGE! 秋のサプライズ祭り』の終盤に中居も知らないサプライズゲストとして石橋が登場、後継番組の『ザ・ミュージックアワー』以来8年ぶりに本番組のMCコンビが復活、嘗てゲスト出演していたMAX、島袋寛子、高橋愛らとも再会を果たした。さらにテロップやスタジオの消灯など『うたばん』の演出も再現された。
中居正広が司会を務める『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』の2021年4月2日放送回『金スマ2時間スペシャル モーニング娘。'21&OG総勢18名! 今夜限りうたばん秘蔵映像解禁』の番組後半に中居も知らないサプライズゲストとして石橋が「化学くん」こと元番組プロデューサーだった鈴木慎治を連れて登場、『うたばん』本放送終了以来、11年ぶりに本番組のMCコンビによるトークが復活した。
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