竹ノ塚駅(たけのつかえき)は、東京都足立区竹の塚六丁目にある東武鉄道伊勢崎線の駅。「東武スカイツリーライン」の愛称区間に含まれている。駅番号はTS 14。
当駅は伊勢崎線の開業から約7か月後に当たる1900年(明治33年)3月21日に開業した。開業当初は伊興村にあったが、1932年に東京市に編入合併され、東京市で最北端に位置する駅となった。東京市が廃止された後も当駅は東京23区で最北端に位置する駅であったが、2008年に東京都交通局日暮里・舎人ライナーが開業したことにより、東京23区内で最北端の駅は見沼代親水公園駅になった。
伊興村に開設されていたのにもかかわらず、東に隣接していた竹塚村を駅名に採用したのは、駅名を喚呼する時のことばの響きが良いという理由から。
かつて当駅前後の踏切は、数少ない踏切保安係が操作を行う手動式踏切であった。交通量が多く「開かずの踏切」となっている。駅を挟んで北側・南側にそれぞれ1か所ずつ置かれ、南側(伊勢崎線 第37号踏切道)は「大踏切」、北側(同第38号踏切道)は「小踏切」と呼ばれている。
1974年(昭和49年)に北千住駅から当駅まで複々線化が行われた際に、運転本数が増加したことで当駅周辺の踏切は遮断時間が増加した。このため、線路の高架化が課題となっており、足立区は踏切解消に向けて1987年(昭和62年)より、継続的に鉄道高架化の可能性について検討を行ってきた。さらに、2001年(平成13年)には東京都と東武鉄道をアドバイザーとした「竹ノ塚駅周辺地域道路・鉄道立体化検討会」を設置し、検討を重ねてきた。高架化工事によって除却される踏切はどちらも足立区道であるが、当時は特別区が事業主体となって連続立体交差事業を施行することができなかったこともあり、議論は平行線を辿っていた。
そして、2005年(平成17年)3月15日に大踏切で踏切保安係(東武鉄道社員)の遮断機誤開による事故が発生し、2人が死亡、2人が負傷した(東武伊勢崎線竹ノ塚駅踏切死傷事故も参照)。この事故がきっかけとなり、同年4月6日から地元の連合会による鉄道高架化の署名運動が行われ、同年8月12日までに216,993人の署名が集まった。事故半年後の同年9月には両踏切とも自動化された。また、2005年度からは特別区主体で連続立体交差事業を施行することが可能となった。
2015年(平成27年)3月1日にも同じ個所で踏切内に侵入した軽乗用車と列車が衝突する事故が発生し、軽乗用車の男性運転手が死亡している。2016年(平成28年)5月29日にも歩行者と上り特急列車の人身事故が発生した(ただしこちらは自殺である)、しかもこの日は下り急行線が高架化された初日であった。
2006年(平成18年)3月9日には、大踏切側に自転車対応エレベーター付きの跨線橋が設置された。踏切操作の自動化および跨線橋が完成した後も、踏切の安全監視要員が24時間監視を行っている。また2006年(平成18年)から2008年(平成20年)にかけて、当駅にエスカレーターやエレベーターを設置するバリアフリー対応工事が行われている。ただし、東口へは工事前から駅ビル内にエスカレーター・エレベーターが設置されている。
足立区は2011年(平成23年)3月31日に都市計画決定、同年12月20日には事業認可を取得し、2012年(平成24年)3月30日に東武鉄道と施工協定を締結した。その後、同年11月4日には起工式が挙行された。踏切事故から7年7か月での事業着手は異例の早さである。また、区が主体となる連続立体交差事業はこれが初めての事例となる。2021年3月に高架化工事完了予定であったものの、草加寄りの高架橋建設時に使用した鋼矢板約2000枚が線路内に埋設していたため、この鋼矢板の撤去作業が必要となり、2022年3月19日に変更した。
緩行線のみホームがあり、島式ホーム1面2線の高架駅。高架化前の既設ホームは仮設ホームの東側にあったが下り線は2017年8月26日、上り線は2018年9月22日をもって供用を終了した。橋上駅舎を備えていたが下り線が既設ホーム使用停止と同日に供用を終了し、翌日より仮設地下改札に変更された。
西新井寄りには東京地下鉄(東京メトロ)日比谷線車両の車両基地である千住検車区竹ノ塚分室(以下、竹ノ塚分室)が立地する。当駅の配線は東側から高架線上の上り急行線・上り緩行線、駅ホームを挟んで下り緩行線・高架線上の下り急行線の4線となっている。以前は下り緩行線と下り急行線の間に竹ノ塚分室への入れ換え線があったが、高架化工事の進捗に伴い現在は撤去され、かわりに上り緩行線から竹ノ塚分室へ入庫できるように配線が変更されている。竹ノ塚分室へは、駅北側の引き上げ線に入線した後、進行方向を転換、上り緩行線を経由し、下り緩行線と平面交差してから入庫していた。さらに2016年5月28日までは下り急行線が地上だったため、入庫の際下り急行線との平面交差が存在していた。
2020年6月5日までは谷塚寄りに引き上げ線が設けられ、主に当駅折り返しの列車に運用される車両が使用していたが、高架化工事に伴い撤去された。代わりに草加駅北方に引き上げ線が整備、2020年6月6日より日比谷線からの当駅折り返し列車及び入庫列車は草加駅まで回送されるようになった。
東口駅舎はかつて高層住宅であったが、4階より上部を取り壊し3階以下をそのまま商業施設を備えたビルとしていた。現在は高架化工事のため、駅ビルの商業施設は営業を終了している。
トイレはユニバーサルデザインの一環として多機能トイレが設置されている。橋上駅舎時代は改札内にあったが、仮設ホーム供用開始と同時にホーム上に移設された。
2010年(平成22年)12月10日より、発車メロディが導入された(谷塚駅・草加駅と同日に運用を開始)。
2022年度の1日平均乗降人員は63,092人である。伊勢崎線の駅では北千住駅・新越谷駅・とうきょうスカイツリー駅(押上駅を含む)・草加駅に次ぐ第5位である。東武鉄道全線中、普通列車のみ停車する駅としては乗降人員が最も多く、急行停車駅である隣の西新井駅を超える。
当駅は普通電車のみ停車するが、駅周辺は人口密集地であり、駅前が路線バスのターミナルとなっていることから駅勢圏が広く、乗降人員も多かった。80年代後半から90年代前半にかけて1日平均乗降人員が10万人を越え、伊勢崎線の駅では北千住駅に次ぐ乗降人員を記録した時期もあった。2007年度までは8万人を越えていたが、2008年(平成20年)3月30日に日暮里・舎人ライナーが近隣に開業して駅勢圏が縮小した影響で乗降人員が減少し、2011年度以降は7万人程度で推移している。
近年の1日平均乗降・乗車人員の推移は下表の通りである。
東口駅前ロータリーは東武線各駅中でも規模が大きく、周辺にはピーコックストアや銀座コージーコーナー、その他パン屋や本屋などの小売り店が立地する。
竹ノ塚駅東口商店街の名称は、1988年(昭和63年)に「カリンロード商店街」と改名された。
西口の構内権は東武関連企業に限られ、タクシー乗り場もかつて東武グループの金龍自動車交通の専用となっていた。金龍の日本交通への売却で日交足立となり、美輝タクシー(日交グループ)との合併で日交美輝となった後は構内権の枠は日交美輝と日本交通千住営業所の一部車両のみ保有しているため、他の日本交通グループを含む他社車両や二社でも構内権の枠を持たない車両の客待ちはできない。
東口と西口にバスターミナルがあり、東武バスセントラルと東京都交通局によって運行されている。
竹の塚駅東口(東武)・竹の塚駅前(都営)
竹ノ塚駅高架化工事のため、2014年(平成26年)4月14日より、赤山街道沿いの踏切前(竹の塚保健総合センター・西友竹の塚店前)に移設された。
駅最寄りバス停留所名称の表記法については後述する。
当駅の所在地は「竹の塚」であるため、駅名表記についても「竹の塚」と間違える事例が多いが、正式には「竹ノ塚」である。読みも「たけのづか」ではなく「たけのつか」である。
都営バス・東武バスセントラルの一部などでは、「竹の塚駅」の表記も用いられている。
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