安閑寺(あんかんじ)は、東京都文京区にある真宗大谷派の寺院。
1628年(寛永5年)、釈善徹によって開山された。当初は市谷田町に寺基を置いていたが、その後、用地召し上げなどのため1647年(正保4年)に現在地に移転した。
元禄時代より衆生の病を治すべく、参拝者に灸を施術していた。そのため当寺は名灸として知られていた。
なお、異伝として下記のような話が伝わっている。
古墳時代の大連大伴金村の子・金枝は安閑天皇に仕えていたが、安閑天皇の崩御を深く悲しみ、官職を辞して安閑天皇陵に近い河内国石川の地(現・大阪府富田林市・南河内郡周辺)に隠棲し、子の金麿とともに安閑天皇の冥福を祈った。その後、仏教が伝来すると金枝は出家して「釈珍識」と名乗り、自宅を仏教の道場としたという。これを以て当寺の起源としている。
その後、天平年間(729年 - 749年)に安閑陵により近い高屋(現・大阪府羽曳野市古市)に移転し、「天皇山安閑寺」を称した。後に真言宗に属することになる。
建武年間(1334年 - 1336年)の兵乱により堂宇が消失したため、安閑天皇の位牌を奉持して三河国宝飯郡(現・愛知県蒲郡市・豊川市周辺)に移転する。
天正年間(1573年~1593年)に当寺第37世住職釈善徹は教如の弟子となり、浄土真宗に改宗した。そして、慶長年間(1596年~1615年)に江戸に移転した。
寺号が「安閑寺」であるのは「安らかに静かなるさま」を意味する普通名詞ではなく、山号が「天皇山」であることを含めて安閑天皇に由来するという。
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