東邦亜鉛株式会社(とうほうあえん、英: Toho Zinc Co., Ltd.)は、亜鉛・鉛・銀の製錬を中心とする日本の非鉄金属メーカー。鉛は国内トップ、亜鉛、銀もトップクラスのシェアを持つ。国内製錬事業の他にも、オーストラリアでの鉱山開発を手がける資源事業、電子部品・材料事業、電炉メーカーから発生するダストや使用済み電池の処理等を行うリサイクル事業、機器部品事業なども手がける。東証プライムに上場している。
事業所所在地
本社・支店
- 本社
東京都千代田区丸の内一丁目8番2号 鉃鋼ビルディング
- 大阪支店
大阪府大阪市中央区今橋3丁目3番13号 ニッセイ淀屋橋イースト
- 名古屋支店
愛知県名古屋市中村区名駅南1丁目24番30号 名古屋三井ビル本館
生産拠点
- 安中製錬所 - 群馬県安中市中宿1443
- 金属・リサイクル事業本部管轄。亜鉛製錬所で、亜鉛・カドミウム・機器部品などを生産する。
- 小名浜製錬所 - 福島県いわき市小名浜字芳浜10
- 金属・リサイクル事業本部管轄。亜鉛焼鉱を生産し、リサイクル事業の拠点でもある。
- 藤岡事業所 - 群馬県藤岡市中387
- 電子部材・機能材料事業本部管轄。電子部品・電子材料・防音建材を生産。
沿革
- 1937年(昭和12年)2月 - 日本亜鉛製錬株式会社として設立。
- 1937年(昭和12年)6月 - 安中製錬所操業開始。
- 1941年(昭和16年)9月 - 東邦亜鉛株式会社に社名変更。
- 1949年(昭和24年)5月 - 東京証券取引所・大阪証券取引所に上場。
- 1950年(昭和25年)3月 - 契島製錬所を買収。
- 1963年(昭和38年)9月 - 小名浜製錬所操業開始。
- 1966年(昭和41年)8月 - 藤岡製錬所操業開始。
- 1988年(昭和63年)6月 - 藤岡製錬所を藤岡事業所に名称変更。
- 2022年(令和4年)3月 - 契島製錬所を子会社の東邦契島製錬に承継。
- 2023年(令和5年)4月3日 - 同日株式取引分から日経平均株価の構成銘柄から除外。
事業部・主な製品
- 亜鉛・鉛事業本部
- 電気亜鉛
- カドミウム
- 電気鉛
- 電気銀
- ビスマス
- 硫酸
- 発煙硫酸
- 石膏
- 資源事業部
- 電子部品事業部
- 電解鉄事業部
- プレーティング事業部
- 機器部品事業部
- 環境・リサイクル事業部
- ソフトカーム事業部
グループ企業
- 国内子会社
- 株式会社ティーディーイー
- 安中運輸株式会社
- 東邦契島製錬株式会社
- 契島製錬所 - 広島県豊田郡大崎上島町東野5562-1
- 契島運輸株式会社
- 東邦キャリア株式会社
- 株式会社中国環境分析センター
- 在外子会社
出来事
鉱山保安法違反
1968年9月以降、安中製錬所がカドミウムの発生源として群馬県議会や国会で取り上げられるようになった。翌1969年の通産省東京鉱山保安監督部の調査では、認可を受けずに亜鉛電解槽、亜鉛華の焼結基、電気炉を造っていたことが発覚。同年7月に所長が鉱山保安法違反で前橋地検に書類送検された。さらに同年8月には安中市住民から精錬所と所長らを告発する動きがあった。1970年5月14日、前橋地方裁判所は元所長ら2人対して執行猶予付きの有罪判決、会社側に求刑よりも重い罰金を科す判決を言い渡した。
環境問題
同社は、安中製錬所から生じた鉱滓(スラグ)を、複数の建設会社に販売していたが、この中には、土壌汚染対策法で定められた環境基準の最大で約100倍の鉛や、数倍程度のヒ素が含まれていた。同社の内部調査によって、これらのスラグの一部が別の建設会社に転売され、群馬県内の住宅の庭や公園の駐車場など数十ヵ所で砂利として用いられていたことが2019年に明らかになった。同社は約70億円掛けて回収や撤去を実施するとしている。
脚注
出典
関連項目
- 安中公害訴訟
- 東邦亜鉛所有の私有貨車
- タキ15600形貨車
- トキ25000形貨車
- タキ1200形貨車
- 契島
- 篠井金山
外部リンク
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