神田駅(かんだえき)は、東京都千代田区にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)・東京地下鉄(東京メトロ)の駅である。
所在地は、JR東日本が鍛冶町二丁目、東京メトロが神田須田町一丁目である。
乗り入れ路線
JR東日本の各線(後述)と、東京メトロの銀座線が乗り入れ、接続駅となっている。
- JR東日本:各線(後述)- 特定都区市内における「東京都区内」および「東京山手線内」に属する。スリーレターコード「KND」が付与されている。
- 東京メトロ: 銀座線 - 駅番号はG 13。
JR東日本の駅に乗り入れている路線は、線路名称上は中央本線と東北本線の2路線である。このうち中央本線は当駅が起点であり、当駅の所属線ともなっている。
中央本線は、旅客案内上は「中央線」と呼ばれ、当駅より東北本線上の中央線専用線路を介して東京駅まで乗り入れている。当駅には中央線電車のほか、東北本線の電車線を走行する京浜東北線電車と山手線電車が停車するが、「東北(本)線」の名称は旅客案内では使用されていない。また、上野東京ラインや、東京駅発着の中央本線特急あずさ・かいじは当駅を通過する。そのため、東京駅 - 当駅間に区間外乗車の特例が設定されている。
- 中央線:八王子駅・高尾駅方面の列車と、立川駅から青梅線へ直通する列車も運行 - 駅番号はJC 02。
- 京浜東北線:電車線を走行する東海道本線・東北本線の近距離電車。駅番号はJK 27。
- 山手線:電車線を走行する環状路線。駅番号はJY 02。
歴史
- 1919年(大正8年)3月1日:鉄道院中央本線万世橋駅 - 東京駅延伸開業に伴い、中央本線の途中駅として開業。
- 1925年(大正14年)11月1日:東北本線が秋葉原駅から延伸され、京浜線(現・京浜東北線)および山手線との乗り換え駅となる。
- 1931年(昭和6年)11月21日:東京地下鉄道(現・東京メトロ銀座線)の駅が開業。
- 1941年(昭和16年)9月1日:陸上交通事業調整法により東京地下鉄道が路線を帝都高速度交通営団(営団地下鉄)に譲渡。
- 1949年(昭和24年)6月1日:日本国有鉄道が発足。
- 1956年(昭和31年)9月17日:ホームを1面増設し、京浜東北線と山手線の乗り場を分離。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化に伴い、国鉄の駅は東日本旅客鉄道(JR東日本)の駅となる。
- 1988年(昭和63年)3月13日:京浜東北線の快速運転開始に伴い、日中は京浜東北線が通過するようになる。
- 1990年(平成2年)
- 12月1日:JR東日本の南口・西口改札口に自動改札機を設置。
- 12月8日:JR東日本の北口・東口改札口に自動改札機を設置。
- 2001年(平成13年)11月18日:JR東日本でICカード「Suica」の利用が可能となる。
- 2004年(平成16年)4月1日:営団地下鉄の民営化に伴い、銀座線の駅が東京地下鉄(東京メトロ)に継承される。
- 2007年(平成19年)3月18日:東京メトロでICカード「PASMO」の利用が可能となる。
- 2015年(平成27年)
- 3月14日:京浜東北線の快速が停車するようになる。
- 6月20日:銀座線ホームに発車メロディを導入。
- 2016年(平成28年)2月13日:山手線(2・3番線)ホームでホームドアの使用を開始。
- 2019年(令和元年)10月23日:京浜東北線(1・4番線)ホームでホームドアの使用を開始。
- 2020年(令和2年)
- 3月14日:東京駅発着の中央線電車が快速運転に統一され、当駅に乗り入れる中央線各駅停車がなくなる。
- 秋:JR東日本で、駅ナカシェアオフィス「STATION BOOTH」が開業。
- 2021年(令和3年)10月31日:みどりの窓口の営業を終了。
- 2023年(令和5年)10月2日:JR東日本の駅名称に「アース製薬本社前」の副駅名を追加。併せて、山手線(2・3番線)ホームの発車メロディがアース製薬の口腔衛生ブランド「モンダミン」のCMソングに変更。各出口の改札口入口標などにアース製薬の商品の名称を追加。いずれも2028年(令和10年)9月30日までの5年間の予定。
駅構造
JR東日本
島式ホーム3面6線を有する高架駅で、京浜東北線南行の線路の東側に東北新幹線が、上層に上野東京ラインの高架が並行する。エスカレーターはホームと北改札との間を連絡するが、ホームと南改札との間には設置されていない。3・4番線に通じるエスカレーターは1階コンコースからそのままホームへと通じている。
改札口は南北に2か所。北改札(秋葉原・御茶ノ水寄り)から東口と北口が、南改札(東京寄り)から西口と南口が利用できる。銀座線への乗り換えは北改札の北口側からとなる。指定席券売機が設置されており、東口にはVIEW ALTTEが存在する。
上野東京ラインの工事に合わせ、ホームと改札を連絡するエスカレーターの大幅増設とエレベーターの新設工事、および南口コンコースと出入口を連絡するエレベーターの新設工事が行われた。
直営駅(駅長配置)であり、管理駅として総武快速線の新日本橋駅、馬喰町駅を管理している。
のりば
(出典:JR東日本:駅構内図)
- 当駅に停車する中央線電車(橙色帯の電車)はすべて快速または特別快速・通勤快速であり、各駅停車(黄色帯の電車)は乗り入れない。
- 中央線などで運用されているE233系車内のLCD案内では京浜東北線の表示がされているものの、自動放送による乗換案内はされていない。
- JR中央線は、2020年代前半(2021年度以降の向こう5年以内)を目処に快速電車に2階建てグリーン車を2両連結させ12両編成運転を行う。そのため中央線の電車が停車する5・6番線は、ホームの12両編成対応の改築工事が行われる。
- 中央線では隣の東京駅が京浜東北・山手線等よりも高い3階にあり、なおかつ新幹線をはじめとした各方面から利用者数も多い関係で当駅よりも乗り換えに多少の時間を要することが多いため、朝ラッシュ時を中心に中央線東京行から山手線外回り(東京・品川方面行)または京浜東北線南行に乗り換える乗客が多く見られる。
発車メロディ
1番線ではサウンドファクトリー、2・3番線では「モンダミン」のCMソング、4番線ではサウンドフォーラム、5・6番線ではテイチク制作のメロディを使用している。
2・3番線では2023年10月1日まで日本電音の「せせらぎ」が使用されていた。
東京メトロ
島式ホーム1面2線を有する地下駅で、扇形の形状をしている。1932年4月29日に銀座線が三越前駅まで開業すると途中駅となったため、線路は途中まで南口の地下通路を挟んでいる。なお、南口地下通路に直結する2番出口はビルと直結している。
改札口はホームの前後にあり、浅草寄りにある須田町方面改札口は階段上、渋谷寄りにある内神田方面改札口は同一階に設置されている。エスカレーターは設置されていない。JR線への乗り換え通路は渋谷寄りにある。地下通路とJRコンコースを連絡する階段は天井高さが非常に低い。
須田町方面改札口を出た先には、かつて東京地下鉄道が経営していた神田須田町地下鉄ストアに通ずる地下商店街が設けられていた。これらがある地下通路をそのまままっすぐ進んだ先の出口は6番出口で、付近は須田町交差点があり、秋葉原電気街の南端に近い。須田町交差点はかつて都電最大級の要衝であり、都電からの乗り換え客の利便および地下鉄ストアへの利用客誘致のために長い地下通路が設けられた。
のりば
(出典:東京メトロ:構内図)
発車メロディ
2015年(平成30年)6月20日から、美空ひばりの「お祭りマンボ」をアレンジしたものを発車メロディ(発車サイン音)として使用している。メロディはスタマックの制作で、編曲は永田太郎が手掛けた。
利用状況
- JR東日本 - 2022年度の1日平均乗車人員は81,046人である。
- JR東日本管内の駅の中では目黒駅に次いで第42位。2016年度は6年ぶりに10万人を上回った。
- 東京メトロ - 2022年度の1日平均乗降人員は47,348人である。
- 東京メトロ全130駅中71位。銀座線で乗り換え路線のない外苑前駅よりも少ない。
年度別1日平均乗降人員
近年の1日平均乗降人員推移は下表の通り(JRを除く)。
年度別1日平均乗車人員(1910年代 - 1930年代)
近年の1日平均乗車人員推移は下表の通り。
年度別1日平均乗車人員(1953年 - 2000年)
年度別1日平均乗車人員(2001年以降)
- 備考
駅周辺
中小のビルが立ち並ぶオフィス街。西口側には神田駅西口商店街があり、昔ながらの商店街が現在も残っているほか、サラリーマンの街として知名度が高く、居酒屋も多い。また西口周辺には、東京都内で最初に建設された下水道である神田下水の一部が現在も機能している。東口から中央通り沿いに南下すると新日本橋駅(横須賀・総武快速線)・三越前駅(半蔵門線・銀座線)に到着する。
東京メトロの浅草寄り出口は中央通り・靖国通りが交わる須田町交差点に面し、秋葉原電気街の南端に近い。
神田古書店街は当駅ではなく神保町駅が最寄りである。また、JR東日本のホームにある出口・乗り換え案内には「神田明神へは、御茶ノ水駅下車が便利です。」といった案内表記がなされている。
バス路線
最寄りの停留所は、北口に位置する神田駅前と、東京メトロ6番出口前の須田町となる。都営バスの以下の路線が平日・土曜に限り乗り入れる(休日ダイヤでは経由しない)。
隣の駅
- 東日本旅客鉄道(JR東日本)
- 中央線
- ■特別快速「ホリデー快速おくたま」(土休日上りのみ)・■通勤特快(平日上りのみ)・■中央特快・■青梅特快・■通勤快速(平日下りのみ)・■快速
- 東京駅 (JC 01) - 神田駅 (JC 02) - *
万世橋駅 - 御茶ノ水駅 (JC 03)
- *
打消線は廃駅
- 京浜東北線
- ■快速・■各駅停車
- 秋葉原駅 (JK 28) - 神田駅 (JK 27) - 東京駅 (JK 26)
- 山手線
- 秋葉原駅 (JY 03) - 神田駅 (JY 02) - 東京駅 (JY 01)
- 東京地下鉄(東京メトロ)
- 銀座線
- 三越前駅 (G 12) - 神田駅 (G 13) - 末広町駅 (G 14)
脚注
記事本文
注釈
出典
報道発表資料
新聞記事
利用状況
- JR・地下鉄の1日平均利用客数
- JR東日本の1999年度以降の乗車人員
- 東京地下鉄の1日平均利用客数
- JR・地下鉄の統計データ
- 東京府統計書
- 東京都統計年鑑
参考文献
- 曽根悟 著「中央本線」、朝日新聞出版分冊百科編集部 編『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』5号、朝日新聞出版、2009年8月9日。
関連項目
外部リンク
- 駅の情報(神田駅):JR東日本
- 神田駅/G13 | 路線・駅の情報 | 東京メトロ
- 『市街高架線東京万世橋間建設紀要』 - 国立国会図書館デジタルコレクション
- 『東京万世橋両駅間高架鉄道開通祝賀会『歴史写真. 大正8年4月號』』 - 国立国会図書館デジタルコレクション
- 交建設計「東京メトロ銀座線神田駅」 - ウェイバックマシン
. Source: