周南市(しゅうなんし)は、山口県の東南部に位置する市。
南部は瀬戸内海に面し、臨海部は瀬戸内工業地域が広がっている。国際拠点港湾である徳山下松港とともに、主要産業である重化学工業企業が多数立地しており、これに接する形で市街地が形成されている。また、港は複数の島に囲まれており、一部は定期航路が設定されている。一方北部は中国山地の一部にあたり、農村地域が点々と存在している。
隣接する下松市や光市とは、産業・経済・交流面での結びつきが強く、3市は「周南地区」と呼称される(3市の市名から「周南・下松・光地区」と呼称されることもある)。山口県は、都市計画基本方針において、3市を人口約25万人の「周南広域都市圏」と定義している。
面積は約656.29km2で、県内19市町中、萩市に次ぐ第5位。
市域は旧都濃郡と近しいが、下松市が外れ熊毛郡熊毛町が入る。また、周南市発足以前の合併によって旧佐波郡の一部を含む。
北部は、錦川の上流にあたる鹿野盆地などでは冬季には積雪がある。一方、瀬戸内海に面した南部には平野が広がり、気候も比較的温暖で、年に数えるほどしか積雪することはない。
なお、気象庁の一次細分区域は、山口市や防府市と同じ中部にあたる。
周南市の地名を参照。
周南市は、2003年(平成15年)4月に徳山市、新南陽市、熊毛町、鹿野町の2市2町が新設合併し発足した。市名は、2001年(平成13年)当時の3市2町(徳山市、下松市、新南陽市、熊毛町、鹿野町)合併協議会において決定したものを、下松市が合併協議から離脱した後に設立された2市2町合併協議会が引き継いだものである。
新市名の案は、当時の3市2町の住民からの公募で選ばれた。「周南」とは周防国の南部という意味で(方角地名)、山口県の瀬戸内海沿岸の広い地域を指す名称(広域地名)として使用されてきた。昭和後期以降、当時の4市4町(徳山市、下松市、光市、新南陽市、熊毛町、鹿野町、大和町、田布施町)において広域合併の議論が高まるにつれ、この合併構想が「周南合併」と呼称されるようになり、主に4市4町を指す呼称として浸透していった。
また、平成の大合併において人口10万人以上の市を含む合併(新設・編入は問わない)において、最大規模の市の名を引き継がなかったのは首都圏を除けば唯一の例である。なお、新市名の最終6候補には徳山市も含まれており、他には、とくやま市、のぞみ市、東山口市、毛利市が候補に挙がっていた。
周南地区の市町合併は周南合併と呼ばれ、 2003年(平成15年)4月の周南市の誕生は、いわゆる「平成の大合併」の、山口県内における初の事例となった。1980年代後半ごろから周南地域における市町の合併機運が高まり、4市4町(徳山市、下松市、光市、新南陽市、熊毛町、田布施町、大和町、鹿野町)を中心とした合併が模索されてきた。
2市2町合併協議会の設立の際、2市2町の合併は「先行合併」と位置付けられたが、2003年の合併以後、周南市、下松市、光市において合併を求める機運は薄くなっており、更なる合併に向けた目立った動きはみられない。
旧熊毛町においては、市外局番や、消防・警察の所轄が市内の他の地区と異なるほか、市役所本庁(旧徳山市中心部)へ最短で移動する場合に下松市を経由する必要がある状況となっている。
国立社会保障・人口問題研究所が2018年に発表した『日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)』では、2045年時点での周南市の人口予は107,540人(2015年を100とすると74.2)と推計されている。隣接する自治体では、下松市50,419人(同90.3)、光市35,636人(同69.4)、防府市101,202人(同87.3)、山口市178,452人(同90.4)、岩国市89,637人(同65.5)である。
周南市都市計画マスタープランに基づく7地域、周南市公共施設再配置計画に基づく31地区に分類される。
徳山駅周辺の中心市街地では、銀座、新宿、原宿、晴海、有楽町、代々木、千代田など、東京の地名が多く住居表示に使われている。これらは第二次世界大戦後に施工された戦災復興土地区画整理事業に伴い新たに命名された地名である。
2020年(令和2年)6月23日現在。
周南市の主要産業は重化学工業であり、旧徳山海軍燃料廠から発展した石油コンビナート(周南コンビナート)が形成されている。
徳山湾沿いの沿岸部には大手化学メーカーのトクヤマ・東ソーや石油元売りの出光興産、ステンレス鋼加工の日鉄日新製鋼が拠点事業所を置き、製造品出荷額等は山口県内第1位で、瀬戸内工業地域の重要な位置を占める。また、工場群の夜景は日本夜景遺産にも認定され、観光(工場萌え)の要素も持ち合わせる。
1960年代以降、徳山駅の北東に広がる中心市街地に、松下百貨店(のちの近鉄松下百貨店)、ダイエー徳山店(のちのトポス徳山店)、ニチイ徳山店(のちの徳山サティ)といった百貨店・総合スーパーの出店が相次ぎ、周南地区を代表する商業地として発展した。
1990年代以降は、モータリゼーションの進行に伴い、周辺部で郊外型ショッピングセンター(SC)やロードサイド店舗が発展した。旧新南陽市域でゆめタウン新南陽やイオンタウン周南が、隣接する下松市でザ・モール周南(現・ゆめタウン下松)やサンリブ下松などが開業した。一方、中心市街地の商業地は衰退が進み、それまで発展を支えた総合スーパーや百貨店はすべて姿を消した。
2012年(平成24年)に山口県が行った調査では、旧熊毛町域は下松市の第1次商圏、旧徳山市域・旧鹿野町域は下松市の第2次商圏となっており、市内から下松市への購買力の流出が顕著である実態が明らかとなった。一方、市内においても郊外型SCの立地する旧新南陽市域では、高い地元購買率を維持していた。
2010年代に入り、中心市街地では徳山駅周辺整備事業が着工された。平成末期の2014年から2017年頃には、旧徳山市域においても、ゆめタウン徳山やイオンタウン周南久米など、郊外型SCの出店が相次いだ。
店舗面積10,000m2を以上の大規模小売店鋪を以下に記す。
南部は瀬戸内海に面しており、漁業が行われている。ふぐは下関市の特産品として有名であるが、周南市の粭島(すくもじま)は、ふぐの延縄漁法発祥地であることから、隠れたふぐの本場としても知られる。北部では農業が中心で、梨やぶどうが栽培されている。
第二地銀である西京銀行の本店のほか、県内外の銀行や、みずほ銀行・三菱UFJ銀行の2つの都市銀行が支店を構える。三菱UFJ銀行徳山支店は旧三菱銀行→東京三菱銀行の店舗で、東京三菱銀行時代は県内唯一の店舗だった(三菱UFJ銀行徳山支店は2023年2月20日で閉鎖され宇部支店に統合される)。
全て市立小学校である。
(休校中)
すべて防長交通による運行。
以下の路線が周南市内を発着・経由する。すべて防長交通による運行(カルスト号のみ近鉄バスとの共同運行)。
※太字は周南市内の停車地
市外局番は、旧熊毛町が0833(40 - 79、90 - 99)、その他が0834(20 - 69、80 - 89)となっている。
郵便番号は、以下の通りとなっている。
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