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EMIミュージック・ジャパン


EMIミュージック・ジャパン


株式会社EMIミュージック・ジャパン(イーエムアイミュージックジャパン、英語: EMI Music Japan Inc.)は、1960年から2013年まで存在した日本のレコード会社。

旧称は東芝音楽工業株式会社(とうしばおんがくこうぎょう) → 東芝イーエムアイ株式会社(とうしばイーエムアイ、TOSHIBA-EMI LIMITED、通称:東芝EMI)。元来は東芝グループの会社として成立したが、2007年に音楽事業をイギリスのEMIグループへ売却して撤退。EMIグループ自体も2012年にアメリカ合衆国のユニバーサル ミュージック グループの傘下となったため、翌2013年にユニバーサル ミュージック合同会社に吸収合併され解散した(詳細は後述)。

その際、邦楽制作部門がユニバーサルミュージック傘下レーベル「EMI Records Japan」として残り、レーベルの統合を経て同社の傘下レーベル「Virgin Music」(ヴァージン・ミュージック)、「EMI Records」(イーエムアイ・レコーズ)となっている。キャッチコピーは「Music for all, All for music」。

概要

1960年に東京芝浦電気(現:東芝)の音楽レコード事業部が独立し、東芝音楽工業(とうしばおんがくこうぎょう)として設立された。1973年にかねてより取引していた4大メジャーレコード会社のひとつであるイギリスのEMIグループが資本参加し、東芝EMITOSHIBA-EMI LIMITED)に改称する。

洋楽はザ・ベンチャーズ、ザ・ビートルズ、クイーンなど、邦楽は坂本九、由紀さおり、松任谷由実、オフコース、薬師丸ひろ子、坂本冬美、BOØWY、および同グループ元メンバーの氷室京介と布袋寅泰、THE ALFEE、宇多田ヒカル、東京事変および同グループリーダーの椎名林檎など、ポピュラー音楽の代表格を多数輩出した。

ビートルズのCDを発売する前のレコードの時代は、イギリス盤、アメリカキャピトル編集盤、日本編集、ドイツ、イタリアなどのあらゆる編集盤を発売。

2002年以降はエイベックスに並ぶコピーコントロールCD(CCCD)推進派の筆頭格で、のちに2005年夏期から後続規格となったセキュアCDの推進役も務めた。他社がその適用を縮小する中で、演歌や歌謡曲の一部などを除き一律CCCD適用の姿勢を崩さなかったが、2006年にCCCDの販売から完全に撤退した。

音楽配信事業は東芝EMI時代から寛容的で、2007年5月31日から海外のEMIグループと歩調を揃えてiTunes StoreにてDRMフリー楽曲の提供を始めた。ソニー・ミュージックエンタテインメントがソニーとの関係から配信するウェブサイトが限定される状況とは対照的に、当初から様々なウェブサイトで配信されている。第3世代光ディスクは、当初から東芝主導で海外のEMIグループが参入していたHD DVDではなく、Blu-ray Discで参入を表明していた。

東芝の撤退、そして吸収合併

1994年以降、EMIグループが55%を出資、残りの45%を東芝が出資したが、2006年に東芝が保有全株をEMIグループへ売却、音楽ソフト事業から撤退することを発表。理由は東芝側の主力事業の経営資源投入強化による関連事業の見直しとEMI側からの買収の提案があり、両社がこれに同意したため。

2007年6月、EMIグループへの株式売却が完了、社名をEMIミュージック・ジャパンEMI Music Japan Inc.、以下EMI-J)に変更。創立当初からのコーポレート・スローガンである“心への音楽”は継承された。

それから5年余りが経った2012年、英EMI本部がレコード部門をアメリカのユニバーサル ミュージックへ売却して消滅。これに伴い、ユニバーサル ミュージック合同会社(UML)とEMI-Jはグループ会社となり、経営統合に向けて両社で協議を行った結果、翌年の2013年、UML側がEMI-Jを吸収合併することで合意。EMI-Jも2013年3月をもって解散。旧東芝音楽レコード事業部時代から数えて通算58年の歴史に幕を下ろした。EMI-Jに存在したレーベルは一旦集約されEMI Records Japanとなったが、このうちVirgin Musicが2014年に独立した。

沿革

  • 1955年10月 - 東芝が音楽レコード事業に参入する。EMIのHMVがRCAレコードと業務提携を打ち切り、キャピトル・レコードを傘下に収めたことで日本ビクターの音楽レコード事業部(現:JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント)はHMVのタイトルが販売不可能となり、その受け皿となった。第1回はヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮、ウィーン・フィルハーモニー交響楽団演奏、ベートーヴェン作曲、交響曲第5番「運命」を、12インチLPで2300円で発売した。この「運命」を始めに同社がレコード事業を開始後の数年間は、英EMI、米キャピトル原盤の音源は本国からの輸入メタル原盤からプレスしたソフトが多かった。
  • 1958年頃 - 静電気防止剤を混合したレコード「エバー・クリーン・レコード」を開発して発売する。配合剤添加による区別のため、盤面が赤色を呈していたことから「赤盤」とも愛称された。
  • 1959年3月 - ステレオ・レコードを発売する。トーマス・ビーチャム指揮、ロイヤル・フィルハーモニー交響楽団演奏、リムスキー=コルサコフ作曲「シェヘラザード」(ASC-1001)ほかを全タイトルともエバー・クリーン・レコードで発売した。自社製作でステレオ録音を開始する。
  • 1960年10月1日 - 音楽レコード事業部門が分離独立して東芝音楽工業株式会社が設立される。設立時の資本金は1億5千万円である。
  • 1962年 - 英EMIのコロムビアと日本コロムビアが契約終了により英コロムビア音源の発売権を取得し、EMI傘下レーベルは他レーベルと共同制作盤など一部を除きすべてが東芝から発売される。メロディアとEMIの共同制作盤は、アナログ盤時代にメロディアの発売権を有していたビクターエンタテインメント(現:JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント)から発売された。CD化時にEMI側の権利から東芝EMIからの発売となった。
  • 1971年10月1日 - 富士山の麓、静岡県御殿場市に最新鋭の生産機能を取り入れた御殿場工場を開設。
  • 1973年9月5日 - ニュー・サウンズ・イン・ブラス第2集の発売開始。「発売開始の時の名前はヤング・ポップス・イン・ブラス!!」。以降、今日まで製造・発売している。
    • 10月1日 - キャピトルEMIが資本参加し、東芝イーエムアイ株式会社(東芝EMI)と改称。
  • 1978年9月11日 自社製作におけるデジタル録音を、同社の第1スタジオにて開始する。最初の録音は、第一家庭電器用のLPソフトで、「サマータイム PCM vs Direct 山本剛トリオ+鈴木勲」、同年11月配布開始)。デジタル(PCM)録音用のプロセッサーには、当時、市販前だった東芝製のAurex PCM-MK Iを使用し、記録レコーダーには、ソニーのU規格のVTRを使用した。翌年の夏頃から、Aurex PCM-MK IIを使った16ビット直線量子化によるデジタル録音を開始する。
  • 1979年11月頃 - 自社製作において初めての、一般向け市販LPでのデジタル録音によるソフトを発売する。
  • 1981年 - デジタル録音機としてPCMプロセッサー ソニーPCM-1610を導入、運用開始。これを機に、Aurex PCM-MKIIを使ったデジタル録音は無くなっていった。
  • 1982年5月24日 - 港区赤坂2丁目(溜池交差点脇)に本社ビルが完成。
    • 11月 - コンパクトディスクを発売する。製造はのちに自社で行なうまでCBS・ソニー静岡工場(現:ソニーDADCジャパン静岡工場)に委託した。
  • 1983年頃 - 本社スタジオに、24チャンネルマルチデジタル録音機であるソニーPCM-3324を導入、運用開始。
  • 1988年8月 - RCサクセションのアルバム『COVERS』発売中止騒動が起こる。
  • 2005年12月26日 - 製造部門(東芝EMI御殿場工場)を分割。音楽ソフト制作事業に専念するために、光ディスク製造大手のメモリーテック、ゴールドマン・サックス証券らに売却。製造部門は売却後、トエミ・メディア・ソリューションズ株式会社となる。
  • 2006年12月14日 - 東芝が、保有する東芝EMI全株式を2007年度上期中に210億円でEMIグループに売却すると発表。これに伴い、東芝EMIは東芝グループから離脱し、東芝は音楽事業から撤退。
  • 2007年6月30日 - 社名を東芝イーエムアイ株式会社から株式会社EMIミュージック・ジャパンへ変更。なおTO、TT等の規格品番は引き続き使用された。
  • 2008年2月18日 - 本社を赤坂5丁目(赤坂サカス内赤坂Bizタワー)へ移転。これにより赤坂2丁目(溜池)にあった旧本社ビルは解体された。
    • 3月5日 - Blu-ray Disc市場参入。第1弾は松任谷由実ライヴ映像作品「YUMING SPECTACLE SHANGRILA III」をDVDとBlu-ray Discの2フォーマットで同日発売。
  • 2010年10月1日 - 旧・東芝音工時代から数えて、創立50周年を迎えた。
  • 2012年10月1日 - 親会社(レコード部門)がユニバーサル ミュージック グループに買収されたため、ユニバーサル ミュージック合同会社(以下、UML)の子会社になる。
  • 2013年1月15日 - UMLの小池一彦CEOがEMIミュージックの社長を兼任する。
    • 4月1日 - UMLがEMIミュージック・ジャパンを吸収合併する形で経営統合して解散。邦楽制作部門は同社の傘下レーベルEMI Records Japanとして集約された後、EMI RecordsとVirgin Recordsに分割。規格品番(USM JAPAN発売分も含め)2013年9月発売分まではTO、2013年10月1日発売以降はTYに変更される。そして所属アーティストは全員UMLへ移籍。
  • 2014年5月 - EMI Recordsの規格品番がUP**に変更される。それまで使用していたTY**はVirgin Records専用となる。USM JAPANが発売元となる作品はUPCY(邦楽)・UICZ(洋楽、カタログ販売等の邦楽も一部含む)に統一されている。

所属アーティスト

解散時に所属していたアーティスト

過去に所属していたアーティスト

ア行

カ行

サ行

タ行

ナ行

ハ行

マ行

ヤ行

ラ行

ワ行

  • ザ・ワイルドワンズ(1966年〜1984年)(EMI-J → ファンハウス)
  • 和田加奈子(1985年〜1991年)(引退)
  • WANDS(1991年〜1993年11月にB-Gram RECORDSに移籍、2000年解散)

レーベル

複数のレーベルに所属しているアーティストも存在していた。2013年4月以降は、ユニバーサル ミュージックの傘下レーベル「EMI R」( → Virgin Music)、および「EMI Records」(一部例外あり)に統一したためこれらのレーベルは一部を除き消滅した。

※☆はユニバーサル ミュージック Virgin Music/EMI RECORDS以降も継続中のレーベル

EMIミュージック・ジャパンは以下の5カンパニーに分かれ、CD発売をはじめとした業務を行なっていた。

  • Capitol Music
  • Foozay Music
  • International(洋楽)
  • Strantegic Marketing(過去所属のアーティストによる音源・ジャズ・クラシックを中心に取り扱っていた)
  • Virgin Music

東芝EMI、EMIミュージック・ジャパン時代に消滅したレーベル

  • 東芝レコード(Toshiba RECORDS) - 演歌、歌謡曲専門レーベル。先述した通り2007年の東芝グループの離脱により商標が使用できなくなったため。最後まで旧ロゴ・通称東芝傘マークを使用していた。また、当レーベルに所属した歌謡曲・演歌を除く一部の邦楽系アーティストは過去に所属していたアーティストを含め、事実上、エキスプレス、イーストワールド、キャピトルなど他の東芝EMIのレーベルに移動した。
  • MELODY STAR RECORDS
  • RESERVOIR RECORDS
  • TM FACTORY
  • radiosonic records - アップストリーム所属アーティスト向けレーベル。品番はTOCX-○○。現在レーベルはキングレコードに移管。
  • WHO RING - 本多俊之のプライベートレーベル。
  • Virgin DCT - DREAMS COME TRUEのプライベートレーベルで東芝EMI時代(DREAMS COME TRUEの海外進出に伴い、EMIグループ傘下の米ヴァージン・レコードと提携)のレーベル。のちにユニバーサル ミュージックへ移籍(のちにプライベートレーベルの名称をDCT recordsに変更)。
  • FAITHFUL - 音楽事務所フェイスミュージックエンタテインメント所属アーティスト専門のレーベル。1999年7月にポニーキャニオンから移動。品番はBF○A-○○○○○。

製造・販売受託していたレコード会社

ジェイ・ストーム・アルファミュージックの商品を除いて、帯の背部分に東芝EMIが販売している商品を示す3色(緑・黄・赤)のマークが付けられていた。

  • ファンハウス(現・ソニー・ミュージックレーベルズ/Ariola Japan) - 1984年から1988年3月まで。1988年4月1日から1996年4月30日まではポリドールが販売受託。1996年3月1日にBMGビクターの子会社になってからは同年5月1日よりBMGが販売。
  • cutting edge - 2000年1月まで。2000年2月以降はエイベックスの自社販売。
  • R&C Japan(現・よしもとアール・アンド・シー) - 2002年6月まで。
  • J storm - 2006年10月まで。台湾・香港での現地盤の販売もEMIの海外法人が請け負っていた。
  • トーラスレコード(現・ユニバーサル ミュージック) - 1995年3月まで。
  • アルファミュージック - 1994年4月から1998年まで。1998年にレーベル運営終了後もカタログとして暫く残され販売されていたが、2001年に廃盤となっている。
  • 京都レコード
  • ミューチャー・コミュニケーションズ - 旧プラティア・エンタテインメント。旧社名時代はキングレコードへ販売委託。2007年7月頃に自己破産申請。
  • UNLIMITED RECORDS - 音楽事務所アンリミテッド・グループが原盤供給した作品に付けられており、制作セクションはVirgin Musicが担当。規格品番はTO○T-○○○○ではあるが、「発売元:アンリミテッド・グループ」「販売元:東芝EMI」とパッケージにそれぞれ表記される。
    • mustard(マスタード) - 1998年設立のGLAYのプライベートレーベル。東芝EMIが販売受託したのは、2003年から2005年まで。
    • LEMONed(レモネード) - 1996年にhideがユニバーサル ビクター(旧:MCAビクター)内に設立したレーベル。1999年にZEPPET STOREが東芝EMIに移籍したのに伴いレーベルも移管されるが、hideのタイトルに関しては引き続きユニバーサルビクターから発売された。
    • UME(ユーエムイー、Unlimited Music Entertainment) - 175R、Jackson vibeが所属していたレーベル。2005年前半までの名称は「UNLIMITED RECORDS2」。レーベル自体は2002年発売のSHAKALABBITS、175Rによるコラボレーションシングル「STAND BY YOU!!」の時点で存在したが、正式な作品のリリースは2003年発売の175Rのメジャーデビューシングル「ハッピーライフ」からとなる。
  • ウェブクウ - 2000年11月から2013年3月まで。同年4月以降はユニバーサル ミュージックに引き継がれた。
  • アストロノーツスター(Astronotes Star) - 1999年に布袋寅泰が設立したレーベル。第一弾アーティストとしてthe autumn stoneがデビュー。その後SONIC TANK、JET SETSと続けてデビューした。2001年閉鎖。

主なコンピレーションアルバム・サウンドトラック

ソフトウェア

1980年代から90年代において、東芝EMIも同業他社と同じくゲームソフトの開発・販売を手掛けており、同社のゲーム部門の社員が設立した組織としてハムスターが存在する。1999年にこの事業から撤退した後は、ハムスターがPlayStation用ソフトの販売権を継承し、廉価版等をリリースしている。また、『ガラージュ』は、2004年に監督の作場知生が開発元のキノトロープから許可を得て「私家版」として発売したほか、2021年には「完全版」がスマートフォン向けアプリとして配信された。そして、2022年には「完全版」のSteam版が配信された。

ゲームの以外のソフトウェアも手掛けていた。

主なゲームソフト

MSX
  • スゥーワーサム
ファミリーコンピュータ
  • パチコン
  • バード・ウィーク
  • ハイドライドスペシャル
  • DAIVA STORY 6:ナーサティアの玉座
  • マグナム危機一髪
  • ゾイド 中央大陸の戦い
  • ゾイド2 ゼネバスの逆襲
  • ダイナマイトボウル
スーパーファミコン
  • スーパー・バック・トゥ・ザ・フューチャー2
  • ソード・マニアック
  • サンダースピリッツ
  • サイバリオン - ただしゲーム中のBGMはアーケード版と全く異なっている。
  • バトルマスター 究極の戦士たち
メガドライブ
  • マスター・オブ・モンスターズ
PlayStation
  • マスター・オブ・モンスターズ 〜暁の賢者達〜
  • EGG
  • ずっといっしょ
  • マスモンKIDS
  • ルシファー・リング
  • ロードモナーク〜新・ガイア王国記〜
  • キャプテン・ラヴ
  • 発車オーライ!ガタンゴトン - JR東日本、ジェイアール東日本企画、トミー(現・タカラトミー)が制作に全面協力しており、ジャケットには各社のロゴも記載されている。
Windows
  • ガラージュ
  • ずっといっしょ
  • STOLEN SONG
  • 実践パチンココンストラクション - 1998年12月9日の発売が予定されていたが、開発元より知的財産権侵害を訴えられ、中止となった。

アニメ

脚注

注釈

出典

関連項目

外部リンク

  • ユニバーサル ミュージックジャパン公式サイト
  • Virgin Records
  • EMI Records Japan (EMIRecordsJapan) - Facebook
  • EMI Records Japan (@EMI_Records_JP) - X(旧Twitter)
  • EMI Records Japan - YouTubeチャンネル
  • EMIミュージック・ジャパン - メディア芸術データベース

Text submitted to CC-BY-SA license. Source: EMIミュージック・ジャパン by Wikipedia (Historical)


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