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鳥人間コンテスト選手権大会


鳥人間コンテスト選手権大会


鳥人間コンテスト選手権大会』(とりにんげんコンテストせんしゅけんたいかい、英: JAPAN INTERNATIONAL BIRDMAN RALLY)は、読売テレビ放送主催による人力飛行機の滞空距離および飛行時間を競う競技会。

概要

1977年に滋賀県近江八幡市の宮ヶ浜水泳場で第1回が開催されて以降、毎年7月に滋賀県彦根市の琵琶湖を舞台に開催され、1980年(第4回)以降は同市内にある松原水泳場を会場としている。その模様は、読売テレビ制作・日本テレビ系列で全国ネットの特別番組として放送されている。

参加団体や関係者からは、省略して「鳥コン」とも呼ばれる。

同様のイベントは「Birdman Rally」として1971年にイギリスで始まったのを皮切りに数か国で開催されている。

初期のテレビ放送では、タイトルの頭に「飛べ、栄光の大空へ!」というキャッチコピーが付けられていた。第34回(2011年)以降は「飛ばなきゃならない理由(ワケ)がある!」をキャッチコピーにしている。

当初は『びっくり日本新記録』内の1競技として、同番組で第1回が放送され、第2回から単独番組となった。なお、第1回は「鳥人間コンテスト日本大会」(とりにんげんコンテストにほんたいかい)、第2回 - 第4回は「鳥人間コンテスト世界大会」(とりにんげんコンテストせかいたいかい)というタイトルだった。なお、「鳥人間」は讀賣テレビの登録商標(商標登録番号第4776282号)である。また、第21回から第35回までの放送では、大会イメージソングを年替わりで設定していた(後述)。

参加チームについては、大会の規模が大きくなるにつれて、個人参加から大学のクラブ・サークル単位による参加が主流になっている。学生時代にパイロットやスタッフとして当大会へ参加した社会人が「鳥人間OB」として独自にチームを結成したり、出身校や他チームにノウハウや経験を伝えたりすることも多い。近年の放送では、日本以外の国から参加するチームや、著名人が番組・所属事務所単位で挑戦するチームにも焦点を当てている。

2010年には、この年に創業80周年を迎えた岩谷産業が、創業記念事業の一環として大会に特別協賛。『Iwataniスペシャル 第33回鳥人間コンテスト選手権大会』(イワタニスペシャル だい33かいとりにんげんコンテストせんしゅけんたいかい)というタイトルで実施されるとともに、この大会から、社内で結成した「Iwataniクリーンエネルギーチーム」が他の出場者と同じ条件で滑空機部門に参加している。岩谷産業は2011年以降も特別協賛を続けているため、同年以降の大会は、『Iwataniスペシャル 鳥人間コンテスト(西暦)』(イワタニスペシャル とりにんげんコンテスト)として開催されている。

開催中止

2021年までの時点で開催を全面的に中止した年は、1997年(第21回)、2009年、2020年の3回である。

1997年
台風9号が会場付近を直撃したため、大会史上初めての全面中止に至った。
2009年
前年のリーマン・ショック(2008年9月15日)発生以降に急速に悪化した世界金融危機により讀賣テレビの広告収入が減少したことに加え、地デジの設備投資などに伴う全社的な経費削減、安全性の向上を目的とした人力飛行機離陸用仮設プラットフォームの設計変更などを理由に中止に踏み切った。しかし、大会の復活を望む意見が全国の出場希望者から読売テレビへ多数寄せられたことに加え、上記の通り岩谷産業が特別協賛として参加することになり、翌年より再開された。
2020年
年頭より新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が続く影響で全面中止。9月26日には、中止決定後の動きやコンテスト自体の魅力を紹介すべく富士川滑空場(例年は大会前に出場予定機のテストフライトで使用する静岡県内の常設滑空場)で収録した『Iwataniスペシャル 鳥人間コンテスト2020 特別編 ~新たな挑戦~』が、全国ネットで13:30 - 14:55に放送された。

歴史

  • 1977年(昭和52年) - 第1回を開催(近江八幡市・宮ヶ浜水泳場)、『びっくり日本新記録』内で放送。
  • 1978年(昭和53年) - 第2回のダイジェストを、読売テレビ開局20周年記念番組として放送。
  • 1980年(昭和55年) - 会場を彦根市・松原水泳場に移す。
  • 1986年(昭和61年) - 滑空機部門と人力プロペラ機部門を分離。
  • 1987年(昭和62年) - コミックエントリー部門廃止。
  • 1988年(昭和63年) - 強風のため人力プロペラ機部門が中止。
  • 1989年(平成元年) - 人力プロペラ機部門が中止。
  • 1990年(平成2年) - 強風のため滑空機部門が中止。
  • 1997年(平成9年) - 台風9号直撃のため、大会史上初めて、全ての競技を中止。
  • 1998年(平成10年) - 2日間開催に移行。
  • 2004年(平成16年) - 天候不良の影響で、人力プロペラ機部門の競技が不成立(事実上の中止)。
  • 2009年(平成21年) - 経済状況の悪化を背景に、読売テレビがダイジェスト番組の制作を見直す方針を打ち出したため、開催自体を中止(正式な中止は初の事例)。
  • 2010年(平成22年) - 2年振りに開催するとともに、岩谷産業が協賛スポンサーに初参加。
  • 2014年(平成26年) - 人力プロペラ機ディスタンス部門の競技が不成立。
  • 2018年(平成30年) - インターネット向けに、公式YouTubeチャンネルで大会当日のライブ配信を滑空機部門の一部で初めて実施。台風12号直撃の影響で、人力プロペラ機部門の競技が不成立。
  • 2019年(令和元年) - 台風6号直撃の影響で、1日目の滑空機部門の一部と人力プロペラ機部門の一部を2日目に延期して開催。
  • 2020年(令和2年) - 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行を背景に、日本全国で緊急事態宣言が発出された影響で開催を中止。参加を予定していたチームの多くで機体の製作が困難になっていたことを踏まえて、開催しても機体の安全性を十分に確保できない事態が予見されることや、出場予定者がチーム単位の活動を通じて感染のリスクにさらされかねないことなどを考慮したことによる。
  • 2021年(令和3年) - 例年の大会ではチーム単位での観覧を認めている応援団の立ち会いを禁じるなど、無観客での収録を条件に、滑空機部門と人力プロペラ機部門の競技を2年振りに開催。
  • 2022年(令和4年) - 2019年以来3年振りに観覧スタンドを琵琶湖の湖岸へ設営したうえで、応援団などの観客を入れて大会を開催。1日目の滑空機部門では、競技の最中に強風が吹いた影響で、一部のフライトを2日目に延期した。これまで滑空機部門の一部フライト限定で行われていた公式YouTubeチャンネルでのライブ配信が、人力プロペラ機部門を含めた全フライトで行われるようになる。このため、ライブ配信視聴者にはテレビ放送に先んじて結果を知ることができるようになる。
  • 2023年(令和5年) - 第45回大会を開催。開催に際しては、感染症関連の国内法におけるCOVID-19の分類が2023年5月8日付で(季節性インフルエンザなどと同等の)「五類感染症」へ移行したことを踏まえて、大会に参加するチームメンバーや応援団の人数制限を4年振りに撤廃した。

放送日・開催日

大会と収録を毎回、7月下旬から8月上旬までの間に実施。近年は、収録から1 - 2ヶ月後に、大会のダイジェスト番組を放送している。

  • 放送日は日本テレビでの放送日を示す。
  • 第21回大会の開催を予定していた1997年には、台風9号が開催地を直撃したため、大会史上初めて全ての競技を中止した。放送当日は、「大会中止ドキュメント」と「過去20回のダイジェスト」を読売テレビ本社スタジオから生放送。女性司会者として競技の収録に立ち会う予定だった佐藤藍子に代わって、細川ふみえが司会を務めたほか、競技へのエントリーを予定していた森脇健児と羽田恵理香をゲストに迎えた。
  • 2009年と2020年には、前述した事情から、大会の開催自体を見送った。
    • 2020年には、司会を務める予定だった矢部浩之(ナインティナイン)・羽鳥慎一、小宮浩信(三四郎)、西川貴教(開催地・滋賀県の出身で同県から「滋賀ふるさと観光大使」を委嘱)、生見愛瑠の出演による『Iwataniスペシャル 鳥人間コンテスト 2020 特別編〜新たな挑戦〜』を、9月26日に全国ネットで放送。2018年の第41回大会・滑空機部門にパイロットとして4位入賞を果たした小宮をはじめ、大会史に名を残したパイロット(放送上の呼称は「レジェンドバードマン」)が、今後の大会への参加を検討している西川に「コンテストで感動した瞬間」を紹介する企画「西川さんに伝えたい!鳥人間コンテストの魅力」を中心に構成していた。また、静岡県内に常設されている富士川滑空場で収録されたことから、前年(2019年)の第42回大会・人力プロペラ機ディスタンス部門で優勝した「BIRDMAN HOUSE伊賀」のプロペラ機が富士山界隈の絶景フライトに挑んだ模様も放送した。なお、西川は翌2021年の第43回大会にも「ゲスト」として参加。パイロットとしての参加には至らなかったため、競技・収録後の会見で、司会の矢部から第44回大会(2022年開催)への出場を勝手に宣言される一幕があった。
  • 2018年の第41回大会については、例年と同じく、2日間の開催を予定していた。しかし、2日目(7月29日)に台風12号の接近が見込まれたことから、2日目の開催を中止。当初2日目に実施する予定だった「人力プロペラ機部門」を1日目(28日)に急遽組み込んだが、天候不良の影響で途中から競技を続けられなくなったため、競技不成立とみなされた。

歴代イメージソング

※がついている曲は開催年と発表された年が異なる楽曲である。

2019年の第42回大会では、鳥人間応援ソングとして「飛んでみよう!鳥人間!」を採用。この曲に合わせたオリジナルダンスの動画投稿をTikTok限定で受け付けた後に、投稿された動画から優秀作品を『シノビーと、おさんぽ』(読売テレビの関西ローカル向け番宣番組)で放送する企画「鳥人間ダンスコンテスト」も実施している。

2009年開催中止の余波

読売テレビの広告収入の減少および設備投資による制作費の見直しによって2009年の開催は中止となったが、正式なプレスリリース発表後にエントリーを予定していたチームや長年大会を応援してきたファンや視聴者から多数の問い合わせや応援の声、抗議などが読売テレビに寄せられた。中には寄付金を募るから開催して欲しいという声が寄せられたほか、毎年参加して記録を更新しているチームがライバル同士という垣根を越えて連絡を取り合うといった事例が報告されている。これらの声に応えるため、読売テレビおよび鳥人間コンテスト実行委員会は2010年の開催を決定した。また、2010年の大会からは大阪に本社を構える岩谷産業が冠スポンサーに名乗りを上げた。

なお、鳥人間コンテスト選手権大会は毎年彦根市の夏の一大イベントとなっていることから、彦根市は2009年の開催中止を受けて『バードマン・サマー2009』を開催し、鳥人間検定、大会の歴史をたどるパネル展示、紙飛行機づくり教室などの催しが行われた。

テレビ放送

大会の模様は日曜日の『びっくり日本新記録』(1977年のみ)→木曜日の『木曜スペシャル』(1979年 - 1993年)→土曜日の『スーパースペシャル』(1994年 - 2003年)→『THEスペシャル!』(2004年)で放送されてきた。単発特別番組枠終了後は、毎年秋の番組改編期(主に平日が中心)に単発特別番組として放送されている。番組VTRについては、基本として制作局の読売テレビ(ytv)が大阪の本社から送出しているが、過去には東京の日本テレビが送出を担当したことも数回ある。

1991年8月15日の第5回は、広島テレビではプロ野球広島東洋カープ対中日ドラゴンズ戦の中継のため8月17日(土曜)午後の遅れネットとなった。

2007年に3年ぶりとなる単発特別番組枠『モクスペ』が木曜19:00 - 20:54に編成され、当番組と同じくytvが制作している『ベストヒット歌謡祭』と同様に同枠で放送されたが、2008年は19時台がytv制作枠(『月曜19時アニメアワー』、後の『アニメ☆7』)にあたる月曜日に放送された。2009年は開催中止のため、放送されなかった。2010年・2011年は金曜日に放送されたが、2012年は2008年以来4年ぶりに月曜日で放送された(月曜20時台が日本テレビ系同時ネット枠となるテレビ宮崎でも同時ネット)。2013年から2019年までは水曜日に放送されたが、2021年は14年ぶりに木曜日に放送された。一方で火曜日に放送されたことは一度もない。また、2007年から地上デジタル放送ではデータ放送も実施している。

2008年からは従来の通常番組のスポンサーから特別セールスに変更され、2010年では岩谷産業が特別協賛社になったことに伴い岩谷産業をメインとした複数スポンサーとなった。

2007年は地上波での第31回の放送のほか、CS放送の日テレプラス&サイエンス(現・日テレプラス ドラマ・アニメ・音楽ライブ)にて第27回(2003年)・第29回(2005年)・ 第30回(2006年)の模様も再放送された。

2003年は当時阪神タイガースが首位だったため、ytvはローカルで阪神戦を放送し、本番組は後日に改めて放送された(読売テレビ以外の系列局(テレビ宮崎を除く)は「裏送り」の形で通常通り放送された)。

2006年にはイメージテーマソングに森山直太朗の『風になって』を起用し、第30回を記念して『鳥人間コンテスト 30th ANNIVERSARY DVD-BOX』が同年10月6日に発売された。

放送の間には飛行機が残って飛行士だけフライト台から転落してしまう、風にあおられたプロペラ飛行機が180度旋回して順番待ちの飛行機に衝突して壊してしまうなどハプニングも多々あった(これらの飛行士はいずれも失格となった)。

クロスネット局のテレビ大分・テレビ宮崎へのネットの有無は、放送される曜日の枠やスポンサーセールス等の関係上年度により異なる。2012年は放送日が月曜日に当たったため、以上の2局では同時ネットを実施した。2015年にはテレビ宮崎が、フルネット局での放送日(水曜日)の深夜(日付の上では翌日)に時差ネットで放送している。

日本テレビ系列局のない沖縄県では、琉球放送が2016年5月28日に『鳥人間コンテスト2015』を放送。日本テレビ系列局での本放送から8か月後の放送であった。

2017年には、地上波で8月23日に第40回のダイジェスト番組を放送したほか、CS放送のファミリー劇場で第32回(2008年)・第34回(2011年)・第35回(2012年)・第38回(2015年)のダイジェスト番組を再放送。制作局のytvでは、第40回のダイジェスト番組で公開しなかったシーンを中心に構成した特別編集版を、本放送の11日後(9月3日)の15:25 - 17:00に放送している。

2018年には、ytvの開局60周年特別企画として、8月29日にダイジェスト番組を放送した。

大会が中止された2020年には、『Iwataniスペシャル 鳥人間コンテスト2020 特別編 ~新たな挑戦~』を、9月26日の13:30 - 14:55に全国ネットで放送。大会を2年振りに再開した2021年には、9月2日(木曜日)の19:00 - 20:54にダイジェスト番組を編成している。2022年以降は、8月最終週の水曜日に2時間(19:00 - 21:00)の放送枠を設定。

ルール

大会ごとに少しずつ改定されているため、公式ルールブックが毎年発行される。主な規定には発進時の規定、プラットフォームの標準数値、競技エリア、機体に対する制限などがある。初期はハンググライダーの改良型程度だった参加機も徐々に高性能化が進み、新型機の登場や大記録が出るとその都度ルールの改定が行われている。

大会に出場する機体は、書類審査によって決定される。本番組の元プロデューサーである太田匡隆によると、毎年100機以上の応募があるが、コンテスト会場の広さや開催時間の関係上、書類審査の時点で全応募総数の3割弱となる約30機程にまで絞られるという。第37回大会(2014年)までは、フライト中のパイロットの表情や声を放送に反映させる目的で、出場が許可されたチームの一部の機体に番組スタッフがオンボードカメラとボイスレコーダーを装着していた。第38回大会(2015年)からは、装着の対象を出場全チームの機体に拡大。この拡大を機に、出場を希望するチームには、書類選考で提出する機体の設計図にオンボードカメラの装着位置を記載することを求めている。

出場が許可された機体には、審査の合格を示す「OK」のステッカーを配布。このステッカーを貼った機体のみ、大会へ出場できる。審査に合格した機体へ貼っていなかった場合や、ステッカーの欠落が発覚した場合には、事情や理由を問わず当該チームを「失格」に処している。

機体の発進(テイクオフ)については、プラットフォーム上の審判員が「ゲート、オープン!」と告げながら白旗を上げたタイミングから認めている。白旗が上がるまでに発進させた場合には、審判員が赤旗を上げると共に、「不正スタート」扱いで当該チームを「失格」に処している。

プラットフォーム 第42回大会(2019年)の規定によるとプラットフォームの先端高さは水面から10メートル、助走路は10メートルで傾斜角は3.5度の扇形。高さと助走路の長さは大会発足当初から変化はないが、後にテイクオフを容易にするために傾斜角が設けられた。人力を推進力に転換できる人力プロペラ機の場合、良好な機体設計と気象状況ならば問題なく発進できる条件であるが、滑空機の場合は極めて限定的な運動エネルギーと位置エネルギーしか獲得できないため、上位入賞を達成するためには単純計算で滑空比30以上(10m降下する勢いで300m以上前進できる)の機体を作成し、風向き等の気象条件に応じた飛行プランを立て、過剰な高度低下を防ぎつつ地面効果の効率的な利用を図る等、滑らかで繊細な操縦が人力プロペラ機以上に要求される厳しい条件となる。

失格・措置
前述した「不正スタート」以外にも、以下に該当する場合には、機体をプラットフォームから発進させていても飛行距離に関係なく「失格」とみなしている。
「危険な飛行」と審査員が判断した場合。
飛行距離が大会規定上の「限界」に達した状況(後述)などで、パイロットが審判員からの勧告に従わなかった場合。
パイロットおよび補助者から少なくとも1名が、機体の発進後にプラットフォームから転落した場合(故意による落下・落水行為も含む)。
機体が陸上に墜落した場合。
機体の飛行中に、当該機から部品などが落下した場合。
強い風の影響で、機体の飛行中に部品など壊れて墜落した場合。
機体がプラットフォームへ到達し、離陸態勢に入る直前に、不運にも致命的な不具合が生じた場合は、審判長が競技者およびその補助者に勧告し、納得させた上で機体を湖上に落とす措置を指示することができる。納得行かない場合は機体を引き揚げることも可能。この場合、勧告を受けたチームは棄権として記録される。
プラットフォームを離陸後、何らかのアクシデントでパイロット(競技者)が機体から転落した際は、その転落地点が公式記録となる(機体がその先まで飛行しても、その距離は記録されない)。
スタート直後の墜落や測定に支障の生じた場合は、記録は測定不能となる。この場合は会場の電光掲示板には「0m」と表示され、場内アナウンスでは「測定不能」と放送される。
機体を撃墜しようとする妨害行為も禁止され、行った場合は重い処分が科せられる。
放送や救助のため同時に複数の機体は飛ばせない。後述のルール変更のたびに航続距離が伸びているため待ち時間が非常に長くなる場合がある。また、フライト中の機体が陸地(琵琶湖の沿岸地域)へ著しく接近している場合には、運営事務局から当該機のパイロットに対して機体の着水を命じることがある。
折り返しルール
折り返しルールの導入~60kmルートの設定
従来はプラットフォームから着水地点までの距離が記録となっていたが、第27回(2003年)に人力プロペラ機部門で日本大学理工学部のサークル・航空研究会のMöwe20(メーヴェ20)が約34kmという現会場での事実上の限界記録(松原水泳場→琵琶湖大橋間)を出した。
この際の経緯は以下の通りである。
  • まず東北大(この年3位)が進路を北側に向け対岸付近まで達したが、安全を考えそこで着水させた(記録は約24.8km、事実上の北ルート限界点)。
  • 日本大チームは更なる好成績を狙い、北ルートよりも飛行距離を伸ばす余地がある南側へと進路を向けた。その結果、当時の最長地点にあたる琵琶湖大橋付近までの飛行に成功。
  • だが、琵琶湖大橋付近への到達は当時の運営の想定外であり、しかも、パイロットの体調にも問題なく、高度も安定しており、失格行為となりうる琵琶湖大橋を通過する状況になりつつあった。そのため、安全を重視した運営は急きょ、チームとパイロットに対し機体を着水させる勧告を出した。
  • しかし、順調に飛行を続けていたパイロットは飛行停止・着水勧告に納得がいかず、そのまま琵琶湖大橋を通過する意気込みで継続飛行していたが、最終的に説得に応じて飛行停止させ琵琶湖大橋の手前付近で着水した。
    • 本来は最初の勧告無視の時点で、規則違反で失格となっていたが、新記録であったことや琵琶湖大橋到着まで若干の猶予があったため、説得が認められ、運営による失格の判断も保留となっていた。
  • その後に東工大も同様に南へと進路をとり、同年2位の飛行距離(約32.1km)を記録する。
この時、運営は想定より長距離になった場合の飛行を考慮していないという問題が露呈した。そう言った経緯から、折り返し飛行のルールが登場した。制式決定前には「25km地点で折り返すことで、50km飛行も可能」という情報も流れたりしたが、最終的に第28回(2004年)から「18km地点(沖島)での折り返しを認める」というルールの制定で落ち着いた。折り返し飛行のルールだが、第28回を例とした場合、18kmを超えると大音響のサイレンが鳴り折り返しが可能になり、往復に成功すれば、第27回を上回る36kmの最長記録が出せるようになるというものである。
なおこれは折り返しを義務付けるものではなく、従来通り琵琶湖大橋や琵琶湖北端に向かうことも可能である。この場合の記録は、単純にプラットフォームからの距離となる。琵琶湖大橋越え・潜りや地上飛行は失格となるため、手前で飛行を打ち切らなければならないので折り返した場合より最長記録は短くなる。しかし気象条件などにより折り返しはリスクが高い場合もあり、参加者の判断が勝敗を左右することになる。
長距離飛行に備えて第28回から18km地点の折り返し飛行が導入(最長36km)されたが、折り返しには成功しても完全制覇者はなかなか現れなかった。しかし、遂に第32回(2008年)にて、学生チーム「東北大学 Windnauts」が18km地点の折り返し飛行に成功し完全制覇。この時は折り返し実施後、プラットフォーム付近へ到着し設定されたエリアに着水させてゴールとした。これ以降、ルール面では、スタートでの再度の折り返しは認めず、その時定められた折り返し地点での旋回に成功しプラットフォーム付近への着水をもって「ゴール=大会記録」という方針が確立されることとなった。距離については第36回大会(2013年)以降は、20km地点を折り返し地点に変更(最長40km)し、第32回の記録を上回れるようにした。ただし、完全制覇は滅多に出ないことから、従来通り最長距離を飛行したチームが優勝となるのが基本である。
第40回大会(2017年)では、社会人チーム「BIRDMAN HOUSE伊賀」パイロットの渡邊悠太が、20km地点の折り返し飛行のルール下で初めて40km完全制覇に成功。大会記録(放送上は「40km完全制覇」)に認定された。この時には、以下のルールを適用したうえで、「BIRDMAN HOUSE伊賀」の優勝を確定させている。
  • 渡邊を乗せた機体が折り返しに成功した末に、プラットフォーム付近まで到達したため、設定されたエリアでの着水によってゴールと認定した。渡邊の後にも数チームが飛行を予定していたため、以降に飛行したチームのパイロットが40km完全制覇を達成した場合には、渡邊の飛行時間(フライトタイム)から1秒でも下回ることを逆転優勝の条件に定めていた。しかし、該当するチームが出なかったため、全出場機のフライト終了後に「BIRDMAN HOUSE伊賀」の優勝が確定した。
第41回大会(2018年)からは、一筆書きによって三角形を描くようなルートで最長60kmまで飛行することを想定したうえで、プラットフォームの北方に位置する竹生島にも折り返しポイントを設定。「プラットフォーム - 竹生島間」を「北ルート(19km)」、「プラットフォーム - 沖島間」を「南ルート(19km)」、2つの島間の距離を「竹生島 - 沖島間(22km)」として、一方のルートの折り返しポイントを通過・旋回した場合は、次にもう一方の折り返しポイントに直接向かうことを可能とした。2つ目の折り返しポイントを通過・旋回し、往路と別のルートでプラットホームへの帰還を達成すると、南北2つのルートと2つの折り返しポイントを全て通過してプラットホームへの帰還することになり、この場合は 「60km完全制覇」と認定することにした(行き19km + 22km + 帰り19km = 60km )。ただし、この大会では、台風12号の影響で競技が成立しなかった。
  • 第42回大会(2019年)では、ルート変更後初めて競技が成立。社会人チーム「BIRDMAN HOUSE伊賀」パイロットの渡邊悠太が60km完全制覇に成功したことから、大会記録(放送上は「60km完全制覇」)と認定された。渡邊は、上記の事情で第41回大会への出場を辞退していたが、この記録によって大会史上初の2連続完全制覇も成し遂げた。
現行のルール(2度の往復による70kmルート)
2020年の中止を経て開催された第43回大会(2021年)からは、最長70kmまで飛行することを想定したルートに変更。プラットフォームから南西の方角の18km地点と、竹生島の付近の18km地点(いずれもプラットフォームから直線ルートで18km離れた地点)、プラットホーム・パイロン(プラットフォームから1km地点)の計3カ所に折り返しポイント(パイロン)を設定している。飛行ルートの選択はパイロットに委ねられているが、一方の18km地点パイロンの旋回を経てプラットフォームへ向かった後に、「プラットフォーム旋回エリア」(プラットフォームから1km圏内<旋回後17km地点>)に到達すると1往復で35km(18km+17km)のフライトと認定される。そのままプラットホーム・パイロンを旋回した後、もう一方のルートへの継続フライトが可能。3つめのルートのパイロン(計52km地点)への到達・旋回を経て再びプラットフォームへ向かい、「プラットフォーム旋回エリア」で着水するまでの2度の往復帰還ができた場合には「70km完全制覇」と認定する。
賞金・優勝賞品
大会の部門ごとに、優勝チームへ100万円、2位のチームへ30万円、3位のチームへ20万円が贈られる。
2010年からは、スポンサーの岩谷産業が、自社製品の一部を優勝チームの副賞に提供している。以前は、大会事務局から優勝チームに対して、海外旅行の目録が贈られていた。
Collection James Bond 007

大会の競技部門

人力飛行機の技術開発の進展や番組の放送形態の変化に伴い、競技部門は開催年度によって大きく変化している。

  • 第1回:競技部門(飛距離を競う)のみ
  • 第2回 - 第9回:競技部門、コミックエントリー(飛距離を競わず、面白い飛び方を競う)
  • 第10回・第11回:滑空機部門、人力プロペラ機部門、女性パイロット部門、コミックエントリー(第11回は中止)
  • 第12回 - 第14回:滑空機部門、人力プロペラ機部門、女性パイロット部門
  • 第15回 - 第18回:滑空機部門、人力プロペラ機部門
  • 第19回・第20回:滑空機部門、人力プロペラ機部門、レディース部門
  • 第21回 - 第23回:滑空機部門、人力プロペラ機部門、チャレンジ部門(飛距離だけでなく機体デザイン・コンセプトなどを総合的に競う)
  • 第24回:滑空機部門、人力プロペラ機部門
  • 第25回 - 第27回:滑空機部門、人力プロペラ機部門、人力ヘリコプター部門(第25回は参考競技)
  • 第28回・第29回:滑空機部門(フォーミュラクラス / オープンクラス)、人力プロペラ機部門
  • 第30回 - 第39回 :滑空機部門(フォーミュラ / オープン混合)、人力プロペラ機ディスタンス部門、人力プロペラ機タイムトライアル部門
  • 第40回 - :滑空機部門(フォーミュラ / オープン混合)、人力プロペラ機ディスタンス部門

第2回(1978年)に人力プロペラ機がエントリーしたが、コミックエントリーとして扱われた。実際にまともな飛行性能はなかった。しかし、第9回(1985年)に人力プロペラ機が初優勝したことに伴い、第10回(1986年)に競技部門は滑空機部門と人力プロペラ機部門に分けられ、以後は滑空機と人力プロペラ機は一緒に競技することはなくなった。

第28回(2004年)から滑空機部門については機体の制限値がある「フォーミュラ」と、それがない「オープン」の2つのクラスに分けて行う。

人力ヘリコプター部門についてはプラットフォームから安全な離陸ができない恐れを考慮し、第27回(2003年)をもって廃止された。

人力プロペラ機部門では第27回(2003年)で34kmの限界点に達したため、第29回(2005年)からは18km地点での折り返しが導入された。当初は第28回(2004年)からルールの変更を予定していたが、この回では天候不良で人力プロペラ機部門の競技が成立しなかったため、実際には翌年の第29回から適用。第32回(2008年)大会で36kmの限界点に達したため、第33回大会(2010年)から20km地点での折り返しに変更された。第40回大会(2017年)で、渡邊悠太が40kmの限界点に初めて到達。第41回大会(2018年)からは、最長60kmのフライトへ対応できるように、折り返し点を2ヶ所に増やしている。第43回大会(2021年)からは、折り返し点を2ヶ所に設けたまま、最長70kmのフライトへ対応できるルートへ変更。

人力プロペラ機タイムトライアル部門は所定のコース(往復コース)をフライトするのに掛かった時間を競うもので、第30回(2006年)において初めて実施された。第32回(2008年)までは1km地点で折り返すルールだったが、いずれの大会も完走できたのは1チームのみであった。第33回(2010年)で500m地点での折り返しに変更したところ、初めて複数のチームが完走した。

各大会の優勝者・記録

各部門の太字になっている記録は現在の大会記録。

滑空機部門

  • タイトル:第28回・第29回 「滑空機部門オープンクラス」

滑空機部門フォーミュラクラス

人力プロペラ機ディスタンス部門

  • タイトル:第10回 - 第29回 「人力プロペラ機部門」

人力プロペラ機タイムトライアル部門

  • 第30 - 32回 1km折り返し(全長2km)
  • 第33回 - 39回 500m折り返し(全長1km)

レディース部門

  • タイトル:第10回 - 第14回 「女性パイロット部門」
  • 以上の部門が廃止されてからも、女性パイロットが男性と同じ部門・条件で出場することがある。

人力ヘリコプター部門

事故

  • 2006年の第30回大会において、東京工業大学を中心とする学生チームMeisterの機体がコンクリートの護岸に墜落しパイロットは顔面裂傷、足首を複雑骨折し日常生活に支障はない程度であるものの後遺症も残った。
  • 2007年の第31回大会において、九州工業大学の女性パイロットが離陸直後に落下して負傷し、脳脊髄液減少症という後遺症を患うことになった。このため、一時はほとんどベッドから起き上がれない状態となったものの、その後の治療やリハビリにより1日8時間くらいは動ける状態になったが、日常生活が困難となった。この女性パイロットは2013年に、「読売テレビ」と当時籍を置いていた「九州工業大学」、人力飛行機を制作した「サークルの顧問」、リーダーや設計責任者や製作責任者などの「幹部学生ら5名」を相手取り、合計4305万8800円の支払いを求める裁判を起こしている。
    • 科学ライターの大貫剛は、2019年4月、自身のツイッターで本件について「何らかの手打ちをして終わったらしい」と明かしている。

放送への出演者

男性司会者
  • 桂三枝(現在の六代桂文枝)
  • 長嶋一茂
  • 今田耕司:第26 - 31回(2002年 - 2007年)
  • 東野幸治:第32回(2008年)・第34回 - 第41回(2011年 - 2018年)
  • 藤井隆:第32回(2008年)
  • ココリコ(遠藤章造・田中直樹):第33回(2010年)
  • 羽鳥慎一:第34回 - 現在(2011年 - )
  • 月亭八光:第34回(2011年)
  • 遠藤章造:第35 - 36回(2012年 - 2013年)・第40回 - 第41回(2017年 - 2018年)
  • 山里亮太(南海キャンディーズ):第35回 - 41回(2012年 - 2018年)
  • 矢部浩之(ナインティナイン):第42回 - (2019年 - )
女性司会者
大会によってはプラットフォームでのパイロットインタビュアーを兼ねることがあったが、第43回(2021年)以降の収録では配置していない。
読売テレビのアナウンサー
◎:直近の大会(第45回)で収録に参加
  • 佐藤佳奈(出場チーム紹介・記録アナウンス担当)◎
  • 平松翔馬(ボートリポーター)◎ - 着水で救助された直後のパイロットへのインタビュアーも兼務
  • 大田良平 ◎ - 大会開催日にYouTubeで実施する競技動画のライブ配信で、第44回から実況を担当。
  • 大野晃佳 ◎ - 上記のライブ配信に第45回から参加。 
  • 林マオ(VTRナレーター)◎
  • 虎谷温子(同上)
  • 森若佐紀子(同上)
  • 中村秀香(同上)
  • 脇浜紀子 - 読売テレビコンテンツ事業部プロデューサーへの異動→京都産業大学教授への就任後も、第40回大会まで出場チーム紹介・記録アナウンスを断続的に担当。
  • 植村なおみ - 脇浜がコンテンツ事業部へ異動していた第39回大会で、出場チーム紹介・記録アナウンスを担当。
  • 三浦隆志 - 第24回(2000年)の応援席リポーターを経て、第25回(2001年)から第33回(2010年)まで放送・会場向けの実況を担当。以降の大会ではダイジェスト番組のVTRナレーターに専念していたが、第41回(2019年)でライブ配信向けに実況を再開した。第42回(2021年)でVTRナレーターを再び担当したが、大田と入れ替わる格好で2022年6月に報道局へ異動。
  • 中元綾子
  • 川田裕美
  • 羽川英樹 - 第7回 - 第9回の水上リポーター
  • 岩原大起 - 読売テレビのアナウンサーとしては初めてのボートリポートを、第44回で担当。
その他の出演者
◎:直近の大会(第45回)で収録に参加
  • 羽鳥慎一(実況)◎ - メインスタジオでの司会も兼務
  • 向井慧(パンサー、第42回からプラットフォーム上でパイロットへのインタビューを担当)◎
  • 渋谷凪咲(NMB48、第43回から向井と共同でプラットフォーム上でのインタビューを担当)◎
  • 鈴木亜美◎、島崎遥香◎、高地優吾(SixTONES)◎、長田庄平(チョコレートプラネット)◎、山添寛(相席スタート) ◎ - いずれも、メインスタジオのゲストで出演。
  • 高岸宏行◎(ティモンディのメンバーで栃木ゴールデンブレーブス所属のプロ野球選手)、前田裕太◎(ティモンディ)- 第44回から「人力プロペラ機部門」での応援席リポートを担当
  • 桂朋生(解説)◎ - 東北大学Windnautsで第34回(2011年)大会の優勝機、解説を初めて担当した第43回(2021年)大会でIwataniクリーンエネルギーチームの機体を設計。
  • 武虎(VTRナレーター)◎
  • 志生野温夫(フリーアナウンサー) - 『びっくり日本新記録』時代から、第23回(1999年)まで実況を担当。
  • 三笑亭夢之助(第7回 - 第9回の陸上リポーター)
  • 荻原次晴 (第43回まで長年にわたってボートリポーターを担当)
  • 中矢由紀(出場チーム紹介・記録アナウンス担当)
  • 橋本のりこ(第40回までVTRナレーターを担当)
  • 木村秀政(日本大学名誉教授) - 解説
  • 東昭(東京大学名誉教授、航空機事故調査委員会委員長)- 同上
  • 野口常夫(航空評論家)- 同上
  • 鈴木正人(鳥人間コンテストテクニカルアドバイザー、第4回大会滑空機部門優勝者) - 同上
  • 土屋太鳳(第40回のスペシャルゲスト)- 詳細後述
  • 相田周二(三四郎、第41回の滑空機部門ゲスト) - 三四郎での相方である小宮浩信が、滑空機部門にパイロットとして出場したこと(詳細後述)に伴って出演。
  • 西川貴教(滋賀県ふるさと観光大使で同県野洲市の出身) - 大会を中止した2020年の特別番組と、2021年の第43回大会に出演。
  • 高橋ひかる(第43回のメインスタジオゲスト) - 滋賀県大津市の出身
  • 貴島明日香(第44回のメインスタジオゲスト)
  • 山下健二郎(三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE、 第44回のメインスタジオゲスト)
  • JP(第44回のメインスタジオゲスト) - 滋賀県東近江市の出身
大会を有観客で開催する場合には、お笑いコンビを応援席のリポーターへ代々起用している。第40回大会では銀シャリ(橋本直・鰻和弘)、第41回大会ではかまいたち(濱家隆一・山内健司)がリポートを担当した。ティモンディをリポーターに起用してからは、第44回でミキの亜生をメインスタジオのゲストに迎えている。

「パイロット」としてコンテストに参加した著名人

上記の出演者以外にも、毎回数名のタレントや芸人が、ゲストや注目チームのリポーターとして出演。パイロットでは、宇宙飛行士の若田光一が第11回 - 第13回(1987年 - 1989年)に九州大学チームの一員として参加したほか、以下の芸能人やアスリートも出場している。

また、第35回の「チーム吉本百周年」では、間の後輩に当たる漫才コンビ(ウーマンラッシュアワー、ジャルジャル、かまいたち、スマイル、天竺鼠、銀シャリ、藤崎マーケット、スーパーマラドーナ)が機体の製作に協力。第36回(2013年)の滑空機部門には、同部門の新記録に挑戦すべく、人力に複数のペットボトルロケットを併用した米村でんじろう設計の滑空機が参考記録扱いの「特別枠」で登場した(記録は99.80m)。前述したように、銀シャリとかまいたちは、後の大会のダイジェスト番組にも応援席のリポーターとして参加している。

備考

「社会人パイロット」として人力プロペラ機ディスタンス部門へ通算で5回出場した一方で、第45回(2023年)大会限りでの「引退」を表明している渡邊悠太は、東京大学工学部産業機械工学科の4年時(2008年)に「東京大学F-tec」のパイロットとして第32回大会への出場を目指しながら書類審査を通過できなかった。しかし、卒業後に入社した森精機製作所(現在のDMG森精機)の社内で人力飛行機のクラブを発足させると、このクラブから発展した「BIRDMAN HOUSE 伊賀」から第39回(2016年)大会で初出場。前述したように、第40回(2017年)大会から第45回大会までの間に、2度の「完全制覇」と3度の大会記録更新を成し遂げた。

学生時代にチーム単位で当大会へのエントリーを済ませていたにもかかわらず、エントリー部門の開催中止や悪天候でフライトに至らなかったパイロットからも、以下の著名人を輩出している。

  • JAXA宇宙飛行士の大西卓哉は、東京大学工学部航空宇宙工学科4年時の1997年に、「東京大学F-tec」のパイロットとして第21回大会・人力プロペラ機ディスタンス部門への出場を予定していた。この大会では1日目に滑空機部門の競技が成立したものの、会場の琵琶湖近辺を台風が直撃した影響で、2日目に組まれていた人力プロペラ機ディスタンス部門の競技が急遽中止された。大西がJAXAへの勤務後に述懐したところによれば、「モノを造る楽しみや、モノを飛ばす楽しみをF-tecで学んだことが、『宇宙飛行士への素地(になった)』と言っても良いかも知れない」とのことである。
  • ロードレースのプロ選手である増田成幸は、自転車競技選手としての活動を始めていた日本大学理工学部航空宇宙工学科3年時の2004年に、「日本大学理工学部航空研究会」のパイロットとして第37回大会・人力プロペラ機ディスタンス部門への出場を予定していた。実際には悪天候でフライトを見送った(滑空機部門も競技が成立しなかった)ものの、翌2005年に富士川滑空場から駿河湾へのフライトによって、(当大会でのコンテストとは条件が異なる)平地から離陸した人力飛行機における飛行距離(42,197km)・滞空時間(1時間48分12秒)の日本航空協会公認記録(2020年9月時点)を樹立した。

スタッフ

2023年

過去のスタッフ

関連商品

  • 鳥人間コンテスト30th ANNIVERSARY(DVDボックス) 2006年発売
    • DVD3枚組および大会規定などを掲載のブックレット付属

本大会がモデルの小説・映像作品

  • トリガール!
    • 人力プロペラ機部門へ代々出場している「芝浦工業大学Team Birdman Trial」のパイロットをモデルに中村航が執筆した小説および、この小説を基に作られた土屋太鳳主演の実写映画。
    • 映画版の公開を控えていた2017年の第40回大会には、Team Birdman Trialが人力プロペラ機部門に参加していたたため、土屋が映画版のPRを兼ねてスペシャルゲストとして出演。大会の前日に収録されたダイジェスト番組の特別企画で、Team Birdman Trialから参加していたパイロットへのインタビュアーも務めている。
  • 舞いあがれ!
    • NHK大阪放送局が制作した連続ドラマで、第44回大会と第45回大会の間(2022年度の下半期)に『NHK連続テレビ小説』内で放送。「幼少期から飛行機に興味を持っていたヒロイン(演:福原遥)が、大阪府内の『浪速大学』(架空の大学)へ進学した後に『なにわバードマン』(学内の人力飛行機サークル)へ入会したことがきっかけで、旅客機のパイロットを目指す」との設定が為されたほか、「イカロスコンテスト」(架空の人力飛行機コンテスト)の映像を劇中に使用していた。
    • 「なにわバードマン」や「イカロスコンテスト」に関するシーンの撮影には、本大会の常連でもある「大阪公立大学 堺・風車の会」が協力。ヒロインが「人力飛行機のパイロット」として臨んだテストフライトや記録飛行のシーンには、当時在籍していた会員が「なにわバードマンのOB」役で出演していた。

脚注

注釈

出典

関連項目

  • スカイ・ハイ (曲)(Sky High) - テーマソングとして長年使用されたジグソーの曲。
  • 琵琶湖大橋 - 本大会の人力プロペラ機部門における南方の限界点。「競技へ参加するプロペラ機は、琵琶湖大橋の橋梁を通過できない」というルールが大会の規定に設けられているため、通過したプロペラ機は「失格」とみなされる。
  • Red Bull Flugtag - かつて存在した「コミックエントリー部門」の精神を引き継いだ大会。

外部リンク

  • 鳥人間コンテスト│読売テレビ - 公式サイト
  • 鳥人間コンテスト (@ytvBirdman) - X(旧Twitter)
  • 鳥人間コンテスト【ytv公式】 (@ytvbirdman) - Instagram
  • 【公式】鳥人間コンテスト - YouTubeチャンネル
  • 鳥典 - 九州大学鳥人間チーム関係者等による用語辞典
  • Yahoo!リンク集


Text submitted to CC-BY-SA license. Source: 鳥人間コンテスト選手権大会 by Wikipedia (Historical)