折笠 富美子(おりかさ ふみこ、1974年12月27日 - )は、日本の声優、歌手、舞台女優。東京都江戸川区出身。アトミックモンキー所属。
1974年12月27日に東京都江戸川区で2人姉妹の次女として生まれる。
3歳頃に子供音楽教室に通い始めた。小さい頃から音楽が好きで歌番組をよく見ていた。自分から「習い事をしたい」と言って習字教室と英語教室に通い、小学校4~5年生の時にはそれに加えて水泳教室と塾に通っていた。エレクトーンも習っており音楽は得意だったが、幼少期から人前が苦手だったため発表会などは嫌いだったという。その頃の将来の夢は教師、デザイナーだった。
中学時代は殆どの習い事をやめていたが、唯一エレクトーンは続けていたため、中学3年の終わり頃「鍵盤が弾ける」という理由で友人に誘われ、軽音楽部に所属していた。中学3年の時に学園祭で初めてバンド演奏を発表し、ボーカルの子と一緒に他校の友人とバンドを組んでいた。プロを目指していたわけではなかったが、「あの時友達が軽音部に誘ってくれなかったら今の私は無かったかもしれません」と回想している。なお、中学になっても役者になるという夢は全く持っていなかったという。
中学高校は女子校で、軽音楽部でキーボードを担当しており、生徒会副会長を務めた。母子家庭で育ち、女手一つで姉妹を育てた母を見ていたため大学進学は考えていなかったという。この頃の将来の夢の一つにエレクトーンのブライダルプレイヤーを考えていた。
音楽の道に進むか迷っていた時に、三宅裕司主催の劇団スーパー・エキセントリック・シアター(以下SET)の募集を見て表現を学べる場に進もうと高校2年の頃にオーディションを受けて合格する。当時は親に内緒でオーディションに応募していたという。研修生オーディションの中では最年少で周囲は大人ばかりだったため、「レオタードのお姉さん達がいる中で自分だけ学校指定のジャージだった」と振り返っている。オーディションでは特技も特になかったので「とりあえず歌います」と学園祭でソロを披露した事もあった『星に願いを』を英語で歌ったという。何次にも渡るオーディションを受けて帰宅する度に母から慰められており、母は反対していた訳でなかったが応援するというよりは折笠には無理だろうと思っていたと言う。しかし難関を突破してオーディションに合格し研究生に昇格し、高校3年生からSETの第3期研究生として養成所に通う。高校卒業と同時に養成所の卒業公演の査定に合格し、1993年にSETの劇団員として所属する。高校卒業の日が卒業公演3日前だったため卒業式は泣いてる暇もなく式の余韻もほとんどなく、その公演を無事に終えてやっと本当に卒業式を迎えた気がしたという。初舞台公演の最初のステージの時、本番前に舞台監督に「初舞台なのでとても緊張しています」と話したところ、「僕もこの舞台は初めてだから緊張してるよ」と返され、その時「舞台は役者だけではなく皆で作っている」ということに気付かされたという。劇団員だった頃、三宅裕司、小倉久寛、岸谷五朗、寺脇康文という第一線で活躍している俳優のすぐ近くにいられる恵まれた環境は財産だと感じていた。1ヶ月公演があると自分の出番以外はほとんど舞台袖におり、先輩たちが直接指導くれるということは殆どなかったため先輩の芝居を見て吸収していたという。他の役者が急遽出演できなくなった際、代役が折笠でなかったとしてもその役のセリフを覚えていた。また、「この作品だったら自分はこの役だろう」という目線で脚本を読み、自分の役以外も必ずチェックするようにしていたという。「もっと広いところで勝負してみよう」と3年間在籍したSETを退所。当時は劇団員に昇格してすぐに役を貰えることもなく、モブ役として雑に扱われるような苦しい経験もしており、「全然仕事がない、この先どうしよう」と不安になっていた時期もあったという。
劇団員になってからは研修生時代には殆どやらなかったアルバイトを沢山していた。その頃はバイトをしながら風呂なし・共同トイレのアパートでほとんどジャージで過ごしていたと語っている。フリーで小劇場、映像の仕事をしながらオーディションを受けていた中、大河ドラマの『徳川慶喜』に1年間出演。舞台では知り合いのツテでいい役も演じてたが映像は仕事自体も少なく、あってもモブ役ばかりで「セリフをもっとしゃべりたい!」という思いが強くなり、声優の仕事にたどり着いた時は自分のそんな思いが届いた気がしたという。
劇団退団後もどのように仕事を掴めばよいか不安を抱えていたが、仕事が少なくても演技が出来るだけでとても楽しいと思えたことで辞めずに続けることができたという。
その頃は舞台を観に行くお金もなかったため、テレビを観て勉強していた。当時は映像演技にも興味があったためその時流行していたドラマ、人気女優の芝居を録画して、何度も巻き戻したりしながらひたすら研究していたという。
SETの研究生時代の卒業公演でダブルキャストだった女優が劇団ヘロヘロQカムパニーの旗揚げメンバーだった縁で、座長の関智一、長沢美樹と知り合い、その当時、関のマネージャーを務めていた現・アトミックモンキーの社長を紹介され声の仕事を始める。声の仕事は最初にゲーム収録に参加していたがその時は「声優になる」という気持ちは固まっていなかった。マネージャーから「とりあえず挑戦してみよう」と言われて、テレビアニメ『GTO』のオーディションを受け合格し、ヒロインの冬月あずさ役で声優デビューを果たす。抜擢された時は「(ドラマ版『GTO』で冬月あずさ役を演じた)松嶋菜々子みたいだ」と姉がかなり喜んだという。
初めて声の仕事をした時は1日に2本以上仕事が入ると切り替えができず、午前中の仕事の役に午後の仕事が引きずられたりしていた。デビュー当時はアフレコ台本すら初めて見るような状況だったため、最初のアフレコまでに山寺宏一の収録現場に見学に行って学んでいたという。『GTO』では声優の道に入るきっかけをくれた関智一との共演もあり心強かったと語っている。レギュラーの出演者から台本チェックの仕方など実践を通して教わり支えてもらったという。
東京俳優生活協同組合(1999年 - 2007年2月28日)を経て、アトミックモンキー(2007年3月1日 - )に所属。
特技はエレクトーン、タップ・ジャズダンス。
憧れている先輩は、『ヴァンドレッド』、『明日のナージャ』などで共演していた京田尚子を挙げている。
声種はソプラノ。少女、大人の女性役などさまざまなタイプのキャラクターの声を演じている。
声優として演じる上で、キャラクターの絵に自分が入り込むような感覚でお芝居をしているという。スタジオでの掛け合いでは、視界の端で共演者の空気を感じながら演じるようにしているという。
『プリキュアシリーズ』は、初代の頃から何度もオーディションに参加していたが受からず、「もう難しいのかもしれない」と感じていた中『スイートプリキュア♪』の南野奏 / キュアリズム役に抜擢され、喜びは大きかったという。
かかずゆみを部長とする「着物部」に所属しており、イベントには連れだって和装で参加する事がある。なお、かかずゆみ・豊口めぐみとは演劇ユニット「R*L(ラフラフ)」を結成している。
テレビアニメ『苺ましまろ』のメインキャラクターを演じた5人(本人・生天目仁美・川澄綾子・千葉紗子・能登麻美子)とで「ましまろ会」なる親睦会をしている。
太字はメインキャラクター。
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