東洋水産株式会社(とうようすいさん、英: Toyo Suisan Kaisha,Ltd.)は、日本の食品会社。
「マルちゃん」のブランドで親しまれている。モットーは「やる気」と「誠意」。2009年(平成21年)3月に「Smiles for All. すべては、笑顔のために。」のコーポレートスローガンを制定していた。
当初は、水産物の取引および輸出と加工食品(魚肉ハム・魚肉ソーセージなど)の製造・販売が主体であったが、1962年(昭和37年)から「マルちゃん」ブランドにてインスタントラーメンの製造・販売を開始。即席麺業界では日清食品に次いでシェア第2位である。
以降、インスタントの冷やしラーメン(中華)や天ぷらそば(カップ・袋麺ともに)、カレーうどん(カップ・袋麺ともに)、即席ワンタンなど個性的な商品も登場させ、チルド・レトルト食品なども製造・販売している。ラーメン・うどん・そばなどの即席麺の寡占率に関しては、西日本では低く、東日本、特に北日本(北海道・東北6県・新潟県)で高い。
1972年(昭和47年)にアメリカで現地法人のMaruchan Inc.を設立。1977年(昭和52年)から現地生産した即席麺を北米大陸で販売しており、同地では日清食品と激しいトップシェア争いを演じている。
1986年(昭和61年)頃からはメキシコにもMaruchan Inc.から即席麺の輸出を開始し、1994年(平成6年)に発生したメキシコ・ペソの大暴落でライバル企業が撤退する中で販売を継続して大きなシェアを獲得した。2006年(平成18年)現在、メキシコでの即席麺に占める同社のシェアは約85%となり、即席めんの通称名となるに留まらず、「『マルちゃん』が『早くに〜する』と言った動詞とまでなっている」とロサンゼルス・タイムズが一面で伝えるほど、現地では知名度の高いブランドとなっている。
水産・加工食品以外では、創業当初から続く冷蔵倉庫業務も引き続き手がけており、2012年現在約36万トン弱の冷蔵設備を保有しシェアでは業界5位につけている。
1950年代後半から60年代にかけて一時三井物産の子会社だった時期がある関係で、三井物産から橋本晃明が社長として招聘されたこともあり、現在も三井物産との取引が多い。三井物産食品グループの構成メンバーでもある。
東洋水産における味付けや商品展開の東西日本の境界線は関ヶ原であるとされている。静岡県内に製造拠点を持っていたこともあり、静岡県限定で発売された商品もいくつか存在する。
2011年(平成23年)11月7日に全国にて発売を開始した即席袋麺の「マルちゃん正麺」は高めの価格設定にもかかわらずネット上の口コミなどでその味が消費者の間で評価され、2013年3月までの1年半弱で累計3億食、希望小売価格を元に計算した合計販売金額は300億円を超えるなど大ヒットを記録している。
グループの名称は「TSグループ」(ティーエスグループ)。
その他のグループ会社は、ウェブサイト事業所・グループ一覧に詳しい。
創業時は築地市場の屋号として、丸の中に社名の読みの頭文字“と”と 日の丸をモノグラム化したマークを使用した。数年間はこれを社章・商標としたが、幅広い層から親しみを得るため、現在の「マルちゃん」マークを考案した。マルちゃんは最初の屋号に由来する。最初期の 丸と、から マルト、マルトちゃん、マルちゃん、と変遷した。
1986年3月にCIを導入して「マルちゃん」マークに加えてランドーアソシエイツに制作を依頼したTSマークを採用し、6月に「マルちゃん」マークの意匠を小変更した。TSマークは1986年1月からテレビCMで使用された。
(現在・一部抜粋・過去のものを含む)
ほか
※ ◆はSNS広告、またはWebCMのみの出演者
(2024年3月現在)
※いずれも武田鉄矢と共演(例外あり)
※役所広司と共演
※以下、岡田准一と共演
※米倉涼子と共演
※WebCMのみ出演
上記の番組だけではなく、さまざまな番組のスポンサーになっている。『日高晤郎ショー・なんでもかんでも三曲クイズ』での提供読みは、「マルちゃんでおなじみの東洋水産」となっている。
高杉良の『燃ゆるとき』(実業之日本社、1990年(平成2年))(新潮文庫、1993年(平成5年))は、同社とその創業者である森和夫をモデルにした実名小説である。その続編『ザ エクセレントカンパニー〜新・燃ゆるとき』(毎日新聞社、2003年(平成15年))(角川文庫、2005年(平成17年))では、東邦水産の高木遼太郎社長となっている。
Owlapps.net - since 2012 - Les chouettes applications du hibou