小杉 十郎太(こすぎ じゅうろうた、1957年〈昭和32年〉12月19日 - )は、日本の男性声優、ナレーター、歌手。神奈川県横浜市南区蒔田町出身。大沢事務所所属。
子供の頃は、後ろは山で田舎という感じで山の中で遊んでいたという。
子供の頃、父親や親戚が医者であり、「僕も大きくなったら医者になるんだ」と何となく思っていたが、高校生の時に洋画『太陽がいっぱい』を見て「声優も面白そうだな」と興味を持ち始める。日本大学芸術学部では放送学科アナウンスコースを専攻し、確固たる信念があったわけではないが、大学を卒業する頃にテレビやラジオのアナウンサー試験を受けたものの、すべて不合格となる。卒業後、松竹で4年間サラリーマン生活を送る。当時は『男はつらいよ』シリーズの営業や各種の業務を担当していた。ある時、飲み屋の仲間にCM製作ディレクターがおり、タカラの『NEW人生ゲーム』のCMナレーションの仕事に誘われ、学生時代の経験を生かしてその仕事を受けたことが声優を始めるきっかけとなった。
そのディレクターが東京俳優生活協同組合のマネージャーであった大沢和男の知り合いで、丁度独立し大沢事務所を立ち上げる時期だったために紹介され所属することとなった。当初ナレーションの仕事を中心に活動していたが、事務所から『機動戦士Ζガンダム』のオーディションを受けるよう言われて合格し、ヘンケン艦長役でデビューする。
1年程度は松竹と大沢事務所両方で仕事をしていた。そのため、会社には「営業に行く」と偽って、ナレーション録りを行っていた。後に大沢に「会社員と声優どちらかの仕事一本にした方がいい」と言われ、松竹を退社する。
井上和彦とは、同じ横浜市出身であり、小杉が通っていた中学校は、井上が通っていた高校と川を挟んだ向かい側にあったという。井上によると弓道場から中学校のグランドが見えており、その頃は面識がなかったが、中学生が部活をしている姿など、蹴ったボールが川に落ちて、慌てて取りに行っている姿を「あ〜、またやってるよ(笑)」という感じで見ていたという。小杉は長い棒を持ってボールを取りに行っていたという。
堀内賢雄は逗子開成高等学校に転校して来てからの同級生であり、卒業後は1回も会わなかったが、声優になってから偶然に再会し、それ以後は良き飲み友達であると話している。また、イベント「けんじゅうトークライブ」を不定期に開催している。
独特な響きのある声で、大人のキャラクター、卑劣な悪役、ずっこけた三枚目役までこなす。
演じる上でのモットーはキャラクターと対峙した時に「自分の引き出しから持ち出せる部分はなんだろう」と考えること。
ナレーションとサラリーマンの仕事を両立していたことが上司に発覚したころ、現所属事務所の社長に「お前はサラリーマンをやったほうがいい思う」と言われたが、会社を辞意したことを伝えると「えー!? 俺知らねえからな」と呆れられたという。本人は今でもこの言葉を忘れられないと語っている。
仕事はナレーション1本でやっていくつもりだったので、たびたび入ってくるアニメのオーディションは断り続けたが、事務所側から「モノは試しということでオーディションくらい受けてくださいよ」と言われ、「どうせ落ちるから」とダメ元で受けて合格してしまったのが、『Ζガンダム』のヘンケン役であった。断ろうとしたが拒否され、仕方なく大先輩のやることを見よう見まねで演技していった結果、他のアニメや吹き替えの仕事が入るようになったと語っている。1週間のうちで収録後に開放感を覚え、収録日が近づくにつれて憂鬱になったと語っており、「日曜日の夜(収録は月曜日の午前10時)は胃が痛くて眠れないくらいだった」という。『Zガンダム』ではナレーションも兼任し、初回の収録の後、池田秀一からは「これから病気にならない? 今ならまだ変われるから」と言われたが、後に池田は自著にて「ひどいことを言った」と懐古しつつも、「『ガンダム』の作品の魅力を、跡を継いだ者たちが受け取るには、それ相応の覚悟が必要」として、「小杉くんもそれらを重々理解し、ガンダムに関わった全ての人の期待に答えようと努力してくれました」と語っている。
吹き替えではデヴィッド・ドゥカヴニーやビリー・ブランクスをはじめ、ルーク・ペリー、トニー・レオン(梁朝偉)、グレッグ・ジャーマン、マット・ディロンなどを担当している。過去にはダニエル・クレイグやアンディ・ラウなども数多く担当していた。
ディズニー映画『ターザン』のターザン役を担当する予定だったが、オーディションでターザン役に決まったのは金城武だった。テレビ東京のプロデューサーによると、その悔しさが抜けない所にテレビ東京から金城の吹き替えや関連番組のナレーションのオファーが相次いだことから、現場入りした際に苦笑しながら金城との因縁話を話していたという。なお、小杉はその後の続編などで金城に代わりターザンを担当している。
『007シリーズ』のダニエル・クレイグ演じるジェームズ・ボンドの吹き替えはオーディション無しで抜擢されたものであり、『007 カジノ・ロワイヤル』と『007 慰めの報酬』の2作で声を当てた。また、『レイヤー・ケーキ』などでもクレイグを担当したことはあるが、一部の演じた作品の吹き替えのオーディションで落ちた。
『ONE PIECE』では、敵役である魚人海賊のアーロン役を担当。小杉はTVシリーズのアフレコでアーロンに声をあてていた時、重度の二日酔いに悩まされながら演じていたという。このエピソードは、2018年12月23日に開催された『ジャンプフェスタ2019』のスーパーステージにて披露されている。その場面は、ウソップとアーロンがゴサの町で戦闘するシーンだったとのこと。また、小杉はテレビスペシャル『エピソードオブナミ』で12年ぶりにアーロンを演じることについて、「またナミとの出会いから、今回アーロンを演じることができるので、本当に幸せだと思っています」と語っている。ファンに対しては、「アーロンとナミの原点を知ってもらって、これからも『ONE PIECE』を愛して頂きたいと思います」と呼び掛けている。なお2023年のドラマ版で同役は東地宏樹と交代する形となった。
小学校時代から出席簿が13番目のことが多く、朝礼で並んでも13番目で、中学時代のサッカー部のユニフォームは13番で、業界では「十さん(じゅっさん)」と呼ばれるという。
若い頃、ボウリングが好きで、プロボウラーになろうと思っていた時期もあったという。
弟がいる。
太字はメインキャラクター。
音楽ユニット
2006年夏、40代の最後に本格的な音楽活動を開始。
「声優・小杉十郎太」ではなく「シンガー・小杉十郎太」として、オリジナル曲メインのLive『J's Music Action』やCD・DVDのリリースなど、精力的に活動している。
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