アルファミュージック株式会社(Alfa Music, Inc.)は、過去に存在した日本の音楽出版社、およびレコード会社。レコード・CD制作からは撤退。2024年現在、原盤権は一部のアーティストを除き、ソニー・ミュージックレーベルズが全て管理しており、また、音楽レーベルとしてのアルファミュージックは2024年現在、ソニー・ミュージックレーベルズの社内レーベルとして機能している。
1969年、村井邦彦が音楽出版社アルファミュージック(初代)を設立。
1970年、村井が川添象郎、ミッキー・カーチス、内田裕也、木村英樹とともに「マッシュルーム・レコード」を設立。
1972年、外車ディーラー最大手のヤナセの会長(当時)・梁瀬次郎と、原盤制作会社としてアルファ&アソシエイツを設立。東芝音楽工業(現:ユニバーサル ミュージック ジャパン・Virgin Musicレーベル/EMI RECORDSレーベル)のリバティ・レーベルに販売を委託した赤い鳥や荒井由実(現・松任谷由実)、ハイ・ファイ・セットなどの「アルファ&アソシエイツ」、日本コロムビアのデノン・レーベル(のちに「Blow Up」に改称)に販売を委託したGARO、小坂忠などのアーティストを送り出す。
1977年、レコード会社アルファレコード(Alfa Records Inc.)設立、「アルファ&アソシエイツ」「マッシュルーム」の音源発売権も同社に移行。サーカス、カシオペア、イエロー・マジック・オーケストラの成功で知名度も大きく上がる。
1978年、アメリカのA&Mレコードの販売権をキングレコードから移管。ハーブ・アルパート、クインシー・ジョーンズ、セルジオ・メンデス、ニュー・ウェイヴのポリス、ジョー・ジャクソンなどが次々とヒットした。
1980年、アルファ&アソシエイツがヤナセグループに入る。同年、ロサンゼルスにおいて現地法人「アルファアメリカ」設立(1983年に撤退)。
この時期村井が、アルファミュージックの運営に参加していた当時の妻「大橋一恵(作詞家・訳詞家での筆名:大橋一枝)」と離婚。その際、大橋がアルファミュージックの経営を引き継いで分離独立し、社名を「ケイ・ミュージック・パブリシング」(Kay Music Publishing)に変更する。以降のケイ・ミュージックは大橋がエグゼクティブプロデューサーとなって原盤製作およびアーティストマネジメントも開始し、児島由美・山口美央子・山本達彦・クリスティらを手掛ける。一方の村井は、アルファミュージックの分離以降の楽曲を管理する音楽出版社「1980 Music Inc.」を設立し、アルファレコードの楽曲出版権はケイ・ミュージック・パブリシングと1980 Musicの2社で管理される。
1982年、兄弟会社として、小杉理宇造と山下達郎がアルファ・ムーンを設立。
1985年、村井が退職。
1990年代初頭、当時の主要株主であったヤナセが、バブル崩壊により資本を引き揚げる。そして1994年、別資本が立ち上がり、アルファレコードの業務は新会社に移管される。移管された新会社はアルファミュージック(2代目、Alfa Music CO.,LTD.)に社名を再変更、ケイ・ミュージック・パブリシングを経営していた大橋が社長に就任する。アルファ・ムーンはアルファレコードから独立し、ワーナー・ミュージック・グループ傘下となる(後にMMG → イーストウエスト・ジャパンを経てワーナーミュージック・ジャパンに吸収合併)。
1995年、東京都港区に所有していた自社スタジオ「Studio A」を閉鎖。
1998年10月、社員のほとんどを解雇し事業規模を縮小。レコード制作から撤退し、原盤管理会社として残る。
1999年、ケイ・ミュージック・パブリシングと合併。この合併にて(2代目)アルファミュージックの法人格が消滅し、アルファレコードの全楽曲管理がケイ・ミュージックに移動する。同時に、ケイ・ミュージックがアルファミュージック(Alfa Music CO.,LTD.)に社名を変更する。ケイ・ミュージックが「アルファミュージック(初代)の社名変更」であることから、この合併により、設立当時の法人格に戻ったことになる。
2001年4月、全世界での使用も含めた著作権管理および原盤使用権をソニー・ミュージックパブリッシングに委託。それ以降は基本的に、ソニー・ミュージックダイレクト(現・ソニー・ミュージックレーベルズ)から旧譜が復刻発売(販売委託はソニー・ミュージックディストリビューションズ → ソニー・ミュージックマーケティング → ソニー・ミュージックソリューションズが担当)されているが、例外として荒井由実とLOGIC SYSTEMの音源はユニバーサル ミュージック ジャパンが、松山千春の音源は日本コロムビアがそれぞれ販売委託。
設立から半世紀を迎えた2019年4月1日、ソニー・ミュージックパブリッシングが大橋より全株式を取得し、同社の完全子会社となる。それに伴い、ソニー・ミュージックパブリッシングの見上チャールズ一裕が社長に就任する。
レコード会社として独立後、販売元は当初ビクター音楽産業(後にビクターエンタテインメントを経てJVCケンウッド・ビクターエンタテインメントに改称)であったが、1998年にレコード制作から撤退するまでの間、ワーナーパイオニア(現:ワーナーミュージック・ジャパン)→日本コロムビア→東芝EMIと販売元の系列替えがあった。
洋楽部門では、A&Mレコードのほか、一時期ゾンバ・レコード、ミュート・レコードなどの国内盤の発売元のほか、ユーロビートのコンピレーションCD「ザッツ・ユーロビート」シリーズを定期的に出しており、カイリー・ミノーグなどを日本に紹介した。
2020年4月24日 (2020-04-24)、アルファミュージック創立50年を機にソニー・ミュージックグループでの再出発と、創立50年プロジェクト「ALFA50」の始動を発表。プロジェクトの始動に併せ、アルファミュージックの公式サイトやTwitterなどのSNS公式アカウントを立ち上げた。その第1弾として、全世界配信ストリーミングサービスを開始。吉田美奈子、佐藤博、ハイ・ファイ・セットのアルバムが各音楽配信サイトおよびストリーミングサービスで解禁された。
ザッツ・ユーロビート シリーズのみ、制作:アルファ・ミュージック、販売:NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパンの4タイトルが存在する。
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