ビクターエンタテインメント株式会社(英語: Victor Entertainment, Inc.)は、音楽ソフト発売・販売業務を行う日本企業であり、JVCケンウッドの完全子会社でもある。
1972年4月24日まで日本ビクター(現・JVCケンウッド)の音楽レコード事業部、2011年9月30日までは日本ビクターの機能子会社であった。
旧社名は1972年4月25日から1993年3月31日まではビクター音楽産業株式会社(ビクターおんがくさんぎょう、略称:ビクター音産)、1993年4月1日から2014年3月31日まではビクターエンタテインメント株式会社(初代)。2014年4月1日に株式会社JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント(JVCKENWOOD Victor Entertainment Corp.)に商号変更したが、2024年4月1日にビクターエンタテインメント株式会社(二代目)に再度商号変更した。
日本ビクターが1927年より展開していたレコード盤(メディア)製造部門を除くレコード音源制作・販売事業、および出版事業(ビクター出版株式会社)を含め、1972年4月25日に分社化しビクター音楽産業株式会社として設立。日本コロムビアやユニバーサル ミュージック ジャパンに次ぐ歴史を有する日本のレコード会社であり、多種多様なアーティストが所属する。
1993年4月に分社化していた販売部門(日本エイ・ブイ・シー株式会社)を吸収合併しビクターエンタテインメント株式会社へ社名変更。2014年4月1日に親会社名に揃えた現社名へ変更。メディア製造部門は2007年に日本ビクターからビクタークリエイティブメディア(現:JVCケンウッド・クリエイティブメディア)株式会社へ分社化した。
1983年にゲームソフト(パソコンゲーム・テレビゲーム)事業に参入したが、1996年に日本ビクター子会社のパック・イン・ビデオへ統合されビクターインタラクティブソフトウェア(VIS)へ社名変更された。VISは2003年に同業のマーベラスへ売却され、2007年6月にマーベラスへ吸収合併されている。
1989年に「ビクターブックス(VICTOR BOOKS)」の名称で書籍事業を立ち上げ、音楽・映画関係の単行本・グラビア写真集とスポーツ雑誌「ワールドサッカーグラフィック(WSG)」などを細々と刊行したが、2003年にぴあ株式会社へ事業譲渡。WSGは2008年に休刊となったが、2011年にぴあ本社が入居する渋谷ファーストタワーに本社事業所を移転、現在も入居している。
1970年代よりタツノコプロ・学研・サンライズ・葦プロダクションなどが制作するアニメソングを数多く担当しており、1984年にレコード会社が初めて製作したOVA「BIRTH」とピンク・レディーなどのミュージックビデオによってビデオ制作事業に本格参入した。
1999年からはそれまでの日本ビクターに代わる形でテレビアニメ番組への製作出資にも進出した(ソフト企業としてバンダイビジュアル・日本コロムビア(ANIMEX)・パイオニアLDC・ポニーキャニオンなどに追従)。2007年にアニメの企画・発売事業はJVCエンタテインメントを経てフライングドッグへ承継した。
1983年からVHDカラオケディスクの展開を2003年まで続け、その後継としてDVDカラオケソフトを発売したが、2009年以降新譜の発表がない。
アニメを除く映画やテレビ番組など版権物のビデオソフト事業は元来日本ビクター本体に留まっており、日本ビクターもしくは合弁会社の「パック・イン・ビデオ」や「CIC・ビクター ビデオ」を通じて展開されていた。1984年より当社においても他社が発売元となるソフトの受託販売も行っているが、2005年頃より韓流ドラマを中心とした海外ドラマジャンルに絞られている。
「パック・イン・ビデオ」の映像事業は1994年、ビクター エンタテインメントに譲渡、ゲーム事業に専念。後に前述通り、ビクターインタラクティブソフトウェアに社名変更した。
1990年代前半に、ビクター音楽産業とテイチク(現・テイチクエンタテインメント)を合併して『パナソニックレコード(Panasonic Records)』を作る構想が浮上した。
日本ビクターとテイチクの親会社であった松下電器産業(現・パナソニックホールディングス)は、当時MCAを傘下に収めており、それらを統合することで、国内最大の総合ソフトエンタテインメント会社の設立を目指していた。その一端として、1991年にMCAビクター(後に「ユニバーサルビクター」と改称)をビクター音産の傘下に設立し、国内最大の総合エンタテインメント会社への布石を打った。1989年にコロムビア映画や米国コロムビア・レコードを買収したソニーに対抗しようと画策したものであった。また、テイチク傘下にも「エムシーエー・パナソニック・ミュージック株式会社」を設立していた。
しかし、ビクター・テイチク合併構想は結局頓挫し、1995年にパナソニックはMCA株の大半をシーグラムへ売却。2000年にシーグラムが買収したポリグラム(ポリドール、MME)が社名変更したユニバーサルミュージック側に吸収され消滅した。その経緯において、2003年まではビクターがユニバーサルの販売を受託していた。
キラーコンテンツが不在のテイチクは経営不振に陥り、1999年に松下から日本ビクターに持株を譲渡されたことで当社専務の飯田久彦を社長に送り込み、社名変更や事業の縮小、社内カンパニーのインペリアルレコードの設立など経営改革を図った。当社とテイチクは15年余り兄弟会社となっており買収の標的とされていたが、2015年4月にエクシングがテイチクを買収(ブラザー工業グループ入り)したことで関係がなくなったものの、パッケージメディアの製造や販売等の流通委託に関してはこれまで通り継続されている。
※五十音順。
あ・か行
さ・た行
な・は行
ま・や・ら・わ行
その後、RVC、BMGビクター、BMGファンハウス、BMG JAPAN、アリオラジャパンを経て2014年4月に発足したソニー・ミュージックエンタテインメント(SMEJ)の完全子会社のソニー・ミュージックレーベルズに統合され、同社の社内レーベルとして機能される形で法人そのものが消滅。資本関係の変化によりソニー・ミュージックグループに原盤権が移動(個人および芸能事務所が所持しているものや、BMG時代に撤退した演歌部門の一部音源など他社に譲渡されたものを除く)。
その後、日本フォノグラム、マーキュリーミュージックエンタテインメント、キティMMEを経てユニバーサルシグマ(ユニバーサル ミュージック合同会社)に社名を変更。
ビクターエンタテインメント・ゲームズよりリリース。
Victor Rocks
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