株式会社大林組(おおばやしぐみ)は、東京都港区港南に本社を置く、日本の総合建設会社(スーパーゼネコン)である。1892年創業。日経平均株価の構成銘柄の一つ。
鹿島建設、清水建設、大成建設、竹中工務店とともにスーパーゼネコン5社の一つ。創業以来、永らく竹中工務店、奥村組、錢高組、鴻池組と並び大阪に拠点を置いていたが、2010年、登記上の本店を東京の品川インターシティに移転した。
三水会とその後身社長会である水曜会およびみどり会の会員企業であり三和グループに属していると同時に大輪会の会員企業である。
コーポレートメッセージは「make beyond つくるを拓く」である。かつてarchitecture romanだった時期もあった。
「地球に優しい」リーディングカンパニー
創業以来、受け継がれてきた精神
大林芳五郎(1864-1916)は、大阪市の靱(現在の西区靭本町、江之子島2丁目東部)の永代浜付近で塩及び北海道産干鰯問屋「大徳」を営んでいた大林徳七の三男・由五郎として生まれ、西大組六番小学校で学んだ。同窓の志方勢七、田中市太郎(田中市兵衛長男)、金沢仁作とは長く親交した。1873年に父親が64歳で亡くなり、その妻の美喜子が家業を引き継いだが、7年後に店をたたんだ。11歳で大阪西区の呉服商麹屋又兵衛に奉公にいき、1882年に独立して小売呉服店を始めたが失敗、1883年宮内省出入りの土木建築請負人砂崎庄次郎の見習いとなり、1888年に独立、1892年1月に阿部製紙所工場工事を落札し、建築請負業として開業した。
芳五郎の長男・大林義雄 (1894-1943)は、早稲田大学商科に学び、欧米を遊学、在学中に芳五郎が死去し、1916年に22歳で家督を継ぎ、2代目社長となった。妻は子爵上原勇作の三女。神戸市御影に1932年に建てた邸宅は現存し(現・大林組迎賓館北緯34.72557度 東経135.25053度 / 34.72557; 135.25053)、阪神間モダニズムの一例として知られる。洋館は安井武雄、木村得三郎が設計し、和館は西川一草亭(津田青楓の兄)、北村捨次郎が手掛けた。
三代目社長の大林芳郎は芳五郎の長女夫婦の二男。現・代表取締役会長の大林剛郎は芳郎の二男。
※「大林店」時代を含む
2018年11月、ニュージーランドのTuaropaki Trust(トゥアロパキ・トラスト)と「ニュージーランドの地熱発電を利用したCO₂フリー水素製造・流通の共同研究」に関する契約を締結。Tuaropaki Trust社所有の地熱発電所の電力を利用する水素製造プラントの建設に着手した。プラント完成(2020年予定)後は、年間100t程度のCO₂フリー水素の製造からニュージーランド国内における流通まで、一連のサプライチェーンの実装研究を実施し、各段階におけるノウハウを蓄積していく予定。
2025年国際博覧会(万博)の開催地が大阪市夢洲に決定し、同地域における関連施設の建設や交通インフラの整備が見込まれている。大林組は、2018年12月に「大阪万博IR室」(現:「大阪関西万博・IR室」)を設置。2019年4月には、社長直轄の組織として「夢洲開発推進本部」を設置した。
地球と宇宙の間をケーブルでつなぐ「宇宙エレベーター」は、ロケットに比べ、運搬効率が良く、経済的で、環境への影響が少ない輸送手段として期待されている。「宇宙エレベーター」は、理論的には実現可能とされていたものの、地球と宇宙を結ぶケーブルに必要な「軽さ」と「強度」のある素材が存在していなかった。しかし1991年に、軽くて強い素材カーボンナノチューブが発見されたことにより実現可能性が高くなった。 大林組はプロジェクトチームを組織し、宇宙エレベーター建設を構想している。
リニア中央新幹線の建設工事の入札に於いて不正が行われたとして、工事を請け負っているゼネコン4社の1つである同社が、2017年12月に東京地方検察庁から偽計業務妨害容疑で捜索を受けていたことが明らかになり、談合を認めた。2018年3月1日付で白石達社長が辞任、土木担当の土屋幸三郎副社長が同年1月23日に辞任。なお他の3社は清水建設が1月22日までに談合を認め、鹿島建設と大成建設は否定し続けた。その結果として、法人としての大林組は起訴されたが、鹿島と大成の幹部は逮捕・起訴されたのに対し土屋元副社長ら大林・清水の幹部は不起訴(起訴猶予)となった。
10月22日、東京地方裁判所は私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独占禁止法)違反の罪で大林組に罰金2億円、清水建設に同1億8千万円を言い渡した。2019年1月18日大林組と清水建設は、有罪判決が出たことを踏まえ、国土交通省関東地方整備局から2月2日から6月11日の120日間営業停止処分を受けたとそれぞれ発表した。対象は、全国の新たな民間の土木工事となる。
2000年代、福岡県北九州市一帯では、暴力団が建設業界に対し工事費の1%-3%を上納金(みかじめ料)を収めるよう要求していた時期があった。大林組が受注した小倉北区のホームセンター建設現場にも金銭の要求があり、大林組側は不当要求を拒否して暴力団排除の姿勢を示したが、後に下請け会社の社長が襲撃を受けて死亡する事件も発生した。
2019年(平成31年)2月 - 男性社員が就職活動のOB訪問で知り合った女子大学生を自宅に連れ込み、わいせつな行為をしたとして、強制わいせつの疑いで警視庁三田署に逮捕される事件が発生したが、翌月東京地検はこの男性社員を不起訴処分とした。不起訴とした理由は明らかにしていない。
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