ニューアダルトミュージックとは、日本の大衆音楽のジャンルとされるものの一つ。
明確な定義は無いが、マスメディアでは『演歌と歌謡曲の間に位置する』などと表現される。
ニューミュージックの派生形で、ジャンル名としては定着しなかったが、レコード店での分類は演歌・歌謡曲に分類されることが多い。
フォーク系ニューミュージックから演歌・歌謡曲路線に転向した堀内孝雄や高山厳が所属するアップフロントプロモーション(旧:アップフロントエージェンシー)やその系統のレコード会社(ポリスターなど)が営業戦略の一環として使い始めた言葉。
1980年代後半から1990年代前半における堀内や高山の楽曲は、村田英雄などに見られる、「こぶし」や「うなり声」といった演歌的な曲調や歌い方ではなく、どちらかと言えばポップスに近い曲調と歌い方である。だが、従来の歌謡曲や若年者層向けのアップテンポな流行歌とも異なり、演歌・歌謡曲的な歌詞にフォーク、ニューミュージック・AOR・シティ・ポップスの要素、デジタルシンセサイザーのライトな電子楽器を融合させ、大人の世界を独特な形でゆったりと表現しているのが特徴である。『はぐれ刑事純情派』をはじめとするサスペンス・刑事ドラマ、『いい旅・夢気分』などの旅番組や鉄道のコマーシャルなど中高年向けメディアのタイアップとしても用いられていた。
森進一の『冬のリヴィエラ』や、島倉千代子の『人生いろいろ』、美空ひばりの晩年期やテレサ・テン、マルシアなどといった演歌と歌謡曲の融合曲は1980年代より流行していたが、「ニュー・アダルト・ミュージック」を標榜していたのは、特定の歌手である。
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