『フルーツバスケット』は、高屋奈月による日本の漫画。『花とゆめ』(白泉社)において、1998年16号から2006年24号まで連載された(ただし、2000年18号から2001年19号まで作者の体調不良により休載)。全23巻。略称は「フルバ」・「フルバス」など。作者の高屋は「フルバ」と呼称している。
テレビアニメ作品としても制作され、2001年にテレビ東京系列にて放送された。2019年に再びアニメ化され、同年から2021年にかけて3シリーズにわたって放送された。2009年には舞台化され、劇団スタジオライフによって上演。2022年に再び舞台化。
次世代編『フルーツバスケットanother』が『花とゆめONLINE』、のち『マンガPark』で2015年9月4日から不定期連載され、2018年12月3日で最終話を一度迎えたあと、完結話の第13話が2020年4月6日から2020年5月4日まで不定期連載された。
草摩家の分家宅に居候することになった主人公・本田透と、動物憑きの奇妙な体質を持つ草摩家の面々との交流を中心に描く。連載当初は「ホームコメディ」と掲載雑誌で紹介されていたが、作者自身は「コメディ」を意識してはいない、と単行本内で述べていた。
2001年、第25回講談社漫画賞・少女部門受賞。2018年11月時点で単行本の全世界累計発行部数は3000万部を突破している。北米では、2004年にTOKYOPOPより初刊が刊行され、2006年12月の時点において15巻まで刊行。同社最大のヒット作であり、2006年12月6日のTOKYOPOPの公式サイトで、15巻までの累計売上部数が200万部を超えたことが発表された。また、2007年に「もっとも売れている少女マンガ」として、ギネスブックに認定されている。
本田透は都立海原高校に通う女子高生。唯一の家族だった母親を事故で亡くし、小山で一人テント暮らしをしていた。ところがそのテントを張った場所は、同級生の草摩由希の一族が所有する土地だった。何とか交渉し敷地内でのテント暮らしを許可してもらおうとしていた時、土砂崩れでテントも失ってしまい、それがきっかけで由希が暮らす同じ一族の草摩紫呉の家に居候することに。
居候初日、透は草摩一族の秘密を知ってしまう。彼らは代々十二支の物の怪憑きで、異性に抱きつかれると憑かれた獣に変身してしまうという体質だった。
2001年7月5日から同年12月27日までテレビ東京系列にて放送された。全26話。サブタイトルが「第○話…」となっている(話数は漢数字が入る)。最終回の時は「最終回…」。放送前の5月3日には『フルーツバスケットにもうすぐ会える!』という特別番組が放送された。
放送されたのは単行本の1巻から5巻までの全話、5巻までに登場しなかった各十二支(紅野・依鈴は除く)が初登場する話である7・8巻の一部(7巻:37、38、42話 / 8巻:43話の一部・44、45話)、綾女の店の話(6巻:36話)、夾の「本当の姿」の話(6巻:31 - 34話)である。また、キャラクターの性格や設定の変更、物語の重要な伏線部分の消去などが行われている。
紅葉がドイツ人とのハーフである設定は存置されたものの、ドイツ語を話さないキャラクターに設定されたり、依鈴に関わる言動の全カット、透たちの担任教師である繭子が別キャラクターに置き換えられるなどの処置がなされた。また、コメディ要素が強調された形となっており、動物に変身する回数も多くなっている。
ストーリー構成や各種設定に関して原作者である高屋奈月はアニメ版のシナリオに関わろうとしていたが、製作側の「自由に作らせて欲しい」との断りが尊重されたと監督の大地丙太郎の著書には記されている。最終回は放送当時、原作が完結していなかったため、アニメ版第1作独自の結末となっている。
監督の大地は、本作の続編を求めるファンの声に対して「フルバのアニメの続きは作れないのです。それは岡崎律子さんはじめ、あの時にスタッフ全員、全力を出し切ってしまったから。でも、今、思った。こういう風に言われ続けるのは、我々の落ち度でした。半端な作り方をしてしまったのでしょう。ごめんなさい。それでも、続きは作れません」と答えている。
放送の15年後の2016年にBlu-ray Boxが発売された。
特に記載のないものの作詞・作曲・唄は岡崎律子。「For フルーツバスケット」と「小さな祈り」は、後に堀江由衣が「フルーツバスケット―風色― Song for Yui Horie」にてカバー。オープニングにクレジットされるスタッフは僅かで、大半はエンディングにクレジットされる。
テレビ東京ほかにて2019年4月6日より9月21日まで1st seasonが放送された。2nd seasonは2020年4月7日より9月22日まで放送された。最終章に当たるThe Finalは2021年4月6日より6月29日まで放送された。2001年版からスタッフ・キャストは一新され、内容も本編の最後までアニメ化された。
2022年2月18日には、『フルーツバスケット -prelude-』(フルーツバスケット プレリュード)がエイベックス・ピクチャーズの配給により劇場上映された。テレビシリーズを再構成した総集編に加えて、透の両親である今日子と勝也視点の前日譚と、高屋描き下ろしによる透と夾の後日譚が新作映像として描かれる。
原作者である高屋奈月が総監修として関わり、新たなアニメ化というオファーに対して、高屋の意向で新たなスタッフ・キャストで作られることになった。また絵も自分の絵に寄せないようにしてほしいという要望から、原作の絵柄とは異なったキャラクターデザインになっている。
これまでに3度ドラマCD化されている。2012年に『花とゆめ』誌上で応募者全員サービスとして頒布された音声入りまんがDVDも本稿で述べる。
『花とゆめ』誌上での全員応募サービスで企画されたCD。アニメ化される以前に発表されたものであり、担当声優が一部アニメ版と異なる。内容はオリジナルストーリーの『草摩家の長い一日』と花島咲によるおまけコーナー。
『花とゆめ』の付録CD。オリジナルストーリー『学園防衛隊』を収録。アニメ化以降(2005年)に発表されたため、担当声優はほぼアニメ版のまま。生徒会メンバーが初登場する。
2005年5月25日にマリン・エンタテインメントより発売されたCDドラマ。原作の劇中劇『シンデレラっぽいもの』と『学園防衛隊』(上記のものと同一)が収録されている。
タイトルは『「フルーツバスケット」音声入りまんがDVD〜旅立ちの日、再び〜』 。『花とゆめ』2012年24号は、高屋の画業20周年記念号として企画されており、応募者全員サービスとして実費頒布されたDVDである。『花とゆめ』2013年1号、『ザ花とゆめ』2012年2月1日号でも同様に頒布された。
原作最終話を音声付きとしたカラースライドショー、キャストコメントで構成される。
2009年2月26日から3月8日にかけて、フジテレビ・スタジオライフ・天王洲 銀河劇場の主催で舞台化作品が上演された。出演者は全員男性で、女性の登場人物も男性俳優が演じる。また、キャスト陣は「ストロベリー・チーム」と「チェリー・チーム」で分かれ、ダブルキャストに該当する登場人物もあるが、ダブルキャスト該当出演者も別配役でもう一方のチームに参加している。
フジテレビジョン・スタジオライフ・銀河劇場プロデュース公演
メ~テレ・スタジオライフ共催公演
2022年3月4日から13日まで、日本橋三井ホールにて上演された。
2023年10月6日から15日まで、大手町三井ホールにて上演予定。
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