日本学士院(にっぽんがくしいん、英: The Japan Academy)は、日本学士院法(以下「法」)に基づいて設置されている日本の国立アカデミーであり、文部科学省の特別の機関である。1879年に東京学士会院として発足し、1906年に帝国学士院に改組された。1947年に日本学士院となり現在に至る。日本学術会議と混同されやすいが、世界のアカデミー連合である国際学士院連合の日本代表はここのみである。
東京都台東区上野公園の上野恩賜公園内に立地する。
文部科学省の特別の機関として位置づけられており、法第1条でその目的を「学術上功績顕著な科学者を優遇するための機関とし、学術の発達に寄与するため必要な事業を行う」と定めている。
学士院会員は終身であり(法第3条第2項)、定員は150名である(法第2条第2項)。死亡により欠員が生じた分科ごとに各部分科会員の投票により毎年12月に新会員が選定される(常に全欠員が補充されるわけではない)。文化功労者より低い年金(250万円)が授与されるが(法第9条)、これは特別職の非常勤国家公務員(法第3条3項)としての給与名目で支給されており課税対象になる。また、検察官適格審査会令第1条2項の規定により、日本学士院会員から互選で1名が検察官適格審査会の委員になっている。また日本学士院客員たる外国人は、日本における学術の発達に関し特別に功労のあった人物の中から選出される(法第6条)。
外国のアカデミーは研究活動も行っており、日本学士院も「総会において、学術上の論文を提出し、又は紹介することができる」とされているものの(法第3条第4項)、内部に「今更、研究をするのはいかがなものか」という考えが多く、実際には研究機関としての面は他国に比べ薄い「殿堂」的機関と化しているのが現状である。しかしながら、毎月定例の研究会を開催し、そこで研究発表が行われ、またその研究成果は『日本学士院紀要』として公刊されている。
また恩賜賞や日本学士院賞、エジンバラ公賞、日本学士院学術奨励賞の授賞も行っている。なお、エジンバラ公・フィリップは、2021年4月9日に薨去するまで日本学士院の名誉会員であった(同日付にて退任の扱い。)。
日本学士院のシンボルマークは、長鳴鳥と桜花を図案化したものである。帝国学士院会員であった坪井正五郎によりデザインされた。なお、坪井は、恩賜賞の賞牌や当時の帝国学士院賞の賞牌のデザインも手掛けている。
会員は、その専攻により、人文科学と自然科学のいずれかの部門に分属する(法第2条第3項)。
法第8条。
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