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小惑星族


小惑星族


小惑星族とは、軌道長半径、離心率、軌道傾斜角など類似の固有軌道要素を持つ小惑星の集団である。小惑星族に分類されるものは、過去の小惑星同士の衝突によって生じた断片であることもあるが、現在その軌道に偶然入り込んだもので過去は違った軌道を取っていたもの、あるいはたまたま軌道要素が同じだけで別々に形成された場合もある。

特徴

大きく、顕著な小惑星族は族内に数百の小惑星を含んでおり、まだ発見されていない小惑星やまだ分析されていない小さな小惑星を含んでいる可能性がある。 小さな小惑星族でも族内に10程度の特定された小惑星を含んでおり、メインベルト(小惑星帯)の33%~35%の小惑星はいずれかの小惑星族に含まれる。

20~30は確かに確認された小惑星族があり、数十以下のグループがある。たいていの小惑星族は小惑星帯に見つかっており、パラス族、ハンガリア族、フォカエア族などのように長半径が長く、小惑星帯より軌道傾斜角が大きい傾向にある。また、太陽系外縁天体の準惑星であるハウメアも小惑星族を従えていると考えられる。 いくつかの研究ではトロヤ群の中に衝突でできた小惑星族の証拠を探そうとしたものの、決定的な証拠は得られていない。

発生・消滅

小惑星族は小惑星同士の衝突によって形成されたものと考えられている。多くの場合、母天体が砕け、類似した軌道上に小惑星族となる多くの小惑星が残る。また、母天体を完全に崩壊させない程度の大型のクレーター形成の結果、小惑星族が生成されることもある。ベスタ族、パラス族、ヒギエア族、マッサリア族など、小惑星族全体の体積に対して大きな小惑星を持つ小惑星族の多くはクレーター形成の結果できたものと考えられる。

いくつかの小惑星族では現在満足に説明できない複雑な内部構成のものもあるが、これらのものは同じ軌道範囲内で何度か衝突があったのではないかと考えられている。

衝突でできるゆえ、ほとんどの小惑星族内の小惑星の構造は良く似ている。大型の小惑星に大きな衝突が生じてできたものは核部分と表層部分に違いがあるため、小惑星のスペクトル型が違う小惑星が含まれることもある。

小惑星族の寿命はさまざまな外部要因にもかかわっているものの、およそ10億年程あると考えられる。これは太陽系の年齢(46億年)に対し短いため、太陽系の初期にできたものはもう小惑星族としての軌道共有の機能を失っているだろうと考えられている。

小惑星族が崩壊していく理由は次のようなものが考えられる。

  • 主に木星からの摂動で速度を失い軌道の範囲内から消える。
  • 小惑星間の衝突で小さく粉になっていく。
  • 木星との軌道共鳴。
  • ヤルコフスキー効果などの影響で軌道範囲から放出される。

小さい小惑星のほうが軌道共鳴やヤルコフスキー効果などを被りやすいため、急速に小惑星族の軌道範囲から消えていくと考えられる。いくつかについては一億年近くから数百万年足らずまで試験的に時代が見積もられており、カリン族は数百万年程度の年齢と考えられる。

年齢の高い小惑星族ほど属する小惑星が拡散し、属する小惑星が少なくなると考えられ、これが一番簡単な小惑星族の年代測定の基準となっている。小惑星番号の大きい古い小惑星族である場合、隕鉄の科学的比率が分析の更なる証拠になる。小惑星が生成する際、コアが露出し削れるか、崩壊する程度の衝突があったと考えられ、これは母天体が最小でも50から100に砕ける余裕のある大きさであったことを示す。このため属する小惑星が少なければそれだけ古いものと考えられるからである。

上記のような理由で小惑星族は、中期には小型中型の小惑星の多くを失い、最終的に大型小惑星のいくつかを残すのみとなり、それも消えていく。メティスとアマルテアの二つはそのような小惑星族の最終的なものではないかと考えられている。

軌道・分類

メインベルトの軌道要素を図にすると、メインベルトに対して異なった軌道の集中が見られる。この軌道集中が小惑星族である。

厳密に言うと、族は時間をかけて規則的に変化する接触軌道要素よりも、固有軌道要素を分析することによって特定されている。固有軌道要素は関連した一定の動きで、何千万年、何億年もの間ほとんど一定のまま残っている。

日本の天文学者、平山清次は小惑星の軌道に関する見積もりを研究、有名ないくつもの小惑星族を発見し、この分野を開拓した。この名誉によって、彼が見つけた5つの小惑星族は平山族とも呼ばれる。その他、小惑星族の研究者にはイタリアのヴィンチェンツォ・ザッパラ、日本の古在由秀などがいる。

20世紀末には、機械技術の進歩によってコンピューターを利用した研究で多くの小惑星族が上がるようになった。一番特徴的な小惑星族探知方法は、軌道要素の範囲で距離が最も近くにある小さい小惑星を探し出し組分けるHierarchical Clustering Methodである。また、軌道要素域に小惑星密度の地図を作り、密度のピークから小惑星族を探すWavelet Analysis Methodもある。

小惑星族の境界は、メインベルトと交わるのであいまいになっている。そのため構成員(小惑星族を構成する小惑星)数はほとんど知られているだけであり、境界付近の小惑星の小惑星族としての資格はよくわかっていない。研究者によって特定の小惑星族に含まれるかどうか、またはどの小惑星族に含まれるか意見が分かれている小惑星も少なくない。

さらに、多様な小惑星があるであろう境界付近からは、小惑星族以外の侵入者もあると考えられる。小惑星族は衝突で構成されたと考えられるため、原則として族内の構成員の多くと合わないスペクトル特性を持つものは侵入者と考えられる。代表例がかつて最大の小惑星とされていた準惑星のケレスであり、過去はケレス族という小惑星族と考えられていたが、ケレスは侵入者とみなされたため、現在ではゲフィオン族と名を改めている。

また、逆に小惑星族外端の小惑星はスペクトル分類によって構成員か否かを調べており、ベスタ族(変わったスペクトルの小惑星が多い)はそのような方法で調査をされた。

分類

小惑星族の中でも、衝突が母体小惑星を完全に破壊せず、断片を出す程度の衝突で生成された小惑星族をクレーター形成系小惑星族とよぶ。

他の用語は主に違いが少ないか、統計的に確かでない『名目上の家族』のグループのタイプを区別するのに使用する。

  • Clumpsは、内有する小惑星が少ないものの、他の小惑星の軌道と明確に異なっている小惑星族に使われる(ジュノー族がこれに当たる)。
  • Clansは、他の小惑星の軌道との境界がわかりづらく、外部小惑星が同族かどうかを決め難くする複雑な構成であり、同じ軌道の関係ない小惑星を含む可能性のある小惑星族に使われる(フローラ族がこう呼ばれる)。
  • Tribesは、小惑星族内の軌道数値の密度が小さかったり不確実性が高かったりという理由で、他の小惑星の軌道と比べ分けきれるほど重要であるがそれほど確かでない小惑星族に使われる。

大きな小惑星族の中にはサブグループを含むものがあるとも考えられている。ニサ族のサブグループのポラナ族などがこれにあたる。

なお、火星や木星との軌道共鳴によって特定の軌道に集まった小惑星のグループもあるが、これらは小惑星族ではない。代表的なものはトロヤ群で、ヒルダ族やキュベレー族、ハンガリア族もこちらの可能性がある。太陽系外縁天体には海王星と軌道共鳴している冥王星族やトゥーティノ族などいくつかのグループがある。

一覧

2015年に、当時40万個近くあった番号が付けられた小惑星をもとに、合計約10万個の小惑星が分類された122の注目すべき「族」を特定した研究が行われた。このデータは「Small Bodies Data Ferret」で公開されていた。 この表の1列目には、ファミリー識別番号(FIN, family identifier number)が記載されている。これは、識別された族が現在使われている族名から変更された際に継続して識別できるように、数値でラベル付けしたものである。

Collection James Bond 007

脚注

注釈

出典

関連項目

  • 小惑星

外部リンク

  • Asteroid Database List of family catagories

Text submitted to CC-BY-SA license. Source: 小惑星族 by Wikipedia (Historical)