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シンガポール・チャンギ国際空港


シンガポール・チャンギ国際空港


シンガポール・チャンギ国際空港(シンガポール・チャンギこくさいくうこう、(IATA: SIN, ICAO: WSSS))は、シンガポールの国際空港、また、東南アジアにおける有数のハブ空港でもある。チャンギ国際空港チャンギ空港とも。シンガポール都心の20キロメートル北東に位置する 。

チャンギエアポートグループが運営しており、シンガポール航空、シンガポール航空カーゴ、スクート、タイガーエア、ジェットスター・アジア航空の拠点空港である。また、カンタス航空(オーストラリア)もカンガルールートの経由地として準拠点空港に位置付けている。

2021年3月現在、100以上の航空会社が週あたり6,100便を運航し、200都市、60カ国以上に就航している。

また、人口約550万人の都市国家シンガポールにとって、28,000人以上の雇用を創出しているシンガポール・チャンギ国際空港は、シンガポールの経済とは切り離せない関係である。

歴史

シンガポールの空港はセレター空港(1930-37)、カラン空港(1937-55)、パヤレバー空港(1955-1981)、チャンギ空港と移り変わってきた。パヤレバー空港は滑走路1本で旅客ターミナルも小さい空港だった。そのため、世界の航空需要が増えるに従って次第に手狭になってきた。1930年代では年間30万人だった旅客数が1955年では170万人に達し、1975年には400万人にも上った。

この問題の解決にあたって、シンガポール政府にはパヤレバー空港の拡張、または別の場所への新設の2案があった。British aviation consultantの勧めもあり、1972年にパヤレバー空港の拡張を決めた。この拡張計画は滑走路を1本増やし、旅客ターミナルを再開発することだった。しかし、この計画は1973年のオイルショックによって見直されることとなる。

パヤレバー空港周辺の土地は、将来的に都市化が期待できるとして、1975年にシンガポール島の最東端、チャンギのチャンギ空軍基地のある場所に、民間空港を建設することに決定された。この空港建設は、都市国家シンガポールの歴史を通して、最大級の建設プロジェクトであった。パヤレバー空港はその後軍用となり、パヤレバー空軍基地として供用されている。

軍用空港として

戦前にはイギリス陸軍の駐屯地があった。第二次世界大戦中の1942年、日本軍がシンガポールを占領すると大日本帝国海軍航空隊の基地となり滑走路が建設された。戦後から1968年まではイギリス空軍基地、シンガポール独立後はシンガポール空軍基地であった。

チャンギ空軍基地は海に面した場所にあり、埋め立てにより容易に拡張できること、航空機が住宅街上空を通過せず騒音問題や重大な事故を避けることができるという利点があった。

民間空港として

1975年6月にPSAの長官だったHowe Yoon Chongが指揮を取り、52 km2の整地、埋め立てが開始された。

1981年、ターミナル1が開業し民間空港としての第一歩を歩み始めた。

2017年にはターミナル4が開業し、旅客処理能力が年間8,200万人に拡大した。

2019年4月には空港ターミナル4棟のうち3棟を結ぶ大型複合施設「ジュエル・チャンギ・エアポート」がオープンした。

施設 / 設備

滑走路

チャンギ空港は、二本の平行滑走路(02L/20R02C/20C)を持っており、いずれの滑走路も幅60m(200ft)、長さ4,000m(13,123ft)である。02L/20Rは、チャンギ空港が完成した1981年に完成し、何段階かに分けて建設されていた空港設備の中でも、一番初期に建設された。

02C/20C(以前は02R/20L)は、第2期工事で埋立地の上に建設された。この滑走路は02L/20Rから1.6 km離れている。各滑走路は、計器着陸装置のカテゴリーIからカテゴリーIII Bまで対応しており、悪天候でも安全に着陸できるようになっている。

2004年に、既存の滑走路に平行した新しい滑走路(02R/20L)が、02C/20Cの1.8 km東に建設されたが、現在はシンガポール空軍が使用している。

なお発着機は、必ずマレーシア領空を低空で通過するため、シンガポールはマレーシアに対して領空使用料を支払っている。

空港ターミナルビル

ターミナル1,2,3は、出発と到着が同じフロアを利用する構造になっており、到着後に飲食店や免税店や喫煙所に寄れるため、乗り継ぎや旅客機搭乗時の保安検査は、出国前ではなく、出国審査後に各搭乗ロビーへ入る前に実施する形式になっている。

2019年4月、ターミナル1,2,3を連結する位置に「Jewel」(ジュエル)と呼ばれる複合施設が開業した。世界最大級の屋内滝や、植物園、商業施設で構成される。

すべての搭乗ゲートにボーディング・ブリッジがあり、開港以来一貫して新明和工業(旧・川西航空機)のPAXXAYを使い続けている。

ターミナル 1

1981年7月1日開業 ゲート数:29

主に日本航空など、ワンワールドに加盟する航空会社が発着する。同じ航空連合に加盟する航空会社の空港ラウンジや、航空会社や利用クラスに関わらず有料で利用できる空港ラウンジ(Plaza Premium Lounge)等も設けられている。

ターミナル 2

1991年6月1日開業 ゲート数:35
主にシンガポール航空の近・中距離線や子会社のシルクエアー、スクートが発着する。ANAをはじめとするスターアライアンス加盟の航空会社の利用も多い。

ターミナル 3

2008年1月9日開業 ゲート数:28
主にシンガポール航空の日本路線を含む東アジア便、各国航空会社の南アジア便、欧州・北米・オセアニア方面の長距離便が発着する。

ターミナル 4

2017年10月31日開業 ゲート数:21
シンガポールに入国審査前にターミナル4からターミナル1へ、入国審査後は、ターミナル4からターミナル1へ、ターミナル3からターミナル4へ、無料シャトルバスで移動できる。

ターミナル4は、2013年に竹中工務店などが建設を開始し2016年12月に完成、2017年10月31日に開業した。21か所の搭乗ゲートが設置され、そのうち17か所が小型機(ボーイング737、エアバスA320)向けである。格安航空会社向けの設備も併設される。チェックイン、出入国審査、搭乗ゲートなどを自動化、セルフサービス化による効率的な旅客対応や素早い航空機のターンアラウンドが可能となるほか、飲食店や小売店なども充実させる計画である。

ターミナル 5

空港を東側に拡張し、2025年頃の開業を予定している。年間最大で1億5000万人の利用ができる。MRTのトムソン・イーストコースト線、MRTクロス・アイランド線の駅が併設される予定である。

JetQuay CIPターミナル

JetQuay CIPターミナルはプライベートラウンジで、ターミナル2の隣にある。プライベートチェックインから出入国検査まで一貫して行われる。このようなターミナルはフランクフルト空港のルフトハンザ・ファーストクラスターミナルに次いで世界で二番目に設置されたが、ルフトハンザ・ファーストクラスターミナルとは異なり利用クラスは限定されず、さらには航空会社を問わず利用できる。

VIPコンプレックス

国賓用のプライベートラウンジで外務省が管轄する。JetQuay CIPターミナルと同様のサービスが提供されている。

エアバスA380の運航

シンガポール・チャンギ国際空港を拠点とするシンガポール航空がエアバスA380(総2階建ての飛行機)の世界初運航を2007年10月に決定したことから、シンガポール民間航空庁は6,000万SGDをかけ既存のターミナル 1、2の拡張工事を行うことを決めた。それまで空港に乗り入れていたボーイング747-400よりも搭乗人数が多いため、待合室の拡張やボーディング・ブリッジの増設、荷物搬入のコンベアを通常の70mから90mへ延長するなどの拡張を施した。2005年8月16日に11箇所の専用搭乗ゲートが完成し、2008年1月9日にはターミナル 3にさらに8箇所の専用搭乗ゲートが完成した。

2007年にエアバスA380がシンガポールからシドニーに向けて初運航してから2013年までに20,000フライト以上を受け入れてきた。1週間に200フライト以上、6航空会社(エールフランス航空、エミレーツ航空、ルフトハンザドイツ航空、カンタス航空、シンガポール航空、タイ国際航空)が、13都市(バンコク、ドバイ、フランクフルト、香港、ロンドン、ロサンゼルス、メルボルン、ニューヨーク、パリ、サンフランシスコ、シドニー、東京/成田、チューリッヒ)を結ぶ、2013年現在では世界で最も多くエアバスA380が発着する空港となっている。また、2013年春にはブリティッシュエアウェイズがロンドン/ヒースロー - シンガポール間のフライトを予定している。

サービス

航空サービス

グランドハンドリング

グランドハンドリングは Singapore Airport Terminal Services (SATS)、Changi International Airport Services (CIAS)、Swissport の3社で受け持っている。Singapore Airport Terminal Services はシンガポール航空の子会社で、約80%のシェアを握っている。Changi International Airport Servicesは5社(エールフランス、中国国際航空、ガルーダ・インドネシア航空、KLMオランダ航空、ルフトハンザドイツ航空)のみ受け持っている。

航空機メンテナンス

チャンギ空港にはハンガーが5棟設けられている。この中の1つは面積が20,000m2あり、1981年開港当時 世界最大であったハンガーである。メンテナンスは SIA Engineering Company と ST Aviation Services Company の2社が行っている。

旅客サービス

トランジットツアー

チャンギ国際空港での乗り継ぎ時間が長い旅客向けに、シンガポールの街並みを観光バスで巡るトランジットツアーが、英語のガイド添乗員付きで無料で実施されている。なお、トランジットツアーはシンガポールに入国するが、受付は制限エリアのみで募集している。シンガポールの入国カードに予め記入する必要があるほか、参加にはパスポート、乗り継ぎに必要な時間が確保された第三国行き航空券、シンガポール査証(査証免除国は不要)が必要である。

運営

シンガポール・チャンギ国際空港は乗り継ぎ客を重視しており、空港を利用者に快適な空間へと作り替えてきた。開港当時の1981年には着陸料や駐機料などの航空関係収益が約6割を占めていたが、2009年には店舗賃貸や営業許可料などの航空関係外収益が5割を超えるようになった。また、この航空関係外収益の増大によって着陸料や駐機料などを下げてきたことが、一大ハブ空港へと成長してきた大きな要因にもなっている。

旅客

シンガポール・チャンギ国際空港は、全ての航空便が国際便であり、全ての空港ターミナルビルに出入国管理の設備が整えられ、乗り継ぎ客を重視している。

2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)による旅客数の落ち込みが回復してからは、順調に旅客数が増えている。また、2007年の世界金融危機によって、旅客数の増加が鈍化、あるいは減少したが、シンガポールのカジノ開業や、東南アジア諸国連合の航空自由化によって、2011年には4,650万人を突破した。

格安航空会社市場

バジェットターミナル開業以降、格安航空会社市場は急速に拡大している。開業した2006年4月には、空港全体の9.6%の発着数だったが、半年後の10月には11.3%となり、この6ヶ月間の利用者は657,000人に上った。また、2006年12月には、利用者累計100万人を達成している。

2010年時点でシンガポールの最大の格安航空会社市場はインドネシアで、旅客数は約500万人であった。

貨物

航空貨物部門は、チャンギエアポートグループが空港北側に位置するチャンギ航空貨物センター(Changi Airfreight Centre, CAC)で管理している。47ヘクタールあるチャンギ航空貨物センターはその全てが自由貿易地区となっている。9棟の航空貨物ターミナルがあり、5か所のカーゴ・エージェント・ビル(事務所、倉庫)には約200社の国際貨物会社が事務所をおいている。 2011年には1,865,252トンの貨物を扱い、2010年に比べて2.8%増加している。これは世界で7位、アジアで5位の取扱量である。

就航路線

旅客便

2023年11月24日現在

第1ターミナル

第2ターミナル

第3ターミナル

第4ターミナル


貨物便

運営統計

事件・事故

  • 1991年3月26日:クアラルンプール発のシンガポール航空117便(エアバスA310)が4人の男によってハイジャックされた。飛行機はシンガポールに着陸し、オーストラリアまで飛ぶための給油を要求したが、特殊部隊の突入によってハイジャック犯は殺害された。乗客、乗員に怪我はなかった。
  • 2007年10月11日:クアラルンプール発のシンガポール航空119便でパレスチナ人のOsama R.M. Shublaqが車輪格納庫に隠れ密航した。空港警察が発見・逮捕し、翌週にマレーシア当局に引き渡した。
  • 2010年11月4日:シンガポールを離陸したカンタス航空32便(機体記号:VH-OQA)の左翼内側の第2エンジンが一部破損しシンガポール・チャンギ国際空港に緊急着陸した。エンジンカバーはインドネシアのバタム島に落下していた。
  • 2015年10月11日:シンガポール発香港行シンガポール航空890便が出発待ち中のところ、突然前輪が壊れた。整備スタッフ1名がいたものの無傷だったが、ドアとブリッジが破損した。同社で原因を調べている。
  • 2016年6月27日、シンガポール発ミラノ行きシンガポール航空368便(777-300ER、機体番号:9V-SWB)が、離陸して約2時間後に操縦室でエンジントラブルを示す警告ランプが点灯したため、チャンギ国際空港へ引き返した。同空港の第2滑走路へ緊急着陸直後に右エンジンから出火した。当該便は乗員19人・乗客222人の計241人が乗っていたものの、全員脱出して無事。この影響で、第2滑走路は約2時間にわたって閉鎖された。
  • 2019年3月12日、エチオピア航空302便墜落事故を受けて、事故当該機種のボーイング737MAX(シルクエアーも運用している)の当空港への離着陸を全面禁止した。

交通

空港は、地上交通とともに都市計画されており、空港に接続している高速道路であるイーストコースト・パークウェイ(ECP)も、空港完成に合わせて建設された。イーストコースト・パークウェイは、チャンギ空港からシンガポール中心部までの20キロメートルを繋いでいる。

ターミナル 1, 2, 3は近接しており、旅行者は徒歩もしくは無料のチャンギ空港スカイトレインで行き来できる。スカイトレインは2006年から2007年にかけて更新され、故障が多かったボンバルディア製車両から三菱重工製のクリスタルムーバーに置き換えられ、ターミナル 3とも接続された。

空港内部

チャンギ空港スカイトレインは、ターミナル 1, 2, 3を計7駅で結んでいる。編成は出入国手続き前の旅客が乗れる車両と出入国手続き後の旅客が乗れる車両に分かれている。1990年代にターミナル 1, 2を結ぶために作られ、車両はボンバルディアInnovia APM 100が使われていた。2006年に三菱重工製のクリスタルムーバーに置き換えられ、2007年にターミナル 3と接続された。料金は無料で、5:30から2:30まで運行している。

ターミナル4までは、ターミナル2との間に無料シャトルバスが運行されている。

外部との交通

鉄道

マス・ラピッド・トランジット(MRT)のチャンギ・エアポート駅がある。駅はターミナル 2と3の中間あたりの地下にあり、ターミナルから直接行くことができる。チャンギ・エアポート駅は東西線のチャンギ・エアポート支線として開設された。

2002年2月8日の完成当時は、空港から市内中心部や島の西側までの直通電車を運行していたが、空港からの利用者よりも本線の利用者のほうが多かったため、2003年7月22日からは、本線と支線が合流するタナ・メラ駅とチャンギ・エアポート駅とを結ぶよう改められた。

このため、空港から都心部まで行くためには、タナ・メラ駅で乗り換えが必要であるが、対面乗り換えで階段を使わずに乗り換えできる。

路線バス

路線バスは MRT が開通するまでは、利用客や空港の労働者にとって主な交通手段だった。路線バスはSBSトランジットとSMRTバスによって運行され、各ターミナルの地下にあるバスターミナルより発着する。

タクシー

タクシー乗り場は、すべての空港ターミナルビルの到着ホールにある。

脚注

注釈

出典

関連項目

  • シンガポール・チャンギ国際空港の受賞歴
  • チャンギ・エアポート駅

外部リンク

  • Changi Airport - 当空港公式サイト (英語) (簡体字中国語)
  • Changi Airport (fansofchangi) - Facebook - 公式アカウント (英語)
  • fansofchangi(Changi Airport) (@fansofchangi) - Instagram - 公式アカウント (英語)
  • Changi Airport (@ChangiAirport) - X(旧Twitter) - 公式アカウント (英語)
  • Changi Airport - YouTubeチャンネル (英語)
  • ウィキトラベルには、シンガポール・チャンギ国際空港に関する旅行ガイドがあります。

Text submitted to CC-BY-SA license. Source: シンガポール・チャンギ国際空港 by Wikipedia (Historical)



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