大阪市営地下鉄(おおさかしえいちかてつ、英: Osaka Municipal Subway)は大阪市交通局が運営していた地下鉄。2018年(平成30年)3月31日付けで運営を終了し、翌4月1日より大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)へ事業を譲渡した。
都市計画学者の關一第7代大阪市長が大阪市高速度交通機関計画を策定し、日本初の公営地下鉄として、1933年に御堂筋線の梅田 - 心斎橋間が開業したのが始まりである。
2018年(平成30年)4月1日、大阪市交通局による運営から、大阪市が全額出資する新会社となる大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)による運営へ移管された。
大阪市高速電気軌道への譲渡直前で、8路線(1 - 8号線)が営業中で、此花区、西淀川区以外の大阪市22区と守口市、吹田市、東大阪市、堺市北区、八尾市、門真市に路線を持っていた。
民営・第三セクターを含めても東京地下鉄(東京メトロ)に次ぐ規模(路線数・営業距離・駅数)で、公営地下鉄としては日本最大であった。
例規上の正式な呼称は「大阪市高速鉄道」であり、また同市の地下鉄は、都市計画道路と一体的に整備するという市政方針上、全線が軌道法による軌道線区として建設、経営され(ただし大阪港トランスポートシステムから移管された区間については鉄道事業法による鉄道線)、線区については「高速電気軌道第○号線」の呼称を例規上用いていた。
大阪市の「大阪市交通事業の設置等に関する条例」では、営業中の8路線を含め9路線計153kmを計画路線としていた。
大阪市営地下鉄の廃止直前で営業していた8路線は、すべて軌間に標準軌を採用したが、電化方式は堺筋線・長堀鶴見緑地線・今里筋線が架空電車線方式、他の5路線が第三軌条方式を採用した(「運行設備」の節も参照)。長堀鶴見緑地線・今里筋線は鉄輪式リニアモーターである。
御堂筋線・中央線・堺筋線は、それぞれ北大阪急行電鉄、近畿日本鉄道、阪急電鉄と相互直通運転を行っていた。
上表の色欄で示したラインカラーは大阪市営地下鉄の路線図などで使われていた。
この大阪市営地下鉄のラインカラーは1975年(昭和50年)に導入されたが、色分けには以下のようにある程度意味づけされているとされている。ただ、公式に由来が決まっているのは長堀鶴見緑地線以降の路線だけで、色分けの根拠についての正式な資料が残っている訳ではなく、あくまでも推測であり、それがいつしか巷間で定着したものである。
下表の計画のうち、千日前線、長堀鶴見緑地線、今里筋線、敷津長吉線は「大阪市交通事業の設置等に関する条例」に定められていた。
四つ橋線の計画は、国土交通省や大阪市、阪急電鉄が中心となって「都市鉄道等利便増進法」に基づく速達性向上計画として整備することが検討されているもので、阪急神戸本線との相互直通運転を行う構想があった。
今里筋線の今里 - 湯里六丁目(仮称)間、及び長堀鶴見緑地線の大正駅から大正区鶴町方面間の延伸については、2004年10月の「近畿地方交通審議会答申第8号」に盛り込まれたことを受け、大阪市交通局は、このうち今里筋線の今里 - 湯里六丁目(仮称)間の延伸を次期整備路線としていた。
また、営業路線ではないが、森之宮検車場の機能を緑木検車場に統合するため、中央線と四つ橋線との連絡線を2014年に本町駅西側に新設した(「検修施設の統廃合」の節も参照)。
2004年7月1日に南港ポートタウン線(ニュートラム)とともに駅番号が導入され、その後、駅番号は車内の英語放送などで使われるようになった。
駅番号は路線名の読みの頭文字からとったアルファベットの記号(路線表参照)と起点駅を11として終点に向かって順番につけられた2桁の数字の組み合わせになっている。
記号は千日前線が S (Sennichimae)なので堺筋線は3文字目(saKaisuji)からとって K とし、また、長堀鶴見緑地線が N (Nagahori)なので、南港ポートタウン線はポートタウンの頭文字からとって P (Port town)とした。
数字が11から始まっているのは将来の延伸に備えたためであるのと、駅番号を採用した乗り入れ路線と連番にするためである。
大阪港トランスポートシステムから路線を移譲された中央線・南港ポートタウン線のコスモスクエア駅、南港ポートタウン線のトレードセンター前駅と、御堂筋線に直通する北大阪急行線の各駅は10以下の数字が使用されている。
大阪市営地下鉄の料金制度は以下のとおりであった。大阪市交通局では、『運賃』を原則として『乗車料金』と言い換えていた。交通局廃止時点の料金制度はOsaka Metroの運賃制度に引き継がれ、同時に関連会社の大阪シティバスとともに他の民間事業者と同様に『運賃』と称するようになった。
大人普通料金(小児は半額・端数は10円単位で切り上げ)。2017年(平成29年)4月1日改定。
乗車料金は駅間の最短経路のキロ程を求め、その属する区数で算出する(交通局では「対距離区間制」と呼称した)。御堂筋線・中央線・南港ポートタウン線では営業キロがそのままキロ程となるが、その他の路線では区間により、営業キロに所定の縮減または加算を行ったキロ程(市街の平行街路に先行開業した路線がある場合、当該先行線区の同一交差街路至近の駅間の営業キロにそろえる設定のほか、政策的設定)が定められた。
西梅田-梅田-東梅田の間での乗車の際でも乗車扱いになり1区(初乗り)の料金となる。
また、同一日に地下鉄と市バスを乗り継ぐ際にスルッとKANSAIカード、レインボーカード、回数カード、ICカード乗車券(PiTaPa、ICOCA、Kitaca、PASMO、Suica、manaca、TOICA、nimoca、はやかけん、SUGOCA)を利用すると、合計料金から100円割り引くとした(バス→地下鉄の場合は地下鉄側が100円割引。地下鉄→バスの場合はバス側が100円割引)。
以前は現金でも地下鉄・バス乗り継ぎ割引が利用できたが、2014年4月1日からはカード乗車券限定となった。
なお、2017年4月1日からICOCAおよびICOCA定期券を導入した。
区数別の乗車人員と割合は下表のとおりである。全乗客のうち、9割以上が3区までの利用となっている。
大阪市営地下鉄では、定期券を使用する乗客が指定経路外を乗車する場合、経路外の駅で途中下車をすることがなければ、指定経路外を迂回(うかい)乗車することを可能とした。
ただし、乗り換えは原則として2回までで、私鉄連絡の迂回定期は発行できない。
このほか、御堂筋線の混雑緩和のため、梅田・西梅田・淀屋橋・肥後橋および心斎橋・四ツ橋を発着または経由となる定期券については、券面表示にかかわらず、御堂筋線・四つ橋線それぞれの対応駅で乗車・降車ができるとした。
2010年に福岡市地下鉄と同様に1駅区間の料金を100円とする構想が当時の大阪市長平松邦夫より発表された。
市民サービスの向上や駅周辺の違法駐輪の解消につなげることが狙いで、具体的な導入路線などは今後検討するとしていたが、2011年に市長が交代したためこの構想は消滅したものの、後継となった橋下徹は後述する地下鉄の民営化を視野に1区料金を180円に引き下げる考えを示し、2014年4月1日の消費税の8%への増税に伴う料金改定に併せて1区料金の値下げを実施した。
市長がさらに吉村洋文に交代した後の2017年4月1日から、1区料金との料金差が大きい2区料金が、240円から230円に引き下げられた。
関西圏の鉄道事業者は車両メーカーを1社に絞って発注することが多いが、大阪市営地下鉄は公営事業者としての立場から入札制を維持し、1990年代以前は主要6社(アルナ工機・川崎重工業・近畿車輛・東急車輛製造・日本車輌製造・日立製作所)すべてに発注したことがある。ただし、1990年代に投入された車両のうち堺筋線用の66系と2000年代以降に投入された車両は近畿車輛・川崎重工業に集中して発注されている。
新車置き換えのタイミングなどから、短期間で廃車される車両も多かったが、20系登場以後は車体更新工事(10系の一部編成と20系・新20系、70系に関しては制御装置の更新も同時施工)を推進させる傾向になった。
軽量車体や電気指令式ブレーキ、VVVFインバータ制御といった先進技術を積極的に導入しており、その採用は同時期の大手私鉄よりも早いことが多い。2013年9月に30系が運用を終了したことに伴い、関西の大手私鉄5社より早く省エネルギー車両率の100%を達成した。また、全ての営業用車両にデッドマン装置が取り付けられた。
起動加速度は御堂筋線、中央線、千日前線が3.0 km/h/sである以外、2.5 km/h/sと日本の地下鉄では低い部類である。
乗務員室の扉の窓は取っ手を引くことにより窓が落ち、全開できる。また、ストッパーを使用することで半開けが可能である。
運転台はP1 - P4の4段階のノッチ、ブレーキはB2 - B7・EB(非常ブレーキ)の7段階となっている。B1は抑速ブレーキであり装備車(中央線)に限り有効にされている。堺筋線は阪急車と統一するため、運転台はP1 - P5の5段階のノッチ、ブレーキはB1 - B6・EB(非常ブレーキ)の12段階となっている。信号無視や速度制限を1km/hでも超過すると、保安装置による常用最大ブレーキが自動的に作動し、制限速度以下に減速する。
以下で特記ないものは第三軌条方式路線(御堂筋線・谷町線・四つ橋線・中央線・千日前線)用
これらは大阪市高速電気軌道に継承された。
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車両面における大阪市の特徴としては、前述した初期に開業している第三軌条使用路線が(以下便宜上、第三軌条線と称す)、いずれもほぼ同じ規格で作られていることが挙げられる。
一般に日本の地下鉄では新路線を建設するたび、新技術の投入または他社線との相互乗り入れのため規格の見直しが行われることが多く、異なる路線では車両の融通が利かないことも多い(ただし一世代前と後の路線では規格が似通っていたり、車両検修設備などを共用する目的から、線路を繋げて車両が回送されるケースも比較的よく見られる)。
しかし大阪市では堺筋線まで、既存の郊外鉄道への直通を企図した構造の路線が建設されなかったため(相互直通運転の北大阪急行と近鉄は第三軌条線となった)、市営第三軌条線はほぼ全線同一の規格となった。車内信号を使用する千日前線や、後に他社線と直通することになった中央線、過密運転を強いられる御堂筋線では、路線別に仕様の個別化が若干必要とされるが、軌間や車両サイズなどの基本寸法は同じとしている。
1960年代以降、特に7000・8000形や30系を製造していた高度経済成長の時期には新規区間開業や輸送力増強が相次ぎ、編成替えも伴う転属が頻繁に行われてきた。その中では新型車を御堂筋線に投入し、余剰車を別路線に投入することがたびたび行われていた。このため6000形(後の800形)・6100形(後の900形)や10系や30000系など一部路線でしか使用歴のない形式もあれば、50系や30系や新20系のように第三軌条線の全線で使用された形式もある。
以前の大阪市では、異なる第三軌条線でも同じ外観・車体色の車両が使用されていたが、前述のラインカラーの明確化に伴い、1975年より基本的な塗り分けパターンは同じだが、正面や側面窓下などのラインカラー部だけ色を変える新塗装が施された。これによりラインカラーによる識別性は他都市の地下鉄と同程度に向上した。
その後第三軌条線の大半が新20系で占められてからは、多少の転属は発生しているものの、ほとんどの車両が当初配属された特定の一路線で使用され続けているため、以前ほどの頻繁な転属は行われなくなり、他都市の地下鉄に近い状況となった。そのため、比較的車齢の高い10系が御堂筋線から転属することなく運用され続ける一方で、四つ橋線と千日前線は新20系で統一されているという状況も見られるようになっている。
第三軌条線の列車検査や全般検査などを行う施設としては、2015年までは御堂筋線・四つ橋線を担当する緑木車両工場と、谷町線・中央線・千日前線を担当する森之宮車両工場の2グループが存在。それぞれのグループ内では線路がつながっていたが、両グループにまたがって車両の転属をする場合は、トレーラーによる陸送が必要であった。
森之宮車両工場については築40年を超え老朽化しており、耐震構造などにも問題があるため建替えの必要が生じたものの、検査場や保守基地などが同敷地内に混在し、建て替えが困難であるため、森之宮の車両工場の機能を緑木車両工場に統合して車両工場部門の効率化を図ることになった。そのため四つ橋線本町 - 四ツ橋間と中央線本町 - 阿波座間を結ぶ連絡線を2015年1月に新設(中央線本町駅の600m西方から北側に分岐し上昇、中央線を南に跨いで四つ橋線本町駅南方の西側に接続)し、トレーラー輸送は解消された。
なお車両工場に隣接の森之宮検車場については廃止せずに存続しており、車両工場廃止後に同検車場で新20系(24系)のリニューアル改造が実施されている。
緑木車両工場への統合後初めて開催された2015年の「おおさか市営交通フェスティバル」では、第三軌条方式の車両の検査をすべて同所で行うようになったことから、新20系の全タイプを並べるという演出がなされた。
大阪市営地下鉄は、2005年度に44年ぶりに実質的な黒字決算となって以来、毎年黒字経営が続いており、2009年度も約289億円の黒字を確保、累積欠損金も残り約52億円となっていた。
2011年6月10日に公表された2010年度の大阪市交通局の決算見通し(速報版)によると、累積欠損金は一掃され、約186億円の余剰金が計上された。全国9都市にある公営地下鉄のうち、黒字化したのは当地下鉄が初である(日本全国の地下鉄の経営状況は「日本の地下鉄」の項目を参照のこと)。
長らく続いた「御堂筋線の黒字で他路線の赤字を補う」という不健全な収支状況も近年には改善され、2005年度の谷町線を皮切りに、2007年度からは中央線が、2008年度からは堺筋線が、2013年度からは四つ橋線が黒字転換を果たした。また2009年度決算ではこれら以外の路線についても全線で赤字幅が縮小した。
2006年5月8日に関西経済同友会は「大阪市営地下鉄と市営バス事業の民営化」を提言した。これを受けて、当時の大阪市長關淳一は、交通局の経営形態について、完全民営化も選択肢に含めた検討を進める方針であった。しかし、2007年11月18日に行われた市長選挙において關が落選。後任の平松邦夫は、交通局の経営形態について「当面現行の地方公営企業のままとし、任期中に住民投票条例を制定した上で民営化の是非をはかる」と表明していた。
2010年8月に大阪市は、市営地下鉄の運営部門を上下分離方式により民営化させる政策を打ち出した。これは線路などの設備は市が保有するが、列車の運行に関する部門は新たに設立する新会社が担うというものであった。
2011年に大阪市長に就任した橋下徹は、運営部門を分離せず上下一体での民営化を2015年度までに行う方針を発表した。
その後民営化関連の議案は市議会で否決される状態が続いたが、市バス部門が2016年に赤字に転落したことで流れが変わり、2017年の市議会に地下鉄の事業廃止議案が提出され、同年3月28日の市議会本会議で大阪維新の会・自由民主党・公明党などの賛成多数で可決されたため、2018年4月より大阪市交通局による運営から、市が全額出資する新会社「大阪市高速電気軌道株式会社」による運営に移行することになった。
大阪市高速電気軌道株式会社は2017年6月1日に準備会社として設立されるが、事業開始後も社名は大阪市高速電気軌道のままとなる。これについて吉村洋文大阪市長は「法律的にはこの社名にする必要がある」と会見で発言している。
大手私鉄に匹敵する規模ではあるが、2018年12月には運営初年度の位置付けは、大手私鉄や準大手私鉄ではなく「中小私鉄」であることが明らかとなった。
2013年3月23日、全線でダイヤ改正を行い堺筋線以外の各線で、最終電車の発車時刻が、それまでに比べて最大30分遅くなった。さらに同年12月21日、堺筋線でも終電が最大42分遅くなった。これは、地下鉄は私鉄と比べて終電が早いため、郊外から大阪市中心部へ地下鉄で通勤通学する利用者が不便であるという意見を受けて決定した地下鉄改革の一端である。終電延長は1991年(平成3年)以来22年ぶりであった。
過去にも「私鉄やJRより終電時間が早い」と改善を求める指摘はあったが、保守点検時間の確保や深夜手当を午前0時以降の勤務者に対して支給する必要のあることなどの問題があり、進まなかった。ところが、橋下が交通局長に任命した元京福電鉄副社長の藤本昌信が、民営化への第一歩として終電延長に強い意欲を見せ、議論が再燃し、その結果、これまでは車庫に戻るだけだった回送列車に客を乗せて最寄り駅まで運ぶ方法で延長が実現した。
特定日における乗降人員。は、右欄の乗降人員と比較して増()、減()を表す。
1976年4月10日から、車内放送は車掌による肉声から予め録音した音声による自動放送へと切り替えた。当初は8トラックのカートリッジテープに録音したものを乗務員室にある再生機器で再生していたが、現在はICで録音したものを使用しており、再生機器もそれに対応したものに取り替えられている。
自動放送の開始とともに、広告放送や啓発などの放送も行っており、月1回程度の頻度で新規に録音して更新している。
1992年8月1日から、各駅発車時における車内自動放送にて英語のアナウンスが追加されている(当初は男性のピーター・フィンケであったが、現在は女性のウェグミュラー・あけみが担当)。
この他、御堂筋線や四つ橋線、堺筋線などの駅ホームで、北方向行き列車到着時の日本語アナウンスを担当しているのは有田洋之で、逆の南方向行き列車到着時の日本語アナウンスを担当しているのは梅野真由美である。このように、行先によって男女の声を使い分けることで、列車の到着を分かりやすいようにしている。また、ほぼ全ての駅で流れる啓発放送(チャイムの後「交通局では…」など)のアナウンスを担当しているのは片岡和枝。
乗務員の名札に記されている職名は「運転士」「車掌」ではなく、それぞれ「高速運転士(長堀鶴見緑地線と今里筋線は操縦員)」「高速車掌」である。また一部の乗務員に「指導高速運転士(長堀鶴見緑地線と今里筋線は指導操縦員)」「指導高速車掌」がおり、その場合は名札だけでなく腕章を付けて乗務している。
駅到着時と出発時、警笛吹鳴標識地点(笛と書かれた標識)通過時に必ず警笛を鳴らすことが義務付けられている。
全駅に接近放送や発車メロディー(ニュートラムは発車放送)を導入している。
駅や路線の設備能力面で、車両編成の長大化に備えてホームの有効長を長めに設計している。
将来の昇圧を考慮した電気設備の設定(第三軌条各線。ただし昇圧は安全性を考慮し現在までなされていない)将来の改札増設を見越したホーム設計(柵を除去し設備を設置することにより改札口を増やすことができる。中百舌鳥駅など)
2010年をめどに、すべての駅でエレベーターの設置などによるワンルートの確保を目指したり、多機能トイレの設置を進めるなど、バリアフリーが進んでいるといえる。また、トイレは『実感できるサービスアップの一環』として2012年度より阿波座駅を皮切りに 各駅でリニューアルする工事を実施している。一方ホームドアの導入については、ニュートラム、今里筋線は開業時から設置されている。既存路線では長堀鶴見緑地線が2010年(ただし門真南駅は翌年に設置)に、千日前線が2014年度に全駅で導入され、今後は御堂筋線が2014年度の心斎橋駅・天王寺駅を皮切りに2019年度に導入を計画している。また御堂筋線、中央線を皮切りに改良工事が完了した駅から随時ユニバーサルデザインのピクトグラム仕様の案内表示に更新を行っている。
駅の売店はほぼ全駅に設置されていたが、2012年に外郭団体の解散により、全駅で閉店し、それ以後は2012年に乗降者数の少ない一部の駅を除いてファミリーマート・ポプラ・ローソンが随時出店している。
また御堂筋線で乗降者数の多い天王寺駅(2013年4月18日開業)・なんば駅(2013年10月31日開業)・梅田駅(2014年4月4日開業)の3駅には駅ナカ施設「エキモ」がある。
各駅の自動改札機は東芝製である。
駅の発車標は御堂筋線、谷町線、四つ橋線、長堀鶴見緑地線、堺筋線(2012年2月以降随時フルカラー、四カ国語対応のLED式に更新されている)はLED式が使われ、中央線、千日前線、今里筋線はLCDモニター式が使われている。
駅によっては列車がホームに進入する前、地上線と地下線の境界付近で踏切の警報音が鳴動するが、地下鉄では全線で踏切は存在しない。これは保守員などが運行中(営業中)の軌道内に立ち入る場合があるからである。警報音の装置は主に見通しの悪いカーブ付近に設置されている。
多くの駅で独自のキャラクターが設けられ「駅キャラ」と呼ばれて案内板などに表示されていたが、これは駅員のCS活動の一環で、駅員によるデザインが大半であった。民営化に伴って一斉に消滅した。
新線開業時の通常の営業は、一般的には始発時刻から行われるが、大阪市営地下鉄では正午から営業する習慣がある。
1990年代前半までは関西の他社でも実施されていた(例:1989年開業の京阪鴨東線、1994年開業のJR関西空港線・南海空港線など)が、それより後では大阪市営地下鉄のみの実施となっている。
1960年代まで、梅田駅など主要駅の改札口周辺では、俗に「立ちんぼ」と呼ばれる割烹着姿の年配の女性(女性たちは自らを「立売人」と称していた)たちが回数券を1枚ずつ切り取り、乗客にバラ売りしていた。主に、戦争により夫を亡くした女性が「生活のため」という理由で始めた模様。
当時の回数券は現在のような回数カードではなく同じ額面の乗車券を11枚綴りにした紙製の冊子で、乗車の際に有人の改札口で駅員に日付と駅名の入ったスタンプを押印してもらい、下車の際にはやはり有人の改札口で駅員に渡す、というものであった。価格は額面の10回分の価格であったため、額面通りの価格で1冊11枚をすべて売ると1回分の運賃が女性たちの収入となっていた。
切符を買う際、窓口や券売機の前で並ぶ手間が省けることから利用客は多かったようで、最大で200名くらい見られた模様。
ただ、これらの行為はダフ屋行為に当たり、迷惑防止条例違反でもあるため、大阪市が万博開幕を前にそれら立売人の女性たちを一斉に締め出したことで、1970年代に入るとそれら女性たちの姿は見られなくなった。
また、立売人対策、駅業務自動化などの理由で1968年12月17日発売分から回数券が使用前切り離し無効になった。
立売人は消えたが、回数券のバラ売り自体は、その後回数券がカード化されるまで金券ショップで多く見かけられた(1984年 - 1989年)。
大阪市営地下鉄に関して以下の楽曲が作られた。
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