神奈川県道731号矢倉沢仙石原線(かながわけんどう731ごう やぐらさわせんごくばらせん)は、神奈川県南足柄市と足柄下郡箱根町を結ぶ一般県道。神奈川県道の最高標高地点(金時山頂上 : 標高1,212.5 m)を通る。
後述の通り、大部分の区間で自動車の通行が不可能であったが、2021年(令和3年)4月28日に「はこね金太郎ライン(はこねきんたろうライン)」として既存の林道を再整備する形で新ルートが開通した。「南箱道路(なんぱこどうろ)」とも呼ばれる。
既存のルートは足柄峠から神奈川県・静岡県の県境の尾根をたどって南下する道で、途中から金時山への登山道に変わる。全体が林道または登山道のような道であり、一般車が仙石原方面へ抜けることは出来なかった。
このため、災害時の代替ルートや南足柄市・箱根町地域の広域連携の促進、県西部の観光振興をはじめとする地域活性化に加え、箱根地域の渋滞緩和を図る重要な道路として「南足柄市と箱根町を連絡する道路」が事業化され、2020年(令和2年)春に開通する予定となっていた。しかし、2019年10月に発生した令和元年東日本台風(台風19号)で山腹崩壊などの被害を受け、大規模な崩落などが7箇所で発生し、復旧工事を行う必要が生じた。このため開通が延期され、復旧工事の末に2021年(令和3年)4月28日に開通した。
なお、本路線の愛称として公募が行われ「はこね金太郎ライン」と制定された。
この道路のルート検討にあたっては現道を拡幅するルートや、神奈川県道723号関本小涌谷線を通るルートなども検討され、最終的に「経済性」、「整備効果」、「既存ストックの有効活用や早期利活用の可能性」などから、近隣にある林道を改良するルートとなったが、富士箱根伊豆国立公園内を通るルートである事から最低限の改良を行ったルートとなった。そのため、道幅は5 mほどで各所に待避所が設置されており、乗車定員11名以上の乗用自動車や、最大積載量3トン以上の貨物自動車は通行できない。山岳地帯を通るため、大雨や降雪時などの異常気象時は通行止めとなる。また、生態系に配慮したため、照明も市町境の金時隧道以外は設置されていない。なお、金時隧道の南足柄方坑口付近には「金時見晴パーキング」(乗用車35台駐車可能、無料)が整備された。この道路を通る路線バスや乗合タクシー等の開設は開通の時点では予定されていない。
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