大石 静(おおいし しずか、1951年9月15日 - 、本名:高橋 静(たかはし しずか))は、日本の脚本家、エッセイスト、作家、女優。
東京都千代田区猿楽町出身。日本女子大学文学部卒業。ノート所属。『セカンドバージン』など数々のラブストーリーを手掛け、「ラブストーリーの名手」と評される。夫は舞台監督の高橋正篤。
来歴・人物
1951年(昭和26年)東京都千代田区・駿河台にあった旅館「駿台荘」で生まれ育つ(のちに大石の著作のタイトル『駿台荘物語』にもなっている)。同旅館は著名文士等の隠れ場所でもあり、大石の養母がオーナーを務めていた。
1974年(昭和49年)、日本女子大学文学部国文学科(現・日本文学科)卒業。女優を志し青年座研究所に入所。24歳の時に甲状腺癌を発病し、その後間もなく舞台監督の高橋正篤と結婚。宮川一郎に師事し、1981年(昭和56年)、永井愛と2人だけの劇団「二兎社」を設立。二人で交互に女優と脚本を担当していた。
1986年(昭和61年)にTBSのテレビドラマ『水曜日の恋人たち 見合いの傾向と対策』で本格的に脚本家としてデビュー。以降、オリジナル作品を中心に多数のテレビドラマの脚本を担当。
1991年(平成3年)、脚本に専念するために俳優を廃業し、二兎社を退団。
1996年(平成8年)、NHK連続テレビ小説『ふたりっ子』の脚本で第15回向田邦子賞と第5回橋田賞をダブル受賞。脚本を担当した2010年(平成22年)のNHKドラマ『セカンドバージン』は社会現象を巻き起こし、東京ドラマアウォード2011の連続ドラマ部門〈優秀賞〉および脚本賞、放送ウーマン賞2010を受賞。2020年(令和2年)に脚本家としての功績により文化庁長官表彰、2021年(令和3年)には旭日小綬章を受章。
2017年(平成29年)にはキャリア初のアニメーション作品、かつ初のファンタジー作品としてテレビアニメ『神撃のバハムート VIRGIN SOUL』の脚本(全24話)を担当した。
2024年(令和6年)、自身18年ぶりとなるNHK大河ドラマ『光る君へ』の脚本を担当。前後し、同脚本の執筆中となる2022年12月に夫の高橋正篤と死別。
脚本作品
テレビドラマ
映画
- ツルモク独身寮(1991年)
- まぼろしの邪馬台国(2008年)
- 내눈에 콩깍지(韓国映画、邦題:顔と心と恋の関係)(2010年)
- セカンドバージン(2011年)
配信ドラマ
- 離婚しようよ(2023年配信、Netflix) ※宮藤官九郎と共同脚本
アニメ
- 神撃のバハムート VIRGIN SOUL(2017年)
舞台
- 兎たちのバラード(1981年、二兎社、池袋パモス青芸館)
- 水曜日の風景(1982年、二兎社、池袋パモス青芸館)
- VALUE価値(1983年、二兎社、池袋パモス青芸館)
- 女神様のランプ(1984年、二兎社、銀座みゆき館劇場)
- GIRL's TIME -女の子よ、大志を抱け!-(1995年、2000年、PARCO劇場)
- 愛と青春の宝塚 〜恋よりも生命よりも〜(2008年、新宿コマ劇場、2011年、青山劇場、梅田芸術劇場)
- プライド(2010年、東宝、シアタークリエ)
- 美しき生涯 -石田三成 永遠(とわ)の愛と義-(2011年、宝塚歌劇団宙組公演)
- カリスタの海に抱かれて(2015年、宝塚歌劇団花組公演)
作詞
- クミコ「最後の恋〜哀しみのソレアード〜」(2011年)
出版
脚本集
- 『シナリオ わたしってブスだったの?』PHP研究所、1993年10月。
- 『徹底的に愛は…』キネマ旬報社、1993年12月。
- 『客席の中の女優たち』モーニングデスク(発行)、星雲社(発売)、1995年11月。
- 『ふたりっ子』全5冊、新風舎〈新風舎文庫〉、2003年10月。
- 『星降る夜に シナリオブック』幻冬舎、2023年3月。
小説
- 鎌倉ペンション物語(1989年5月、角川文庫)共著:小野紀美子
- ヴァンサンカン・結婚(1991年11月、ワニブックス)
- 愛才(2000年、文藝春秋→文春文庫)
- 四つの嘘(2005年、幻冬舎→幻冬舎文庫)
エッセイ
- わたしってブスだったの?(1993年7月、飛鳥新社→文春文庫)
- 男こそ顔だ!(1994年1月、文藝春秋→文春文庫)
- 駿台荘物語(1994年11月、文藝春秋→文春文庫)
- 『客席の中の女優たち』モーニングデスク(発行)、星雲社(発売)、1995年11月。
- ねこの恋(1998年、講談社→講談社文庫)
- 静心(2001年3月、角川書店→『究極のいい女』〈改題〉角川文庫)
- ポンポンしてる?(2003年、小学館→幻冬舎文庫)
- 別れられないよね?(2005年、幻冬舎)
- 日本のイキ(2006年、幻冬舎文庫)
- ニッポンの横顔(2008年、中央公論新社)
受賞歴
1995年
- 第4回ザテレビジョンドラマアカデミー賞 脚本賞(『私の運命』)
1996年
- 第15回向田邦子賞(『ふたりっ子』)
- 第5回橋田賞(『ふたりっ子』)
2008年
- 第62回文化庁芸術祭賞テレビ部門(ドラマの部)優秀賞(『恋せども、愛せども』)
2018年
- 第99回ザテレビジョンドラマアカデミー賞 脚本賞(『大恋愛〜僕を忘れる君と』)
2011年
- 東京ドラマアウォード2011 脚本賞(『セカンド・バージン』)、連続ドラマ部門 優秀賞(『セカンド・バージン』)
- 放送ウーマン賞2010(『セカンド・バージン』)
2020年
2023年
- 東京ドラマアウォード2023 連続ドラマ部門 優秀賞(『星降る夜に』)
2021年
脚注
注釈
出典
関連項目
外部リンク
- 静の海 - 大石静 公式ウェブサイト
- 大石静 - テレビドラマデータベース
- 大石静 - NHK人物録
- “大石静の夫は高橋正篤。家族、暴君な父親とは。現在(2023)は大御所、若い頃は借金返済の壮絶な生い立ち” - アスネタ – 芸能ニュースメディア
. Source: