
東京農業大学(とうきょうのうぎょうだいがく、英語: Tokyo University of Agriculture)は、東京都世田谷区桜丘一丁目1番1号に本部を置く日本の私立大学。1891年創立、1925年大学設置。略称は東京農大。
日本で初めて設立された私立の農学校であり、2017年度まで農学を専門に扱う日本で唯一の大学であった。東京農工大学、農業者大学校、日本の各道府県にある農業大学校とは名称が類似しているが特に関係はない。
農大の前身である東京農学校の初代学長横井時敬は「稲のことは稲に聞け、農業のことは農民に聞け」や「農学栄えて農業亡ぶ」といった言葉を残した。これは観念論を排して実際から学ぶ姿勢を重視し、学問のための学問ではない「実学主義」を重視することを表している。現在も農大は「実学主義」を教育理念とし、「人物を畑に還す」(昨今の国際化社会に伴い、「人物を世界の畑に還す」とする場合もある。)と「農業後継者や地域社会の担い手の育成」を最大目標としている。
2018年度に新潟食料農業大学が開学するまで、日本唯一の4年制農学専門大学であった。現在では従来の農学に加え、生命科学、環境科学、情報科学の分野も扱っている。環境問題へ積極的に取り組むことも目的としている。北海道オホーツクキャンパスは北海道網走市で唯一の私立大学である。
応用生物科学部菌株保存室には細菌や酵母などの微生物約7000株が保存されている。これは世界有数の菌株コレクションである。
2004年6月には、河野友宏応用生物科学部バイオサイエンス学科教授らの研究グループが世界で初めて卵子だけで哺乳類(マウス)を発生(単為発生)させることに成功したと科学雑誌『ネイチャー』に発表した。
校門に掲げられた校標や大学のパンフレットで使われている「東京農業大学」の文字は棟方志功によるものである。また、応援歌の一つに『青山ほとり』があり、「大根踊り」として世間に知られている。
明治時代、北海道開拓に携わった榎本武揚は「日本の力を高めるためには、国内農業の発展が不可欠」「日本の農業発展のためには、農民の教育が必須」と考えて、1891年に徳川育英会育英黌に農業科を設立した。設立地付近である東京地下鉄飯田橋駅A4番出口前に「東京農業大学開校の地」という碑が存在している。
1893年には徳川育英会育英黌から農業科が独立して私立東京農学校となるも、経営悪化から、大日本農会の下での経営となった。大日本農会付属私立東京農学校、大日本農会付属東京高等農学校と改称した後、1903年に専門学校令による認可を経て、1925年に大学令に基づく東京農業大学となる。1943年まで農学部を有する大学は、東京帝国大学、北海道帝国大学、京都帝国大学、九州帝国大学と農大のみであり、私立で唯一農学博士の学位授与を行うっていた。
1898年(明治31年)より、東京の渋谷常磐松町の常磐松御料地内に校舎を構えていたが、第二次世界大戦の際、空襲により校舎を焼失したことから、1946年、世田谷区の陸軍機甲整備学校跡地に移転。現在の世田谷キャンパスとなる。
新制大学以降後は短期大学および大学院の設置、厚木キャンパス(神奈川県厚木市)、北海道オホーツクキャンパス(網走市)の開設などを行うなどした。
スクールカラーは松葉緑(まつばみどり)である。この色は、かつて、農大があった渋谷常磐松にあった老松(常磐松)の葉の緑色に由来している。
1893年に私立東京農学校として独立した際、稲穂の向かい合った円の中心に「農」の一文字を入れたものを校章とした。その後、1911年に私立東京農業大学となった際、大学部本科の角帽に「農大」の校章を入れて以来、この校章を使用している。
東京農業大学学歌は、1925年(大正14年)5月、尾上柴舟に作詞を、山田耕筰に作曲を依頼し、翌1926年(大正15年)9月25日に発表された。以来、農大の学歌として歌い継がれてきている。
50歳以上の人を対象にした生涯学習専門機関であり、花と野菜と健康について年間通して学ぶ。
前身は世田谷キャンパス内の「東京農業大学成人学校」(各種学校(83条校))で、平成22年4月から東京農業大学傘下の組織「グリーンアカデミー」として活動を開始。平成23年4月からは東京農業大学エクステンションセンターと組織を一体化。
本学卒業生である豊山勝男(大相撲・時津風元理事長)は、日本相撲協会を定年退職後に夫妻で通い始めた。
農大のサークル活動は、世田谷・厚木・オホーツクとキャンパスがそれぞれ離れているため、キャンパスごとに設置されているサークルが異なっている。
サークル活動とは別に、同好会も数多く設置されている。
農大の学園祭は「収穫祭」と呼ばれており、毎年、文化の日(11月3日)あたりに行われ、例年、15万人以上が来場する。 キャンパスごとに独立して開催されており、2019年の場合、世田谷キャンパスでは「創立128年収穫祭」、厚木キャンパスでは「第20回収穫祭」、オホーツクキャンパスでは「第31回収穫祭」として開催されている。
収穫祭では、野菜の無料配布をはじめ、利き酒大会、鮭の掴み取りなどの農大ならではのイベントが開催されている。
収穫祭の運営は、「収穫祭実行本部」「宣伝隊本部」「ステージ企画本部」「文化学術展本部」「模擬店本部」「体育祭本部」の計6本部で運営されており、「収穫祭実行本部」「ステージ企画本部」は農友会総務部、「宣伝隊本部」は全學應援團、「文化学術展本部」「模擬店本部」は農友会文化団体連合会、「体育祭本部」は農友会体育団体連合会がそれぞれ担当している。また、本部に準じる団体として「収穫祭環境対策委員会」があり本部と同じく運営に携わっている。 各本部は各学科ごとに構成されている「学科統一本部」と活動を共にする。
トレーニングルーム
17号館内の「カフェテリアグリーン」、17・18号館内の「レストランすずしろ」、食と農の博物館内の「カフェ・プチ・ラディッシュ」、グリーナカデミーホール内の「グリーン・アカデミー・ホール・レストラン」の4つがあり、いずれも学生・教職員以外の一般人の利用も可能となっている。また、常磐松会館内には東京農業大学生活協同組合の店舗があり、テイクアウト専用の「一番飯」と、スパゲッティ・カレー専門店の「アミ」がある。
本部棟内に「レストランけやき」がある。
3号館内の「レストラン・ジャングルポケット」(第一食堂)と、7号館内の「レストラン・クリオネ」(第二食堂)の2店舗がある。
学生会館として、「常磐松会館」「常磐松会館別館」「常磐松学生会館」の3棟ある。 従来、「常磐松会館」と「常磐松会館別館」の2棟が学生会館として利用され、会館がサークルの部室として、別館が同好会の部室として利用されてきた。別館の老朽化が著しいことから、2008年に「常磐松学生会館」が建設され、同好会の部室が学生会館に移転した。また、常磐松会館には、東京農業大学生活協同組合の店舗が入っており、学生・教職員以外の一般人の利用も可能となっている。
学生会館が1棟ある。
学生会館が1棟ある。
キャンパスに隣接して、桜丘寮、若草寮、青雲寮、育英寮の4つが設置されている。また、農友会の野球部、相撲部、ボクシング部、レスリング部、剣道部の各部は、キャンパスの外れに合宿所を持っている。一般に学内と思われているが、夜は閉門され学外とされている。
農業に関する専門的な教育・研究を行っているため、日本各地に農場を設置して実習や研究を実施している。
世界各地にある農業大学を中心に18の大学と姉妹校協定を結んでいる。
大学発の学生ベンチャー企業を設立している。株式会社メルカード東京農大、株式会社東京農大バイオインダストリー、株式会社じょうえつ東京農大の3社がある。
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