パシフィックパーク茅ヶ崎(パシフィックパークちがさき)は、1960年代後半から1980年代後半にかけて神奈川県茅ヶ崎市にあったリゾート施設。中核施設であるホテルの正式名称はパシフィックホテル茅ヶ崎で、通称「パシフィックホテル」。
1965年竣工。設計は菊竹清訓。垂直コアを客室が螺旋状に取り巻く設計で、メタボリズムの論理を直截に表現した建築であった。
俳優の上原謙と子息の加山雄三らが共同オーナーで、開業当初は著名人が多数訪れたことで有名となった。湘南の住民からは「パーク」という愛称で呼ばれ親しまれていた。
実際の経営は、共同オーナーのひとりである岩倉具憲 が手掛けていた。湘南海岸沿いにそびえ建つ斬新なデザインの建物で、ホテルだけではなく、ドライブイン、ボウリング場、ビリヤード場、プールなどの娯楽施設を併設し、当時としては最先端の高級リゾートを形成していた。
しかし1970年、上原・加山・岩倉らが役員を務めホテルを所有・運営していた企業「株式会社パシフィックジャパン」が倒産。23億円もの負債の返済に当てる為、ホテルは約18億円で売却された 。
その後ホテルは休業・再開を繰り返していたが、営業不振で1988年に完全廃業。所有権は点々と渡り、最終的にホテル自体は横井英樹に買収され、営業再開を目指したが、バブル経済崩壊後の不況で断念され、1998年秋まで廃墟として存在していたが取り壊された。
1999年、跡地には高級マンション「パシフィックガーデン」が建設され現在に至る。
ブレッド&バター、サザンオールスターズの楽曲にはこのホテルのことを歌った「HOTEL PACIFIC」という曲がある。
なお、かつて経営者でもあった加山雄三によって上記の二曲ともカヴァーされ、2012年1月11日にドリーミュージックよりリリースされた「若大将・湘南FOREVER」(MUCD-1256~7)に収録されている。
また、2008年公開の、1960年代後半の日本を舞台とした映画『GSワンダーランド』の主題歌で、同年シングルとしてもリリースされた「海岸線のホテル」の歌詞にも“茅ヶ崎パシフィック・ホテル”が登場する。作詞は橋本淳、作曲は筒美京平。歌と演奏は、劇中登場する架空のグループ・サウンズであるザ・タイツメン(栗山千明、石田卓也、水嶋ヒロ、浅利陽介)。
桑田佳祐が作詞・作曲を手掛け、サザンオールスターズと研ナオコが歌唱した「夏をあきらめて」の2番の歌詞にもこのホテルが登場する。
杉山清貴&オメガトライブの楽曲「ROUTE 134」 に、「パシフィック茅ヶ崎」として登場する。このホテルは国道134号線沿いにあった。
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