『ウルトラマンガイア』(ULTRAMAN GAIA)は、1998年(平成10年)9月5日から1999年(平成11年)8月28日まで、毎日放送・TBS系列で毎週土曜日18:00 - 18:30ほかにて全51話が放映された、円谷プロダクション制作の特撮テレビドラマ作品、および作中に登場する巨大変身ヒーローの名称。
また、テレビ山口では夏休みなどに集中放送、その他の一部系列局では17時台にて遅れネットで放送。
放映直前当時のキャッチフレーズは「正義の味方か、悪魔の使者か。」。
劇場版、OV作品については以下参照。
『ウルトラマンティガ』や『ウルトラマンダイナ』に続く、平成に入ってから制作されたウルトラマンのテレビシリーズ第3作目。また、20世紀に制作されたテレビシリーズとしては最後の作品でもあり、世界観の繋がっていた前2作から設定を一新し、身近なテーマに対応できるように時代設定を放映年代とほぼ同じ20世紀末とし、緻密な科学考証や人間関係などのリアリティが重視された他、地球出自のウルトラマンである「人間ウルトラマン」の決定版を意図して押し進められ、ウルトラマンの在り様を主人公の意識が決定づけ、ライバル的存在のウルトラマンアグルが登場するなどライバル関係にある2人のウルトラマンの意思の対比によって緊張感が生まれ、クオリティの高いハイブロウな世界が展開された。
本作品の主人公・高山我夢は科学者集団に属し、「ワームホール」「反物質」などの専門用語や造語が頻繁に使われ、ウルトラシリーズの中でもSF要素の強い内容となった。また、それまでの怪獣攻撃隊とはその組織構図が異なり、航空部隊や地上部隊、レスキュー部隊、海洋探査部隊、の陸海空で編成された各3名ずつのエキスパートがチームに分かれて任務を遂行する特捜チームという設定となっている。この他、テレビクルーや天才科学者集団、上位防衛組織の諜報・特捜活動部隊なども準レギュラーとして登場している。主演の吉岡毅志は放送当時でのシリーズ史上最年少、19歳での主役抜擢となった。
本作品はそれまでのウルトラシリーズとは異なり、シリーズを通しての敵の設定や大河ドラマ性が強化され、中盤の第23話〜第26話(アグルとの決戦やガイアのヴァージョンアップ編)、終盤の第47話〜最終話(第51話)といった長編エピソードも多く採り入れられた。第26話で一旦最終回のような展開を見せたあと、第27話以降は初回に戻ったような形で再びストーリーを進めるという試みも見られる。また、脚本の小中による提案で、チーム分けのリアリティの強化、これまでにない災厄に近いニュアンスで解釈された敵の在り方や、若い主人公にすることなどが挙げられた。プロデューサーの笈田雅人は、前2作品で自分たちの持つウルトラマン感をやり尽くしたため、東映作品などウルトラシリーズ以外の日本の特撮作品の要素を取り入れたとしている。当初はベテランの3人の脚本家に企画案をオーダーしたが、2人のウルトラマンが兄弟であるなど、いずれも今ひとつの結果であったため、小山信行と笈田雅人が企画をまとめることとなった。
星雲賞を受賞した『ウルトラマンティガ』に続き、本作品も同賞の候補作に挙げられたが「ウルトラマンが連続で2年以内に受賞するのが規定違反になるので、次点にさせる」という審査理由から受賞には至らなかった。
また、オリバー・ストーンが本作品に注目し「是非ともハリウッドで映画化させてほしい」とFAXが送られてきたこともあったのだという。
本作品の2クール目までシリーズ構成を担当した小中は後年、「複数のライターが参加したことによってサブプロットが豊かなドラマになったと思います。ベテランであれ新人であれ、うねりあるものにしてほしいと伝えました」「『ティガ』で自分が描きたいウルトラマンは書き終えたと思っていたところでプロデューサーに口説かれた。そこで今作は「空想特撮シリーズ」の原点に戻るのにこだわった。そして、これを見た子供たちが一生ウルトラファンでいられるよう頑張りました」と語っている。
ストーリーは、当時の時事であった京都議定書から連想し、環境問題を取り込み、環境を破壊し、野生生物を絶滅させ、地球自身を破滅に追いやるかもしれない現代の人類が描かれている。同時に、怪獣も地球の生物であり、根源的破滅招来体に覚醒させられたという設定で、物語の前半ではガイアも戦闘により、怪獣を倒していたが後半は怪獣も地球の生物だという自覚のもとに無闇に倒すとの展開はなくなる。また、当初から明るい未来を子供たちに対し、示唆して終わりたいということは考えられていたため、終末論などには引っ張られないようにしており、ポジティブさを保全するために正しい科学の進歩が未来を切り開くものとしてアルケミー・スターズが設定された。また、SF的な展開には科学的な裏付けが必須として、量子物理学を活かすことが参加する脚本家たちに求められた。
『ガイア』を代表する演出に、着地時などに周囲の土煙がハネ上がるというものがある。特技監督の佐川和夫が『ウルトラマンタロウ』のころから温めていたアクションで、『ウルトラマンダイナ』第38話で試験的に取り入れ、『ガイア』においては第1話から継続的に用いられている。技術的には操演を担当する亀甲船が参加した特撮映画『ガメラ2 レギオン襲来』で用いられた手法を応用している。ガイアを印象付ける演出として、その後の『大決戦!超ウルトラ8兄弟』においても使用されており、のちに可動フィギュアUltraActシリーズでもウルトラマンガイアの初回限定特典として、巻き上がる土煙を再現したエフェクトパーツが付属している。
音楽は『ウルトラマンパワード』で劇伴音楽を担当した佐橋俊彦が担当している。佐橋は本作品の作風から『キャプテン・スカーレット』を連想し、同作品の音楽を手がけたバリー・グレイの曲調を意識したという。
ウルトラマンガイアとウルトラマンアグルは、従来のウルトラマンのように「宇宙人であるがゆえに地球での活動時間に制限がある」という設定ではなく、「地球が遣わした存在であるがゆえに活動時間に制限はない」という設定となった。そのため、彼らのライフゲージ(従来のカラータイマーに相当する)の点滅は、活動時間ではなく活動エネルギーの限界が近付いたことを知らせるためのものである。
バンダイのインターネット動画配信サイトのバンダイチャンネルで、2011年2月から動画配信されている。
次作『ウルトラマンコスモス』ではドラマパートがビデオ撮影に移行したため、本作品は全編フィルム撮影で制作された最後のウルトラシリーズとなった。
XIGというチームの概要については後述。
エリアル・ベースのコマンドルームでXIG全体の作戦指揮・情報収集を行う、XIGの司令塔。
若手のエースパイロットで編制されるファイターチーム。千葉参謀いわく「航空防衛軍のトップガン」で編成されているが、射撃や地上戦を苦手とする。「雷光」がチーム名の由来。
ベテランパイロットで編制されるファイターチーム。チーム名の由来は「隼」。ベテランによるコンビネーションを活かした戦法はライトニングをも凌ぐ。過去に自分たちが死ぬことでエリアル・ベースが救われる未来を見ていた(第32話)。
女性パイロットで編制されるファイターチーム。チーム名の由来は「知恵」を司るとされる「カラス」。音楽(ジャンルはロック)好きで、それを生かしたマニュアルにないフォーメーションによる攻撃で敵の意表を衝くこともあった。男性チームへの対抗心が強く、他チームと女性という理由で区別しようとする堤に反発する。登場当初は実戦参加が中々認められないことにややヒステリックな反応を見せていたが、物語の後半では他のファイターチームにひけをとらない活躍を見せた。
陸戦部隊からの叩き上げで編制した白兵戦や戦車戦を得意とする体育会系の地上戦闘チーム。チームとしての出撃回数はファイターチームより少ないが、出撃時は毎回貢献度が高い。肉体派で待機時はエリアル・ベース内のトレーニングルーム(ジム)で体を鍛えていることが多い。我夢とはウマが合い、いささか頼りなさげに見える我夢を心配してか、しばしばトレーニングルームに連行してシゴいていた。また、各メンバーが一人ずつ、物語の中心人物かそれに準ずる人物として登場している。第29話では、レギュラー出演者が吉田、桑原、志摩と我夢の4人だけという、風変わりなエピソードに登場している。「ハーキュリーズ」はギリシャ神話の勇者「ヘラクレス」の英語読み。
人命救助専門のレスキューチーム。その他二次災害の防止など、現場の支援活動も担当する。チーム名の由来は「カモメ」。
海洋活動の専門チーム。テレビシリーズ本編では何度か出動を検討する場面はあったが、実際には海の怪獣が少なかったため一度しか登場せず、続編『ウルトラマンガイア ガイアよ再び』と合わせて出演は2回のみ。初登場時には「やっと出番か!」と興奮する自虐気味な内輪ネタがあった。正式な名称は「チーム・マーリン」だが、石室コマンダーは「チーム・マリーン」と発音している(『ガイアよ再び』)。発音が似ているため混同されやすいが、「マリーン(marine)」は「海洋」の意味であり、チーム名の「マーリン(marlin)」とは「カジキ」の意。チーム・マーリンのみ、隊員スーツの配色が異なる(肩が青色)。
英表記はAlchemy Stars。1980年代に世界各国で同時多発的に誕生した天才児たちによって結成された科学者ネットワーク。我夢や藤宮もこの一員である。ただし藤宮は我夢の参加と前後して脱退している。根源的破滅招来体の襲来を予測し、G.U.A.R.D.やXIGの設立のきっかけとなった。
KANTOH COMMUNITY BROADCASTING STATION,LTD(関東コミュニティブロードキャスティング)の略で、メディアの中心的放送局である民間テレビ局。世界観の繋がりはないが、同名の放送局が『ウルトラマンダイナ』・『ウルトラマンマックス』・『ウルトラマンメビウス』にも登場している。
我夢の「守りたい」という強い想いに応えた地球の意思より授けられた赤い光で変身する、大地由来の赤い光の巨人。
赤い光を収納するため自ら開発した変身アイテム・エスプレンダーで変身する。
格闘戦を得意とし、高熱攻撃を中心とした能力を持つが、その戦闘力は我夢のポテンシャルが反映される。
初期形態は第1話から第26話前半(第16話を除く)まで活躍した。
「ガイア」の由来は、ギリシャ神話に登場する大地の女神ガイアから、劇中ではガイア理論から。正式に名付けられるのは第3話で、それまでは単に「巨人」や「ウルトラマン」および「光の巨人」と呼ばれていた。
我夢がウルトラマンガイアへの変身に使用する器。ガイアのライフゲージに似た形状をしており、裏側にはグリップカバーが備わっている。第2話ではコッヴとの戦いを終えて、変身解除後に現れた赤い「ガイアの光」を、実験用の光電子管に一時的に収納して持ち帰った我夢が、第3話で手作りした装置に赤いガイアの光を収めて完成した。「エスプレンダー」の名には「光を開放する」という意味が込められている。
第26話後半からは、藤宮から託されたアグルの力である青い光も収めるようになる。第33話では、シャザックの攻撃で絶壁から転落した我夢をエスプレンダーから飛び出した2つの光が救っている(この時のガイアの光は変身時に開放される光と同様に、黄色ではなく赤いものだった)。また、第41話ではΣズイグルが仕掛けた装置によってエスプレンダーを封じられたこともあった。第50話では、ゾグに敗れた後に光が無くなって発光部が割れてしまったが、OV『ガイアよ再び』では修理され、リナールから託された光を宿した。
映画『大決戦!超ウルトラ8兄弟』では、別次元の我夢が自身をガイアだと自覚した際に、我夢の右手に光が集中して実体化した。
変身の際はエスプレンダーをはめた右手を左肩に当て、手前に突き出す、もしくは天空に翳すポーズをとることがほとんどだが、緊急時には左肩に当てる動作を省略する場合もある。
第2話では光を粒子加速機の部品である光電子管に収納していたため変身の際のポーズが違う。ポーズをとると、エスプレンダーの発光部分から赤い光(序盤〜中盤)、赤と青が入り混じった光(中盤以降や劇場版、『ガイアよ再び』、『大決戦!超ウルトラ8兄弟』)が解放されて我夢を包み込み変身する。序盤 - 中盤では多くの場合無言だったが、第26話以降は「ガイアー!」と叫んで変身することが多かった。第18話ではエスプレンダーを取り出さずに変身し、第51話の変身にはエスプレンダーを使用していない。第20話では我夢の思念に遠くに置かれたエスプレンダーが応えて変身した。
以下に示すのは、ガイアの体中の各部位の名称とその特徴。
藤宮から託されたアグルの青き光の力を得て、ヴァージョンアップした姿。第26話の後半以降の基本形態となり、他作品への客演の時も基本的にこの姿である。光線技などは全て引き継ぎつつさらに強化され、青き光を得たことで旧アグルの技も使えるようになった。胸のプロテクター(ガイアブレスター)のラインが黒くなったのが特徴で、それ以外は全く変わらない。体色は赤・銀・黒・金。V2とは“Version 2”の略。
ガイアV2が内包する自身とアグルの光の力を最大に解放し、ヴァージョンアップした最強形態。両腕と両足の体色の一部にアグルを象徴する黒と青の線が入り、両手首と下半身の赤の割合が初期形態やV2より広くなり、体格もより極めてマッシブになっている。通常変身後にV2からヴァージョンアップするが、最終話のみこの姿へ直接変身している。多量のエネルギーを消費することから、長時間の活動ができない。スプリームとは「最高の」を意味する。初登場は第26話。
OVを最後に長らく映像作品に姿を見せなかったが、『劇場版 ウルトラマンギンガS 決戦!ウルトラ10勇士!!』では14年ぶりに登場した。劇中ではファイブキングにとどめを刺す際にこの姿になった後、エタルガーの天空城を破壊する際にはV2に戻っている。
ヴァージョンアップの際は両拳を腰に当てた後で両腕を頭上に高く挙げ、胸の前で両手を瞬時に合わせると同時に左右に広げ、その状態で両腕を内側に180度回転させた後、胸の前で交差させた両拳を下に降ろす。
第28話ではエンザンの電撃光線に拘束されていたため、また、第30話ではゴキグモンが吐きかけた繭に幽閉されていたため、前述のヴァージョンアップポーズをとることができず、ボディー自体を発光させポーズなしで行っている。
藤宮が未確認粒子観測センサーでの実験中に出逢った海の青き光の巨人。元アルケミー・スターズの藤宮が変身ブレスレットアグレイターで変身する。体色は青・黒・銀。
誕生の地はプロノーン・カラモスというアルケミースターズの管理施設であり、第16話ではこの地でさらなる力を手にする。初期形態は第3話〜第26話前半(第6話 - 第11話、第15話、第19話 - 第23話を除く)まで活躍した。第25話・第26話でのガイアとの戦いの影響でゾーリムを呼び寄せてしまう。破滅招来体に利用されていたことを知り、自らの過ちに気付き戦意喪失。アグレイターから青き光の力を開放し、我夢にそれを託した。これが前述のガイアV2のヴァージョンアップのきっかけとなる。
正式に名前が出たのは第16話でそれまでは単に「青い巨人」や「青いウルトラマン」と呼ばれていた。最初に名前が出たのはパソコンのコンソール画面に表示された「AGUL」のローマ字から。「アグル」という語自体は造語で、「aggressive(=攻撃的な)」「agreement(=同意・承諾・契約・協定)」の意味を持たせつつ、語感の似た「悪」も掛けており、本作品の当初の仮題でもある『ウルトラマンオスカー』のオスカー像=アンクルというイメージからも着想を得ていたという。
同時上映の短編映画を除けば長編映画には一度も出演しておらず、他作品のウルトラマンとの本格的な共演は『ウルトラマンオーブ THE ORIGIN SAGA』が初となる。
藤宮が変身する時に右手首に装着する、青き光を納めた変身ブレスレット。中央部がアグルのライフゲージをイメージした発光部となっており、通常時は翼状のパーツが折りたたまれた状態で藤宮が携帯している。
アグレイターの出自は不明だが、我夢のエスプレンダーと同様に藤宮自身が製作したと思われる。第17話では青き光のエネルギー波を放ってゾンネルを目覚めさせたこともある。第26話で青き光を我夢に託した後も藤宮が所持していたが、第36話でXサバーガに苦戦するガイアV2を変身して援護できなくなった自らに憤り、眼前の池に捨ててしまった。だが第41話で海から再び青き光を託され、アグルV2となってΣズイグルを打倒した後に、青き光を宿して藤宮の手に戻った。
第50話でゾグに敗北し光を奪われたが、OV『ガイアよ再び』でも藤宮が所持しており、リナールが化身した少女・メリッサが光となってアグレイターに宿っている。
変身の際はアグレイターのついた右腕を下に降ろすと(あるいは垂直に手前に伸ばすと)アグレイターの翼状のパーツが左右に展開すると同時に発光部が激しく点滅しながら青く発光し、握り拳を握ったまま胸の前に持っていくと本体上部が回転し、翼状のパーツの上部から上空に放出された青い光が藤宮を包み込んでアグルに変身する。
第12話・第16話・第51話ではアグレイターなしで変身している(前者ではウルフガスを威嚇するため)。第16話や終盤、OV『ガイアよ再び』、『ウルトラマンオーブ THE ORIGIN SAGA』では我夢と同様に「アグルー!!」と叫んで変身する。
OV『ガイアよ再び』では、アグレイターを右手に持ち、ガイアの変身ポーズ同様に胸の前に突き出して変身している。
以下に示すのはアグルの体中の各部位の名称とその特徴である。
戦う誇りを取り戻した藤宮が、真に守るべきもののために戦う力を欲した時、それに応えた海から与えられた強烈な光によって復活したアグル。体色が初期の黒みがかった群青色から、鮮やかな明るい青に変わっている。黒の割合が全体的に少なくなり、胸のプロテクター(アグルブレスター)のボディーラインに金色が入った。体色は青・黒・金・銀。この形態になってからは僅かながらガイアを象徴する赤色の光までも帯びるようになった。
ガイア同様、これまでの光線技などは全て引き継ぎつつさらに戦闘力が強化されている。また、ガイアV2とは誕生経緯が異なるため、ヴァージョンアップ形態は無い。初登場は第41話。ガイア同様、現在はこのタイプで統一されている。
XIG(シグ)はeXpanded Interceptive Guardiansの略である。クリシスが1996年に弾き出した、根源的破滅招来体による人類消去に対抗するため、若き天才科学者集団のアルケミー・スターズと国連が連動して完成させた、汎地球的防衛組織のG.U.A.R.D.(対根源的破滅地球防衛連合)に所属する各分野に秀でた旧防衛隊のトップエリート隊員を中心に構成された最前線で根源的破滅招来体と戦う物理防衛システムである特捜チーム。オペレーション・クルーと6チーム18人の実行部隊で構成されている。ミッションエリア内に肉親がいた場合、該当者はその任から外れるという服務規程がある(第30話)。
我夢が開発した反陽子浮揚システムリパルサー・リフトを主動力として赤道軌道上の成層圏に静止しているXIGの本部兼前線基地である全長600メートルの巨大空中母艦基地。アルケミー・スターズの協力によって建造された。
艦橋上層部にベース機能の全てを操作できる司令室のコマンドルームと、直結している参謀室が置かれ、他にも大型メインコンピューターをはじめ、ペットも飼える隊員たちの個室にトレーニングルーム、浴場、複数のカフェテリア、フライトシミュレーターも備えているライドメカの整備場と格納庫などが基地内部に点在する。具体的な人数は不明だが、数多くの隊員・職員・見習い隊員が常駐している。船体最前部にはコンテナビークル用に3機、ベース後部にはピースキャリー用に発進ゲートがそれぞれ配置されている。
エリアル・ベース自体が空中戦艦としての機能を持っており、石室がデフコン1・地球防衛指令を発動させた際には、ファイターとともに敵に直接対峙する。武装は上部甲板にある三連装迫撃ランチャーや対空機銃である。またベース自体が軌道上からずれるとリパルサー・リフトの重力バランスが崩れて落下してしまう。
エリアル・ベースは第18話では、ウルトラマンアグルこと藤宮に占拠され、第27話ではクリシス・ゴーストの襲撃を受けて基地機能が停止させられ落下する寸前にまで追い込まれ、第36話では藤宮の策略に間接的に利用されたこともあったが、それらの危機を何とか回避した。だが第47話で破滅招来体の生体兵器モキアンの攻撃で壊滅的ダメージを受け、リパルサー・リフトによる牽引で大気圏外まで上昇した後自爆・崩壊したため、拠点を東京湾にあるG.U.A.R.D.の日本支部基地であるジオ・ベースに移転している。その後日談のOV『ガイアよ再び』では、エリアル・ベース2号が完成間近であることが語られている。
XIG所属の全メカニックは規格が統一されており、ピースキャリー機内に格納される際はコンテナビークル(全長:9メートル)という六角柱型に変形する構造となっており、発艦、または現地で投下後空中で速やかに変形する。
G.U.A.R.D.(ガード)とはGeocentric Universal Alliance against the Radical Destruction(対根源的破滅地球防衛連合)の略で、光量子コンピュータ・クリシスが1996年に襲来予測した根源的破滅招来体による人類消去に対抗するため、国連とアルケミー・スターズの連動で汎地球的に結成された防衛組織。アメリカ・ニューヨークに本部を置き、北アメリカ(セントジョーンズ基地)、アラスカ(バンクス基地)、南アメリカ(フォークランド基地)、ヨーロッパ(スバールバル基地)、アフリカ(マダガスカル基地)、北アジア(ノボシビルスク基地)、南アジア(モルジブ基地)、オーストラリア(スチュアート基地)、南太平洋(クリスマス基地)、日本(GEO BASE)に各国の軍の基地を利用した支部があり、その他の各地にも関連施設を持つ。その規律は軍に準じているが、配属に自己の希望が優先されるなど、民主的な面もある。
G.U.A.R.D.の地球防衛の中枢となる日本支部基地で、東京の湾岸地区にある巨大な防衛システムを持つ軍事秘密基地。地上部分は地下部分への出入り口のみだが、地下部分内部にはF4ラボなどの充実した研究設備をはじめ、司令室やメディカルセンター、ファイターの整備場とカタパルトまで完備されており、科学研究セクションや、ケミカルセクション、地質研究班、観測班、情報セクション、リザードといった地上部隊など数多くのセクションも存在している。シリーズ前半では研究施設としてのイメージが強く描かれ、エリアル・ベースとも頻繁に連絡・連携していたが、後に地上部分には地下からせり上がる2機の大型砲台や、ワーム・ホール・システムとワーム・ジャンプ・ミサイルの発射設備まで建造され、軍事色も濃くなっていった。
第27話では、潜入したクリシス・ゴーストに2体の金属生命体の破片サンプルを奪われたり、第40話ではパスギークに、第44話では超コッヴと超パズズにそれぞれ攻撃されるという非常事態があり、その度に基地周辺が戦場となった。
前述の通り、シリーズ終盤とOV『ガイアよ再び』ではエリアル・ベースに代わるXIGの臨時基地となった。
一般職員は、G.U.A.R.D.の各施設で働く非武装の職員や作業員。一般隊員は、カーキ色のユニフォームに、タクティカル・ベストとキャップ、銃火器で身を固めた隊員で、作戦現場でのXIGのサポートを行ったり、リザードの一員としての任務、各基地施設で警備を務めるなど様々な部署の隊員たちがいる。
各怪獣の詳細は「ウルトラマンガイアの登場怪獣」を参照。
人類を宇宙のどこかから監視し、その滅びを願う存在で、その実体は一切不明。
単に怪獣を送り込んでの文明や人間への攻撃だけでなく、金属生命体や宇宙微生物、宇宙戦闘獣などの地球外生体兵器を送り込んでの工作、時には我夢や藤宮、その周辺の人間への精神および心理攻撃も行い、さらにはウルトラマン同士を争わせてそのエネルギーを利用しようとしたりなどその行動は様々である。人類抹殺の理由も、当初の藤宮と同様、人類を宇宙の病原体と捉えているような言動の一方、超巨大な生物を地球に落とそうとしたり、地球そのものを破壊しようとするような手段を講じることもあり、その明確な理由や意味も明かされることはなかった。
主にワームホールから多くの尖兵を地球に送り込むが、このワームホールは第三者が侵入しようとするとバリヤーで阻まれてしまうため、外部から接触することはできない。第36話で一度だけ藤宮が侵入を試みているが、失敗に終わっている。
この「根源的破滅招来体」という語はあくまで人間が便宜上作った概念であるため、その意味は事情に合わせて柔軟に解釈されていくこととなる。当初は「怪獣」とほぼ同義の非常に大雑把な概念でしかなかったが、徐々にその範囲は狭められ、最終段階では純粋に「根源的破滅招来体」とみなすことのできる怪獣はごく少数だと結論付けられている。
ガイアのスーツアクターを務めていた権藤俊輔や中村浩二は、ティガ・ダイナも担当していたことから、後進に主役を任せて辞める予定だったが、ドラマパートでのキャスティングを説得されたことから引き続き特撮も担当することとなった。次第にガイア役からフェードアウトして本編のみに集中する予定だったが、5人体勢でガイアを担当することとなった。
※参考文献:『テレビマガジン特別編集 ウルトラマンガイア』(講談社・1999年)
※参考文献 『テレビマガジン特別編集 ウルトラマンガイア』 講談社
いずれもバンダイビジュアルより発売。
歌詞字幕:あり
この他、吉田伸著による「小説・ウルトラマンガイア 超人伝説」の刊行がオークラ出版より2000年初秋にアナウンスされていたが、未発売に終わっている。
Owlapps.net - since 2012 - Les chouettes applications du hibou