志摩マリンランド(しまマリンランド)は、三重県志摩市の賢島で2021年3月まで営業していた水族館。近鉄グループの一員であった。「マンボウの泳ぐ水族館」を標榜していた。日本で初めてニシキアナゴの生息を確認し、和名の命名に携わった場所である。
海女による餌付け実演や、ペンギンに触れることのできる催しを開催していた。
水族館本館と古代水族館が存在し、シーラカンスなどの古代魚の化石をはじめ、カブトガニやオウムガイなどの生きている化石も展示しており、化石に触れることもできた。館内での展示・飼育以外にも、ともやま公園で磯観察会を開催するなど、館外活動も行っていた。
近鉄グループにおける志摩観光の拠点の一つで、1970年3月に開館。親会社である近畿日本鉄道が同年、大阪万博の開催に合わせて大阪難波-賢島間の直通運転を開始するにあたり観光客誘致のために、また近鉄が創業60周年を迎えることから、その記念事業の一つとして志摩線終点の賢島に設置した。周辺海域でマンボウの水揚げが多いことから、1981年(昭和56年)よりマンボウの飼育を開始した。
貴重な生物の飼育にも積極的であった。ホシエイ飼育の世界記録(28年16日=10,243日)を保持しており、2014年11月3日に亡くなった時点で体盤幅205cm、全長は285cmあり、確認されたホシエイの最大記録である。2013年(平成25年)には背びれ下の背中に「寿」の旧字体「壽」とも読める模様があるカンパチが入館者に発見され、探偵!ナイトスクープで放送された。このカンパチは2014年(平成26年)6月3日に死亡した。 2015年、生き餌としてピラルクーのエサにされ、ろ過層に逃げ込み7年間潜伏した金魚が話題になった。
2009年(平成21年)11月、志摩マリンランドで飼育されていたフンボルトペンギンの「志摩ちゃん」が賢島駅の特別駅長に就任した。
また、上皇明仁・上皇后美智子をはじめ皇族が来館したこともあった。上皇は皇太子時代から3度来館した。
2016年(平成28年)3月1日、改装工事を終えてリニューアルオープンした。同工事では、クラゲコーナーに発光ダイオード(LED)照明の円柱形の水槽を新設したほか、駐車場の舗装の張り替えや、日本で捕獲された最大級のマンボウとほぼ同じサイズの繊維強化プラスチック(FRP)製のマンボウモニュメントの設置などが行われた。
建物・設備の老朽化が著しく、維持管理は困難であると判断したため、2021年(令和3年)3月31日をもって営業を休止。近鉄グループホールディングスでは新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、レジャー部門の不採算事業の縮小・撤退を進めると2020年(令和2年)11月に公表したが、志摩マリンランドの休止はその一環ではなく、あくまでも施設の老朽化のためとしている。従業員35人は志摩スペイン村など近鉄グループの施設へ配置転換し、飼育生物は他の施設へ受け入れを依頼する。
2021年10月末までに全ての生き物が県内外の施設に引き継がれることになった。
2011年(平成23年)9月に、賢島(かしこじま)の地名にちなみ、賢島神社(かしこいしまじんじゃ)がマリンランド内に設置されていた。職員が手作りした木製社殿の中に450Lの水槽を置き、「学力が上向きになるように」との意味合いを込め、頭を上にして泳ぐアオギハゼ50匹とオオウミウマ(タツノオトシゴ類)10匹を「神体」として祀り、学力向上や合格祈願、運気上昇などに利益があるとしていた。祭神は八意思兼神で水神も合わせて祀っていた。参拝者が投じた賽銭は日本動物園水族館協会の野生動物保護基金に寄託された。
2014年12月22日には、学業成就を祈願する神事が行われ、地元の神明神社の宮司が祝詞を奏上し、職員が玉串を奉納した。
近鉄グループの観光施設が多い。
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