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日本の犯罪と治安


日本の犯罪と治安


この項目では、日本の犯罪と治安(にほんのはんざいとちあん)について解説する。

概要

日本の犯罪に関する資料としては、法務省が1960年度版以後の『犯罪白書』において1926年以後の犯罪統計を、警察庁が『警察白書』と『警察統計』において1946年以後の犯罪統計をそれぞれ公開している。総務省および警察庁の統計に載ってないデータは、1881年~1936年に関しては内務大臣官房文書課の『大日本帝国内務省統計報告』、1923年~1939年に関しては内務省警保局の『警察統計報告』、1932年~1946年に関しては、国家地方警察本部の『刑事警察統計書』、1943年と1948年~1970年に関しては警察庁及び国家地方警察本部の『犯罪統計書』を用いた。なお、1936年~1940年の刑法犯の検挙人員については、「少年犯罪」(著作者:樋口幸吉、出版社:牧書店)の8ページに記載の表を用いている。法務省も警察庁も1926年以後・1946年以後の全ての統計項目について網羅して公開しているのではなく、古い時代の資料は、分類・項目がないかまたは資料が散逸して現在では検証不可能な分類・項目も多数ある。また、時代により分類・項目の設定の基準や統計の方法が変化している分類・項目もあるので、全ての分類・項目について過去と単純比較できるわけではない。

完全無欠な統計は存在せず、犯罪統計に関しては、被害者が発見されていない、被害者が被害を訴えていない、被害者が存在しない事件の被疑者を警察・検察が認知していない事例など、政府機関の統計に表れない暗数の部分は必ず存在する。犯罪に関する分類・項目を過去から最近年までの推移をみると、日本の犯罪と治安の状況、その変化の概要を知ることができる。

刑法犯罪全体

刑法犯罪の認知件数・検挙件数・検挙人数・発生率・検挙率

刑法犯罪発生率の推移

法務省および警察庁ならびに旧内務省および国家地方警察本部の統計によると、人口10万人中の刑法犯罪総数の発生率は、1923年は戦前最少の726.48件、関東大震災・昭和金融恐慌・昭和恐慌・世界恐慌時代の1923年-1933年は増加傾向で、1933年は第二次世界大戦終結前の最多の2,301.6件、日中戦争が進行した1934年-第二次世界大戦が終結した1945年は減少傾向で、1945年は986.3件である。第二次世界大戦終結後の1946年-1948年の期間は増加傾向で、1948年は2,004.0件である。1949-1954は減少傾向で1954年は1,541.7件、1955-1970年は増加傾向で1970年は1,846.2件、1971-1975年は減少傾向で1975年は1,495.2件、1976-2002年は増加傾向で2002年は1923年以後の最多の2,897.5件、2003-2021年は減少傾向で2021年は1923年以後最少の683.09件である。但し、2022年は、2019年コロナウイルス感染症対策の行動制限緩和により外出する人が増加し、人と出会う機会が増えたことから前年より増加して708.47件となった。

法務省と警察庁及び旧内務省の統計によると、1924-2022年の全ての年度の刑法犯罪総数に対する罪種別の比率の1位は窃盗であり、2022年の比率は約46.1%となっている。1926-1958年は、刑法犯罪総数に対する罪種別の比率の2位は(1942・1945年の3位を例外として)詐欺だった。1926-1954年は、刑法犯罪総数に対する罪種別の比率の3位は(1942・1945年の2位を例外として)横領だった。1950年代以後は自動車の普及により、刑法犯罪総数に対する自動車事故による業務上過失致死傷(自動車事故以外の業務上過失致死傷は除く)の罪種別の比率は、1955年に横領を抜いて3位になり、1959年に詐欺を抜いて2位になり、1959-2021年は2位であり、自動車事故による危険運転致死傷・過失運転致死傷の比率は33.7%である。2022年の刑法犯罪総数に対する窃盗と自動車事故による業務上過失致死傷の認知件数の合計の比率は78.1%である。日本の刑法犯罪総数の増減は窃盗と自動車事故による業務上過失致死傷罪の増減が大きく影響している。

刑法犯罪の暴力犯罪も非暴力犯罪も各罪種の発生率が、1920年代半ば-1930年代前半に第二次世界大戦終結前の最多、または、統計がある1924年以後の最多を記録(人口10万人中の発生率は、殺人は1926年は4.14件、誘拐は2.46件、強姦は1933年は2.53件、傷害は1935年は42.29件、強盗は1929年は3.80件、放火は1931年は3.99件。)した原因として、関東大震災・昭和金融恐慌・昭和恐慌・世界恐慌による経済的な貧困、社会保障・福祉・所得の再分配などの不整備、家庭・学校・職場・社会の教育の不十分、失業、などの人々の生活に関する環境的原因が複合的に影響して、暴力犯罪と非暴力犯罪の原因としての個人的素質の誘発と、暴力犯罪と非暴力犯罪としての現象を推進したという仮説が指摘されている。

刑法犯罪の暴力犯罪も非暴力犯罪も各罪種の発生率が、日中戦争が進行した1930年代中期-第二次世界大戦終結前後の1940年代中期に減少傾向になり、第二次世界大戦終結前の最少、または、統計がある1926年以後の最少を記録(人口10万人中の発生率は、殺人は1944年は1.25件、誘拐は1945年は0.03件、強姦は1946年は0.81件、傷害は1945年は6.23、強盗は1941年は1.59件、放火は1945年は0.77件)した原因として、暴力犯罪者も非暴力犯罪者も男性は女性より著しく多数派(2021年の罪種別検挙者中の男性の比率は、殺人は78.3%、強盗は92.9%、傷害は90.5%、放火は74.0%、恐喝は89.6%、窃盗は67.1%、詐欺は80.8%、横領は86.2%、偽造は76.2%。)であるが、多数の男性が徴兵や労働徴用で軍隊に吸収されたから、社会に中で暴力犯罪や非暴力犯罪をする意欲・能力・機会が抑制されたという仮説、戦争の激化や日本へのアメリカ軍の爆撃の被害により、暴力犯罪や非暴力犯罪をする意欲・能力・機会が抑制されたという仮説、戦災により放火・強盗・窃盗・詐欺・横領の対象物が激減したという仮説、戦時下や占領統治下では警察・検察・政府が十分に機能せず、犯罪が認識されずに統計に現れていないという仮説、前期の環境的原因が複合的に影響して、暴力犯罪と非暴力犯罪の原因としての個人的素質の誘発と、暴力犯罪と非暴力犯罪としての現象を抑制したという仮説が指摘されている。

刑法犯罪の暴力犯罪の各罪種の発生率が、第二次世界大戦終結後の1940年代後半~1960年代前半に増加傾向になり、第二次世界大戦終結後の最多、または、統計が有る1924年以後の最多を記録(人口10万人中の発生率は、殺人は1954年は3.49件、誘拐は1951年は0.63件、強姦は1964年は7.06件、傷害は1958年は80.63件、強盗は1948年は13.57件、放火は1950年は2.26件)した原因の仮説としては、戦災による経済的な貧困、社会保障・福祉・所得の再分配などの不整備、家庭・学校・職場・社会の教育の不十分、失業、などの人々の生活に関する環境的原因が複合的に影響して、暴力犯罪と非暴力犯罪の原因としての個人的素質の誘発と、暴力犯罪と非暴力犯罪としての現象を推進したという仮説が指摘されている。

刑法犯罪の暴力犯罪の各罪種の発生率が、上記の第二次世界大戦後の最高値を記録した後は、単年度や短期的な増減はあっても長期的に減少傾向になり、第二次世界大戦終結後の最少、または、統計が有る1924年以後の最少を記録(人口10万人中の発生率は、殺人は2022年は0.68件、2023年は0.73件、誘拐は1983年は0.06件、2023年は0.42件、不同意性交(旧強姦、強制性交)は2016年は0.78件、2023年は2.18件、傷害は1995年は13.92件、2023年は17.83件、強盗は2021年は0.91件、2023年は1.09件、放火は2021年は0.60件、2023年は0.62件。)した原因の仮説としては、戦災による経済的な貧困や生活の困難から脱出して、経済が発展し社会保障や福祉が整備され、経済的な貧困や生活の困難が解消されたなどの環境的原因が複合的に影響して、暴力犯罪の原因としての個人的素質の誘発と、暴力犯罪としての現象を抑制したという仮説が指摘されている。

刑法犯罪の財産犯罪の各財種の発生率は、第二次世界大戦終結後は暴力犯罪と比較して、1946~2023年の期間に増加期間と減少期間を繰り返していて、経済、社会保障、福祉、雇用、生活などの各時代の環境状況との関連性が不明確である。

刑法犯罪の暴力犯罪の罪種別の認知件数と発生率

刑法犯罪の暴力犯罪の発生率の推移

法務省と警察庁及び旧内務省の統計によると、人口10万人中の殺人(殺人、自殺関与・同意殺人[警察統計報告では自殺に関する罪]、前記の各罪の予備・未遂の合計)の発生率は、1924年は、3.27件であった。1924年~1932年は、4.1件~3.2件の間で増減を繰り返していた。その間1926年は1924年以後の最多の4.14件となった。1933年~1945年は減少傾向で1944年は第二次世界大戦終結前では最少の1.25件、1946年~1954年は増加傾向で1954年は第二次世界大戦後の最多の3.49件、1955~1996年は減少傾向で1996年は0.97件(当時は1926年以後の最少)、1997~2007年は0.94~1.14件の範囲で推移し、2008年から2013年まで減少し、2014年は0.83件と前年に比べて微増したが、2015年以降は0.73件前後を推移し、2022年は1924年以後で最少となる0.68件となった。但し、2023年は前年より増加して0.73件となったが、認知件数が1,000件を9年連続下回った。(1,000件未満であった年は、1944年、1945年、2013年、2015年~2023年である。)


法務省と警察庁及び旧内務省の統計によると、人口10万人中の略取・誘拐(略取・誘拐、人身売買、被略取者国外移送・引渡し、前記の各罪の予備・未遂の合計)の発生率は、1924年は、1.85件であった。1924年~1934年は、増減を繰り返しながらの減少傾向であった。その間1926年は1924年以後の最多の2.46件、1935年~1945年は減少傾向で1945年は1924年以後の最少の0.03件、1946~1951年は増加傾向で1951年は第二次世界大戦終結後の最多の0.63件、1952~1983年は減少傾向で1983年は第二次世界大戦終結後の最少の0.06件、1984~1992年は増加傾向で1992年は0.22件、1993~2005年は0.17~0.24件の範囲で推移し、2006年以降は減少して、0.12~0.16件の範囲で推移していた。しかし、2017年以降は増加し、2023年は0.42件となった。


法務省と警察庁及び旧内務省の統計によると、人口10万人中の不同意性交等罪(旧 強姦、強制性交等)(2017年7月12日以前は強姦、準強姦、集団強姦[2004年~2017年]、前記の各罪の致死傷・未遂の合計。2017年7月13日~2023年7月12日の間は、強制性交等、準強制性交等及び監護者性交等、前記の各罪の致死傷・未遂の合計。2023年7月13日以降は、不同意性交等及び監護者性交等、前記の各罪の致死傷・未遂の合計。)の発生率は、1931年は、1.93件であった。1933年は第二次世界大戦終結前の最多の2.35件、1931年~1946年は減少傾向で1946年は0.81件、1947~1964年は増加傾向で1964年は1931年以後の最多の7.06件となっている。またこの期間中の1958年に2人以上で共謀して行った場合の非親告罪化をした影響で増加した背景がある為、1957年以前と1958年以後の比較には注意が必要である。1965~1996年は減少傾向で1996年は1947年以後の最少の1.19件、1997~2003年は増加傾向で2003年は1.97件、2004年~2012年は減少傾向で2011年は0.94件であるが、2013年と2014年は増加して1.11件である。そして2015年から減少して2016年は、1931年以後で最少となる0.78件であった。2017年以降は単年度の減少があれど増加し、2023年は2.18件となった。

また、2022年の強制性交等被害者の男女別では女性は1,591人、男性64人であった。

更に、2022年における監護者性交等の認知件数は82件であった。また肛門性交のみ、口腔性交のみ、又は肛門性交及び口腔性交のみを実行行為とする強制性交等について、2022年に第一審判決があったものとして法務省刑事局に対し各検察庁から報告があった件数は、94件であった。


法務省と警察庁及び旧内務省の統計によると、人口10万人中の不同意わいせつ(旧強制わいせつ)(2017年7月12日以前については、強制わいせつ、準強制わいせつ、前記の各罪の致死傷・未遂の合計。2017年7月13日~2023年7月12日の間は、強制わいせつ、準強制わいせつ及び監護者わいせつ、前記の各罪の致死傷・未遂の合計。2023年7月13日以降は、不同意わいせつ及び監護者わいせつ、前記の各罪の致死傷・未遂の合計。)の発生率は、1931年は、1.09件であった。1933年は第二次世界大戦終結前の最多の2.62件、1931年~1946年は減少傾向で1946年は1931年以後の最少の0.29件、1947年~1965年は増加傾向で1965年は4.75件である。そして、この期間中の1958年に刑法が改正され、2人以上で共謀して行った場合の非親告罪化をした為、1957年以前と1958年以後の比較には注意が必要である。また。1966~1986年は減少傾向で1986年は1.88件、1987~2003年は増加傾向で2003年は1933年以後の最多の7.85件、2004年~2009年は減少傾向で2009年は5.22件、2010年~2014年は増加し、2014年は6.02件である。そして、2015年以降は、減少して2020年は、3.29件である。しかし、2021年以降は増加して2023年は4.90件であった。

また、2022年の強制わいせつ被害者の男女別では女性は4,503人、男性は205人であった。更に、2022年における監護者わいせつの認知件数は87件であった。


法務省と警察庁及び旧内務省の統計によると、人口10万人中の傷害(傷害、傷害致死の合計)の発生率は、1924年は、33.46件であった。1924年~1935年は、増減を繰り返しながらの増加傾向であり、1935年は第二次世界大終結前の最多の42.29件であった。1936年~1945年は減少傾向で1945年は1924年以後の最少の6.23件、1946~1958年は増加傾向で1958年は1924年以後の最多の80.62件、1959~1995年は減少傾向で1995年は第二次世界大戦終結後の最少の13.92件、1996~2003年は増加傾向で2003年は28.64件、2004~2008年は減少傾向で2008年は22.16件、2009~2012年は2009年より減少して20件前後で推移していた。2013年は増加して22.02件となったが、2014年~2021年は減少して2021年は14.46件である。但し、2022年以降は、2019年コロナウイルス感染症対策の行動制限緩和により外出する人が増加し、人と出会う機会が増えたことから増加して、2023年は17.83件となった。

法務省と警察庁及び旧内務省の統計によると、人口10万人中の強盗(強盗、事後強盗、昏睡強盗、強盗強姦、前記の各罪の致死傷・予備・未遂の合計)の発生率は、1924年は、1.94件であった。1924年~1929年は増加傾向であり、1929年は第二次世界大戦終結前の最多の3.80件であった。1930年~1945年は減少傾向で1941年は第二次世界大戦終前の最少の1.59件、1946~1948年は増加傾向で1948年は1926年以後の最多の13.57件、1949~1989年は減少傾向で1989年は1.29件、1990~2003年は増加傾向で2003年は6.00件、2004年~2021年は減少傾向で2021年は1924年以後の最少の0.91件である。但し、2022年以降増加して、2023年は1.09件であった。


法務省と警察庁の及び旧内務省の統計によると、人口10万人中の放火(放火、延焼、前記の各罪の予備・未遂の合計)の発生率は、1931年は1924年以後の最多の3.99件、1931年~1945年は減少傾向で1945年は1924年以後の最少の0.77件、1946~1954年は増加傾向で1954年は第二次世界大戦後の最多の2.16件、1954~1991年は減少傾向で1991年は1.09件、1992~2004年は増加傾向で2004年は1.70件、2005年以降は2015年と2017年の微増を除いて減少傾向で、2021年は1924年以後の最少の0.60件であった。その後、2022年は2021年より増加して0.63件であり、2023年は前年より微減して0.62件であった。


法務省と警察庁の統計によると、人口10万人中の逮捕・監禁(逮捕・監禁、逮捕・監禁致死傷の合計)の発生率は、1930年は第二次世界大戦終結前の最多の0.33件、1931年~1945年は減少傾向で1945年は1924年以後の最少の0.06件、1946~1947年は増加傾向で1947年は0.61件、1948~1960年は減少傾向で1960年は0.18件、1961~1970年は増加傾向で1970年は1924年以後の最多の0.72件、1970~1979年は減少傾向で1979年は0.40件、1981~1984年は0.41~0.46の範囲で推移し、1985~1999年は0.25~0.35件の範囲で推移し、1999~2003年は増加傾向で2003年は0.50件、2004年~2018年は2012年の微増を除いて減少傾向で。2018年は0.20件であった。2019年以降は増加傾向であり、2023年は0.23件である。

日本の暴力犯罪は不同意わいせつ(旧・強制わいせつ)を除いて、殺人、略取・誘拐、不同意性交等(旧・強姦、強制性交等)、傷害、強盗、放火、逮捕・監禁の各罪種の発生率は1920年代半ば~1930年代前半に1924年以後または第二次世界大戦終結前の最多を記録し、1940年代後半~1960年代前半(罪種により最多の年度は異なる)に1924年以後または第二次世界大戦終結後の最多を記録し、その後は単年度や短期間の増加はあるが30年・40年・50年・60年・70年・80年の時間単位では減少傾向であり、1990年代以後~2023年は最多を記録した年度より統計上有意に顕著に減少しているから、日本で凶悪犯罪・暴力犯罪(または少年の凶悪犯罪・暴力犯罪)が長期的に増加している(または著しく増加している、激増している)事実は存在しない。
長期的な推移を無視して単年度や短期間の複数年間の増加だけを指摘して、凶悪犯罪が増加していると断定することは、増加しているとの主張に都合がいい統計値だけを意図的に選択し、都合がわるい統計値は意図的に無視した情報操作である。
前記の理由により、2023年までの統計によれば、凶悪犯罪・暴力犯罪が増加しているとの認識と、その原因と指摘されている社会的状況や精神的状況(日本国民や日本に在住する人々の多数派が絶望しているとの証明もない)と凶悪犯罪・暴力犯罪の増加との因果関係もまた証明がない。

生命・身体に対する刑法犯罪の被害者数・被害者率・死傷者率

暴力犯罪の被害者数の推移

法務省や警察庁の犯罪統計では、殺人は殺人、自殺関与・同意殺人、前記の各罪の予備・未遂の合計、略取・誘拐は略取・誘拐、人身売買、被略取者国外移送・引渡し、前記の各罪の予備・未遂の合計、強姦は強姦、準強姦、集団強姦、前記の各罪の致死傷・未遂の合計、強制猥褻は強制わいせつ、準強制わいせつ、前記の各罪の致死傷・未遂の合計、傷害は傷害、傷害致死の合計、強盗は強盗、事後強盗、昏睡強盗、強盗強姦、前記の各罪の致死傷・予備・未遂の合計、放火は放火、延焼、前記の各罪の予備・未遂の合計、逮捕・監禁は逮捕・監禁、逮捕・監禁致死傷の合計であり、犯罪の各罪種の認知件数は被害者数ではない。

加害者の人数と被害者の人数も、加害者が1人で被害者が1人の場合、加害者が複数で被害者が1人の場合、加害者が1人で被害者が複数の場合、加害者が複数で被害者が複数の場合があるので、加害者数と被害者数は同数ではないが、個人が暴力犯罪で他者に被害を与える能力は限度があるので、加害者数と被害者数は著しい差は無く近接した値になる。

被害者が死亡または負傷した場合は、被害者を死亡または負傷させた法的な罪種が、殺人、強姦致死傷、強制わいせつ致死傷、強盗致死傷、監禁致死傷、傷害致死、危険運転致死傷、自動車事故による業務上過失致死傷、自動車事故以外の業務上過失致死傷、前記のどの罪種であっても、罪種により法定刑・判例・量刑に差異はあっても、被害者(被害者の家族・関係者)にとっては死亡という回復不可能な被害を受けたこと差異は無い。

被害者が負傷した場合も、傷害の質と量が回復不可能な程度であるなら、意識が回復しない状態、知能の完全な喪失または回復可能な損傷、全身不随、頚部より下の不随、腰から下がの不随、腕・手・手指・脚・足・足指の喪失または機能の回復可能な損傷、失明・失聴・失声または視力・聴力・発声力の回復可能な損傷をした場合は、被害者(被害者の家族・関係者)にとっては人格・知的能力・身体能力・生活能力・職業能力・社会的活動能力の喪失または損傷という回復不可能な被害を受けたこと差異は無い。

暴力犯罪により生命・身体に被害を受けた被害者数の統計により、社会の中で実数や人口比でどの程度の人が死亡、人格・知的能力・身体能力・生活能力・職業能力・社会的活動能力の喪失または回復可能な損傷、強姦、強制わいせつ、被害前の状態に回復可能な傷害・致傷という被害を受けたかを認知することができる。また政府・自治体、民間有志団体、加害者や加害者の家族が、被害者や被害者の家族に対して、どのような質と量の賠償や回復支援が必要であるかを認知する資料になる。

  • 暴力犯罪による死亡者数と人口10万人中の死亡者率

1926年は、人口比が926年以後の最多で実数が3,329 人・人口比が5.48人、1926~1930年は単年度の増加があったにせよ減少傾向であり、1930年は実数で1,230人・人口比で1.91人であった。1931~1936年は、一時的な減少傾向があったにせよ増加傾向であり、1936年は実数で1,648人・人口比で2.35人であった。1937年・1938年は統計値無し、1939年は1936年より減少して 実数は1,197人・人口比は1.68人であり、1939~1943年は一時的な減少があったにせよ増加傾向であり、1943年は実数が1,444人・人口比1.95人であった。1944年は統計値無し。1945年は1943年と比べて増加して実数が1,926人・人口比は2.67人であり、1945~1950年は単年度の減少があったにせよ増加傾向であり、単純に比較できないが、1950年は4,269人・人口比は5.08人であった。1951~1964年は、一時的な増加があったにせよ減少傾向であり、単純に比較できないが、実数は1,764人・人口比は1.82人であった。1965年以降は単年度の増加があったにせよ減少傾向である。2022年は実数・人口比ともに1926年以後の最少で実数が598人・人口比が0.48人であった。

2022年では、男女別の場合、男性が346人、女性は252人であった。罪種別では、多い順に殺人罪が289人(男性:122人 女性:167人)、次いで業務上等過失致死傷(交通業過は除く。)が190人(男性:156人 女性:34人)、傷害致死が56人(男性:36人 女性:20人)となっている。殺人罪だけで約48.3%を占め、業務上等過失致死傷(交通業過は除く。)と傷害致死を含めると、全刑法犯死者数の約89.5%を占める。また、殺人罪被害者で死亡する割合は、783人中289人であり約36.9%(男性:約28.8%、女性:約46.5%)となっている。

  • 暴力犯罪による負傷者数と人口10万人中の負傷者率

1933年は実数で19,272人・人口比が28.58人、1933~1936年は一時的な減少があったにせよ増加傾向であり、1936年は実数が23,672人・人口比が2.35人であった。1937年・1938年は統計値無し、1939年は1936年より減少して 実数は19,208人・人口比は26.91人であり、1939~1943年は減少傾向であり、1943年は実数で9,535人・人口比が12.90 人であった。1944年は統計値無し。1945年は1943年と比べて減少し、実数・人口比ともに1933年以後最少で、実数は4,200人・人口比が5.80人であり、1945年~1958年は1958年は、増加傾向であり、実数・人口比ともに1933年以後最多であり、1958年は実数が85,060人・人口比が92.69人であった。1959年~1964年は、単年度の増加があったにせよ減少傾向であり、1964年は実数は73,332人・人口比が75.46人であった。1965年の統計値無し、1966年は実数が76,297人・人口比が77.04人、1966~1994年は減少傾向で1994年は実数が23,644人・人口比が18.88人、1995~2004年は増加傾向で2004年は実数が46,793人・人口比が36.62人、2005年以降は2011年と2013年の微増を除き減少傾向で2021年は実数が20,960人・人口比が1966年以後の最少で16.70人である。但し2022年は前年より増加し18.02人である。

2022年の暴力犯罪による負傷者数は、男女別の場合、男性は14,006人、女性は8,513人であった。罪種別では、多い順に傷害が20,410人(男性:12,922人 女性:7,488人)、次いで、強盗が572人(男性:405人 女性:167人)、殺人が494人(男性:302人 女性:192人)となっている。傷害で全刑法犯負傷者数の約90.6%を占め、殺人・強盗を加えた場合、約95.4%を占める。

  • 暴力犯罪による重傷者数と人口10万人中の重傷者率

1984年は実数が2,531人・人口比が2.10人、1985~1996年は減少傾向で1996年は実数が2,122人・人口比が1966年以後の最少で1.69人、1997~2003年は増加傾向で2003年は実数が3,731人・人口比が1966年以後の最多で2.92人、2004~2008年は減少傾向で2008年は実数が2,790人・人口比が2.18人、2009年~2012年は横ばい傾向で2012年は実数が2,979人・人口比が2.24人である。そして、2013年以降は、単年度の増加があったにせよ減少傾向であり、2021年は実数は2,345人・人口比は1.87人である。但し、2022年は前年より増加し2.09人である。

2022年の重傷の場合では、男女別の場合、男性が1,697人、女性は914人であった。罪種別では、多い順に傷害が2,108人(男性:1,391人 女性:717人)、次いで殺人が186人(男性:117人 女性:69人)、業務上等過失致死傷(交通業過は除く。)が141人(男性:94人 女性:47人)となっている。傷害で全刑法犯重傷者数の約80.7%を占め、殺人と業務上等過失致死傷(交通業過は除く。)を加えた場合、約93.3%を占める。

  • 暴力犯罪による軽傷者数と人口10万人中の軽傷者率

1984年は実数が28,300人・人口比が23.52人、1985~1994年は減少傾向で1994年は実数が21,517人・人口比が17.18人、1995~2004年は増加傾向で2004年は実数が43,314人・人口比が1966年以後の最多で33.90人、2005年以降は、単年度の増加があったにせよ減少傾向であり、2021年は実数は18,615人・人口比は1966年以後の最少で14.83人である。但し、2022年は前年より増加し18.02人である。

2022年の軽傷の場合では、男女別の場合、男性が12,309人、女性は7,599人であった。罪種別では、多い順に傷害が18,302人(男性:11,531人 女性:6,771人)、次いで強盗が513人(男性:362人 女性:151人)、殺人が308人(男性:185人 女性:123人)となっている。傷害で全刑法犯軽傷者数の約91.9%を占め、強盗・殺人を加えた場合、約96.1%を占める。

  • 不同意性交等(旧・強姦、強制性交等)の被害者数と人口10万人中の被害者率

1989年は実数が1,556人・人口比が1.26人、1996年は実数・人口比ともに1989年以後の最少で実数が1,483人・人口比が1.18人、1997~2003年は増加傾向で2003年は実数・人口比ともに1989年以後の最多で実数が2,472人・人口比が1.94人、2004年~2016年は、単年度の増加があったにせよ減少傾向であり、2016年は実数・人口比ともに1989年以後の最少で、実数は989人・人口比は0.78人である。2017年以降は単年度の減少があれど増加して、2023年は実数が2,711人・人口比は2.18人であった。

  • 不同意わいせつ(旧・強制わいせつ)の被害者数と人口10万人中の被害者率

1989年は実数が2,759人・人口比が2.24人、1990年は実数・人口比ともに1989年以後の最少で実数が2,730人・人口比が2.21人、1991~2003年は増加傾向で2003年は実数・人口比ともに1989年以後の最多で実数が10,029人・人口比が7.85人、2004年以降は、一時的な増加があったにせよ減少傾向であり、2020年は実数は4,153件・人口比は3.29人であった。2021年以降は増加して、2023年は実数は6,096件・人口比は4.90人であった。

  • 交通事故による死亡者数と人口10万人中の死亡者率

1926年は実数が1926年以後最少であり、実数が2,035人・人口比が3.4人、1926~1938年は単年度の減少があったにせよ増加傾向で1938年は実数が3,678人・人口比が5.2人であった。1939~1943年は単年度の増加があったにせよ減少傾向であり、1943年は実数は2,887人・人口比が3.9人であった。1944~1970年は一時的な減少があったにせよ増加傾向であり、1970年は実数・人口比ともに1926年以後の最多で実数が16,765人・人口比が16.0人、1971~1979年は減少傾向で1979年は実数が8,466人・人口比が7.3人、1980~1992年は増加傾向で1992年は実数が11,452人・人口比が9.2人、1993年以降は減少傾向で2022年は人口比が1926年以後最少の実数が2,610人・人口比は2.1人である。但し、2023年は前年より増加して、実数が2,678人・人口比は2.2人である。


  • 交通事故による負傷者数と人口10万人中の負傷者率

1926年は実数が30,282人・人口比が49.9人であり、1926~1932年は増加傾向であり、1932年は実数が49,259人・人口比が74.1人であった。1933~1945年は、単年度の増加があったにせよ減少傾向であり、1945年は実数・人口比ともに1923年以後最少の実数が9,094人・人口比が12.6人であった。1946~1969年は増加傾向で、1969年は実数・人口比ともに1923年以後最多の実数が967,000人・人口比が943.1人、1970~1979年は減少傾向で1979年は実数が596,282人・人口比が513.4人、1980~2001年は増加傾向で2001年は実数が1,1801,955人・人口比が1946年以後の最多で927.6人、2002年以降は減少傾向で2022年は実数が356,419人・人口比が285.3人である。但し、2023年は前年より増加して、実数が365,027人・人口比は294.0人である。


  • 交通事故による重傷者数と人口10万人中の重傷者率

1970年は実数・人口比ともに1970年以後の最多で実数が126,715人・人口比が121.1人、1971~1979年は減少傾向で1979年は実数が49,490人・人口比が42.6人、1980~1989年は増加傾向で1989年は実数が80,948人・人口比が65.7人、1990~2022年は減少傾向で2022年は実数・人口比ともに1970年以後の最少で実数が26,027人・人口比が20.8人である。但し、2023年は前年より増加して、実数が27,636人・人口比は22.2人である。

  • 交通事故による軽傷者数と人口10万人中の軽傷者率

1970年は実数が854,381人・人口比が816.3人、1971~1980年は減少傾向で1980年は実数が534,604人・人口比が456.7人、1980~2004年は増加傾向で2004年は実数が1,110,799人・人口比が1970年以後の最多で869.3人、2005~2022年は減少傾向で2022年は1970年以後の最少で実数が330,574人・人口比が264.6人である。但し、2023年は前年より増加して、実数が337,959人・人口比は271.8人である。

刑法犯罪の非暴力犯罪の罪種別の認知件数と発生率

刑法犯罪の非暴力犯罪の発生率の推移

法務省と警察庁及び旧内務省の統計によると、人口10万人中の窃盗(窃盗、窃盗未遂の合計)の発生率は、1924年は458.9件、1934年は第二次世界大戦終結前の最多の1,061.3件、1935年~1945年は減少傾向で1945年は778.3件、1946年~1948年は増加傾向で1948年は1,558.0件、1949~1973年は減少傾向で1973年は892.6件、1974~2002年は増加傾向で2002年は1924年以後の最多の1,864.9件、2003年以降は減少傾向で2021年は1924年以後の最少の304.2件である。但し、2022年は、新型コロナウイルス対策の行動制限緩和により外出する人が増加し、人と出会う機会が増えたことから2021年以降は増加して、2023年は388.97件となった。

なお、窃盗の増加分で一番多かったのは自転車盗で全体の約46.5%(75,784件中35,297件)を占め、次いで万引きであり、全体の約12.6%(75,784件中9,570件)ていた。

法務省と警察庁及び旧内務省の統計によると、人口10万人中の詐欺(詐欺、準詐欺、前記の各罪の未遂の合計)の発生率は、1933年は1924年以後の最多の576.3件、1934年~1945年は減少傾向で1945年は第二次世界大戦終結前の最少の46.5件、1946年~1950年は増加傾向で1950年は第二次世界大戦後の最多の222.9件、1950~2002年は減少傾向で2002年は38.8件、2003~2005年は増加傾向で2005年は66.9件、2006~2011年は減少傾向で2011年は27.1件で、2012年~2017年は2015年の微減を除き増加傾向で、2017年は33.5件であった。2018年~2020年は、減少傾向であり、2020年は1926年以後最小である24.2件である。2021年以降は増加して、2023年は37.0件である。


法務省と警察庁及び旧内務省の統計によると、人口10万人中の横領(横領、業務上横領、遺失物等横領の合計)の発生率は、1934年は1924年以後の最多の413.7件、1935年~1946年は減少傾向で1946年は41.4件、1947年~1950年は増加傾向で1950年は第二次世界大戦後の最多の78.0件、1951~1971年は減少傾向で1971年は1924年以後の最少の7.5件、1972~2004年は増加傾向で2004年は81.7件、2005年~2021年は減少傾向で2021年は10.4件である。2022年以降は増加して、2023年は12.70件である。

横領の大部分は遺失物等横領であり、2023年は横領15,795件中の遺失物等横領は13,879件(87.87%)である。


法務省と警察庁及び旧内務省の統計によると、人口10万人中の恐喝(恐喝、恐喝未遂の合計)の発生率は、1935年は1924年以後の最多の46.4件、1936年~1945年は減少傾向で1945年は4.6件、1946年~1950年は増加傾向で1950年は38.9件、1951~1953年は減少傾向で1953年は21.5件、1954~1961年は増加傾向で1961年は第二次世界大戦後の最多の48.0件、1962~1980年は減少傾向で1980年は7.5件、1981~1986年は増加傾向で1986年は10.6件、1987~1991年は減少傾向で1991年は7.7件、1992~2001年は増加傾向で2001年は15.3件、2002年以降は減少傾向で2021年は1924年以後の最少の1.0件である。2022年以降は増加して、2023年は1.26件である。


法務省と警察庁及び旧内務省の統計によると、人口10万人中の住居侵入の発生率は、1924年は5.6件、1924~1943年は増加傾向で1943年は21.6件、1944~1946年は減少傾向で1946年は1924年以後最少の3.4件、1947~1950年は増加傾向で1950年は11.9件、1951~1999年は8.7~11.5件の範囲内で推移し、2000~2003年は増加傾向で2003年は1924年以後最多の31.6件、2004年以降は、2012年に微増したことを除き減少傾向で、2022年は7.6件である。但し、2023年は前年より増加して8.55件である。


法務省と警察庁の統計によると、人口10万人中の器物損壊の発生率は、1958年以前は統計値無し、1959年は9.4件、1959~1972年は1968年の微増を除いて減少傾向で1972年は1959年以後で最少の4.7件、1973~2003年は増加傾向で2003年は1959年以後最多の180.7件、2004年以降は減少傾向で2022年は43.8件である。但し、2023年は前年より増加して45.80件である。


法務省と警察庁の統計によると、人口10万人中の偽造(私文書偽造・公文書偽造、有価証券偽造、通貨偽造[1924年・1925年は、文書偽造、有価証券偽造、印章偽造、通貨偽造]の合計)の発生率は、1932年は1924年以後の最多の43.8件、1933年~1945年は減少傾向で1945年は3.6件、1946年~1950年は増加傾向で1950年は12.4件、1951~1959年は減少傾向で1959年は6.0件、1960~1961年は1増加傾向で1961年は8.6件、1962年~1963年は減少傾向で1963年は7.4件、しかし1964年は増加し9.4件となったが、翌年の1965年~1967年には減少して1967年は5.1件であった。1968年~1970年は増加して1970年は6.5件であった。1970年~1977年は5.5件~7.5件の間で増減を繰り返した。1977~1984年は増加傾向で1984年は12.7件、1985~2001年は減少傾向で2001年は6.0件、2002~2004年は増加傾向で2004年は10.6件、2005年以降は2016年の増加を除いて減少傾向で、2022年は1924年以後の最少の1.4件である。但し、2023年は前年より増加して1.53件である。


法務省と警察庁の統計によると、人口10万人中の業務上過失致死傷(1965年以前は業務上過失致死傷の総数、1966年以後は自動車運転による致死傷)の発生率は、1923年以前は統計値無し、1924年は5.4件、1924年~1935年は増加傾向で1935年は23.8件、1936年~1946年は単年度の増加があったにせよ減少傾向であり1946年は1923年以後の最少の3.7件、1947年~1970は増加傾向で1970年は623.5件、1971年~1978は減少傾向で1978年は381.9件、1979~2004年は増加傾向で2004年は1946年以後の最多の676.5件、2005~2022年は減少傾向で2022年は227.2件である。

刑法犯罪(都道府県別)

都道府県別刑法犯罪の認知件数・検挙件数・検挙人数・発生率・検挙率

都道府県別刑法犯罪発生率の傾向

  • 日本の都道府県の人口は都道府県ごとによって違っており、最多の東京都(人口:

1,403万8,000人、認知件数:78,475件、検挙件数:30,587件、検挙人員:20,911人、人口10万人当たりの犯罪発生率:559.02件、検挙率:39.0%)から最小の鳥取県(人口:54万4,000人、認知件数:2,017件、検挙件数:1,449件、検挙人員:948人、人口10万人当たりの犯罪発生率:370.77件、検挙率:71.8%)までいるため、実数で述べるところで人口の少ない県の方が少ない傾向になってしまうため、発生率と検挙率のみとする。

  • 日本で人口10万人当たりの犯罪発生率が最も高い都道府県は大阪府(783.50件)であり、最も低い都道府県は秋田県(201.18件)である。
  • 日本の検挙率で最も高い都道府県は山形県(約73.0%)であり、最も低い都道府県は大阪府(約26.3%)である。
  • 日本の都道府県別の犯罪発生率と検挙率の最も多い都道府県と、最も少ない都道府県の差は、最も少ない所を1とすると、発生率は約3.9であり、検挙率は約2.8である。
  • 日本の都道府県別で見た場合、犯罪発生率が最も少ないのは秋田県、検挙率が最も高いのは山形県、犯罪発生率が最も多く検挙率が最も低い都道府県は大阪府である。
  • 日本の犯罪発生率の傾向として、仙台を除く5大都市を擁する都道府県及び関東地方が高い傾向にある。逆に北東北と山陰地方及び福岡県除く九州地方が低い傾向にある。理由の1つに、都市特有の人の移動が激しいことと地方に発生しやすい暗黙のルールと相互監視の緩さによる匿名性(所謂、隣の人は何する人ぞ。)により、犯罪が発覚しにくく、監視の目が入りにくいことによる環境要因が生じているからである。また、経済が活発なことももう1つの原因である。例えば、2019年度の名目県内総生産は秋田県の場合3兆6,247.50億円(1人県民所得:271.3万円)に対して、大阪府は41兆1,883.64億円(1人県民所得:305.5万円)と、都道府県規模で約11.4倍の差があり、1人当たり県民所得に関しては、大阪府は秋田県より約10%高い。更に、関東地方に限った場合は、全国の県内総生産の合計した値の約39.3%を占めている。その為、その経済利益を犯罪という名の不法手段で得られる不当利益が経済が活発な地域の方が大きくなるため、経済活発地域の犯罪が多くなる。その例として、明治以前の大阪は商都故に、技量の点を含めスリの本場であった。
  • 発生率に関しては、令和元年犯罪白書より、バブル景気最中の1989年の発生率に比べて、どの都道府県も低くなっている。また、発生率が最も多かった大阪府の犯罪発生率(2022年)は、1989年当時都道府県の中で6番目に少なかった岐阜県の犯罪発生率(781.2件)に近い値である。

都道府県別刑法犯罪の暴力犯罪の罪種別の認知件数と発生率

都道府県別刑法犯罪の暴力犯罪の罪種別発生率の傾向

  • 日本の都道府県の人口は都道府県ごとによって違っており、最多の東京都(人口:14,03万8,000人、殺人:91件、略取・誘拐・人身売買:55件、強制性交等(旧 強姦):248件、強制猥褻:639件、傷害:2,448件、強盗:228件、放火62件、逮捕・監禁:44件)から最小の鳥取県(人口:54万4,000人、殺人:1件、略取・誘拐・人身売買:3件、強制性交等(旧 強姦):14件、強制猥褻:25件、傷害:83件、強盗:1件、放火:3件、逮捕・監禁0件)までいるため、実数で述べるところで人口の少ない県の方が少ない傾向になってしまうため、発生率のみとする。
  • 日本で人口10万人当たりの殺人発生率が最も高い都道府県は大阪府(1.45件)であり、最も低い都道府県は富山県(0.00件、発生件数:0件)である。
  • 日本で人口10万人当たりの略取・誘拐・人身売買発生率が最も高い都道府県は栃木県(0.58件)であり、最も低い都道府県は宮崎県、大分県、秋田県、佐賀県、高知県(0.00件、発生件数:0件)である。
  • 日本で人口10万人当たりの強制性交等(旧 強姦)発生率が最も高い都道府県は鳥取県(2.57件)であり、最も低い都道府県は徳島県(0.43件)である。
  • 日本で人口10万人当たりの強制猥褻発生率が最も高い都道府県は大阪府(7.14件)であり、最も低い都道府県は秋田県(1.08件)である。
  • 日本で人口10万人当たりの傷害発生率が最も高い都道府県は沖縄県(30.25件)であり、最も低い都道府県は秋田県(4.84件)である。
  • 日本で人口10万人当たりの強盗発生率が最も高い都道府県は大阪府(1.91件)であり、最も低い都道府県は強盗は奈良県・佐賀県・山形県・長崎県(0.00件、発生件数:0件)である。
  • 日本で人口10万人当たりの放火発生率が最も高い都道府県は大阪府(1.48件)であり、最も低い都道府県は石川県(0.09件)である。
  • 日本で人口10万人当たりの逮捕・監禁発生率が最も高い都道府県は茨城県・栃木県(0.42件)であり、最も低い都道府県は青森県、山形県、長野県、和歌山県、愛媛県、鳥取県、富山県、福井県、徳島県、大分県、熊本県、佐賀県、鹿児島県(0.00件、発生件数:0件)である。
  • 日本で人口10万人当たりの暴力犯罪の罪種別発生率が最も多い都道府県と、最も少ない都道府県の差は、最も少ない所を1とすると、発生率は強制性交等(旧 強姦)は約6.0、強制猥褻は約6.6、傷害は約6.3、放火は約16.4、殺人、略取・誘拐・人身売買、強盗と逮捕・監禁はゼロ除算となるため計算不可である。
  • 日本の都道府県別で見た場合、最も多い都道府県は、殺人・強制猥褻・強盗・放火は大阪府、略取・誘拐・人身売買と逮捕・監禁は栃木県、強制性交は鳥取県、逮捕・監禁は茨城県である。
    逆に少ない都道府県は、以下の都道府県である。
殺人と逮捕・監禁:富山県
略取・誘拐・人身と逮捕・監禁:大分県
略取・誘拐・人身と逮捕・監禁と強盗:佐賀県
強盗と逮捕・監禁:山形県
略取・誘拐・人身売買:宮崎県・高知県、
強盗のみ:奈良県・長崎県
強制性交等(旧 強姦)と逮捕・監禁:徳島県、
強制猥褻と傷害は秋田県、
放火:石川県
逮捕・監禁のみ:青森県、長野県、和歌山県、愛媛県、鳥取県、福井県、熊本県、鹿児島県

都道府県別刑法犯罪の非暴力犯罪の罪種別の認知件数と発生率

都道府県別刑法犯罪の非暴力犯罪の罪種別発生率の傾向

  • 日本の都道府県の人口は都道府県ごとによって違っており、最多の東京都(人口:14,03万8,000人、窃盗:51,231件、詐欺:6,945件、横領:2,165件、恐喝:192件、住居侵入:693件、器物損壊:7,352件、偽造:370件)から最小の鳥取県(人口:54万4,000人、窃盗:1,359件、詐欺:114件、横領:45件、恐喝:9件、住居侵入:47件、器物損壊:101件、偽造:5件)までいるため、実数で述べるところで人口の少ない県の方が少ない傾向になってしまうため、発生率のみとする。
  • 日本で人口10万人当たりの窃盗発生率が最も高い都道府県は大阪府(564.20件)であり、最も低い都道府県は秋田県(135.48件)である。
  • 日本で人口10万人当たりの詐欺発生率が最も高い都道府県は兵庫県(50.72件)であり、最も低い都道府県は岩手県(8.47件)である。
  • 日本で人口10万人当たりの横領発生率が最も高い都道府県は香川県(30.41件)であり、最も低い都道府県は山形県(3.27件)である。
  • 日本で人口10万人当たりの恐喝発生率が最も高い都道府県は沖縄県(2.32件)であり、最も低い都道府県は秋田県(0.11件)である。
  • 日本で人口10万人当たりの住居侵入発生率が最も高い都道府県は栃木県(13.57件)であり、最も低い都道府県は秋田県(2.58件)である。
  • 日本で人口10万人当たりの器物損壊発生率が最も高い都道府県は兵庫県(69.92件)であり、最も低い都道府県は秋田県(10.86件)である。
  • 日本で人口10万人当たりの偽造発生率が最も高い都道府県は香川県(2.89件)であり、最も低い都道府県は岩川県(0.36件)である。
  • 日本で人口10万人当たりの非暴力犯罪の罪種別発生率が最も多い都道府県と、最も少ない都道府県の差は、最も少ない所を1とすると、発生率は窃盗は約4.2、詐欺は約6.0、横領は約9.3、恐喝は21.1、住居侵入は約5.3、器物損壊は約6.4、偽造は約8.0である。
  • 日本の都道府県別で見た場合、最も多い都道府県は、窃盗は大阪府、詐欺と器物損壊は兵庫県、横領と偽造は香川県、恐喝は沖縄県、住居侵入は栃木県、である。逆に少ないと都道府県は、窃盗・恐喝・住居侵入・器物損壊は秋田県、詐欺は岩手県、横領は山形県、偽造は岩川県であり、東北地方が多い。

刑法犯罪(20歳未満)

20歳未満の刑法犯罪の検挙人数と検挙人員人口比および検挙人員に占める割合

20歳未満の刑法犯罪の検挙人員人口比の推移

法務省と警察庁及び国家地方警察本部の統計によると、20歳未満の人口10万人中の刑法犯罪総数の検挙人員人口比は、1936年は142.73人、日中戦争が進行した1936年-1940年は単年度の減少はあれど増加傾向であり1940年は157.19人であり、1937年は1936年以後最少の139.20人であった。第2次世界大戦中の1941年-1943年は20歳未満人口の数値が無いため統計値無し。
第二次世界大戦中の1944年-旧日米安保条約を署名した年に当たる1951年は単年度の減少はあれど増加傾向であり1951年は434.06件である。この時代は1951年をピークとした「第1の波」と呼ばれており、戦後混乱期により社会的にも経済的にも敗戦により混乱したため、生き延びるために犯罪に染めた未成年者が多数いたが、他方では遊興費目的やスリルを求めて行う者の方が多く、生活苦によるものとは言い難いとの指摘もある。また、少年の刑法犯に窃盗の占める割合が高く、かっぱらい(置き引き、部品盗等)とスリが上位を占めていた。サンフランシスコ平和条約発効年に当たる1952年-自衛隊創立年に当たる1954年は減少傾向で、1954年は312.56人であった。
高度経済成長中の1955年-東京オリンピック開催年の1964年は増加傾向であり、1964年は664.32人であった。1964年をピークとした波は「第2の波」と呼ばれており、高度経済成長を背景としたモータリゼーションの進展による交通犯罪増加と都市化による影響で享楽的な風潮が広まったことが要因である。またこの時代は、団塊世代の思春期にあたり、凶悪犯・粗暴犯及び性犯罪が増えた時期である。高度経済成長中の1965年-安定成長期中の1976年は一時的な増加はあれど減少傾向であり、1976年は548.03人であった。
安定成長期中の1977年-1983年は増加傾向であり、1983年は1936年以後最多の893.49人であった。1983年をピークとした波は「第3の波」と呼ばれており、核家族化や価値観の多様化、犯罪機会の増大、インフォ-マルな社会統制の弱体化を背景としている、この時期は、低年齢化(14・15歳が最も多かった。)、第2のピークよりも進んだ犯罪の一般化。窃盗(特に万引き・自転車盗・オートバイ盗)と遺失物等横領の増加(いわゆる遊び型犯罪)、そして粗暴犯(傷害・暴行及び恐喝) ・凶悪犯(強姦・放火及び強盗)が増加し、校内暴力が社会問題化した時期でもある。安定経済成長中の1985年-阪神淡路大震災があった1995年は一時的な増加はあれど減少傾向であり、1995年は675.93人であった。
1996年-好況の実感が伴わないいざなみ景気中の2003年は一時的な減少はあれど増加傾向であり、2003年は817.94人であった。1998年をピークとする波は「第4の波」と呼ばれており、バブル経済崩壊により、社会全体の規範意識や地域連帯意識の低下が背景にある。
2004年以降は減少傾向であり、2021年は146.35人であった。但し2022年は、2019年コロナウイルス感染症対策の行動制限緩和により外出する人が増加し、人と出会う機会が増えたことから前年より増加して149.37人となった。

法務省と警察庁及び国家地方警察本部の統計によると、1936-2022年の全ての年度の刑法犯罪総数に対する罪種別の比率の1位は窃盗であり、2022年の比率は36.7%である。罪種別の比率の2位は1936-1965年は不明、1966-2021年は、2003-2007年の間の横領を除いて、自動車事故による業務上過失致死傷(自動車事故以外の業務上過失致死傷は除く)であり、2022年の比率は29.8%であった。この2つの罪種が占める比率は66.5%である。日本の20歳未満の刑法犯罪総数の増減は窃盗と自動車事故による業務上過失致死傷罪の増減が大きく影響している。

刑法犯罪の暴力犯罪も非暴力犯罪も各罪種の人口10万人中の検挙人員人口比が、1936年~2022年(恐喝は1951年~2022年、業務上過失致死傷は1966年~2022年、住居侵入・器物損壊は1972年~2022年)の統計で最多を記録した年は、以下の通りである。

1940年代後半~1950年代前半(第1の波)
1950年:詐欺(16.76人)
1950年代後半-1960年代(第2の波)
1958年:強制性交等(旧強姦)(12.31人)
1961年:殺人(1.21人)、傷害(46.52人)、放火(1.88人)
1963年:恐喝(43.66人)、住居侵入(43.66人)
1966年:強制わいせつ(4.93人)
1969年:業務上過失致死傷(232.53人)
1970年代後半~1980年代(第3の波)
1983年:窃盗(568.64人)
1990年代後半~2000年代前半(第4の波)
2003年:横領(169.29人)
2000年代後半以降
2008年:器物破損(11.55人)

特に多くの罪種で第2ピークの波が多い。但し、強制性交等(旧強姦)と強制わいせつは、1958年に刑法が改正され、2人以上で共謀して行った場合の非親告罪化をした影響で増加した背景がある為、1957年以前と1958年以後の比較には注意が必要である。また横領の場合、殆どが遺失物等横領であり、大半は自転車の乗り逃げである。2021年は横領1,245人中の遺失物等横領は1,427人(98.55%)であった。

逆に最少を記録した年は、以下の通りである。

戦前
1936年:強制わいせつ(0.23人、2022年は3.33人)
1938年:強盗(0.90人、2022年は1.17人)
1945年:傷害(5.32人、2022年は9.60人)、横領(1.92人、2022年は6.69人)
戦後
2000年以前
1972年:器物損壊(1.27人、2022年は4.73人)であった。
1974年:詐欺(1.20人、2022年は3.50人)
1979年:住居侵入(3.50件、2022年は4.64人)
1980年:殺人(0.14人、2022年は0.26人)
1992年:住居侵入(3.50件、2022年は4.64人)
2001年以後
2011年:強制性交等(旧強姦)(0.35人、2022年は1.03人)
2021年:強盗(1.07人、2022年は1.17人)、放火(0.27人、2022年は0.38人)、窃盗(52.50人、2022年は54.79人)、恐喝(1.54人、2022年は1.56人)
2022年:業務上過失致死傷(44.89人、1966年以後)

戦前より戦後の方が、戦後以降に記録のある罪種を除いても戦後の方が多い。また、第1及び第2の波の時期において最少になった罪種はない。

そして戦前に関しては、「2.2 刑法犯罪発生率の推移」より、色々な仮説やそれらの複合的要因により犯罪が抑制及び認知されてなかった可能性があることに注意する。また、強制性交等(旧強姦)よ強制わいせつは、前述の1958年の刑法改正に加えて、2017年の刑法改正により、2017年7月13日以降は、被害者の性別を問わなくなり、かつ、性交(姦淫)に加え肛門性交及び口腔性交も対象となり、強制性交等に計上している。また、監護者わいせつ・監護者性交等が新設され、18歳未満の者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じたわいせつ行為や性交等が処罰されることとなり、強姦等の非親告罪化等がされたことから、2018年以降と2017年以前の比較に注意が必要である。

20歳未満の刑法犯罪の暴力犯罪の罪種別の検挙人員と検挙人員人口比

20歳未満の刑法犯罪の暴力犯罪の罪種別の検挙人員人口比の傾向

法務省と警察庁及び国家地方警察本部の統計によると、20歳未満人口10万人中の殺人(殺人、自殺関与・同意殺人[警察統計報告では自殺に関する罪]、前記の各罪の予備・未遂の合計)の発生率は、1936年は0.47であった。1936年~1940年は減少傾向であり、1940年は0.43人であった。1941年~1943年は、20歳未満人口の数値が無いため、統計値無し。1944年~1951年は単年度の減少があったにせよ増加傾向であり、1951年は1.17人であった。1952年~1957年は単年度の増加があったにせよ減少傾向であり、1957年は0.83人であった。1958年~1961年は増加傾向であり、1961年は1936年以降最多の1.21人であった。1962年~1980年は一時的な増加があったにせよ減少傾向であり、1980年は1936年以降最少の0.14人であった。1981年~1998年は一時的な減少があったにせよ増加傾向であり、1998年は0.44人であった。1999年~2010年は一時的な増加があったにせよ減少傾向であり、2010年は0.19人であった。2011年以降は0.15人~0.30人の間で増減を繰り返しており、2022年は0.26人であった。

法務省と警察庁及び国家地方警察本部の統計によると、20歳未満人口10万人中の強制性交等(旧 強姦)(2017年7月12日以前は強姦、準強姦、集団強姦[2004年~2017年]、前記の各罪の致死傷・未遂の合計。2017年7月13日以降は、強姦、準強姦、準強制性交等及び監護者性交等、前記の各罪の致死傷・未遂の合計)の発生率は、1936年は0.60人であった。1936年~1940年は、一時的な減少はあれど増加傾向にあり、1940年は0.68人であった。1941年~1943年は、20歳未満人口の数値が無いため、統計値無し。1944年~1958年は一時的な減少はあれど(その時期の)増加傾向にあり、1958年は1936年以降最多の12.31人であった。そして、最多年となった1958年に刑法が改正され、2人以上で共謀して行った場合の非親告罪化をした為、1957年以前と1958年以後の比較には注意が必要である。1959年~1963年は減少傾向であり、1963年は10.75人であった。1964年・1965年は増加しており、1965年は12.11人であった。1966年~1996年は一時的な増加はあれど減少傾向であり、1996年は0.81人であった。1997年・1990年は増加しており、1998年は1.71人であった。1999年~2006年は一時的な増加はあれど傾向傾向であり、2006年は0.47件であった。2007年以降は、2011年(2011年は1936年最少の0.35人)・2015年を除いて、0.5件~0.9件の間で推移しており、2021年は0.76人であった。但し2022年は、2019年コロナウイルス感染症対策の行動制限緩和により外出する人が増加し、人と出会う機会が増えたことから前年より増加して1.03人となった。

法務省と警察庁及び国家地方警察本部の統計によると、20歳未満人口10万人中の強制わいせつ(2017年7月12日以前については、強制わいせつ、準強制わいせつ、前記の各罪の致死傷・未遂の合計。2017年7月13日以降は、強制わいせつ、準強制わいせつ及び監護者わいせつ、前記の各罪の致死傷・未遂の合計)の発生率は、1936年は1936年以降最少の0.23人であった。1936年~1940年は増加傾向であり、1940年は0.56人であった。1941年~1943年は、20歳未満人口の数値が無いため、統計値無し。1944年~1947年は減少傾向であり、1947年は0.45人であった。1948年~1966年は一時的な減少はあれど増加傾向であり、1966年は1936年以降最多の4.93人であった。そして、この期間中の1958年に刑法が改正され、2人以上で共謀して行った場合の非親告罪化をした為、1957年以前と1958年以後の比較には注意が必要である。また1967年~1976年は減少傾向であり、1976年は1.76人であった。1977年~1982年は単年度の減少はあれど増加傾向であり、1982年は2.31人であった。1983年~1993年、まで単年度の増加はあれど減少傾向であり、1993年は1.42人であった。1994年~2017年は一時的な減少はあれど増加傾向であり、2017年は3.52人であった。2018年~2020年はは減少傾向であり、2020年は2.78人であった。但し、2021年以降は増加傾向にあり、2022年は3.33人であった。

また、強制性交等(旧 強姦)と強制わいせつの傾向を見ると、1982年までは強制性交等(旧 強姦)の方が多く、増減が連動していた。1983年~1999年は、1984年と1998年を除いて強制わいせつの方が多くなり、1982年までの傾向程でないが、増減が連動していた。2000年以降は、増減に連動せず相反する傾向を持つようになり、1983年~1999年の傾向同様、強制わいせつが多くなる。また、2017年7月13日に施行された刑法の一部を改正する法律(平成29年法律第72号)による強制性交等(旧 強姦)と強制わいせつの定義が変更されたことにより、前者は増加傾向を示し、後者は減少傾向にある。

法務省と警察庁及び国家地方警察本部の統計によると、20歳未満人口10万人中の傷害(傷害、傷害致死の合計)の発生率は、1936年は7.83人であった。1936年~1940年は単年度の減少はあれど増加傾向であり、1940年は8.60人であった。1941年~1943年は、20歳未満人口の数値が無いため、統計値無し。1944年~1947年は単年度の増加はあれど減少傾向であり、1947年は8.54人であった。この間1945年は5.32人と1936年以降最少を記録しているが、前後の年(両方9.0人程度)に比べてかなり低いため、終戦による混乱によるものと考えられる。1948年~1950年は傷害単独の数値が無いため、統計値無し、1951年~1955年は、一時的な減少はあれど増加傾向であり、1955年は26.88人であった。1956年・1957年は傷害単独の数値が無いため、統計値無し、1958年~1967年は、42.0~47.0人の間で増減を繰り返しており、1967年は43.06人であった。その間、1961年は1936年以降最多の46.52人であった。1968年~1976年は単年度の増加はあれど減少傾向であり、1976年は19.60人であった。1977年~1984年は一時的な減少はあれど増加傾向であり、1984年は32.81人であった。1985年~1994年は一時的な増加はあれど減少傾向であり、1994年は27.24人であった。1995年~2000年は単年度の減少はあれど増加傾向であり、2000年は44.23人であった。2001年以降は一時的な増加はあれど減少傾向であり、2021年は9.28人であった。但し2022年は、2019年コロナウイルス感染症対策の行動制限緩和により外出する人が増加し、人と出会う機会が増えたことから前年より増加して9.60人となった。

法務省と警察庁及び国家地方警察本部の統計によると、20歳未満人口10万人中の強盗(強盗、事後強盗、昏睡強盗、強盗強姦、前記の各罪の致死傷・予備・未遂の合計)の発生率は、1936年は0.95人であった。1936年~1939年は、0.9人前半代で横ばいしており、1939年は0.92人であった。この間、1938年は1936年最少の0.90人であった。1940年は、前年より増加して、1.41人。1941年~1943年は、20歳未満人口の数値が無いため、統計値無し。1944年・1945年は、1.3人台で推移しており、1945年は1.39人であった。1946年~1948年は、1947年に減少したが増加傾向であり、1948年は1936年以降最多の10.56人であった。1949年~1953年は減少傾向であり、1953年は4.11人であった。1954年~1960年は増加傾向であり、1960年は7.39人であった。1961年~1978年は単年度の増加はあれど減少傾向であり、1978年は1.46人であった。そして、1980年に2.20人増加してから1983年まで2.2人前後で横ばいしており、1983年は2.22人であった。1984年・1985年は減少して、1985年は1.63人であった。1986年~2003年は一時的な減少はあれど増加しており、2003年は7.23人であった。2004年以降は一時的な増加はあれど減少傾向であり、2021年は、1.07人であった。但し2022年は、2019年コロナウイルス感染症対策の行動制限緩和により外出する人が増加し、人と出会う機会が増えたことから前年より増加して1.17人となった。

法務省と警察庁及び国家地方警察本部の統計によると、20歳未満人口10万人中の放火(放火、延焼、前記の各罪の予備・未遂の合計)の発生率は、1936年は0.82人であった。1936年~1939年は0.8~0.9人の間で推移しており。1939年は0.87人であった。1940年は、前年より減少して、0.78人であった。1941年~1943年は、20歳未満人口の数値が無いため、統計値無し。1944年・1945年は1940年に比べて減少し、0.28人であった。1946年~1952年は単年度の減少はあれど増加傾向であり、1952年は1.38人であった。1953年~1956年は減少傾向であり、1956年は0.84人であった。1957年~1961年は増加傾向であり、1961年は1936年最多の1.88人であった。1962年~1967年は単年度の増加はあれど減少傾向であり、1967年は1.06人であった。1968年~1971年は単年度の増加はあれど減少傾向であり、1971年は1.73人であった。1972年は前年より減少して1.02人となり、1982年まで単年度の減少はあれど増加傾向であり、1982年は1.61人であった。1983年~1990年は減少傾向であり、1990年は0,56人であった。1991年~1996年は増加傾向であり、1996年は0.94人であった。1997年~2002年は単年度の増加はあれど減少傾向であり、2002年は0.76人であった。2003年~2006年は単年度の減少はあれど増加傾向であり、2006年は1.24人である。2007年以降は一時的な増加はあれど減少傾向であり、2021年は1936年以降最少の0.27人であった。但し2022年は、前年より増加して0.38人であった。

20歳未満の刑法犯罪の非暴力犯罪の罪種別の検挙人員と検挙人員人口比

20歳未満の刑法犯罪の非暴力犯罪の罪種別検挙人員人口比の推移

法務省と警察庁及び国家地方警察本部の統計によると、20歳未満人口10万人中の窃盗(窃盗、窃盗未遂の合計)の発生率は、1936年は90.67人であった。1936年~1940年は単年度の減少はあれど増加傾向であり、1940年は106.67人であった。1941年~1943年は、20歳未満人口の数値が無いため、統計値無し。1944年~1951年は単年度の減少はあれど増加傾向であり、1951年は331.54人であった。1952年~1955年は減少傾向であり、1955年は209.85人であった。1956年~1964年は単年度の減少はあれど増加傾向であり、1964年は377.87人であった。1965年~1969年は減少傾向であり、1969年は、279.90人であった。1970年~1983年は一時的な減少はあれど増加傾向であり。1983年は1936年以降最多の568.64人であった。1984年~1992年は単年度の増加はあれど減少傾向であり、1992年は333.47人であった。1993年~1998年は単年度の減少はあれど増加傾向であり、1998年は451.34人であった。1999年以降は一時的な増加はあれど減少傾向であり、2021年は1936年以降最少の52.50人であった。但し、2022年以降は、2019年コロナウイルス感染症対策の行動制限緩和により外出する人が増加し、人と出会う機会が増えたことにより増加傾向であり、2023年は71.15人となった。

法務省と警察庁及び国家地方警察本部の統計によると、20歳未満人口10万人中の詐欺(詐欺、準詐欺、前記の各罪の未遂の合計)の発生率は、1936年は10.11人であった。1936年~1940年は減少傾向であり、1940年は7.00人であった。1941年~1943年は、20歳未満人口の数値が無いため、統計値無し。1944年・1945年は減少傾向であり、1945年は3.18人であった。1946年~1950年は単年度の減少はあれど増加傾向であり、1950年は1936年以降最多の16.76人であった。1951年~1974年は単年度の増加はあれど減少傾向であり、1974年は1936年以降最少の1.20人であった。1975年~1991年は、一時的な減少はあれど増加傾向であり、1991年は3.53人であった。1992年~1995年は減少傾向であり、1995年は1.59人であった。1996年~2006年は一時的な減少はあれど増加傾向であり、2006年は5.13人であった。2007年~2016年は単年度の増加はあれど減少傾向であり、2016年は3.43人であった。2017年以降は3.5~5.5件の間で増減しており、2022年は3.50人であった。

法務省と警察庁及び国家地方警察本部の統計によると、20歳未満人口10万人中の横領(横領、業務上横領、遺失物等横領の合計)の発生率は、1936年は10.70人であった。1936年~1940年は減少傾向であり、1940年は7.36人であった。1941年~1943年は、20歳未満人口の数値が無いため、統計値無し。1944年・1945年は減少傾向であり、1945年は1936年最少の1.92人であった。但し、前後年と比べてかなり低いため、戦後の混乱によるものと考えられる。1946年~1950年は増加傾向であり、1950年は8.28人であった。1950年~1953年は、8.2人前後で横ばいで推移している。1954年~1968年は減少傾向であり、1968年は2.40人であった。1969年~2003年は一時的な減少はあれど増加傾向であり、2003年は1936年最多の169.29人であった。2004年以降は減少傾向であり、2021年は6.11人である。但し、2022年は、新型コロナウイルス対策の行動制限緩和により外出する人が増加し、人と出会う機会が増えたことから前年より増加して6.69人となった。
横領の殆どは遺失物等横領であり、大半は自転車の乗り逃げ、2022年は横領1,339人中の遺失物等横領は1,324人(98.88%)である。

法務省と警察庁の統計によると、20歳未満人口10万人中の恐喝(恐喝、恐喝未遂の合計)の発生率は、1951年は9.48人であった。1951年~1953年は減少傾向であり、1953年は7,32人であった。1954年・1955年は増加しており。1955年は10.43人であった。1956年・1957年は傷害単独の数値が無いため、統計値無し。1959年~1963年は増加傾向であり、1963年は1951年以降最多の43.66人であった。1964年~1979年は一時的な増加はあれど減少傾向であり、1979年は11.18人であった。1980年~1986年は単年度の減少はあれど増加傾向であり、1986年は26.25人であった。1987年~1991年は減少傾向であり、1991年は16.30人であった。1992年~2000年は一時的な減少はあれど増加傾向であり、2000年は28.32人であった。2001年以降は、単年度の増加はあれど減少傾向であり、2021年は1951年以降最少の1.54人であった。但し、2022年は、前年より増加して1.56人となった。

法務省と警察庁の統計によると、20歳未満人口10万人中の住居侵入の発生率は、1972年は3.92人であった。1972年~1975年は4.0人前後の横ばいで推移しており、1975年は4.14人であった。1976年~1980年は、減少して3.65人前後の横ばいで推移しており、1980年は3.72人であった。その間、1979年は1972年以降最少の3.50人(1992年と同じ数値)であった。1981年~1988年は、5.0人前後で増減を繰り返しており、1988年は4.67人であった。1989年~1991年は4.1人前後の横ばいで推移しており、1991年は4.18人であった。1992年~1994年は3.60人前後の横ばいで推移しており、1994年は3.53人であった。その間、1992年は1972年以降最少の3.50人(1979年と同じ数値)であった。1995年~2006年は単年度の減少はあれど増加傾向であり、2006年は1971年最多の14.90人であった。2007年~2010年は、減少して14.3人前後の横ばいで推移しており、2010年は14.18人であった。2011年~2019年は減少傾向であり、2019年は3.86人であった。しかし、2020年以降は増加傾向であり、2021年は4.75人となる。但し、2022年は、前年より減少して4.64人となった。

法務省と警察庁の統計によると、20歳未満人口10万人中の器物損壊の発生率は、1972年は1972年以降最少の1.27人であった。1972年~1980年は単年度の減少はあれど増加傾向であり、1980年は4.39人であった。1981年~1991年は、一時的な増加はあれど減少傾向であり、1991年は2.22人であった。1992年~2008年は。単年度の減少はあれど増加傾向であり、2008年は1972年以降最多の11.55人であった。2009年~2019年は単年度の増加はあれど減少傾向であり、2019年は3.74人であった。しかし、2020年以降は、増加傾向であり、2022年は4.73人となる。

法務省と警察庁の統計によると、20歳未満人口10万人中の業務上過失致死傷(1965年以前は業務上過失致死傷の総数、1966年以後は自動車運転による致死傷。そして1970年以降は,過失運転致死傷等による触法少年[14歳未満]を除く。)の発生率は、1966年は122.20人であった。1966年~1969年は増加傾向であり、1969年は1967年以降最多の232.53人であった。1970年~1977年は減少傾向であり、1977年は121.79人であった。1978年~1989年は単年度の減少はあれど増加傾向であり、1989年は195.71人であった。1990年~1997年は、単年度の増加はあれど減少傾向であり、1997年は134.01人であった。1998年~2002年は増加傾向であり、2002年は158.78人であった。2003年以降は単年度の増加はあれど減少傾向であり、2022年は1966年以降最少の44.89人であった。

刑法犯罪(高齢者)

高齢者(1985年以前は60歳以上、1986年以降は65歳以上)の一般刑法犯罪の検挙人員人口比および検挙人員に占める割合

高齢者(1985年以前は60歳以上、1986年以降は65歳以上)の一般刑法犯罪の検挙人員人口比の推移

法務省の統計によると、高齢者(1985年以前は60歳以上、1986年以降は65歳以上)の一般刑法犯罪の検挙人員人口比は、1966年は91.79人、高度経済成長期中の1966年~沖縄返還があった1972年の間は、単年度の増加はあれど減少傾向であり、1972年は0歳以上高齢者10万人当たりの人口比が1966年以降最少の66.63人であった。この間に、1970年には高齢化率が7%を超え、高齢化社会となった。福祉元年にあたり、第1次オイルショックがあった1973年~プラザ合意があった1985年は、単年度の減少があれど増加傾向であり、1985年は60歳以上高齢者10万人当たりの人口比が1966年以降最多の109.94人となった。
1986年以降は、65歳以上高齢者10万人当たりの人口比で推移をみる。1986年は、79.99人である。バブル景気最中の1986年~1990年は減少傾向であり、1986年以降最少の42.50人であった。1991年~2007年は、単年度の減少はあれど増加傾向であり、2007年は1986年以降最多の176.98人であった。その間、1994年には14%を超え高齢社会に、2007年には21%を超え超高齢社会となった。2008年以降は、単年度の増加はあれど減少傾向であり、2022年は108.03人であった。

しかしながら、2008年以降は減少傾向にあるにもかかわらず、高齢化の進展を考慮しても、他の世代に比べ減少の度合いが少ないため、前年(23.58%)より減少しているものの2022年時点で全検挙者数の23.11%を占めている。そして、高齢者が占める割合が増加している背景に4つの仮説がある。

  1. 経済的要因(経済的困窮説)
    不況による経済悪化や所得減少などにより、高齢者が貧困に追い込まれる状況があるとする考え方。
  2. 福祉的要因(福祉制度不備説)
    高齢者に対する福祉が不十分であり、刑務所からの釈放された高齢者を含む一部の高齢者が一定の理由で制度の恩恵を受けることができないこと。国民年金以外に収入が無い場合、家賃と食費、医療費を払っただけで赤字になるとの指摘もあり、経済困窮説にもつながっている。
  3. 心理的・精神的要因(心理的負担説)
    この要因には、脳の前頭葉が加齢により縮小し、認知機能が低下し、感情を理性で抑えられなくなるなり、犯行に及んでしまうこと。
  4. 生活習慣要因(ライフスタイル変容説と社会的孤立説)
    前者は、平均寿命の伸長により、高齢者のライフスタイルが変容し、社会的活動が増加し、それに伴うトラブルが増加し、犯罪に走ってしまう可能性があること。後者は、単身世帯の高齢者世帯の急増を背景に「家族からの孤立」、「近隣からの孤立」、「行政からの孤立」の3つの社会的孤立により、気を配ってくれる周囲の者がいないため、犯罪の抑止効果を減退させている可能性があること。太田達也と警察庁による高齢犯罪者1万人を調査した結果、強盗犯の63%、詐欺犯の60%、殺人犯の43%が「ほとんど子どもと接触がない」と回答する調査結果が出ている。

そして、2022年に検挙された高齢者で最も多い罪種は万引きであり、全体の約49.3%を占め、女性の場合は約71.6%を占める。

この犯罪が多い理由については、上記の4つの仮説に関わっている。また、万引きを再犯し、貧困故に被害弁償が出来なかったり、社会的孤立により身元引受人がいないことを理由に、少額の万引きであるにもかかわらず、刑務所で受刑する高齢者が存在していることが指摘されている。この状況をマイク・ニューマンの報告書「The Economics of Elderly Crime(高齢者犯罪の経済学)」の11ページより「200円のサンドイッチを盗んだ場合の刑期が2年なら、その刑期に840万円の税金が使われる。(The theft of a ¥200 sandwich could lead to a ¥8.4mn tax bill to provide for a 2 year sentence.)」 と表現している。

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刑法犯罪(暴力団関係者)

暴力団関係者の一般刑法犯罪及び特別刑法犯罪の検挙人員および検挙人員に占める割合と暴力団抗争の発生数と認定数

暴力団関係者の15歳以上10万人当たりの人口比と一般刑法犯罪及び特別刑法犯罪の検挙人員に占める割合の推移

法務省と警察庁の統計によると、15歳以上10万人当たりの暴力団構成員・準構成員等人員数は、1958年は146.24人であった。1958年~第一次頂上作戦決行前年に当たる1963年は増加傾向であり、1963年は1958年以降最多の263.97人であった。第一次頂上作戦が開始された1964年~山一抗争最中の1986年は減少傾向にあり、1986年は89.29人である。この間に、1970年に開始された第2次頂上作戦、1975年に開始された第3次頂上作戦が決行されている。また、1978年と1979年の間で、検挙人員が前後年と比べ減少の度合いが多いが、これは1978年までは交通関係業務過失致死傷を含むのに対し、1979年以降は含まなくなったためである。1987年~暴対法が制定された1992年は87.0~90.0人の間で推移しており、1992年は87.89人であった。この間は、バブル景気期間と重なっており、この時期には、暴力団による民事介入暴力が問題視されており、特に地上げによる利益により巨万の富を得た暴力団幹部を生み出すこととなった。更に、1989年に警察による調査によれば、暴力団が表裏含めて得た収入は推定1兆3,019億円(2020年消費者物価指数換算:約1兆5,316億円)であり、当時のGDPの約0.29%に当たっていた。そして、この時期は3大暴力団の山口組・住吉会・稲川会が勢力を拡大した時期であり、特に山口組はこの期間で大幅に構成員及び準構成員数が急増している。1993年~1995年は減少傾向であり、1995年は75.14人であった。1996年~2004年まで増加傾向であり、2004年は79.12人であった。そして、この期間は構成員が減少し、準構成員が増加していた時期であり、暴対法対策による偽装離脱が問題視されていた時期でもあった。2005年以降は減少傾向であり、2023年は1958年以降最少の18.52人であった。特に、全都道府県に暴力団排除条例が施行されて以降の減少の度合いは大きかった。但し、離脱した暴力団員の中には、準暴力団(いわゆる半グレ)に流れていった者もいること、離脱後に再び罪を犯すものがいる等、暴力団離脱者の社会支援方面に課題を残す形となっている。

法務省の統計によると、一般刑法犯罪の検挙人員に占める暴力団構成員・準構成員等暴力団関係者が占める割合は、1946年は6.89%であった。1946年~1951年は減少傾向であり、1951年は1946年以降最少の0.40%であった。この期間は、戦後混乱期に当たり、ヤミ市の利権を巡り対立抗争事件を引き起こしていた。更には、特別刑法犯罪であるがヒロポンという戦時中は当時工場労働者が年間労働時間3200時間以上の長時間労働する中での疲労回復と特攻隊の士気高揚として使用された違法薬物を密売し、第1次覚醒剤乱用期を迎えさせた。しかしながら、社会的状況が落ち着き始めたこと、警察による暴力団取り締まりを行ったこと、極めつけは1949年に制定された団体規制法により、暴力団組織が一旦解散することになったため、この期間は減少した。しかしながら、その後も対立抗争事件を繰り返し、他の暴力団を吸収しながら、次第にその勢力を拡大した暴力団組織が現れていき、1952年~1956年は増加傾向であり、1956年は1946年以降最多の17.08%であった。別府事件が発生した1957年~第1次頂上作戦が決行された1964年は10.0~12.0%の間で推移しており、1964年は11.41%であった。1965年・1967年は減少して、1967年は7.81%であった。1968年~1972年まで増加傾向であり、10.93%であった。その間に第2次頂上作戦が決行されている。1973年~1977年まで10%台で推移しており、1977年は10.53%である。その間に第3次頂上作戦が決行されている。1978年~1983年は減少傾向であり、1983年は6.76%であった。山一抗争が始まった1984年~2001年は6.0~8.0%の間で増減を繰り返しており、2001年は6.04%であった。その間に暴対法が施行されている。2002年~2007年は減少傾向であり、2007年は4.55%であった。2008年~山口組分裂抗争発生翌年の2016年は増加傾向であり、2016年は5.38%であった。2017年以降は減少傾向であり、2023年は3.31%であった。

法務省の統計によると、特別刑法犯罪の検挙人員に占める暴力団構成員・準構成員等暴力団関係者が占める割合は、1956年は0.96%であり、1956年以降最少であった。1956年~1966年は一時的な減少はあれど増加傾向であり、1966年は5.14%であった。1967年~1971年は減少して3.0%前後で推移し、1971年は3.29%であった。1972年~1978年は一時的な減少はあれど増加傾向であり、1978年は9.92%であった。1979年~山一抗争最中の1987年は、7.0~10.0%の間で増減をしており、1987年は8.79%であった。1988年は前年より増加し、1956年以降最多の11.64%であった。山一抗争が終結した1989年~暴対法が制定された1991年は減少傾向であり、1991年は7.82%であった。1992年~1996年は増加傾向であり、1996年は10.66%であった。1997年~2004年は減少傾向であり、2004年は7.91%であった。2005年~暴力団排除条例が全都道府県に制定された2011年は単年度の減少はあれど増加傾向であり、2011年は10.40%であった。2012年以降は単年度の増加はあれど減少傾向であり、2023年は4.41%であった。

法務省と警察庁の統計によると、1956-2023年の全ての年の暴力団構成員・準構成員等暴力団関係者の一般刑法犯罪総数に対する罪種別の比率の1位は詐欺であり、その比率は約21.95%であり、コロナウイルス感染症2019の流行による社会不安を背景に2021年以降は、20%を突破している。なお、2020年までは傷害が1位であり、2020年の比率は18.55%であった。
一般刑法犯罪総数に対する罪種別の比率の2位と3位は時代によって以下のように変わっている。

  • 1957-1966年は、1965年に3位が賭博になった以外は、2位が恐喝、3位が暴行であった。
  • 1967-1971年は1970年に3位が賭博になった以外は、2位が暴行、3位が恐喝であった。1972-1983年は、暴行と賭博が数年おきに交互にに変わっていった(2位は1972-1974年・1979-1983年は賭博、1975-1978年は暴行)。
  • 1984-1996年は、1990年と1993年に賭博が2位、3位が恐喝になった以外は、2位は恐喝、3位が賭博であった。
  • 1997-2008年は恐喝と窃盗が数年おきに交互に変わっていった(1997年・2000-2002年は恐喝、1998年・1999年・2003-2008年は窃盗)。
  • 2009年-2020年は、窃盗と詐欺を数年おきに交互で繰り返していた(2位は2008-2013年・2017年は窃盗、2014-2016年・2018-2020年は詐欺)。
  • 2021年以降は、2位は傷害、3位が窃盗であり、2023年において傷害の比率は19.55%、窃盗は14.65%である。
    2023年の暴力団構成員・準構成員等暴力団関係者の一般刑法犯罪総数に対する詐欺と傷害と窃盗の合計の検挙人員に占める比率は約56.2%である。
    暴力団構成員・準構成員等暴力団関係者の一般刑法犯は、暴力団の威光を背景に暴力手段を用いて非合法で利益を得るため及び暴力団抗争に伴う暴力手段行使により傷害が最も多い罪種となる。但し、2位と3位の罪種の場合、その時代の経済状況や暴対法・暴排条例等の暴力団の取り巻く法による規制状況、警察の取り締まり等状況によって変わっている。

法務省と警察庁の統計によると、1972-2022年の全ての年度の暴力団構成員・準構成員等暴力団関係者の特別刑法犯罪総数に対する罪種別の比率の1位は覚せい剤取締法違反であり、2022年の比率は53.98%である。
特別刑法犯罪総数に対する罪種別の比率の2位と3位は時代によって変わっており、

  • 1972-2000年は、銃砲刀剣類等取締法違反と競馬法違反が数年~十数年おきに交互に変わっていった(2位は1972年・1985-1987年・1998-2000年は銃砲刀剣類等取締法、1973-1984年・1988-1997年は競馬法違反)。
  • 2001年は2位が銃砲刀剣類等取締法違反、3位が売春防止法違反である。
  • 2002-2006年は、銃砲刀剣類等取締法違反と大麻取締法違反が交互に入れ替わっている(2位は2002-2005年は銃砲刀剣類等取締法違反、2005年・2006年は大麻取締法違反である。)。
  • 2007-2015年は風営適正化法違反と大麻取締法違反が交互に入れ替わっている(2位は2007-2011年・2015年は大麻取締法違反、2012-2014年は風営適正化法違反)。
  • 2016-2021年は、2位は大麻取締法違反、3位は迷惑防止条例違反であった。
  • 2022年以降は2位は大麻取締法違反、3位は風営適正化法である。
    2023年の暴力団構成員・準構成員等暴力団関係者の特別刑法犯罪総数に対する覚せい剤取締法違反と大麻取締法違反の薬物関連の合計の検挙人員に占める比率は約73.9%である。暴力団構成員・準構成員等暴力団関係者の特別刑法犯は、1989年の警察による調査より、暴力団が得られる収入で最も多いのが覚醒剤による密売であるため、覚せい剤取締法違反が最も多い罪種となる。但し、2位と3位の罪種の場合、その時代の経済状況や薬物情勢、暴対法・暴排条例等の暴力団の取り巻く法による規制状況、警察の取り締まり等状況によって変わっている。

暴力団関係者の刑法犯罪の暴力犯罪の罪種別の検挙人員および検挙人員に占める割合

暴力団関係者の刑法犯罪の非暴力犯罪の罪種別の検挙人員および検挙人員に占める割合

暴力団関係者の刑法犯罪の特別法犯罪の罪種別の検察庁新規受理人員および検挙人員に占める割合

刑法犯罪(財産犯)

財産に対する刑法犯罪の認知件数・被害額

財産に対する刑法犯罪の推移

法務省と警察庁及び国家地方警察本部の統計により統計データが作成されているが、認知件数や被害額は、警察によって把握されたデータであり、暗数は含まれていない。例えば、2007年の非侵入窃盗の犯罪の1つである万引きは約4,615億円(2010年10月14日の万引防止官民合同会議発表より)と万引きを含めた非侵入窃盗の実額より約9倍の推定被害がでている。

  • 財産犯の人口10万人中発生率

発生率は、1949年は1,742.97件であった。1949年~1973年は、一時的な増加はあったにせよ減少傾向であり、1973年は968.04件であった。1973~2002年は一時的な減少があったにせよ増加傾向であり、2002年は1949年最多の1,981.62件であった。2003年以降は減少傾向であり、2021年は、1949年以後最少の343.04件であった。但し、2022年以降は、2019年コロナウイルス感染症対策の行動制限緩和により外出する人が増加し、人と出会う機会が増えたことから増加して、2023年は441.03件となった。

  • 被害総額

消費者物価指数換算した場合、1949年は148,961百万円であった。1949年~1970年は、一時的な減少があったにせよ増加傾向であり、1970年は317,495百万円であった。その間、1951年は1949年以後最少の115,729百万円であった。1971年~1983年は一時的な増加があったにせよ減少傾向であり、1983年187,936百万円であった。1984年~1992年は一時的な減少があったにせよ増加傾向であり、1992年は340,496百万円であった。1993年~1995年は減少傾向であり、1995年は227,755百万円であった。1996年~2002年は増加傾向であり、2002年は1949年以後最多の392,360百万円であった。2003年以降は減少傾向であり、2019年は119,326百万円であった。しかし、2020年以降は、2019年コロナウイルス感染症流行による社会不安を背景に、経済悪化対策の1つである特別定額給付金や持続化給付金等をだまし取る詐欺等の犯罪も発生し、窃盗以外(特に詐欺)の被害金額が増加し、2022年は157,168百万円に増加した。

2022年の被害総額の約90.9%は窃盗(被害総額の約36.4%)と詐欺(被害総額の約54.5%)で占めている。1949年以後の窃盗と詐欺の両方の被害総額より、窃盗が占める割合が50%以下の1977年・1978年・1981年と2014年(窃盗:約44.7% 詐欺:約46.5% で詐欺が1位)と2018年・2020年・2021年を除き窃盗が財産犯の罪名別で1位である。両犯罪が財産犯罪に最も多く占めた年は2000年の約95.5%(窃盗:約86.4% 詐欺:約9.1%)であり、最も少ない年は、1954年の約79.4%(窃盗:約51.2% 詐欺:約28.1%)であった。また、窃盗が最も多く占めた年は2000年の約86.4%であり、最も少ない年は前述の2021年の約35.7%であった。詐欺の場合は、最も多く占めた年は前述の2021年の約57.5%であり、最も少ない年は2000年の約9.1%であった。更に、2012年~2018年は、窃盗の被害総額の減少と2015年以降の詐欺の被害総額の減少により、窃盗と詐欺の差が縮まっていった。そして2019年には窃盗が増加してことも相まって逆転し、窃盗が詐欺より多くなった。しかし2020年以降は前述の2019年コロナウイルス感染症流行による社会不安を背景とした詐欺の被害金額の増加により再び逆転している。

  • 現金被害総額

消費者物価指数換算した場合、1949年は1949年以後最小の27,633百万円であった。1949年~1963年は、300億~500億の間で増減を繰り返しており、1963年は42,931百万円であった。1964年~1975年は単年度の減少があったにせよ増加傾向であり、1975年は83,840百万円であった。1976年~1979年まで単年度の増加があったにせよ減少傾向であり、1979年は69,290百万円であった。1980年~1992年は、増減を繰り返しながらの増加傾向であり、1992年は、1949年以後最多の174,504百万円であった。1993年~1995年は減少傾向であり、1995年は75,371百万円であった。1996年~2004年は、一時的な減少があったにせよ増加傾向であり、2004年は135,003百万円であった。2005年~2010年は減少傾向であり、2010年は77,090百万円であった。2011年~2012年は増加傾向にあり、2012年は117,538百万円であった。2013年以降は単年度の増加はあったにせよ減少傾向であり、2019年は69,556百万円であった。しかし2020年以降は前述のコロナウイルス2019感染症流行による社会不安を背景とした窃盗以外(特に詐欺)の被害金額の増加により前年より増加し、2022年は104,074百万円となった。

2022年の現金被害総額の約88.3%は窃盗(現金被害総額の約15.0%)と詐欺(現金被害総額の約73.3%)で占めている。1949年以後(記録の無い1971年~1983年は除く)の窃盗と詐欺の両方の現金被害総額より、1959年・1963年・1966年~1970年・1986年・1989年~1991年・1994年~1997年・1999年~2003年は窃盗、1949年・1950年・1953年~1958年・1960~1962年・1964年・1965年・1984年・1985年・1987年・1988年・1992年・1993年・1998年・2004年以降は詐欺、1951年・1952年は横領(業務上横領含む)が、財産犯の罪名別で1位である。1949年以降(記録の無い1971年~1983年は除く)で、窃盗と詐欺の両犯罪が最も占めた年は2015年の約92.8%(窃盗:19.7% 詐欺:約73.1%)であり、最も少ない年は1952年の約59.8%(窃盗:23.5% 詐欺:約36.3% この年は横領が現金被害総額の約38.7%を占め、1位であった。)であった。窃盗が最も多く占めた年は、2000年の約63.4%であり、少ない年は2022年の約15.0%であった。詐欺は最も多く占めた年は2021年の約75.4%であり、少ない年は2000年の約24.5%であった。2004年~2014年は、窃盗の減少と詐欺の増加により現金被害総額の比率の差が広まっていったが、2015年以降は、詐欺の減少により、差が縮まっている。また、2019年は窃盗の現金被害額が増加したが、2020年は詐欺が増加し、差が広がった。

  • 一件当たりの被害額

消費者物価指数換算した場合、1949年は104.5千円であった。1949年~1970年は一時的な減少はあったにせよ増加傾向であり、1970年は281.4千円であった。その間、1951年は1949年以後最少の95.7千円であった。1971年~1983年は一時的な増加があったにせよ減少傾向であり、1983年は130.5千円であった。1984年~1990年は13万~16万の間で増減を繰り返した。1991年~1992年は増加傾向であり、1992年は207.0千円であった。1993年~1995年は減少傾向であり、1995年は134.7千円であった。1996年~2011年は13万~16万の間で増減を繰り返し、2012年は146.4千円であった。2013年~2018年は被害額が多い18万~19万の間で増減を繰り返していた。2018年以降は20万円を超え、2020年以降は前述の2019年コロナウイルス感染症流行による社会不安を背景とした窃盗・横領以外の被害金額の増加により2022年は、1949年以後最多の340.2千円となった。

  • 現金被害比率

1949年は、1949年以後最少の約18.5%であった。1949年~1963年は、一時的な増加があったにせよ減少傾向であり、1963年は約23.5%であった。1964年~1973年は、一時的な減少があったにせよ増加傾向であり、1973年は約35.9%であった。1974年~1979年は33%~36%の間で増減を繰り返した。1980年~1984年は比率が増加して、38%~41%の間で増減を繰り返した。1985年~1991年は一時的な増加はあったにせよ減少傾向であり、1991年は約28.8%であった。1992年は増加して、約51.2%であった。1993年~1994年は減少傾向であり、1994年は約32.4%であった。1995年~1997年は増加傾向であり、1997年は約39.1%であった。1998年~2000年は減少傾向であり、2000年は約26.2%であった。2001年以降は一時的な減少があったにせよ増加傾向であり、2021年はは1949年以後最多の約70.7%であった。そして、2022年は減少して約66.2%であった。

  • GDP比

1949年は、1949年以後最多の約56.0‱であった。1949年~1990年は一時的な増加はあったにせよ減少傾向であり、1990年は約4.2‱であった。1991年~1992年は増加傾向であり、1992年は約6.5‱であった。1993年~1995年は減少傾向であり、1995年は約4.2‱であった。1996年~2001年は増加傾向であり、2002年は約7.2‱であった。2003年以降は一時的な増加はあったにせよ減少傾向であり、2019年は1949年以後最少の約2.1‱であった。しかし、2020年以降は前述の2019年コロナウイルス感染症流行による社会不安の背景による被害金額の増加(特に詐欺)により、2022年は2019年コロナウイルス感染症流行前の2019年より多い約2.9%となった。

財産(窃盗・詐欺)に対する刑法犯罪の認知件数・被害額(罪名別)

財産(窃盗・詐欺)に対する刑法犯罪の推移

  • 窃盗

消費者物価指数換算した場合、1949年は、114,336百万円であった。1949年~1954年は、減少傾向であり、1954年は61,629百万円であった。1955年~1961年は、増加傾向であり、1961年は126,596百万円であった。 1962年~1965年は、1,200億前後を推移し、1965年は、122,967百万円であった。1966年~1970年は増加傾向であり、1970年は164,916百万円であった。1971年~1979年は、減少傾向であり、1979年は102,568百万円であった。1980年~2000年は、一時的な減少があったにせよ増加傾向であり、2000年は1949年以後最多の314,860百万円であった。2001年以降は一時的な増加はあったにせよ減少傾向であり、2021年は1949年以後最少の47,493百万円であった。但し、2022年は2019年コロナウイルス感染症対策の行動制限緩和により外出する人が増加し、人と出会う機会が増えたことから前年より約20%増加して57,210百万円となった。

現金被害額の統計値は、1972年~1983年は無し。消費者物価指数換算した場合、1949年は、1949年以後最少の8,039百万円であった。1949年~1956年は、単年度の増加があったにせよ減少傾向であり、1956年は8,108百万円であった。1957年~1971年は単年度の減少があったにせよ増加傾向であり、1971年は32,274百万円であった。1972年~1983年は、統計値は無し。1983年~2002年は、一時的な減少があったにせよ増加傾向であり、2002年は1949年以後最多の67,167百万円であった。2003年~2014年は、一時的な増加はあったにせよ減少傾向であり、2014年は18,069百万円であった。2015年以降は、百億後半台で推移し、2022年は15,631百万円であった。

1件当たりの被害総額は、消費者物価指数換算した場合、1949年は、98.1千円であった。1949年~1955年は、単年度の増加があったにせよ減少傾向であり、1955年は1949年以後最少の64.6千円であった。1956年~1970年は増加傾向であり、1970年は1949年以後最多の158.7千円であった。1971年~1984年は、単年度の増加はあったにせよ減少傾向であり、1984年は87.4千円であった。1985年~1991年は、増加傾向であり、1991年は137.2千円であった。1992年~1998年は、単年度の増加はあったにせよ減少傾向であり、1998年は106.4千円であった。1999年~2000年は増加傾向であり、2000年は147.7千円であった。2001年~2009年は、減少傾向であり、2009年は96.1千円であった。2010年~2018年は9万円~10.5万円の間で増減していた。2019年以降は増加傾向であり、2022年は140.3千円であった。

現金被害比率の統計値は、1972年~1983年は無し。1949年は、1949年以後最小の約7.0%であった。1950年は前年度より増加して、約14.4%であった。1950年~1956年は、一時的な増加があったにせよ減少傾向であり、1956年は、約10.4%であった。1957年~1959年は、約11%前半で推移し、1959年は約11.3%であった。1960年~1972年は増加傾向であり、1972年は約20.9%であった。1972年~1983年は、統計値は無し。1984年以降は、大きく増減を繰り返しており、2020年は1949年以後最多の約33.5%であった。2021年以降は減少して、2022年は27.3%であった。

窃盗の種類別で被害総額は、1968年~1970年は侵入窃盗、1989年~2005年まで、非侵入窃盗が最も多かった1991年を除き、乗り物盗が最も多かった。2005年~2012年は、非侵入窃盗が最も多かった。2013年は乗り物盗で、2014年は非侵入窃盗、2015年は侵入窃盗、2016年は非侵入窃盗、2017年は侵入窃盗、2018年~2022年は非侵入窃盗が最も多い。

  • 侵入窃盗

発生率は、1953年以前は無し。1954年は、383.43件であった。1954年・1955年は発生率が300後半台であり、1955年は1956年以後最多の395.71件であった。1956年~1970年は、325.0~365.0件の間で推移し、1970年は340.30件であった。1971年~1997年は、一時的な増加があったにせよ減少傾向であり、1997年は175.72件であった。1998年~2002年は増加傾向であり、2002年は265.36件であった。2003年以降は減少傾向であり、2022年は1956年以後最少の29.28件であった。但し、2023年は前年より増加して35.57件である。

被害総額は、1988年以前は、1968年~1970年以外統計値なし。1968年は、73,422百万円であった。1967以前の統計値なし。1968年~1970年は、単年度の増加があったにせよ減少傾向であり、1970年は66,916百万円であった。1971年~1988年の統計値なし。消費者物価指数換算した場合、1989年は、41,559百万円であった。1989年~1994年は、単年度の減少があったにせよ増加傾向であり、1994年は68,292百万円であった。1995年~1997年は、減少傾向であり、1997年は57,744百万円であった。1998年~2000年は増加傾向であり、1968年以後最多の2000年は117,890百万円であった。2001年以降は、一時的な増加はあったにせよ減少傾向であり、2021年は1968年以後最少の12,790百万円であった。但し、2022年は前年より増加して16,399百万円であった。

現金被害額は、1988年以前は、1968年~1970年以外統計値なし。消費者物価指数換算した場合、1968年は、17,796百万円であった。1967以前の統計値なし。1969年は前年度より増加し、30,990百万円、1970年は前年度より減少し、20,893百万円であった。1971年~1988年の統計値なし。1989年は、19,514百万円であった。1989年~2002年は、一時的な減少があったにせよ増加傾向であり、2002年は1968年以後最多の39,101百万円であった。2003年以降は、一時的な増加はあったにせよ減少傾向であり、2021年は1968年以後最少の5,866百万円であった。但し、2022年は前年より増加して6,503百万円であった。

1件当たりの被害総額は、1988年以前は、1968年~1970年以外統計値なし。消費者物価指数換算した場合、1968年は、213.1千円であった。1968年~1970年は、単年度の増加があったにせよ減少傾向であり、1970年は187.9千円であった。1971年~1988年の統計値なし。1989年は、1968年以後最小の176.8千円であった。1989~1994年は単年度の減少があったにせよ増加傾向であり、1994年は275.7千円であった。1995年~1998年は、単年度の増加があったにせよ減少傾向であり、1998年は249.7千円であった。1999年~2000年は増加傾向であり、2000年は1968年以後最多の397.6千円であった。2001年~2009年は単年度の増加はあったにせよ減少傾向であり、2009年は244.5千円であった。2010年~2018年は、単年度の減少があったにせよ増加傾向であり、2020年以降は減少し、2021年は343.5千円であった。2022年は前年より増加して448.2千円であった。

現金被害比率の統計値は、1988年以前は、1968年~1970年以外統計値なし。1968年は、1968年以後最少の約24.2%であった。1969年は前年度より増加し、41.1%であった。1970年は前年度より減少し、31.2千円であった。1971年~1988年の統計値なし。1989年は、約47.0%であった。1989年~1994年は単年度の増加はあったにせよ減少傾向であり、1994年は約32.7%であった。その間、1990年は1989年以後最多の約49.4%であった。1995年~1997年は増加傾向であり、1997年は約45.1%であった。1998年~2000年は減少傾向であり、2000年は1968年以後最少の約29.5%であった。2001年~2018年は一時的な減少があったにせよ増加傾向であり、2018年は約47.2%であった。2019年以降は、2022年を除き40%前後であり、2022年は39.7%であった。


  • 乗り物盗

発生率は、1965年以前は無し。1967年は、179.08件であった。1967年~1991年は、一時的な減少があったにせよ増加傾向であり、1991年は588.44件であった。1992年~1995年は減少傾向であり、1995年は529.19件であった。1996年~2001年は、増加傾向であり、2001年は1967年以後最多の650.03件であった。2002年以降は、減少傾向であり、2021年は1967年以後最少の95.09件であった。但し、2022年以降は増加して2023年は144.66件であった。

1988年以前の被害総額は、1968年~1970年以外統計値なし。消費者物価指数換算した場合、1968年は、53,116百万円であった。1969年は、前年度より増加して、57,677百万円であった。1970年は、前年度より減少して、52,942百万円であった。1971年~1988年の統計値なし。1989年は、65,285百万円であった。1989年~1993年は、620億~670億の間で推移しおり、1993年は66,762百万円であった。1994年~2001年は、単年度の減少があったにせよ増加傾向であり、2001年は1968年以後最多の129,765百万円であった。2002年以降は単年度の増加はあったにせよ減少傾向であり、2020年は1968年以後最少の14,517百万円であった。2021年以降は増加して、2022年は18,853百万円であった。

1988年以前の現金被害額は、1968年~1970年以外の統計値は無し。消費者物価指数換算した場合、1968年は、193百万円であった。1968年~1970年は、増加傾向であり、1970年は1968年以後最多の599百万円であった。1971年~1988年の統計値なし。1989年は、224百万円であった。1989年~2000年は、単年度の減少があったにせよ増加傾向であり、2000年は571百万円であった。2001年以降は、一時的な増加はあったにせよ減少傾向であり、2019年は1968年以後最少の51百万円であった。2022年は74百万円であった。

1件当たりの被害総額は、1988年以前は1968年~1970年以外の統計値は無し。消費者物価指数換算した場合、1968年は、301.8千円であった。1969年は前年度より微増して、1968年以後最多の300.5千円であった。1970年は、前年度より減少して、271.4千円であった。1971年~1988年の統計値なし。1989年は95.4千円であった。1989~1991年は、微減傾向であり、1991年は92.1千円であった。1992年~2000年は、単年度の減少があったにせよ増加傾向であり、2000年は167.0千円であった。2001年~2009年は、一時的な増加はあったにせよ減少傾向であり、2009年は、84.5千円であった。2010年~2020年は、8.0万~10.5万の間で増減しており、2020年は107.5千円であった。その間、2015年は、1968年以後最少の79.1千円であった。そして、2021年以降は増加しており、2022年は132.3千円であった。

現金被害比率の統計値は、1988年以前は1968年~1970年以外の統計値は無し。1968年は0.4%であった。それ以降の年(1971年~1988年は除く)も1970年の1968年以後最多の1.1%を除いて1.0%未満で、0.2~0.6%の間で推移する。その間、2013年は1968年以後最少は約0.2%であった。また、2022年は約0.4%である。

  • 非侵入窃盗

発生率は、1965年以前は無し。1967年は、446.12件であった。1967年~1970年は増加傾向であり、1970年は466.14件であった。1971年~1977年は単年度の増加があったにせよ減少傾向であり、1977年は380.44件であった。1978年~2002年は、一時的な減少があったにせよ増加傾向であり、2002年は1967年以後最多の991.29件であった。2003年以降は減少傾向であり、2021年は1967年以後最少の179.43件であった。但し、2022年以降は増加して208.75件であった。

1988年以前の被害総額は、1968年~1970年以外統計値なし。消費者物価指数換算した場合、1968年は、1968年以後最少の16,687百万円であった。1968年~1970年は、増加傾向であり、1970年は45,065百万円であった。1971年~1988年の統計値なし。1989年は、38,349百万円であった。1989年~2001年は、一時的な減少があったにせよ増加傾向であり、2001年は81,142百万円であった。また、この間に1990年は1968年以後最多の91,489百万円であった。2002年以降は、単年度の増加はあったにせよ減少傾向であり、2021年は19,436百万円であった。但し、2022年は前年より増加して21,958百万円であった。

1988年以前の現金被害額は、1968年~1970年以外の統計値は無し。消費者物価指数換算した場合、1968年は、1968年以後最少の1,116百万円であった。1968年~1970年は、増加傾向であり、1970年は12,958百万円であった。1971年~1988年の統計値なし。1989年は、16,296百万円であった。1989年~2002年は、単年度の減少があったにせよ増加傾向であり、2002年は1968年以後最多の27,591百万円であった。2003年以降は、単年度の増加はあったにせよ減少傾向であり、2017年は7,348百万円であった。2018年以降は増加しており、2020年は10,226百万円であった。2021年以降は減少して、2022年は9,054百万円であった。

1件当たりの被害総額は、1988年以前は1968年~1970年以外の統計値は無し。消費者物価指数換算した場合、1968年は、1968年以後最少の36.7千円であった。1968年~1970年は、増加傾向であり、1970年は92.4千円であった。1971年~1988年の統計値なし。1989年は68.0千円であった。1989年~1994年は増加傾向であり、1994年は86.7千円であった。その間、1991年は1968年以後最多の167.5千円であった。1995年~1999年は、減少傾向であり、1999年は59.6千円であった。2000年~2008年は一時的な減少があったにせよ増加傾向であり、2008年は76.2千円であった。2009年~2018年は一時的な増加があったにせよ減少傾向であり、2018年は68.2千円であった。2019年以降は増加して、2022年は96.0千円であった。

現金被害比率の統計値は、1988年以前は1968年~1970年以外のの統計値は無し。1968年は、1968年以後最少の約6.7%であった。1968年~1970年は、増加傾向であり、1970年は約28.8%であった。1971年~1988年の統計値なし。1989年は、約42.5%であった。1990年は前年より増加し1968年以後最多の約47.2%であり、1991年は約19.9%であった。1992年~2000年は、35%~45%の間で増減しており、2000年は約35.4%であった。2001年~2005年は、比率が減少して、32%~34%の間で推移しており、2005年は約33.9%であった。2006年~2010年は、単年度の増加があったにせよ減少傾向であり、2010年は約23.9%であった。2011年~2018年は、単年度の減少があったにせよ増加傾向であり、2018年は約37.3%であった。2019年以降は増加して、2020年は51.8%であった。2021年以降は減少して、2022年は41.2%であった。

  • 詐欺

被害総額は、消費者物価指数換算した場合、1949年は、1949年以後最少の20,977百万円であった。1949年~1953年は、一時的な減少があったにせよ増加傾向であり、1953年は35,892百万円であった。1954年~1959年は、一時的な増加があったにせよ減少傾向であり、1959年は28,802百万円であった。1960年~1970年は一時的な減少があったにせよ増加傾向であり、1970年は、1992年を除いた1949年以後最多の98,029百万円であった。1971年は前年度より減少して、56,775百万円であった。1972年~1976年は、一時的な減少があったにせよ増加傾向であり、1976年は94,360百万円であった。1977年~1979年の統計値なし。1980年は5年前より減少して、67,306百万円であった。1981年~1983年の統計値なし。1984年~1999年は、大きく増減を繰り返しながらの減少傾向であり、1999年は30,539百万円であった。またその間、1992年は、1949年以後最多の137,214百万円であった。2000年~2014年は、大きく増減しながらの増加傾向であり、2012年は、89,076百万円であった。2013年~2019年は、単年度の増加はあるにせよ減少傾向であり、2019年は46,497百万円であった。しかし、2020年以降は2019年コロナウイルス感染症流行による社会不安を背景に、経済悪化対策の1つである特別定額給付金や持続化給付金等をだまし取る詐欺が発生し活発化した影響により、2022年は2019年の約1.83倍に当たる85,705百万円に増加している。

現金被害額の1971年~1982年の間は、統計値は無し。消費者物価指数換算した場合、1949年は、11,836百万円であった。1949年~1970年は一時的な減少があったにせよ増加傾向であり、1970年は32,288百万円であった。その間、1959年は1949年以後最少の10,052百万円であった。1971年~1983年はの統計値なし。1984年は、36,290百万円であった。1983年~1999年は、大きく増減を繰り返しながらの減少傾向であり、1999年は21,949百万円であった。その間、1992年は、1949年以後最多の116,736百万円であった。2000年~2014年は、増減を繰り返しながらの増加傾向であり、2014年は83,122百万円であった。その間、2012年は1992年を除いた1949年以後最多の85,698百万円であった。2015年~2019年は、減少傾向であり、2019年は42,601百万円であった。しかし、2020年以降は2019年コロナウイルス感染症流行による社会不安を背景による詐欺の活発化により、2022年は2019年の約1.79倍に当たる785,705百万円に増加している。

1件当たりの被害総額は、消費者物価指数換算した場合、1949年は、1949年以後最少の130.3千円であった。1949年~1976年は一時的な減少があったにせよ増加傾向であり、1976年は1,586.9千円であった。1977年~1979年の統計値なし。1980年は5年前より減少して、1,141.6千円であった。1981年~1983年の統計値なし。1984年~2005年は、増減を繰り返しており、2005年は767.8千円であった。その間、1992年は1949年以後最多の2,806.0千円であった。2006年~2012年は、一時的な減少があったにせよ増加傾向であり、2012年は1992年を除いた1949年以後最多の2,562.5千円であった。2013年~2019年は、単年度の増加があったにせよ減少傾向であり、2019年は1,457.7千円であった。しかし、2020年以降は2019年コロナウイルス感染症流行による社会不安を背景による詐欺の活発化により、2021年は2019年の約1.57倍に当たる2,292.2千円に増加している。そして、2022年は微減し2,259.7千円である。

現金被害比率の1971年~1982年の間は、統計値は無し。1949年は、約56.4%であった。1949年~1970年は、増減を繰り返しながらの減少傾向であり、1970年は1949年以後最少の約32.9%であった。1971年~1982年はの統計値なし。1984年は、約50.0%であった。1984年以降は、一時的な減少があったにせよ増加傾向であり、2022年は約89.0%であった。そして、2006年以降は2007年(約89.6%)と2018年(約74.4%)と2022年を除き90%以上となっている。

財産(窃盗・詐欺以外)に対する刑法犯罪の認知件数・被害額(罪名別)

財産(窃盗・詐欺以外)に対する刑法犯罪の推移

  • 強盗

被害総額は、1971年~1983年の間は、1975年・1980年以外統計値なし。消費者物価指数換算した場合、1949年は2,242百万円であった。1949年~1959年は単年度の増加があったにせよ減少傾向であり、1959年は523百万円であった。 1960年~1970年は一時的な減少があったにせよ増加傾向であり、1970年は、1949年以後最多の6,883百万円であった。但し、ハイジャック・シージャックによる被害が含まれているため、それらを除いた場合、702百万円である。1975年・1980年の統計値のみで傾向を見るが、増加傾向であった。1984年~2004年は、増減を繰り返しながらの増加傾向であり、2004年は1949年以後最多(1970年のハイジャック・シージャックによる被害を除いた)の4,105百万円であった。2005年~2014年は減少傾向であり、2014年は699百万円であった。2015年以降は増加傾向であり、2018年以降は減少し、2020年は1949年以後最少の385百万円であった。但し、2021年以降は増加して、2022年は974百万円であった。

現金被害額は、1971年~1983年の間は、統計値なし。消費者物価指数換算した場合、1949年は、430百万円であった。1949年~1953年は、単年度の増加があったにせよ減少傾向であり、1953年は、1949年以後最少の140百万円であった。1954年~1968年は、単年度の減少があったにせよ増加傾向であり、1968年は1,436百万円であった。1969年は前値度より減少して、292百万円となり、1970年は275百万円であった。1971年~1983年の間は、統計値なし。1984年~1989年は、1,010億~300億の間を大きく増減していた。1990年2004年は、増減を繰り返しながらの増加傾向であり、2004年は1949年以後最多の2,772百万円であった。2005年~2019年は減少傾向であり、2020年は219百万円であった。但し、2021年以降は増加して、2022年は354百万円であった。

1件当たりの被害総額は、1971年~1983年の間は、1975年・1980年以外統計値なし。消費者物価指数換算した場合、1949年は、255.4千円であった。1949年~1959年は一時的な増加があったにせよ減少傾向であり、1959年は1949年以後最少の100.8千円であった。1960年~1970年は単年度の減少があったにせよ増加傾向であり、1970年は1949年以後最多の2,559.9千円であった。但し、ハイジャック・シージャックによる被害が含まれているため、それらを除いた場合、250.0千円であった。1975年と1980年の統計値がある値のみで傾向を見るが、増加傾向であった。1984年~1993年は、大きく増減を繰り返しながらの増加傾向であり、1993年は1949年以後最多(1970年のハイジャック・シージャックによる被害を除いた)の1,547.7千円であった。1994年~2019年は、一時的な増加はあったにせよ減少傾向であり、2019年は264.1千円であった。2020年以降は増加しており、2022年は848.5千円であった。

現金被害比率は、1971年~1983年の間は、統計値なし。1949年は、約18.5%であった。1949年~1964年は、15%~35%の間で増減を繰り返していた。その間、1954年は1949年以後最少(1970年のハイジャック・シージャックによる被害を除いた)の約16.9%であった。1965年~1970年は、大きく増減を繰り返し、1970年は1949年以後最少の約4.0%であった。1971年~1983年の間は、統計値なし。1984年は、約36.1%であった。1984年以降は、大きく増減を繰り返しており、2022年は約36.3%であった。

  • 恐喝

被害総額は、1971年~1983年の間の統計値は、1975年・1980年以外なし。消費者物価指数換算した場合、1949年は、922百万円であった。1949年~1970年は、増減を繰り返しながらの増加傾向であり、1970年は3,540百万円であった。その間、1953年は、1949年以後2番目に少ない592百万円であった。1975年・1980年の統計値のみで傾向を見るが、1975年は1970年と比べて増加し、1975年は4,544百万円であった。1980年は1975年に比べて減少して3,090百万円であった。1984年は、2,745百万円であった。1984年~1995年は、増減の幅が大きいが、増減を繰り返し、1995年は、2,383百万円であった。またその間、1985年は、1949年以後最多の8,467百万円であった。1996年~1999年は減少傾向であり、1999年は1,785百万円であった。2000年~2007年は、一時的な減少があったにせよ増加傾向であり、2007年は3,535百万円であった。2008年以降は、一時的な増加はあったにせよ減少傾向であり、2020年は1949年以後最少の486百万円であった。2021年は2020年より増加して580百万円となり、2022年は前年より減少して564百万円であった。

現金被害額の統計値は1971年~1983年の間の統計値は、なし。消費者物価指数換算した場合、1949年は、461万円であった。1949年~1970年は、増減を繰り返しながらの増加傾向であり、1970年は1,702百万円であった。その間、1952年は1949年以後最少の324百万円であった。1971年~1983年の統計値は無し。1984年は、1,538百万円であった。1984年~1999年は、増減を繰り返しながら、減少傾向であり、1999年は、1,306百万円であった。またその間、1985年は1949年以後最多の5,320百万円であった。2000年~2004年は、一時的な減少があったにせよ増加傾向であり、2004年は3,148百万円であった。2005年~2016年は、一時的な増加はあったにせよ減少傾向であり、2016年は714百万円であった。2017年~2019年は増加傾向であり、2019年は914百万円であった。2020年は減少して388百万円であり、2021年は増加して532百万円、2022年は前年より減少して488百万円であった。

一人当たりの被害総額は、1971年~1983年の間の統計値は、1975年・1980年以外なし。消費者物価指数換算した場合、1949年は、31.2千円であった。1949年~1963年は、2.5万~4.5万の間で推移しており、1963年は35.5千円であった。その間、1952年は1949年以後最少の29.2千円であった。1964年~1970年は、単年度の減少があったにせよ増加傾向であり、1970年は188.6千円であった。1975年・1980年の統計値のみで傾向を見るが、増加傾向であり、1980年は350.0千円であった。1984年~1993年は、大きく増減しており、1993年は1949年以後最多の748.5千円であった。1994年~1999年は減少傾向であり、1999年は120.8千円であった。2000年~2007年は単年度の減少はあったにせよ増加傾向であり、2007年は478.7千円であった。2008年~2009年は減少傾向であり、2009年は269.7千円であった。2009年~2014年まで200千前半台で推移しており、2014年は236.4千円であった。2015年以降は、300千~700千円の間で増減しており、一時的な減少があったにせよ増加傾向であり、2022年は437.0千円であった。

現金被害比率の統計値は1971年~1983年の間の統計値は、なし。1949年は、約50.0%であった。1949年~1968年は、1956年の約71.9%を除き50%~70%の間で増減を繰り返しており、1968年は約53.7%であった。1969年は前年度より減少して、約43.0%であった。1970年は前年度より増加して、約48.1%であった。1971年~1983年の統計値は無し。1984年は、約56.0%であった。1984年~1993年は、一時的な増加があったにせよ減少傾向であり、1993年は1949年以後最少の約20.0%であった。1994年以降は、一時的な減少があったにせよ増加傾向であり、2019年は1949年以後最多の約92.2%であった。その後の2022年は86.5%であった。

  • 横領と遺失物等横領

横領と遺失物等横領の合計被害総額は、消費者物価指数換算した場合、1949年はの10,492百万円であった。1950年は、前年度より増加して、24,134百万円であった。1950年~1959年は、一時的な増加があったにせよ減少傾向であり、1959年は16,041百万円であった。1960年~1963年は、単年度の増加があったにせよ減少傾向であり、1963年は、18,435百万円であった。1964年は、1949年以後最多の36,582百万円であった。1964年~1976年は、大きく増減を繰り返しながらの減少傾向であり、1976年は22,033百万円であった。1977年~1979年は統計値なし。1980年は、1976年より増加して、32,516百万円であった。1981年~1983年の統計値なし。1984年~2002年は、増減の幅が大きい増減を繰り返しており、2002年は19,372百万円(横領:18,694百万円、遺失物等横領:677百万円)であった。2002年以降は、一時的な増加があったにせよ減少傾向であり、2017年は1949年以後最少の5,851百万円(横領:5,541百万円、遺失物等横領:310百万円)であった。2018年以降は一時減少があったにせよ増加傾向であり、2022年は12,715百万円(横領:12,323百万円、遺失物等横領:392百万円)であった。

横領と遺失物等横領の合計現金被害額の統計値は1971年~1983年の間の統計値は、なし。消費者物価指数換算した場合、1949年は、6,867百万円であった。1950年は前年度より増加して、1949年以後最多の18,101百万円であった。1950年~1963年は、一時的な増加があったにせよ減少傾向であり、1963年は9,130百万円であった。1964年~1970年は、一時的な減少があったにせよ増加傾向であり、1970年は14,735百万円であった。1971年~1983年の統計値は、なし。1884年は、12,083百万円(横領:11,880百万円、遺失物等横領:16百万円)であった。1984年~2017年は、増減の幅が大きい増減を繰り返し、2017年は1949年以後最少の4,886百万円(横領:4,732百万円、遺失物等横領:154百万円)であった。2018年以降は2021年を除き増加傾向であり、2022年は11,361 百万円(横領:11,154万円、遺失物等横領:207百万円)であった。

横領と遺失物等横領の一人当たりの合計被害総額は、消費者物価指数換算した場合、1949年は174.0千円であった。1949年~1969年は、一時的な減少があったにせよ増加傾向であり、1970年は2,984.6千円であった。1971年~1976年は、一時的な増加があったにせよ減少傾向であり、1976年は1,888.0千円であった。1977年~1979年は統計値なし。1980年は、1976年より減少し、1,520.1千円であった。1981年~1983年の統計値なし。1984年~2005年は、増減を繰り返しながらの減少傾向であり、2005年は1949年以後最少の137.7千円(横領:5,458.4千円、遺失物等横領:6.8千円)であった。2006年以降は、増減を繰り返しながらの増加傾向であり、2022年は前年より増加して923.6千円(横領:8,605.2千円、遺失物等横領:31.8千円)であった。

横領と遺失物等横領の現金被害比率は、1971年~1983年の間の統計値は、なし。1949年は約65.5%であった。1949年~1970年は、一時的な増加があったにせよ減少傾向であり、1970年は約52.7%であった。その間、1969年は1949年以後最少の約40.8%であった。1971年~1983年は統計値なし。1984年は約61.9%であった。1984年以降は、一時的な減少があったにせよ増加傾向であり、2022年は約89.3%であった。その間、1949年以後最多は2014年の約91.5%であった。

横領の現金被害比率は、1983年以前の統計値は無し。1984年は約63.5%であった。1984年以降は、一時的な減少があったにせよ増加傾向であり、2022年は約90.5%であった。その間、1984年以後最多は2014年の約92.8%であり、最少は1999年の約46.2%であった。

遺失物等横領の現金被害比率は、1983年以前の統計値は無し。1984年は、約3.1%であった。1984年~1999年は、2%~7%の間で増減を繰り返していた。その間、1994年は、1984年以後最少の約2.4%であった。2000年以降は、一時的な減少があったにせよ増加傾向であり、2019年は1984年以後最多の約62.4%であった。2022年は52.8%であった。

犯罪被害調査(暗数調査)

犯罪被害調査による犯罪被害と犯罪被害申告率

犯罪被害調査による犯罪被害と犯罪被害申告率の推移

犯罪被害調査は、法務省法務総合研究所によって行われている暗数調査である。それと同時に、犯罪被害の国際比較を目的として、国際犯罪被害実態調査(ICVS: International Crime Victims Survey)に参加する形で行われている。また、この調査は以下の目的で使われている。

  1. 警察に届けられなかった犯罪の種類、件数等を推定すること
  2. 犯罪被害者と被害の実態に関する詳細な情報を入手すること
  3. 犯罪動向に関する経年比較データ(定点観測データ)を収集すること
  4. 治安等に関する国民の意識を明らかにすること
  5. 犯罪被害実態に関する情報を関係機関・市民等に提供すること
  • 犯罪被害率推移
犯罪被害に関しては、世帯犯罪被害は、バブル崩壊前の都防研1989調査からバブル崩壊後の第1回調査の間に自動車盗以外、増加した。第1回調査から第3回調査までに、自動車盗・不法侵入・不侵入未遂以外減少した。しかし、調査期間中に世界金融危機があった第4回調査では自動車盗・自動車損壊・不法侵入以外増加したこともあった。その後、減少し、最新である第5回調査では、自動車盗・バイク盗・自転車盗(バイク盗、自転車盗は全回答者中の割合)が最も低い結果となっており、特にバイク盗は前回よりも他の世帯犯罪よりも減少していた。また、自動車損壊・不法侵入・不法侵入未遂はバブル崩壊前に調査された都防研1989調査が最も低い。そして、車上盗は両方の調査で最も低かった。
それに対して個人犯罪被害は、都防研1989調査から第1回調査の間に全ての犯罪が増加した。そして、第1回調査から第3回調査までの間、個人に対する窃盗と性的事件は減少したが、調査期間中に世界金融危機があった第4回調査では、個人に対する窃盗が特に増加していった。そして、第5回調査は前回より減少している。しかし、最も低いわけではなく、都防研1989調査から第5回までの経年比較をしても、性的事件以外はそれ程減少していない。
また、世帯犯罪被害と個人犯罪被害の被害率を比べると、前者の方が多い。個人犯罪被害で最も多い個人に対する窃盗(約2.3%)でも、第5回調査に限れば、自動車盗以外、個人に対する窃盗よりも多い又は同じ位の被害率である。
各種詐欺等被害については、振り込め詐欺と消費者詐欺は減少し、クレジットカード情報詐欺・個人情報の悪用・インターネットオークション詐欺が増加している。被害率に関しては、クレジットカード情報詐欺(約2.5%)が最も多く、最も少ないのが振り込め詐欺(約0.5%)であった。
  • 犯罪被害申告率
犯罪被害申告率は、世帯被害犯罪は乗り物盗と車上盗が50%以上の申告率であり、特に自動車盗とバイク盗が毎回50%以上を保っている。逆に不法侵入は第3回まで50%以上を保っていたが、第4回以降は、50%を切っている。
個人犯罪被害に関しては、都防研1989調査の個人に対する窃盗を除いて、どの犯罪も50%を切っており、第5回調査では最も多い強盗等で約43.5%である。更に、最も低いDV(ドメスティックバイオレンス)の場合は、約11.5%であり、約9割近くが申告されていない実態がある。
DVに関して、申告しなかった理由は、最も多かったのが、「自分で解決した(加害者を知っていた)」と「どうしたらよいのか分からなかった(被害を届け出る方法が分からなかった)」の2つで、それぞれ約36.4%であった。
各種詐欺等被害に関しては、どの犯罪も50%切っている。また、クレジットカード情報詐欺・個人情報の悪用は申告率が減少し、振り込め詐欺と消費者詐欺・インターネットオークション詐欺が増加している。減少しているクレジットカード情報詐欺・個人情報の悪用は、申告率がそれぞれ10.7%と9.3%と約1割である。前者の場合、約70.6%がクレジットカード会社が対応したため、警察に被害申告する必要性を感じなかったためである。後者の場合は、「それほど重大ではない(損失がない,大したことではない)」が約44.7%、次いで「自分で解決した(加害者を知っていた)」が約17.0%であった。

明治以降の長期刑法犯罪統計

1876年(明治9年)以降の刑法犯罪死亡者・強盗・窃盗の実数と発生率

1876年(明治9年)以降の刑法犯罪死亡者・強盗・窃盗の実数と発生率の長期推移

  • 人口10万人中の刑法犯罪死亡者

法務省と警察庁及び旧内務省の統計によると、旧刑法が施行された1882年は1.96人であり、1882年~第1次世界大戦が始まった1914年まで一時的な減少はあったにせよ増加傾向で、1914年は5.38人あった。第1次世界大戦とシベリア出兵があった1915年~1922年は、単年度の増加はあったにせよ減少傾向であり、1922年は3.65人であった。1923年・1924年は増加して、1924年は1882年以後で、または、第二次世界大戦終結前の最多の5.66人であった。1925年~1930年は一時的な増加はあったにせよ減少傾向にあり、1930年は1.91人であった。1931年~1934年は増加傾向にあり、1934年は2.48人であった。そして、1935年・1936年は減少し1936年は2.35であった。1937年・1938年はデータなし。1939年~1943年は、単年度の減少があったにせよ増加傾向であり、1943年は1.95人であった。その間、1939年は第二次世界大戦終結前の最少の1.68人であった。1944年はデータなし。戦後混乱期最中の1945年~1951年は、単年度の減少はあったにせよ増加傾向であり、1951年は第二次世界大戦終結後の最多の5.08人であった。1952年~1960年は一時的な増加があったにせよ減少傾向であり、1960年は1.83件であった。1961年~1965年は、一時的な減少があったにせよ増加傾向であり、1965年は4.01人であった。但し、注記にもあるように、1948年~1964年の死亡者数は、死亡者数は合計死亡者数から交通事故死者数を引いた数を死亡者数としているため、その他の期間と同一に比較できる値でないこととどちらの値も過少であることに留意する必要がある。東京オリンピック開催翌年に当たる1965年以降は一時的な増加はあったにせよ減少傾向である。2022年は1882年以降かつ第二次世界大戦終結後最少の0.48人であった。

  • 人口10万人中の強盗発生率

法務省と警察庁及び旧内務省の統計によると、1876年は8.63件であった。1876年~1882年は増加傾向にあり、1881年は1876年以後で、または、第二次世界大戦終結前の最多の25.89件であった。この期間は、1876年(明治9年)・1877年(明治10年)と2年連続して発生した凶作、秩禄処分や西南戦争等の不平士族の反乱に対する支出によりインフレーションが起こっていた。その対策として、1882年に大蔵卿松方正義が行ったデフレーション誘導の財政政策により、松方デフレが生じた。更に1880年には、旧刑法への改正により、強盗の罪が軽くなったことも一因と考えられる。日清・日露戦争・第1次世界大戦が起こった1883年~1922年は凶作や恐慌によって一時的な増加があったにせよ減少傾向であり、1922年は第二次世界大戦終結前の最少の1.44件であった。関東大震災・昭和金融恐慌・昭和恐慌・世界恐慌時代の1923年~1935年は、単年度の減少があったにせよ増加傾向であり、1935年は3.20件であった。日中戦争が進行した1936年~第二次世界大戦終結前年の1944年は減少傾向であり、1944年は1.69件であった。戦後混乱期最中の1945年~1948年は、単年度の減少はあったにせよ増加傾向であり、1948年は第二次世界大戦終結後の最多の13.57件であった。この期間は、第二次世界大戦の莫大な戦費を賄うために国債や軍票の乱発と終戦後の軍人への退職金支払いなどの費用を直接日銀が引受たことによってハイパーインフレーションが起こっている。1949年~バブル景気最中の1989年は、一時的な増加があったにせよ減少傾向であり、1989年は1.29件であった。また、その期間は、朝鮮特需と高度経済成長期が含まれている。湾岸戦争や東西ドイツ統一が起こった1990年~好況の実感が伴わないいざなみ景気の最中にある2003年は、一時的な減少はあったにせよ増加傾向であり、2003年は6.00件であった。2004年以降は単年度の増加があったにせよ減少傾向であり、2019年コロナウイルス感染症の流行最中の2021年は1876年以降、または、第二次世界大戦終結後最少の0.91件であった。2022年以降は増加して、2023年は1.09件であった。

  • 人口10万人中の窃盗発生率

法務省と警察庁及び旧内務省の統計によると、1876年は425.03件であった。1876年~1890年は、一時的な減少はあったにせよ増加傾向であり、1890年は1058.68件であった。この期間の間は、前述の強盗と重複するが、1876年(明治9年)・1877年(明治10年)と2年連続して発生した凶作、秩禄処分や西南戦争等の不平士族の反乱に対する支出によりインフレーションが起こっていた。その対策として、1882年に大蔵卿松方正義が行ったデフレーション誘導の財政政策により、松方デフレが生じた。また、1890年には、前年に凶作が発生し、この年に恐慌が発生している。日清戦争・日露戦争があった1891年~1910年は一時的な増加があったにせよ減少傾向であり、1910年は第二次世界大戦終結前最少の335.71件であった。朝鮮併合が行われた翌年の1911年~日中戦争が進行した1934年は、一時的な減少があったにせよ増加傾向であり、1934年は第二次世界大戦終結前最多の1061.33件であった。またこの期間の前半は大戦景気(1915年~1920年)があり、後半は関東大震災・昭和金融恐慌・昭和恐慌・世界恐慌がおこっている。更に、1918年~1923年は第1次世界大戦終結による戦後恐慌や関東大震災がこの期間の後半に起きたにもかかわらず、1919年の450.86件から1923年は371.25件へと減少している。日中戦争が進行した1935年~第二次世界大戦終結の1945年は、一時的な増加があったにせよ減少傾向であり、1945年は778.32件であった。戦後混乱期最中の1946年~1948年は単年度の減少はあったにせよ増加傾向であり、1948年は1558.02件であった。この期間は、第二次世界大戦の莫大な戦費を賄うために国債や軍票の乱発と終戦後の軍人への退職金支払いなどの費用を直接日銀が引受たことによってハイパーインフレーションが起こっている。1949年~第1次オイルショックが発生した1973年は、一時的な増加があったにせよ減少傾向であり、1973年は892.61件であった。1974年~好況の実感が伴わないいざなみ景気の最中にある2002年まで一時的な減少があったにせよ増加傾向であり、2002年は1876年以降、または第二次世界大戦終結後の最多の1864.90件であった。また、この期間中にバブル景気の期間が含まれている。2003年以降は減少傾向であり、2019年コロナウイルス感染症の流行最中の2021年は1876年以降、又は、第二次世界大戦終結後最少の304.19件であった。2022年以降は、2019年コロナウイルス感染症対策の行動制限緩和により外出する人が増加し、人と出会う機会が増えたことで増加し、2023年は388.97件となった。

特別法犯の検察庁新規受理人員・発生率

世界の諸国との犯罪発生率の比較

UNODC (United Nations Office on Drugs and Crime)と法務省の統計によると、国連加盟229国・地域のうち犯罪と刑事司法の統計をUNODCに報告している国の中で、日本は殺人、強盗の暴力犯罪の10万人当たりの発生率は低い。また、報告書を提出した国全体の数を100として低い方からみた場合、性的暴力と侵入盗は10~20%の間、深刻な暴行と略取・誘拐は20~30%の間、窃盗(強盗・侵入盗・自動車盗は除く)及び自動車盗は40~50%の間に位置している。世界の中では、治安がよい国に分類される。(国の人口構成には大きな差があるので、国別の単純比較は比較対照として適切でない場合もあるが、日本は先進国である西欧・北欧諸国よりも発生率が低い。)

UNODCの犯罪と刑事司法に関する統計によると、日本における2020年(殺人2021年、強盗は2019年)の人口10万人中の発生率と罪種別順位に以下の通りである(但し、殺人以外は報告書を提出した国・地域でミャンマーは除いている)。

  • 故意の殺人(既遂)の発生率は、日本は、2021年で0.23で、報告書を提出した107国・地域中で低い順に4位である。
  • 女性に対する故意の殺人(既遂)の発生率は、日本は、2021年で0.21で報告書を提出した94国・地域中で低い順に7位である。
  • 性的暴力(日本は強制性交[旧・強姦]と強制わいせつを合わせた認知件数で計上)は、2020年で4.34で、報告書を提出した74国・地域中で低い順に9位である。
  • 深刻な暴行(日本は傷害の認知件数で計上)は、日本は、2020年で14.99で、報告書を提出した80国・地域中で低い順に24位である。
  • 略取・誘拐は、日本は2020年で0.27で、報告書を提出した143国・地域中で低い順に38位である。
  • 強盗は、日本は2019年で、1.20で報告書を提出した68国・地域と日本で低い順に3位である。
  • 窃盗(強盗・侵入盗・自動車盗は除く。)は、日本は2020年で、295.07で報告書を提出した79国・地域中で、低い順に34位である。
  • 侵入盗は、日本は2020年で、34.86で報告書を提出した70国・地域中で、低い順に13位である。
  • 自動車盗(日本は自動車盗とオートバイ盗を合わせた認知件数で計上)は、日本は2020年で、11.25で、報告書を提出した71国・地域中で、低い順に29位である。

日本の成人の暴力犯罪の発生率が欧米諸国と比較してなぜ低いのかの詳細な原因は解明されていない(銃規制をしている国は日本以外にも多数ある。また、各国の銃規制は、銃規制反対の全米ライフル協会が存在するアメリカを除いて、先進諸国では年々強化される傾向がある)。

日本の欧米諸国と比べての治安の良さは、国民レベルでの遵法意識の高さもさることながら、少子高齢化により若年層の割合が激減してることや、警察組織が国民生活に密接なところで活動しているという事情が反映されているという見解もある。

但し、昔から他国と比較して治安が良かったわけではなかった。少なくともG7の国々と殺人既遂率について1890年から比較した場合、日本がG7の中で最低だったのは盧溝橋事件が起きた年の1937年~1943年と日中平和友好条約が締結された翌年の1979年以降である。また日本で初めて衆議院議員総選挙が行われた1890年は、データの無いアメリカとカナダを除いて、イタリア(10万人当たり約5.7件)に次いで約2.7件と殺人既遂率が高いだけでなく、1900年代前半は、アメリカ(1900年代前半平均:約1.4件)よりも高かった。

犯罪学が専門のメルボルン大学のアリソン・ヤング教授は、日本は犯罪の少ない国として有名だが定期的に重大で深刻な犯罪(地下鉄サリン事件、附属池田小事件、秋葉原通り魔事件、相模原障害者施設殺傷事件、京都アニメーション放火殺人事件、安倍晋三銃撃事件などを例に挙げている)が起きていることを報告し、また女性に対する暴力犯罪が過小評価されている傾向があると説明している。

最近の日本の犯罪と治安の傾向

日本では警察が把握する刑法犯の数は戦後最悪となった2002年以降、年々減少している。殺人発生率にいたっては、2022年は戦後最少となり、認知件数は1000件を切っている。しかしながら、殺人発生率の低い理由に、解剖医不足による司法解剖率の低さによって見逃しが発生していることが指摘されている。実際に、1998年から2012年までに45件の見逃しが発覚している。更に、期間が重複するが、2011年から2019年の間にも11件(内6件は近畿連続青酸殺人事件)の見逃しがあった。また司法解剖する死体数は増加傾向にあるものの、社会全体の高齢化による死亡者数の増加スピードが勝っているため、解剖率は2016年の12.7%をピークに減少しており、2021年で10.4%である。また、都道府県別によって解剖率が異なり、2019年時点で兵庫県の36.3%から広島県の1.2%とかなり幅があり、47都道府県中34府県で10%未満である。

詐欺・窃盗・強盗に関して10万人当たりの発生率では、2023年の発生率年は、詐欺は2009年以降で高い値であり(1924年以後で最も高い年は1933年の576.3件、最も低い年は2020年の24.2件)、窃盗は2020年~2022年、1923年・1921年、1909年~1912年、1879年(西暦年の並びは発生率の少ない順になっていない。)に次いで11番目(1924年以後で最も高い年は2002年の1,864.9件、最も低い年は2021年の304.2件)、強盗は2021年・2022年に次いで3番目に低い値である。

但し、2020年と2021年は2019年コロナウイルス感染症流行による影響による原因が下記を理由により犯罪の抑制が起こっていたことが指摘されている。

  • 緊急事態宣言やまん延防止等重点措置により外出自粛をして自宅にいる人の数が増加したことにより侵入窃盗をしずらくなったこと。また、外出する人が少なくなったため、ひったくりやすりといった非侵入窃盗する機会が減ったこと。
  • 通勤を自粛して在宅勤務にしたり、学校の一時休校の影響により、通勤・通学者数が減り、痴漢の被害が減っていること。
  • 緊急事態宣言やまん延防止等重点措置に伴う飲食店の営業時間の短縮等による外出して飲酒をする機会が減ったため、酒気帯び・酒酔い(道交違反)が減ったこと。
  • 入国者数が激減したことで、大麻を除いた麻薬の密輸が大幅に減少したこと。
  • 傾向として、全体では、まん延防止等重点措置が完全に終了した2022年5月以降に増加している。罪種別では、強制性交等(現・不同意性交等)が同年3月、傷害が同年4月、強盗・暴行・乗り物盗・非侵入窃盗が全体と同じ同年5月、侵入窃盗は同年8月に増加に転じている。但し、殺人と放火については特徴的な増減は見られていない。

なお、万引きや少年犯罪に対しては、あまり影響がなく、後者は一時休校の影響で増加している。

一方で、2019年コロナウイルス感染症流行による不安が社会全体で生じていることを背景に2019年コロナウイルス感染症流行による経済悪化の影響に対する対策の1つである特別定額給付金や持続化給付金等をだまし取る詐欺等の犯罪も発生しており、持続化給付金に関しては、2022年8月17日時点の認定被害額は約25億6,000万円(検挙件数2,578件、検挙人員2,866人)に及んでいた。そのため、詐欺の被害金額が2020年は2019年の約1.36倍、2021年は1.63倍に増加した。また、加害者が近くにいるため通報しづらい家庭内暴力も外出自粛の関係で暗数として存在していた可能性もあり、海外では都市封鎖下において、家庭内暴力が増加した地域があることが報告されている。

脚注

注釈

出典

関連項目

  • 犯罪、治安
  • 日本、日本の歴史、日本の刑事司法
  • 日本の警察
  • 海上保安庁

関連書籍

  • 瀬川晃『犯罪学』成文堂 ISBN 978-4792314897
  • 藤本哲也『犯罪学原論』日本加除出版 ISBN 978-4817812605
  • 藤本哲也『犯罪学の森』中央大学出版部 ISBN 978-4805707227
  • 大渕憲一『犯罪心理学』培風館 ISBN 978-4563058838
  • 越智啓太『犯罪心理学』朝倉書店 ISBN 978-4254526783
  • カート・R・バートル『犯罪心理学』北大路書房 ISBN 978-4762824791
  • 福島章『犯罪心理学入門』中央公論新社 ISBN 978-4121006660
  • 高橋良彰、渡辺和美『新犯罪社会心理学』学文社 ISBN 978-4762013447
  • 矢島正見、丸秀康、山本功『よくわかる犯罪社会学入門』学陽書房 ISBN 978-4313340084
  • 藤岡淳子『犯罪・非行の心理学』有斐閣 ISBN 978-4641183476
  • 藤川洋『少年犯罪の深層』筑摩書房 ISBN 978-4480062345
  • 小宮信夫『安全はこうして守る』ぎょうせい ISBN 978-4324080962

外部リンク

  • 法務省>犯罪白書
  • 警察庁>統計
  • 警察庁>警察白書
  • UNODC Statistics and Data>Crime data
    • 日本の治安悪化神話はいかに作られたか : 治安悪化の実態と背景要因(モラル・パニックを超えて)(I 課題研究 日本の治安と犯罪対策-犯罪学からの提言), 犯罪社会学研究 29(0), 10-26, 2004, NAID 110006153656, doi:10.20621/jjscrim.29.0_10 日本犯罪社会学会

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