Aller au contenu principal

スタートレック


スタートレック


スタートレック』(英: Star Trek)は、ジーン・ロッデンベリーの製作したSFテレビドラマシリーズを基にするメディア・フランチャイズ。最初の作品である『宇宙大作戦』が1966年に放映開始以来、8本のテレビドラマ、3本のテレビアニメ、13本の映画が製作されており、各作品によってハードSF、スペースオペラ、コメディー、サスペンス、ヒューマンドラマなどの要素を含み、その内容は多岐にわたる。

フランチャイズ初作の『宇宙大作戦』では、原作者であるジーン・ロッデンベリーが理想とする未来像を描きつつ、現代における様々な社会問題をSFの形で提示した。以降に製作されたシリーズ作品においても、現実社会の複雑化を反映させることで、今日に至るヒットに結びついている。

作品の概要

このフランチャイズの主要な構成は、宇宙船もしくは宇宙ステーションで活動する登場人物(地球人のみならず異星人も含む)が、艦長や司令官の指揮のもとに様々な困難を乗り越えて活躍し、未知の生命体や文明と交流していくというものである。これらの登場人物と、習慣や価値観の異なる異星人や、不可思議な宇宙現象との遭遇等が絡みあい、ドラマが繰り広げられる。

時代設定

時代は作品ごとに違うが、おおむね22世紀から24世紀の話である。地球人は銀河系内の約4分の1の領域に進出しており、様々な異星人と交流しながら、残りの領域の探索を進めている。地球からは貧困や戦争などが根絶されており、見た目や無知から来る偏見、差別も存在しない、ある意味で理想的な世界と化している。貨幣経済はなくなり、人間は富や欲望ではなく人間性の向上を目指して働いているとされる。 

地球は統一政府「地球連合(United Earth)」に統治され、150個ほどの星系とともに惑星連邦(United Federation of Planets)という連邦国家を形成しており、宇宙艦隊を編成して銀河系の探査や学術調査、外交、治安維持等の任務にあてている。惑星連邦の本部はパリにあり、宇宙艦隊の本部はサンフランシスコにある。惑星連邦内では軍事力を伴った紛争がほぼ根絶されたが、他の星間国家との間ではそうはなっていない。クリンゴン帝国やロミュラン帝国、カーデシア連合などの侵略的な星間国家との関係は必ずしも良好ではなく、武力行使を含めた外交の駆け引きが繰り広げられている。『スタートレック:エンタープライズ』では惑星連邦設立以前の時代を描いているが、他の作品に出てくる星間国家や異星人が登場しており、フランチャイズとしての一貫性が保たれている。また、銀河系の一部しか知られていないという設定のため、後の作品では既成の事実や知識となっている未知の異星人や、天文現象と初めて遭遇するパターンも多く使われている。『スタートレック:ディスカバリー』第3-4シーズンでは、地球連合やバルカン星などが脱退し、惑星連邦が瓦解した32世紀の世界が描かれている。

共有される設定

長く作品が製作され続けるフランチャイズでは、これまでの作品を「なかったこと」にして、複雑化した設定を一新することがよくあるが、このフランチャイズではほとんどすべての作品が同じ宇宙を共有している。そのため、これまでに製作されたテレビドラマ・テレビアニメはすべて『宇宙大作戦』から見て過去または未来の出来事である。一方で、作品の根幹としてマルチバースの概念が取り入れられており、物語の主軸として描かれている宇宙とは異なる平行宇宙(いわゆるパラレルワールド)が登場する話もある。映画第11作から映画第13作まではいわゆるリブート作品であり、『宇宙大作戦』とは別の宇宙が舞台となっているが、タイムトラベルの影響で異なる歴史が生じた平行宇宙を舞台にするという設定により、フランチャイズとしての連続性が保たれている(『宇宙大作戦』から始まる宇宙は別に存続しており、これまでの作品の出来事が書き換えられたわけではない)。

このほか、『宇宙大作戦』第33話「イオン嵐の恐怖」が初出となる「鏡像宇宙」は、地球が惑星連邦ではなく侵略的なテラン帝国を形成した宇宙である。また、同じ宇宙の中においても、『新スタートレック』第63話「亡霊戦艦エンタープライズ'C'」などで描かれているように、タイムトラベルの影響で異なる歴史が生じたタイムラインがいくつも存在している。『スタートレック:ディープ・スペース・ナイン』第37話「宇宙の原型」では宇宙に内包されるかたちで別の宇宙が発見されるなど、この作品の宇宙は多元多層の非常に複雑な構成になっている。

登場する異星人にはヒューマノイド型の異星人が多い。これは元々の遺伝子が同じものであったからということが『新スタートレック』で語られている。クリンゴン人を始めいくつかの種族には独自の言語が設定されているが、高性能な宇宙翻訳機があるため、基本的にどの星の人とも英語で会話ができる(フェレンギ人が過去の地球に囚われてしまった話では、翻訳機が頭に埋め込まれていることを示唆する描写がある)。未知の言語であっても普通はコンピューターが短時間で解析し翻訳できるようになるが、一部の特殊な言語を持つ種族に対しては翻訳が不能であるなど例外もある。22世紀ではまだ翻訳機の性能が低く、意思疎通に苦労することも多い。

作品の沿革

作品が世に出るまで(1964年 - 1966年)

『スタートレック』はジーン・ロッデンベリーにより創作されている。アメリカ西部開拓を描いたテレビドラマ『幌馬車隊』を参考に、宇宙を開拓する物語が初期の構想であった。これは、SFの体をなすことで検閲を逃れ、60年代当時のアメリカにおける社会問題を指摘できると意図したためである。加えてロッデンベリーは『ホーンブロワー』からも影響を受けたと語っている。なお、企画段階の時点では、舞台となる宇宙船の名は「エンタープライズ」ではなく「ヨークタウン」であった。

1964年、ロッデンベリーはメトロ・ゴールドウィン・メイヤーに『スタートレック』の企画を持ち込むが却下され、次にCBSへ企画を持ち込むものの、同社は既に『宇宙家族ロビンソン』というSFテレビドラマの企画が進行中のためまたも断られてしまう。次にデシル・プロダクションへ企画を持ち込み、 ロッデンベリーは同プロダクションが番組企画を売り込んだNBCから3話分のプロットを求められる。その後、3話分のうち1話をパイロット版として製作することが決まり、ジェフリー・ハンターをクリストファー・パイク船長役としたパイロット版「歪んだ楽園」が製作された。このパイロット版はNBCからアクションシーンの少なさを指摘されたものの、異例ながら新たなパイロット版の製作が許可され、ウィリアム・シャトナーをジェームズ・T・カーク船長役とし、スポック以外の登場人物を一新した第2パイロット版「光るめだま」が製作された。この第2パイロット版により、1966年2月に最初のドラマシリーズとなる『宇宙大作戦』の放映が決定し、同年9月より開始された。

打ち切りと映画化(1966年 - 1979年)

『宇宙大作戦』の放映当時は視聴率が伸び悩み、第2シーズンでの打ち切りが囁かれるほどであった。ファンによる手紙での継続嘆願運動などにより、辛うじて第3シーズンへ継続できたものの、放映時間の変更や予算削減、それに伴う内容の方針転換から更なる視聴率の低下を招き、結局このシーズンで打ち切りが決定し、1969年6月に放送を終了した。しかしその後、番組販売による再放送が始まると、次第にアメリカ全土でファンを獲得し、ニューヨークなどの大都市でコンベンションが開かれるなど、カルトクラシックの地位を獲得しつつ大衆文化に影響を与えるに至った。

本作の版権を持っていたパラマウント映画では、ロッデンベリーに続編の製作を依頼し、テレビアニメ『まんが宇宙大作戦』が1973年9月から放送されるも、依然として実写でのシリーズ復活を求めるファンの声は大きかった。1975年5月、ロッデンベリーはパラマウント映画と映画製作の契約を結び"Star Trek: The God Thing"の企画が立ち上がるが、宗教色の強い内容にパラマウント映画が難色を示したためこの企画は消滅した。1976年9月、新たに雇われた脚本家達によって"Star Trek: Planet of the Titans"の企画が立ち上がるが、この企画もまた草稿台本に了承が出ずに消滅している。1977年にはテレビドラマ『スタートレック:フェイズII』の企画が立ち上がり、1978年春からの放送がパラマウント・テレビジョン・サービスによって告知される。ところが、同年より『スター・ウォーズ』の大ヒットを契機としたSF映画ブームが生じたため、改めて映画へ企画が再変更され、1979年12月、映画第1作『スター・トレック』として公開されるに至った。この映画第1作は莫大な製作費の回収さえ至らなかったものの、パラマウント映画が製作費を抑えつつ続編を企画するには十分で、その後も映画が継続して作られるようになった。

テレビドラマの再開(1979年 - 1991年)

映画第1作が莫大な製作費の回収に至らなかったこともあり、ロッデンベリーは製作総指揮から製作顧問という役職に回され、以降の映画の製作にあまり関れなくなった。1982年6月に公開された映画第2作『カーンの逆襲』では、監督のニコラス・メイヤーによって登場人物が年をとったことを隠さない方針が持ち込まれ、人生、成長、老いが物語に深く関わるようになり、これらの要素は以降の作品群にも受け継がれている。『宇宙大作戦』の映画はその後も好評だったが、フランチャイズの価値を認めるパラマウント映画は、『宇宙大作戦』のキャストに多額の出演料を支払うよりも新しいキャストを起用したほうが利益が大きいと判断し、新しいテレビドラマの製作を企画する。ロッデンベリーは当初は関与を拒否していたが、初期のコンセプトワークに不満があったため、製作総指揮として参加することになった。こうして、1986年10月に新しいテレビドラマである『新スタートレック』の放映が告知され、1987年9月より放映されることとなった。

『新スタートレック』は『宇宙大作戦』の続編ではあるものの、約80年後を舞台に、登場人物を一新した次世代の物語となった。第2シーズンまでは前作から脱し切れていないという評価が多かったが、第3シーズンからは脚本家のマイケル・ピラーらの手腕でイメージを一新、毎話ごとにスポットを当てる登場人物を変えていく形式とし、制服や小道具、船内セットなどのビジュアル的な部分も作り変えられた。こうした努力により、『新スタートレック』は中盤から人気が上昇し、『宇宙大作戦』に匹敵すると言われるほどの人気作品に成長するに至った。

スピンオフ作品の登場(1991年 - 2005年)

1991年10月、かねてより患っていた脳卒中の発作によりロッデンベリーが死去。同年12月に公開された映画第6作『未知の世界』は、作中で長らく敵対していたクリンゴン帝国との和平という、現実の冷戦終結を下敷きにしたストーリーによって高い評価を受けた。本作が『宇宙大作戦』の事実上の完結編となり、続く映画第7作『ジェネレーションズ』からは『新スタートレック』の映画が複数製作された。

一方、テレビドラマの製作総指揮はリック・バーマンらに引き継がれた。『新スタートレック』放送中の1993年1月、バーマンはピラーと共にスピンオフ作品となる『スタートレック:ディープ・スペース・ナイン』を立ち上げ、これにより初めて同時期に2つのシリーズ作品が放送されることとなった。さらに、『新スタートレック』完結後の1995年1月、バーマンはピラー、ジェリ・テイラーと共に『スタートレック:ヴォイジャー』を立ち上げ、これら3作品とも全7シーズンの長期にわたる人気作品となった。しかし、『スタートレック:ヴォイジャー』第4シーズン終盤から第6シーズン序盤にかけて、長年のプロデューサーかつメインライターであったピラー、ロナルド・D・ムーア、テイラーらがフランチャイズから離脱する。

2001年9月、バーマンはブラノン・ブラーガと共に『スタートレック:エンタープライズ』を立ち上げるが、放送開始から視聴率が低迷し、過去の作品で人気を博した異星人を登場させる、第3シーズンをまるごと一つの物語に費やすなどの様々なテコ入れが試されるも成果は上がらなかった。『スタートレック:エンタープライズ』第4シーズンでは製作総指揮からバーマンとブラーガが外され、マニー・コトのみになったことで、過去の作品との整合性を取り、時には無理なく補完が行われるなどエピソードとしての質は改善されていった。これらのコンセプトおよび物語構成の再構築の多くは概ね好意的に受け入れられたが、結局このシーズンで打ち切りが決定し、2005年5月に放送を終了した。これにより、バーマンとブラーガはフランチャイズから完全に退くこととなった。

リブート映画の公開(2009年 - 2016年)

『スタートレック:エンタープライズ』の打ち切り後、フランチャイズのリブートが模索され、2009年5月、『宇宙大作戦』を新たなキャストで描いた映画第11作『スター・トレック』が公開された。これに始まるリブート映画作品群は「ケルヴィン・タイムライン」シリーズと呼ばれ、従来のフランチャイズ作品の歴史(「プライム・タイムライン」)の束縛から離れて、異なる時間軸を描いた。この間、テレビドラマは製作されない状況が続いた。

作品世界の拡大と映像配信への移行(2017年 -)

2014年10月、CBSが映像配信サービスCBS All Access(現・Paramount+)を開始。その目玉作品として、2017年9月、アレックス・カーツマンが製作総指揮を務め、『宇宙大作戦』の10年前(のちには遠い未来)を描く『スタートレック:ディスカバリー』の配信が開始された。これを皮切りに、カーツマンの監督の下でフランチャイズの作品世界は大きく拡大していくことになり、『新スタートレック』の約30年後を描く『スタートレック:ピカード』、『スタートレック:ディスカバリー』と同時期で『宇宙大作戦』に先立つエンタープライズ号の航海を描く『スタートレック:ストレンジ・ニュー・ワールド』、さらにアニメーション作品の『スタートレック:ローワー・デッキ』や"Star Trek: Prodigy"などの作品が製作、配信されている。さらにStar Trek: Starfleet Academyシリーズと、「セクション31」配信映画作品"Star Trek: Section 31"の製作が発表されている。Paramount+のサービスは北米など限定的な地域から始まり、それ以外の地域ではNetflixやAmazon Prime Videoなどで配信された作品もあった。Paramount+においては、映画も含めた過去の全作品が配信されている。

作品が及ぼした影響

『スタートレック』の熱心なファンのことを、トレッキーまたはトレッカーと呼ぶが、アメリカのみならず世界中の宇宙関連事業関係者にもファンが多いと言われる。また、スティーヴン・ホーキングのように、『スタートレック』を自らの講演で引用したり、ゲストとして出演するような著名人もいる。また、映画『ターミナル』に登場した入国審査官のように、現代のアメリカを舞台とした作品では、登場人物がトレッキーという設定になっていることもある。

スペースシャトルのオービター1号機(大気圏内での滑空飛行試験用の機体)は当初は「コンスティテューション」と名付けられる予定だったが、トレッキーによる40万通ほどの投書が行われたことで、当時のジェラルド・R・フォード大統領の権限によって「エンタープライズ」と名付けられることになった。そのロールアウト式典にはロッデンベリーやキャストなどの関係者が招待されている。なお、『宇宙大作戦』の頃から科学考証をアメリカ航空宇宙局(NASA)に求めることがあり、映画のクレジットタイトルなどでNASAの名前が出ることがある。また、小惑星2309番が「ミスター・スポック」(公式には発見者のペットの同名の猫に由来するとされている)、9777番が「エンタープライズ」と命名された。ほか数個の小惑星にも、作品に出演したキャストなどの名前がつけられている。

作品の一覧

関連する企業の統廃合が繰り返されているため、版権や製作体制は何度も変遷している。最初のテレビドラマである『宇宙大作戦』の権利は当初製作したデシル・プロダクションが有していたが、1967年に同社は作品の権利ともどもパラマウント映画に買収された。さらに、1994年にパラマウント映画はバイアコムに買収され、その後、2005年にテレビ事業と映画事業が分社化された結果、CBSが作品の諸権利を全て一元的に管理すると共にテレビ番組の製作を担当し、パラマウント映画は映画作品の製作および映像メディア商品の販売をCBSから請け負うという体制になった。さらに、2019年のバイアコムとCBSの合併により、全ての権利の管理はバイアコムCBS(現・パラマウント・グローバル)が引き継いだ。このため、『宇宙大作戦』以降のテレビ番組のうち、『まんが宇宙大作戦』から『スタートレック:エンタープライズ』まではパラマウント映画、『スタートレック:ディスカバリー』以降はCBSが製作している。

テレビドラマ

『宇宙大作戦』はNBC系列で放送されたが、『新スタートレック』は三大ネットワークやフォックス放送との交渉が頓挫した(ミニシリーズとしての製作しか認められなかった)ため、当時としては異例の番組販売となった。これは成功を収め、続く『スタートレック:ディープ・スペース・ナイン』でも同様の放送形態がとられている。1995年にはパラマウント映画の傘下の放送局UPNが誕生し、『スタートレック:ヴォイジャー』と『スタートレック:エンタープライズ』はUPNで放送された。

『スタートレック:ディスカバリー』以降はCBSの映像配信サービスであるParamount+が配信しており、放送ではなく映像ストリーミングによる配信となっている。

テレビアニメ

以前は実写映像作品のみが公式(正史)と見做されていたため、『まんが宇宙大作戦』は番外編として他の作品と同列に扱われていなかった。しかし、『スタートレック』フランチャイズの版権を管理するCBSは、2007年以降「公式な映像作品」として扱っている。

2020年にはCBS All Access(現・Paramount+)でコメディ作品『スタートレック:ローワー・デッキ』が配信され、第5シーズンの製作も決定している。また、2021年にはParamount+で子供向け作品"Star Trek: Prodigy"が配信され、ニコロデオンで放送もされた。ただし"Star Trek: Prodigy"はParamount+の配信ラインアップから削除され。Netflixなど(フランスではフランス・テレビジョン)に移動することになった。

短編

2018年以降、Paramount+が短編のアンソロジーシリーズである『スタートレック:ショートトレック』を配信している。2018年には『スタートレック:ディスカバリー』に関連した第1シーズンの4話が配信され、2019年から2020年にかけては『スタートレック:ディスカバリー』だけでなく『スタートレック:ピカード』に関連した話やアニメーションを含む第2シーズンの6話が配信された。

2023年から『スタートレック:ベリーショートトレック』が公式サイトとYouTubeで配信している。

映画

公式作品とその他の作品について

2012年以降、フランチャイズの版権を管理するCBSは「公式(英: official)」という表現を用いて、作品を「CBS・パラマウント映画が製作したオフィシャルな作品(テレビドラマ・テレビアニメ・映画など)」「オフィシャルライセンス契約に基づいてサードパーティーが製作した作品(小説・コミック・ゲームなど)」「オフィシャルライセンス契約がなされていないファンメイドの作品(いわゆるファンムービーなど)」の三つに分類し、前の二つについて公式サイトで取り扱っている。

以前は版権元により「正史(英: canon)」といった分類がなされており、異なるメディア間の作品の内容については、実写映像作品のみを公式な設定として扱ってきた。しかし、CBS副社長でフランチャイズのブランド開発担当であるジョン・ヴァン・チッターズと製作プロデューサーであるアレックス・カーツマンらは、『スタートレック:ディスカバリー』以降の作品においては映像作品と小説・コミック・ゲームの扱いを統合しメディアミックスの手法をとる方針を打ち出している。『スタートレック:ディスカバリー』では作品のサイドストーリーがMMORPG『Star Trek Online』で配信され、小説が初出となる設定が登場した。また、『スタートレック:ピカード』でもドラマの前日譚となる、ピカードの引退を説明するコミック『Star Trek: Picard – Countdown』が出版されている。『スタートレック:ピカード』には『Star Trek Online』のオリジナル宇宙船が複数登場する。一方で、『スタートレック:ディスカバリー』以前の非映像作品においては非正史という扱いになっている。

小説・コミック

アメリカでは『スタートレック』の世界を舞台とする小説・コミック等が数多く出版され続けているが、これらは版権元であるCBSにより「オフィシャルライセンス契約に基づいてサードパーティーが製作した作品」に区分される。小説の日本語訳は、『スタートレック:ディープ・スペース・ナイン』と『スタートレック:ヴォイジャー』が角川文庫から、他がハヤカワ文庫から出版されたが、多くが絶版状態となっている。また、テレビドラマや映画のノベライズとは別に、オリジナル小説もいくつか出版された。

コンピュータゲーム

アメリカでは『スタートレック』の世界を舞台とするゲームも数多く販売され、1971年に一般のファンらが作成したシミュレーションマイコンゲームは人気を博し、日本でも1980年代初期まで人気だった。『宇宙大作戦』は北海道や関西地域では度々再放送されるも、関東地方では本放送時、映画第1作日本公開時、1980年代後半と3時期のみで、本作品とゲームの関係性を希薄に感じる者も見られた。

2010年以降からはMMORPGの『Star Trek Online』の配信が開始された。内容は『ネメシス/S.T.X』などの続編となっている。

作品のキャスト

以下ではM(Main)、C(Co-star)、R(Recurring)、G(Guest)と略す。

テレビドラマ

テレビアニメ

映画

日本語吹き替え

『宇宙大作戦』の登場人物については、続編で同じ声優が続投できなかったり、当初日本語版でカットされていたシーンに後から吹き替えを追加したことで声優が変更されるケースが多いため、ここにまとめて記載する。なお、映画は便宜上「映画第○作」で表記した。括弧内は追加収録担当声優。

Collection James Bond 007

作品の年表

作品内において何度もタイムトラベルによる過去改変が行われるため時系列が複数のタイムラインに分岐している。

プライム・タイムライン

テレビドラマ・テレビアニメとその映画が舞台としている宇宙(英: Prime Timeline)。後述の「ケルヴィン・タイムライン」と区別してこう呼ばれている。

ケルヴィン・タイムライン

映画第11作から映画第13作までが舞台とする平行宇宙(英: Kelvin Timeline)。プライム・タイムライン(以下、PT)のネロ達のタイムトラベルの影響で異なる歴史が生じた平行宇宙で、2233年以前の出来事はPTと同一である。

この平行宇宙を指す公式名は当初存在せず、ファンからは「別現実(英: Alternate Reality、映画第11作での台詞に由来)」または「エイブラムスバース(英: Abramsverse、映画第11作の監督である「J・J・エイブラムス」と多元宇宙を意味する「マルチバース」のかばん語)」と呼ばれていたが、2233年に起こったU.S.S.ケルヴィンの破壊がPTとの歴史の分岐点であることから、映画第13作の公開時に「ケルヴィン・タイムライン」という公式名が与えられた。

鏡像宇宙

『宇宙大作戦』第33話「イオン嵐の恐怖」を初出とする平行宇宙(英: Mirror Universe)。プライム・タイムライン(以下、PT)と対になっており、同じ名前の人物や組織が存在しているが、その性格や性質はPTと比べると好戦的で、地球は惑星連邦ではなく侵略的なテラン帝国を形成している。

上記以外のタイムライン

作中においてタイムトラベルにより様々な歴史改変が行われるため上記以外にもタイムラインが存在する(大抵は主人公たちの活躍で無かったことになる)。 例として第二次世界大戦においてエディス・キーラー(作中人物)による反戦運動によりアメリカの参戦が遅れたためナチスドイツが勝利を収めたタイムライン(宇宙大作戦)。24世紀においてクリンゴンが惑星連邦と和解せず敵対しているタイムライン(新スタートレック)、1950年代のアメリカでSF作家ベニー・ラッセルが『ディープ・スペース・ナイン』を執筆しているタイムライン(ディープ・スペース・ナイン)、惑星連邦が成立せず全体主義的な地球連合(Confederation of Earth)が存在するタイムライン(ピカード)など。

『スタートレック:ヴォイジャー』には自己の目的のために歴史改変を行い続けるクレニム人が登場する他、『スタートレック:エンタープライズ』の作中では“時間冷戦”により頻繁にタイムラインの変更が行われる。

作品を超えた歴史改変

作品終了後に、他の作品でその歴史改変の影響が出ることがある。

2063年は、バルカン人との初接触を取った歴史上重要な年とされている。映画第8作において、ボーグは歴史改変により初接触を妨害しようとするが、ピカード達によって阻止された。コクレーンが未来を知った以外は歴史が元に戻ったかに見えたが、『スタートレック:エンタープライズ』第49話「覚醒する恐怖」において、撃墜された一部のボーグは北極に墜落し、そこで活動を停止していたことが明らかとなる。蘇生したボーグには地球の座標をデルタ宇宙域に送信し、2365年に惑星連邦がボーグと初接触する原因となる。

劇中用語

その他の用語は「異星人の一覧」「勢力一覧」「惑星一覧」「宇宙船のクラス一覧」「登場兵器」を参照。

宇宙域
天の川銀河を四つの区画に分けたもの。
宇宙暦
惑星連邦の標準暦。
インパルス・ドライブ
核融合ロケットエンジンのこと。通常エンジンとも。
光子魚雷
反物質弾頭の実弾兵器。
コミュニケーター
携帯通信機兼位置確認用の発信機。24世紀からは同時通訳・吹き替え機能のある宇宙翻訳機(万能翻訳機)を内蔵したコミュニケーター(コム)バッジに変わった。
遮蔽装置
空間を歪曲させて艦艇などを不可視にする装置。
ダイリチウム
宇宙船の燃料である反物質の制御に使用する物質。消耗品。
デフレクター
防御スクリーンの発生装置。
転送装置
物体をいったん分子レベルに分解し、所定の座標で再構成することにより移動させる装置。
トラクタービーム
重力子をビーム状に放射したもの。物の牽引に使用する。
トリコーダー
多目的の携帯分析装置。
ハイポスプレー
スプレー型の無針注射器。
バルカンつかみ
強力な握力で相手を気絶させる格闘技の技の一種。人間には不可能。
フェイザー
ビーム兵器。携帯用武器から対艦用まで様々。
防御スクリーン
敵の攻撃などから防御するための力場。転送も防げる。
ホロデッキ
フォースビーム(重力子ビーム)により実際に触ることができる立体映像を移すことができる装置が設置された部屋。
優生人類
かつての地球において遺伝子工学によって作り出された新人類。旧人類との間で優生戦争を起こしたが自滅。このため作中世界では人間に対する遺伝子操作は禁止されている。
レプリケーター
エネルギーを物質に変換する技術を用いて生成したい物(食品など)の分子を再構成して加工生成する装置の総称。
ワープ航法
亜空間フィールドを使用する超光速航法。ワープ+数字で速度を表わす。
トランスワープ
通常のワープよりも高速で移動できる超光速航法とその技術。ボーグやヴォス人が保有。
惑星クラス
惑星の特徴をアルファベットで分類したもの。地球のような惑星はMクラス惑星。

テーマ曲

アレクサンダー・カレッジ作曲による『宇宙大作戦』のテーマ曲は、後の作品で他の作曲家に担当が変わっても、必ずモチーフとして用いられている。この曲にはロッデンベリーによって歌詞がつけられたが、ボーカルバージョンは実現しなかった。器楽曲としては多くの音楽家にカバーされ、とりわけ日本ではメイナード・ファーガソンによる演奏版が『アメリカ横断ウルトラクイズ』の主題曲などに使われたことから広く知られている。またニュー・サウンズ・イン・ブラス等、吹奏楽への編曲もファーガソン版を基にしたものが多い。

映画はジェリー・ゴールドスミスが音楽を担当し、『宇宙大作戦』のファンファーレやメインモチーフが所々で引用された。カレッジはゴールドスミスと親しく、晩年はゴールドスミスが手掛けた映画音楽のオーケストレイターを務めた。元々『宇宙大作戦』の製作者はゴールドスミスに依頼するつもりであったが、ゴールドスミスは他の仕事が入っていて受けられなかったという。企画書を読んだカレッジは、音楽をゴールドスミスに依頼する予定と記述してあったので、このことをゴールドスミスに伝えると、そう言われてみればロッテンベリーから電話で依頼があったと、思い出したそうである。なお、『新スタートレック』のテーマ曲は、映画第1作のテーマ曲を流用しアレンジしたものであり、『スタートレック:ヴォイジャー』のテーマ曲もゴールドスミスが作曲している。

脚注

注釈

出典

関連項目

スタッフ

  • D・C・フォンタナ - 本作のスタッフ(脚本家)
  • マイケル・オクダ - 本作のスタッフ(技術コンサルタント)

関連作品

  • ギャラクシー・クエスト - 本作のパロディであるSF映画
  • 宇宙探査艦オーヴィル - 本作のパロディであるSFドラマ
  • 500ページの夢の束 - 本作を題材とする映画
  • ビッグバン★セオリー/ギークなボクらの恋愛法則
  • アンドロメダ (テレビドラマ)

関連用語

  • Mary Sue - 本作の二次創作に由来する同人用語
  • チャーリー、転送を頼む - 『宇宙大作戦』から生まれたキャッチフレーズ

外部リンク

公式

  • Star Trek | Official Site (英語)
  • STAR TREK/スター・トレック 公式サイト | パラマウント - 日本版公式サイト

非公式

  • Memory Alpha - WIKIを使ったスタートレック百科辞典 (英語)
  • Memory Alpha 日本語版 - 上記の日本語版

Text submitted to CC-BY-SA license. Source: スタートレック by Wikipedia (Historical)


ghbass