
『HERO』(ヒーロー)は、フジテレビ系で放送された日本のテレビドラマシリーズ。主演は木村拓哉。
第1期は、2001年1月8日から3月19日にかけて「月9」枠で放送された。その後、2006年に特別編が、翌2007年には劇場版がそれぞれ制作され、2014年7月14日から9月22日にかけて続編が連続ドラマとして第1期と同じく「月9」枠にて放送された。翌2015年には劇場版第2作が制作された。
第1期は木村拓哉演じる型破りで正義感の強い検察官と、松たか子演じる生真面目だがどこかとぼけたところのある検察事務官2人のコンビによる捜査活動を、同僚検事たちの巻き起こすコメディを交えて描かれた。平均視聴率は34.3%、最高視聴率は36.8%(関東地区・ビデオリサーチ調べ)を記録し、特に関東地区では全ての放送回で視聴率30%超を記録するなど、「月9」枠としては平成中期の最大のヒット作となった。
2006年7月3日月曜21時 - 23時18分には、終了後5年ぶりに特別編が放送された。ハイビジョン制作。また2007年9月8日の映画版公開にあわせて、同年8月から9月にかけて「チャンネルα」枠で本編の再放送が、同年9月23日日曜21時 - 23時29分にはドラマレジェンドスペシャルにてこの特別編の完全版(編集により映像追加)が放送された。
2014年7月14日から9月22日にかけて「続編」として13年半ぶりに連続ドラマが放送された。放送開始前にフジテレビ社長の亀山千広は「今の20%は3 - 4年前の20%とは全然違う。現在の基準でいえば、15%を常時取ってくれることが、あのとき(01年の第1作放送時)の30%に匹敵する」と話していたが、平均視聴率は21.3%を記録。2014年の民放連続ドラマで1位を記録した。月9で平均視聴率が20%を超えるのは、『CHANGE』以来6年ぶり。このほか、ORICON STYLEによる14年7月期連続ドラマ満足度ランキングで満足度63%を獲得し1位となった。次作『信長協奏曲』以降の月9枠では、視聴率の下降傾向が続く影響もあって、平均視聴率及び最高視聴率20%超えを記録した作品は2021年現在存在しないなど、ヒット作には恵まれていない。
法による検事の捜査権限は警察(刑事など)よりも遥かに大きく、刑事訴追(公判請求)する権限は検察官の専権事項(起訴独占主義)であり、国家権力の執行者といえば警察よりむしろ検察である。また、検事は単独でその権限を行使でき、強大な権力を与えられている。しかし、現実の検事が事件ひとつひとつを警察のようには捜査しない。検事は捜査権を持ってはいるが義務付けられてはいない。検事が捜査する場合は極めて例外的な刑事事件や、政界での汚職、テレビ等で有名な企業、その他の重大事件に限定されており、現実には痴漢や泥棒などでは実地捜査まではせず警察に任せている。
脚本の福田はヤメ検の弁護士に取材した際、検事の仕事は99.9%がデスクワークで、検事自らが事件を捜査することも可能だが外には一歩も出られないと答えられたという。そこで、「実際に捜査権を行使する検事がいたらどうなるんだろう?そしてその検事が出かけてしまったら、その検事がその日に抱えている何十件という案件はどうなるんだろう」とドラマの内容を着想したという。
主人公である久利生検事は刑事さながらの行動派な検事として自ら現場の捜査も行い、その様は法曹界における型破りな検事像である。
第1期の終了直後から続編を求める声が寄せられていたが、木村拓哉自身が主演作の続編を敬遠したとも言われており、実現していなかった。また、韓国、台湾、香港、シンガポールなどアジア各国からリメーク権獲得依頼が殺到したが、制作側は「主人公の久利生検事役は木村拓哉以外にはあり得ない」として断り続けてきたといい、半ば伝説化していたが、2006年7月3日に単発ドラマとして5年ぶりに復活した。
特別編は、久利生検事が本編で転勤した石垣島から北海道を経て、山口県の海沿いの企業城下町・虹ヶ浦にある山口地検虹ヶ浦支部に赴任し、そこで起こった殺人事件を担当することを主軸に描かれている。主なロケは山口県下関市豊北町の角島を中心に行われた(一部山口県萩市や千葉県南房総市などで収録されたシーンもあった)。
なお、虹ヶ浦は架空の都市であり、実際の山口県の状況と異なる設定もいくつか見られる。劇中に出てきた“あごま”(異臭を放ついしがき鯛の肝漬けの燻製)も架空のものであり、ラスト近くで久利生が東京に戻る際に駅から列車に乗るシーンで国鉄急行色のキハ58系・キハ65系が登場するが、両形式とも既に山口県では走行しておらず、当時JR四国で国鉄急行色として走行していた(現在は引退済)キハ58 293・キハ65 34が登場している。(尚、久利生役である木村拓哉はキハ65の方に乗っている)
出演陣は久利生検事以外のほぼ全員が特別編だけのオリジナルキャストであり、本編のレギュラーメンバー達はほんの数分しか登場していない。また、レギュラー時代の主題歌である「Can You Keep A Secret?」も劇中では使用されず(映画版でも使用されていない)、服部隆之が担当した同じフジテレビドラマ「将太の寿司」の音楽をバックにしたエンドロールであった。
なお、特別編のラストで、久利生が古巣の東京地検城西支部へ戻ったという設定は、放送当時から何らかの形での続編の存在を窺わせるものであり、実際に映画版の前触れとなっていると共に、特別編のストーリーが映画版での伏線の一つとなっている。
2007年9月23日に映画版公開にあわせてドラマレジェンドスペシャルにて完全版(編集により映像追加)が放送された。
2009年11月28日に土曜プレミアムでの再放送では、冒頭に「St.George's Tavern」のシーンが追加撮影されて放送された(視聴率は18.8%)。
2015年8月1日にも土曜プレミアムで映画大ヒット御礼記念として、新撮部分を入れて放送された。
2014年4月28日付けのニュースリリースで制作が発表された。設定としては前作の「続編」となるが、久利生(木村拓哉)の“相方”となる事務官が麻木千佳(北川景子)に交代となったほか、久利生以外の検事がすべて入れ替わった。一方で、城西支部の部長検事だった牛丸豊(角野卓造)が東京地検の次席検事に“出世”したという設定で登場するほか、事務官の末次(小日向文世)、遠藤(八嶋智人)、警備員(今作から事務官に転職)の井戸(正名僕蔵)、バーのマスター(田中要次)などは前作からの続投となっている。第1期のレギュラーも何人かはゲスト出演している。
2015年7月18日には、映画化第二弾が公開された。第2期のキャストに加え、第1期でヒロインを務めた松たか子が雨宮舞子役で出演。ゲスト出演に佐藤浩市を迎える。
第1期のレギュラーであった雨宮舞子、中村美鈴、芝山貢、江上達夫、末次隆之、遠藤賢司、牛丸豊、鍋島利光も終盤に登場する。
2015年の映画『HERO』にあわせた特別版では、特別編のその後(映画と同時期)が描かれ、村上健太郎と遠藤賢司、さらに田村美由紀(近藤春菜(ハリセンボン))が顔をあわせるシーンが存在する。
2014年8月11日未明(10日深夜)から第2期のスピンオフドラマとして、警備員・小杉啓太を主人公にしたショートドラマ『HORE』がフジテレビにて放送。全4回。
木村拓哉が着用していたA BATHING APEのダウンジャケットが大ブレイクし、プレミアが付くほどの人気アイテムとなった。これ以来、木村拓哉がドラマで着用する洋服は常に注目されるようになった。久利生検事がハマる通販グッズにも注目が集まった。
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