『ぶらり途中下車の旅』(ぶらりとちゅうげしゃのたび)は、日本テレビで1992年10月3日から放送されている紀行・鉄道旅行番組。
週替わりで毎回芸能人が旅人となり、公共交通機関を利用して旅をし、途中下車して、気ままな散策をする。主に関東地方を旅しており、関東の鉄道路線はほぼすべて取り上げている。頻度は少ないが路線バスや船を利用することもある(後述)。
とくに旅人として広く知られ、かつて番組の顔となっていたのは阿藤快と車だん吉の両名。阿藤の出演回数は61回(初回出演、1994年3月26日放送回「都電荒川線」から 2011年8月20日放送回「中央本線」まで) だった。阿藤は他の番組でも「ぶらり旅中」などとして登場したり、後述にもある通り『ヤッターマン』でも阿藤の名前が登場したり自ら「職業旅人」と謳う など番組を超えた展開を見せている部分があった。一方で車は番組内で前出の阿藤からも「ミスターぶらり旅」と呼称され、阿藤とともに黎明期から中盤にかけて番組を支えた。車は『車だん吉ぶらり旅』 という、番組を離れて自分で京成線をぶらり旅する本も出している。この本の中で「番組ではやることが決まっているので、本当のぶらり旅はできない」と明かしている。このように、実際には真に「ぶらり」「アポなし」というわけではなく、綿密なリサーチと構成によって番組づくりがなされている。しかし、2011年に初代ナレーターの滝口順平が亡くなって以降は車・阿藤とも出演が無くなっている(阿藤は2015年に逝去)。
以降は阿藤や車と同時期から番組で活躍し、両者に次いで旅人として知られる存在だった太川陽介が番組の顔を引き継いだ。太川陽介は1993年8月7日放送回「都営新宿線」にて初出演。2019年12月21日放送回「師走の京都2時間SP2019」において旅人出演回数100回という記録を打ち立て、史上最多出演を誇っている。このほか舞の海秀平やなぎら健壱など長らく番組出演を続けている旅人もいるが、たいていは5年 - 6年程度で旅人の顔ぶれが様変わりする。
かつての旅人はほとんどが男性で占められていた。女性旅人は開始初年度や2000年など少数であったが、2011年以降はかとうかず子といった10年以上出演している者がいる。特にナレーターが藤村俊二に交代以降は出演が多くなる。なかでも小島奈津子が出演回数35回と女性旅人では最多出演となっている(初回出演 2014年5月31日放送回「JR京浜東北線」から 2024年5月4日放送回「東京メトロ千代田線」まで)。
通常は途中下車した駅周辺で最低1箇所「あれ?」などのリアクションをした後どこかに立ち寄るが、稀なケースとして途中下車はしたが駅周辺のどこにも立ち寄らずに次の駅に行ってしまったケースもあった。また、回によっては取り上げられた路線以外の他線区から行ったほうが近い場所 や、他線区に関連した施設が登場することもある。
初代ナレーターは滝口順平。
番組開始当初から字幕放送を行っている(地上波の一部局、BS日テレ、旅チャンネルを除く)。
2006年4月から終了時刻が30分拡大し、10:30までの放送になった。同時に4:3標準画質から(一時期ハイビジョン画面で放送したこともあった)ハイビジョン(レターボックス方式)、ステレオ放送となった。
2014年4月5日からは『ウェークアップ!ぷらす』(読売テレビ製作)の直後に放送されている5分間のミニ番組を廃止し、本番組の放送時間を9:25開始へ変更。
2015年10月放送分から副音声で視覚障害者向けの解説放送を開始した。
2020年4月25日から6月13日までは、新型コロナウイルス感染拡大と緊急事態宣言によるロケ中止の影響で、これまでに出演した旅人が週替わりで出演し、放送日に出演した旅人が過去の放送分(放送日に出演していない旅人も含む)のベストセレクション「傑作選 この味! この技! 間違いないでしょ!」が放送された。傑作選に出演した旅人は、2020年4月25日は太川陽介、2020年5月2日は舞の海秀平、2020年5月9日は田山涼成、2020年5月16日は小島奈津子、2020年5月23日はなぎら健壱、2020年5月30日は林家たい平、2020年6月6日は木下ほうか、2020年6月13日は金子昇である。
2020年6月20日の五日市線・青梅線・中央線(旅人は田山涼成)から新作の放送を再開し、当面の間は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、飲食する時以外は旅人やカメラマン・スタッフ等を含めマスクを着用する。
毎年10月第3土曜日には『箱根駅伝予選会』を放送する関係で、2013年以降は地上波での放送が休止となる。
日本国外では、ハワイのテレビ局であるKIKU-TV(en:KIKU)でも放送されている。KIKU-TVでのタイトルは『Next Stop Discovery 』。過去にはCS★日テレ、SKY PerfecTV!110の○○九ちゃん&サイエンス(現在:日テレプラス)にて放送されていたこともあった。
2021年10月以降からは舞台の出演者が、2022年4月以降からは土曜ドラマ、2023年10月以降からは日曜ドラマの出演者が宣伝を兼ねて、本作品に出演するようになる。
2022年4月2日から、オープニング→提供クレジット→CM→本編という構成に変更された。
2022年10月で放送開始から30周年を迎えた。
2012年5月26日に放送1000回記念として初の2時間スペシャルが放送され、それ以降も定期的に2時間スペシャルが放送されている。2時間スペシャルにおいては、レギュラーの旅人が2名 - 3名登場する (うち1名は女性旅人になることが多い)。まず1人目の旅人が単独で旅を開始し、途中で2人目の旅人が合流してしばらく2人で行動したあと別れ、今度は2人目の旅人の単独旅となる。旅人が3人の場合、さらに3人目の旅人にリレーされ、3人目の旅人の単独旅で番組が終了する。また、ごく稀にではあるが、ナレーション担当の俳優が顔出し出演することもある。
現在、毎年年末に『京都・(大阪)2時間スペシャル』が放送されている。その他には、春に『房総2時間スペシャル』(2017年、2022年のみ30周年を記念して冬)、秋に『初秋の京都2時間スペシャル』(2012年のみ)、及び『北海道2時間スペシャル』(2013年・2014年・2017年)が放送された年があった。そして、放送開始30周年である2022年は、年末に2週連続で2時間スペシャルが放送された。なお、2時間スペシャルは、通常時非ネットの日本テレビ系列局において、単発番組として放送されることがある。その場合、1年前から3年前に制作された2時間スペシャルが放送されるケースもある。また、『北海道2時間スペシャル』はいずれもロケ地の地元局である札幌テレビで放送された。
2011年9月3日放送分は、8月29日に亡くなった番組ナレーター滝口順平を偲ぶ特別編が放送された。『特別編!さようなら滝口順平さん』と題して第1回の江ノ島電鉄(旅人は真行寺君枝)をはじめとする歴代名場面を振り返り、番組終盤で常連旅人である阿藤快、舞の海、太川陽介が滝口へメッセージを贈った。オープニング・エンディングの映像は生前最後にナレーションを務めた東急田園都市線を使用した。この回では増岡弘(2020年3月死去)がナレーションを務めたが、随所で滝口の生前に収録したナレーションを二次使用していた。なお、この回については通常のぶらり旅とは異なるため、番組公式サイト内の 「ライぶらり」 には記録されていない。
2015年3月22日放送分は、国立新美術館で開催されていた『ルーヴル美術館展』とのコラボレーションによる特別編で、「千代田線&ルーヴル美術館展の旅」を放送した。まず、旅人として田山涼成と石井正則が登場し、番組前半は2人で千代田線のぶらり旅をしながら国立新美術館へ向かった。そして美術館入館後に「案内人」として山田五郎が登場し、番組後半は彼の解説で絵画を鑑賞するという流れであった。この回は土曜日のレギュラー放送とは別個の扱いになっており、日曜日の 15:20 - 16:20という時間帯に放送された。(日本テレビのみ)また放送当時、番組公式サイトにはまったく情報が掲載されず、「ライぶらり」 にも記録されていない。
2022年10月15日放送分は、レギュラー放送枠は『★SAPPOROスポーツスペシャル 第99回箱根駅伝予選会』を放送(9:25 - 11:25)のため休止だが、前日(10月14日)に日本に鉄道が開業してから150年を迎えたことから、10月15日16:00 - 17:00に『鉄道開業150年!ぶらり途中下車の旅・特別編 東北新幹線の旅』を放送(日本テレビと札幌テレビのみ)。旅人は塚田僚一と村上佳菜子。JR東日本の一社提供。なお、前回10月8日放送分において、エンディングの次回予告は10月22日放送分が予告され、特別編については番組途中のスポットCMで予告された。また、インターネットの無料配信においては10月8日放送分が2週間配信され、特別編は別個に1週間配信されるという措置がとられた。無料配信において、2回の放送分が同時に見られる状態は極めて異例と思われる。
2013年以降、毎年10月中旬・下旬に当該時間帯で「箱根駅伝予選会」の中継がある日は一週休止となる。
2008年6月14日放送分(東京メトロ有楽町線、旅人は阿藤快)は通常どおり放送されたものの同日に発生した岩手・宮城内陸地震の報道特番のため途中で打ち切られた。翌週は当初の予定放送分がそのまま放送され、打ち切られた6月14日放送分は翌週の6月22日4:25から改めて放送された。(日本テレビのみ)この番組内では通常の放送と比較して以下に記述することが異なった。
2008年8月23日放送分は、北京オリンピック中継の関係で2年半ぶりに30分番組として制作された(路線はニューシャトル、旅人は笹野高史)。
2011年3月12日放送分は、前日の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の報道番組の影響で放送休止となり、同年3月19日の放送に延期された(当初の放送予定は東急大井町線、旅人は榎木孝明)。
2016年4月16日放送分は、同日未明に発生した平成28年熊本地震本震の報道特番の影響で放送休止となり、同年4月23日の放送に延期された(当初の放送予定は東京メトロ南北線、旅人は石井正則)。
30分番組時代の1995年頃に短期間だが再放送が行われたことがある。時間帯は平日10:30 - 11:00 であった。
1時間番組昇格後、初の2時間スペシャルである2012年5月26日放送「1000回記念2時間SP」が12月29日5:00 - 6:50に再放送されている。その後、2013年4月15日から6月11日まで『ドラばらっ!』(月曜 - 木曜15:58 - 16:53)において、月曜日・火曜日に『ぶらり途中下車の旅傑作選』が放送されることになった。金曜日も含めた同時間帯にテレビ朝日で放送している『劇的空間・相棒セレクション』(再放送)の好調を受け、その対抗策として放送していた。当初は定着するまで放送するとしていたが、いったん終了した。その後、10月2日より『ドラばらっ!』放送の全曜日(月曜 - 木曜)に拡大し、『特選!ぶらり途中下車の旅』と改題の上、再放送が再開された。ところが2014年1月より、『news every.』を枠拡大し15:50開始とすることが決まり、当番組の再放送は2013年12月19日をもって終了した。なお、『ドラばらっ!』における再放送では、放送時間及びCM量の関係で番組本編が短縮版となっており、本放送と同一の内容ではなかった。
日本テレビでは土曜9:30 - 10:00の30分間の放送だった。また約半年に1回、1時間スペシャルが放送された(2005年12月24日に1時間スペシャルが放送された後、次の2006年1月7日にも1時間スペシャルが放送された(番販扱い))。
(※定期放送終了・再開を頻繁に繰り返している局について、この項目で詳述する。)
最新回配信は日本テレビの放送日基準
※2017年10月 - 2018年3月までの再使用曲一覧
ほぼすべての路線を紹介。訪れたことのない路線(区間)はJR東日本(上野東京ライン(東京 - 上野)・相鉄線直通列車(武蔵小杉 - 羽沢横浜国大)・成田線(成田 - 成田空港)・鶴見線(浜川崎 - 扇町、安善 - 大川、浅野 - 海芝浦) ・水戸線・烏山線・上越線(渋川 - 宮内) ・信越本線(高崎 - 横川))、東武鉄道(宇都宮線)、西武鉄道(豊島線・多摩川線)、京王電鉄(競馬場線・動物園線)、京成電鉄(千葉線(京成千葉 - 千葉中央)・千原線・東成田線)、芝山鉄道線、上毛電気鉄道上毛線、関東鉄道(常総線(取手 - 石下))、東急電鉄(こどもの国線・東急新横浜線)、山万ユーカリが丘線、相鉄新横浜線。
2023年現在、JRグループではJR四国、大手私鉄では名古屋鉄道、阪神電気鉄道、南海電気鉄道、西日本鉄道の路線は登場していない。
(あいうえお順)
(あいうえお順)
番組開始当初から滝口が出演していたが、2011年7月30日放送分の東京メトロ半蔵門線・東急田園都市線(旅人はかとうかず子)が最後の出演となった。ちなみに男性の旅人ではその前週の7月23日放送分におけるJR函館本線(旅人は田山涼成)が最後となった。2011年8月29日に胃癌のため死去した。2011年9月3日は滝口の追悼企画を放送。
本作は取り上げる路線の関係から事実上関東ローカルであるが、滝口の特徴的なナレーションが他番組に波及したことにより全国放送でのパロディが多い。滝口の独特の語り口はものまね芸人のネタとしても使われ、ときおりパロディの対象となる(コージー冨田、松村邦洋、タモリ、林家たい平、福山雅治などがよくやる。ぷっすまでは上川隆也や寺脇康文(寺脇は本家に旅人として出演経験あり)も真似をした)。
日テレプラス&サイエンス(現在:日テレプラス)では、関連番組として長崎地方を回った『ぶらり長崎途中下車の旅』を放送したことがあった(ナレーターはキートン山田)。さらに2006年11月には山陰地方を回る『ぶらり山陰途中下車の旅』を放送。2007年秋には第3弾として『ぶらり富山途中下車の旅』を放送している。
ニンテンドー3DS向けには姉妹番組として、「いつの間にテレビ」内で『ぶらり特選 鉄ビュー3D』が配信されていた。滝口、藤村のナレーションもわずかながら使用されていた。また、2012年4月10日より新シリーズ『ぶらり特選 船ビュー3D』も配信された。なぎら健壱らが出演(ナレーターもなぎらが担当)。
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