十八代目 中村 勘三郎(なかむら かんざぶろう、1955年〈昭和30年〉5月30日 - 2012年〈平成24年〉12月5日)は、歌舞伎役者、俳優。本名は
子役時代から46年間名乗った前名である五代目
所属事務所はファーンウッド。
歌舞伎役者としては江戸の世話物から上方狂言、時代物、新歌舞伎から新作など、幅広いジャンルの役柄に挑み続けたことで知られた。コクーン歌舞伎や平成中村座を立ち上げ、渡辺えりや野田秀樹、串田和美などといった現代劇の劇作家、演出家らと組んで、古典歌舞伎の新解釈版や新作歌舞伎の上演に取り組んだり、地方巡業や海外公演も精力的に行うなど、その演劇活動は常に進取的であった。
また現代劇にも積極的に出演し、特に長姉・波乃久里子や藤山直美・柄本明らと組んで出演した『浅草パラダイス』は長期にわたる人気演目となった。2006年(平成18年)には同じ顔合わせで『ヨイショ!の神様』にも出演している。
父は十七代目中村勘三郎、父方の祖父は三代目中村歌六、母方の祖父は六代目尾上菊五郎で、長男は六代目中村勘九郎、次男は二代目中村七之助。母方の伯父に七代目尾上梅幸と二代目尾上九朗右衛門、叔父には六代目清元延寿太夫・二代目大川橋蔵がいる。妻・好江は七代目中村芝翫の次女で、日本舞踊中村流の二代目中村梅彌は義姉、九代目中村福助、八代目中村芝翫は義弟にあたる。また、次姉・千代枝の夫は二代目澤村藤十郎で義兄にあたる。さらに、七代目尾上菊五郎と七代目清元延寿太夫と丹羽貞仁は母方の従兄弟。ほか、部屋子に生前「三人目の倅」と可愛がっていたという二代目中村鶴松がいる。
また同世代の歌舞伎役者とも交流が広く、自著でも名前を挙げ、特に懇意にしている役者としては十代目坂東三津五郎、坂東彌十郎らがおり、コクーン歌舞伎や平成中村座公演など自身の公演の脇役としても数多く起用するなど、その信頼は厚かった。
しかし2012年(平成24年)、後述のとおり食道癌を発端として徐々に体調を崩していき、同年12月5日に急性呼吸窮迫症候群のため死去した。
2013年(平成25年)4月には新生・歌舞伎座こけら落としを控えていた歌舞伎界に在って、その牽引役の一人と目されていた十八世勘三郎の死去は梨園に留まらず、各界各方面から「大きな損失」と惜しまれた。
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