松山 弘平(まつやま こうへい、1990年3月1日 - )は、中央競馬・栗東トレーニングセンターに所属する騎手。
兵庫県神戸市出身。小学4年生の頃に競馬好きだった父と祖父に地元の阪神競馬場に連れて行ってもらったのがきっかけで競馬に興味を持つようになる。阪神競馬場内にある乗馬センターで乗馬を学び、2006年4月にJRA競馬学校騎手課程第25期生として入学。
2009年2月に競馬学校を卒業し騎手免許を取得する。同期には小野寺祐太、国分恭介、国分優作、丸山元気がいる。卒業供覧模擬レースではグランプリペガサスに騎乗し勝利した。目標とする騎手は福永祐一と池添謙一。奇しくも、所属先となった厩舎は池添謙一の父・兼雄の厩舎であった。
2009年3月1日、小倉競馬場第1レースで5番人気トミケンプライマリに騎乗し、19歳の誕生日に初騎乗・初勝利を挙げた。初騎乗・初勝利は内田博幸以来44人目で、競馬学校卒業生では藤岡康太以来8人目。また、第9レースではニューロザリオで2勝目を挙げた。デビュー日の2勝は福永祐一以来13年ぶり史上2人目。
8月2日、小倉記念でアンノルーチェに騎乗したのが重賞初騎乗だった(10着)。8月23日にはマストビートゥルーに騎乗してオープン特別競走の小倉日経オープンに勝利。特別競走初勝利を果たした。同年は計36勝を挙げ、JRA賞最多勝利新人騎手と中央競馬関西放送記者クラブ賞を受賞した。
2010年7月18日にシンガポール、クランジ競馬場で実施された国際見習騎手招待シリーズ・アジアヤングガンズチャレンジ2010に中央競馬代表として、名古屋競馬所属の阪野学とともに出場のため遠征。7月16日第8競走Claas4一般戦で高岡秀行厩舎所属のメイクアリターンに騎乗し、日本国外の競馬で初騎乗(12頭立て7着)。アジアヤングガンズチャレンジでは全3戦で9着、7着、5着で10人中総合9位だった。
8月11日、園田競馬場で条件クラスの交流競走に騎乗するとともに、「修行のため」として岩田康誠を介して当日の平場競走3鞍に騎乗した。関東では松岡正海らJRAの若手騎手が南関東で何度もエキストラ騎乗をしているが、園田競馬場では元兵庫県競馬所属の小牧、岩田、赤木をのぞくと初めて。
2011年1月17日高知競馬場で行われた第25回全日本新人王争覇戦に出場し、第1戦で6着、第2戦で2着となり総合3位(10人中)。
2012年3月4日、改装された中京競馬場での最初の重賞となった第48回中日新聞杯をスマートギアで勝利し、重賞初制覇となった。また、同年にはデビュー年から乗り続けていたドリームバレンチノで函館スプリントステークスを制し、さらに同馬に騎乗したスプリンターズステークスで3着に入った。 最終的に、2012年はデビューからの3年間の勝利数に迫る74勝を挙げ、関西リーディング7位(全国リーディング13位)に入り第6回中央競馬騎手年間ホープ賞に選出されるなど、松山にとって躍進の年となった。
2015年、JBCスプリントをコーリンベリーで制し、GI (JpnI)初勝利。
2017年4月16日、第77回皐月賞を単勝9番人気のアルアインで制し、38回目の挑戦にして念願の中央GI初勝利を飾る。平成生まれ初のGIジョッキーとなった。
2020年4月12日、第80回桜花賞では単勝2番人気デアリングタクトに騎乗し、レースは雨中のぬかるんだ重たい馬場にもかかわらず直線大外一気の末脚で逃げるレシステンシアを捕らえて1着、自身2つ目のGI勝利を挙げた。 続く2冠目の第81回優駿牝馬では単勝1.6倍の1番人気に推され、直線進路がことごとく塞がれるといった厳しい流れを一瞬の末脚で差し切り1着、牝馬クラシック二冠を制した。10月18日、三冠目の第25回秋華賞は単勝1.4倍の1番人気に推され、道中中団待機から直線向いて外に持ち出しあっさり抜け出す競馬でJRA史上初となる無敗での牝馬三冠制覇を成し遂げた。また、この秋華賞勝利で99勝目を挙げた次の第12レースでも勝利し、三冠達成の直後に自身初となるJRA年間100勝を達成した。
2021年3月21日、中京競馬場で11鞍に騎乗して6勝を挙げ、前日20日の阪神競馬場での5勝を合わせて、土日開催で11勝を挙げた。この記録は武豊が2005年9月24・25日にマークした12勝(7勝・5勝)に次ぐ土日開催での勝利数単独2位であった。
2021年9月19日、中京競馬場第6Rでギブミーラブに騎乗してJRA通算10000回騎乗を達成した。デビューから「12年6ヶ月19日」、年齢は「31歳6ヶ月19日」での達成となり、ともに三浦皇成の記録を更新して史上最速および最年少となった。
2022年12月4日、中京競馬場第9Rでコレペティトールで制して中央競馬史上41人目、現役22人目となるJRA通算1000勝を達成した。
2023年11月3日、大井競馬場で行われた第13回JBCレディスクラシック・交流G1でアイコンテーラーに武豊の負傷による代打騎乗し、1番人気に応えて勝利。これによりJBCのG1を3競走完全制覇した。2023年はJRA113勝を挙げ厩舎関係者表彰で、自身初となる優秀騎手賞&フェアプレー賞を受賞。JRA賞でもMVJを受賞した。
2024年1月7日、京都2Rでファストフライトに騎乗し、史上35人目、現役20人目のJRA通算1万2000回騎乗を達成した。デビューから「14年10カ月7日」、年齢「33歳10カ月7日」での達成は、北村宏の「15年11カ月10日」「34歳6カ月23日」をともに更新する史上最速および最年少での到達となった。
太字はGI・JpnI競走
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