『劇場版 超・仮面ライダー電王&ディケイド NEOジェネレーションズ 鬼ヶ島の戦艦』(げきじょうばん ちょう かめんライダーでんおうアンドディケイド ネオジェネレーションズ おにがしまのせんかん)は、2009年5月1日より東映系で公開された、特撮テレビドラマシリーズ「平成仮面ライダーシリーズ」の『仮面ライダー電王』の劇場版作品。
キャッチコピーは「行くぜ、鬼退治!! 超・電王シリーズ新発進! 約束への旅立ち。」。
2007年にテレビシリーズが放送され、以降も様々なメディアミックスを繰り広げた『仮面ライダー電王』は、2008年10月に公開された『劇場版 さらば仮面ライダー電王 ファイナル・カウントダウン』で一端の終結を迎えたが、「超・電王シリーズ」として新たな展開が始まり、本作品はその第1弾に当たる。東映の公称においては「仮面ライダー作品である『仮面ライダー電王』を元にした、さらなる新シリーズ作品」というくくりである。加えて本作品は「平成仮面ライダー10th 春の陣」という位置づけでもある。
本作品は同時期に放送された『仮面ライダーディケイド』の主要人物も登場。光写真館の面々が「電王の世界」を訪れるテレビシリーズの第14・15話は、本作品の前日譚となっており、以下の出来事がリンクしている。
『電王』の登場人物は『ディケイド』の各並行世界とは違い、テレビシリーズと同じキャラクターが登場する。設定および役者の都合上、良太郎は佐藤健ではないが、代わりに『劇場版 仮面ライダー電王 俺、誕生!』で幼少期を演じた溝口琢矢がキャスティングされているため、従来のシリーズ作品としての主要キャストの変更はない。
『ディケイド』のクロスオーバー要素も兼ねて、一部作品の仮面ライダーや怪人、その他の登場人物たちも登場。
従来の劇場版と同様に、劇場版限定ライダーや初登場のフォーム、本作品で初となる放送終了後の作品における主役ライダーの最強フォームの強化形態が登場する。
昔、日本のある島に鬼の兄弟がいて、人々に襲い掛かった。人間たちは立ち向かったが、負けてばかりだった。鬼たちには、「オニの切り札」と呼ばれる不思議な石があったからだった。あるところ、村の娘が「オニの切り札」を二つに分けて、鬼たちを見事に退治したのだった。
そして月日が流れ、1980年代のとある時代の田舎にユウという東京から来た少年がいた。母を失って東京から田舎に住む祖母の元へ来たが、田舎の暮らしに馴染めず、同世代のクライメイトに馬鹿にされていじめを受けていた。
いつか東京に帰りたいと願っていた彼は不気味な連中に襲われていたところを、イマジンのデネブと「時の列車」デンライナーに乗る野上良太郎とその仲間たちに助けてもらう。彼らの話によれば、自分を襲った連中は、大昔に退治されるはずのオニの一族で、大地震の影響で、過去と未来が繋がり、鬼たちはそれを利用して、「自分たちが退治されない歴史」と変えようとしていた。その影響でデネブの契約者である桜井侑斗は消滅し、良太郎と契約しているイマジンたちもはぐれてしまったという。さらに母から貰ったお守りが鬼たちが探す「オニの切り札」の片方をだとわかったユウは、自分も鬼退治に行くと言って、デンライナーに乗る。
本作品は『電王』、『キバ』、『ディケイド』の三作品のキャラクターたちが登場しているが、あくまで『電王』が主役で、『キバ』と『ディケイド』のキャラクターの出番は少ない。
本来の歴史では室町時代に退治されたはずの鬼の一味で、本作品における敵組織。
大地震で過去と現在が一時的に時間の穴によって繋がったことを利用し、「自分たちが退治されていない歴史」に改変しようと企む。デネブによると、変身能力も時間の歪みの影響らしい。
敵側サイドのゴルドラとシルバラは、時間の歪みの影響で変身能力を手に入れたオニ一族が変身する仮面ライダーだが、媒体によって仮面ライダーとして扱っているものとそうでないものがある。
本作品に初登場する電王の最強形態。モモタロスたちにジークを加えた5体のイマジンのオーラを一挙にフリーエネルギーに変換して変身するクライマックスフォームの強化形態。ウイングフォームからクライマックスフォームに変身する際、ジークが憑依を解除しなかったことで誕生した。
クライマックスフォームの背部にウイングフォームの電仮面のように羽根を拡げた白鳥をイメージした翼が、両目の間のOシグナルにウイングフォームを表す白いWのアイコンがそれぞれ追加されている。ジークの意識が表面化する際には電仮面のある背中を向けて話し出す。
クライマックスフォームにウイングフォームの機動力が追加され、背面の電仮面から巨大なフリーエネルギーの翼を出現させることで飛行能力を新たに獲得した。これにより、全フォームで唯一空中戦が可能。なお、ただでさえ窮屈なクライマックスフォームであるにもかかわらず、5体ものイマジンが憑依しているためクライマックスフォーム以上の窮屈さとなってしまい、ウラタロスはキンタロスに対して「押さないで」と騒いでおり、モモタロスもジークの「苦しゅうない」の言葉に「苦しいんだよ!」とキレている。
劇中では武器を使用せず、モモタロスが主導権の影響か、チンピラのようなパンチとキックで戦っていたが、ゲームや一部の作品では、デンガッシャー ソードモードで使用している。
デネブのオーラをフリーエネルギーに変換して変身するNEW電王の特殊形態。電仮面はゼロノス ベガフォーム同様ドリルから星型状に変形するが、展開後の形状はゼロノスとは異なり、ゴーグル状の目の奥にゼロノス ベガフォームと同様の複眼、スタースキャンアイがうっすらと見える。
モモタロスたちがディケイドや、ディエンドが召喚した仮面ライダーたちに憑依した光景を見て、我慢できなくなったデネブが強引に憑依することでオーラアーマーが発生し、両肩にはゼロノスと同じ金色のレール、背中にカラス天狗のようなパール地のマント、両腕にはデネブの特徴が現れ、胸部にゼロノス ベガフォームと同様の顔(飾り)が装着され変身が完了する。
スペックはゼロノス ベガフォームと同様だが、戦闘スタイルはゼロノスのときとは異なり、デンガッシャー ナギナタモードによる槍術を用いる。また、ストライクフォームとは異なり、幸太郎よりもデネブの意志が強く発揮される。
クチヒコが黄金の錫杖を掲げることで変身した姿。全身の色は金色で、複眼は黒。高度な戦闘能力を誇り、電王たちを圧倒する。
黄金の錫杖から放つ金色のエネルギー波や、錫杖を地面に打ち付けて放つ鉄のツブテ、連続回し蹴りで標的を攻撃する。また、自らとシルバラ、鬼の戦艦のエネルギーを合わせて巨大なエネルギー光球を放つことも可能。
錫杖は伸縮自在で、劇中ではこれを活かして鬼の戦艦に乗り込んだ。
ミミヒコが純銀の金棒を掲げることで変身した姿。全身の色は銀色で、複眼は緑。
NEW電王をも凌ぐパワーを誇り、純銀の金棒を振り回し標的を粉砕する戦法を得意とする。地面に金棒を叩きつけることでエネルギー光球やエネルギー波を放つことも可能。
2009年4月14日にNHK教育で、シルバラ役のスーツアクターである伊藤教人に焦点を当てたドキュメンタリ番組『あしたをつかめ 平成若者仕事図鑑「身体(からだ)で勝負だ!〜アクション俳優〜』が放映され、当映画撮影風景も放映された。
藤沢真行作画によりテレまんがヒーローズ 2009年春号に掲載、スーパーヒーローズ3巻に収録。
2019年8月3日から同年9月2日まで東映特撮YouTube Officialにて、夏休み特別企画として1か月限定で無料公開された。
平成仮面ライダーシリーズの春公開の劇場版のディレクターズカット版の発売は本作品のみである。
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