新白島駅(しんはくしまえき)は、広島県広島市中区西白島町にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)・広島高速交通の駅である。
2015年(平成27年)3月14日 に、JR西日本の山陽本線と、広島高速交通の広島新交通1号線(アストラムライン)が交わる場所に開設された駅で、両路線の乗換駅となっている。山陽本線の駅は快速「シティライナー」を除く山陽本線・可部線の全列車が停車する。駅番号はJRのみ制定されており、山陽本線がJR-R02、可部線がJR-B02。
建設費用はJR側が約20億円、アストラムライン側が約32億円、連絡通路・周辺整備が約13億円となっている。JR西日本は新駅をつくる際、地元がほぼ全額負担するのが慣例だが、当駅はJRが総事業費20億円中約2億円を負担している。
広島市は需要予測を1日に、JR西日本が約2万人、アストラムラインが約1万人、両駅の相互利用を約8千人としている。
なお、JR側の認可書類での住所は山陽本線の線路がある広島市中区白島北町1、アストラムライン側では駅舎予定地である場所の住所は広島市中区西白島町5となっていて町の境界線を跨っている状態だったが、2014年10月10日の駅名決定発表では共に西白島町の住所が与えられており町境を跨っている状態は解消された。JR西日本が広島市中区に駅を設けるのは初めてである。
JRとアストラムラインの交点に駅を作る計画は、アストラムラインの建設前に路線や駅位置を検討する新交通システム技術委員会でも議論されたが、多くの問題が挙がり最終的に見送られ、1994年(平成6年)8月20日のアストラムライン開業時から乗り換え駅がない状態が続いていた。しかし建設希望の意見も根強く、2003年(平成15年)11月に、JR西日本、広島高速交通、国土交通省中国地方整備局、国土交通省中国運輸局および広島市の5者による「JR白島新駅設置検討協議会」が設置され、検討が再開された。その後、2009年時点では国土交通省も事業に前向きであったが、財務省の理解が得られておらず、結局は未着工のままで続いていたが、後に建設が決まり2013年(平成25年)1月8日に着工に至った。
着工への転機は、2010年(平成22年)2月に広島市が白島新駅の新設の方針を発表、2012年(平成24年)度中の認可、2014年(平成26年)春の開業を目指すとしたことに始まる。
2012年(平成24年)3月8日にはJR西日本が国土交通省中国運輸局に対し、新駅設置に伴う鉄道事業法に基づく事業基本計画の変更認可申請を行い、同年3月29日にその認可が下りている。後に諸事情により開業予定は2015年(平成27年)春へと延期された。2014年12月19日にJR西日本は開業日を2015年3月14日と発表し、同日、広島市と広島高速交通もアストラムラインの新白島駅の開業日をJRと同じ2015年3月14日と発表した。
JR西日本は、駅設置認可資料では「白島駅」(はくしまえき)を届け出上の駅名としており、整備主体となる広島市では「白島新駅」(はくしましんえき)の仮称を用いていたが、2014年10月10日にJR西日本・広島高速交通の連名で正式名称「新白島駅」が発表された。
JR山陽本線とアストラムラインの交差する位置にJRの駅が、その南側にアストラムラインの駅が位置する。地形上の関係(後述)からアストラムラインの駅は交差位置からおよそ120m(両駅のホーム間の距離)離れており、それを駅間68.7mの連絡通路でつなぐ。
山陽本線の南側にアストラムラインと平行する国道54号の歩道と駅とを繋ぐ歩道橋が設けられ、これが東西間の連絡通路となる。連絡通路のJR南口駅舎近くには公衆トイレが設置され、JR側南口にタクシー、自家用車の乗降場が設けられる。広島市営駐輪場が連絡通路の東西、JR北口駅舎の北に設置され、その内でJR南口駅舎に近い東側の駐輪場が構内最大規模となる。
建設工事の入札不調のため、駅開業時点では連絡通路の屋根の建設が遅れており、広島市は2015年夏頃の完成を見込んでいたが、長らく骨組みのままの状態が続いた。工期が2015年11月13日まで延長された後の10月13日には建設用資材がアストラムライン軌道上に落下する事故も起こった。
JR側は構造上は地上駅に分類されるが、この近辺の山陽本線は盛土上を走っており、ホーム等は地上よりも高い位置にあるため広義の高架駅(盛土駅)にも該当する。北口駅舎は地上階に駅舎、ホームは上の階にあるという2階建てとなっており、南口駅舎は山陽本線に沿って駅舎とホームがある1階建て となっている。
有効長165m(8両編成対応)の相対式2面2線のホームが設けられている。ホームには6両分の旅客上屋が設けられる。敷地の関係から両ホームは約100mずらした位置に設置されているほか、改札内でホーム間の行き来はできない。南口駅舎と北口駅舎間の行き来は既設の国道歩道トンネルを使うことになる。
ICOCA利用可能駅。広島シティネットワークに属し、JRの特定都区市内制度における「広島市内」エリア()の駅である。
JR西日本中国交通サービスによる業務委託駅。南口駅舎にはみどりの券売機プラスが設置され、セブンイレブンキヨスクがある。
アストラムライン側は島式1面2線のホームを有する半地下駅(掘割駅)。この場所は、路線建設時に駅建設には至らなかったものの、駅設置を見越して予め水平を確保してあった場所である。その先は城北駅に向かって更に地下に下る坂になっている。この水平部分の反対側の上り坂は山陽本線交点部を超えて高架駅である白島駅直前まで続いている。駅舎は地上にあり、プラットフォームは天井が地上構造物天井までの吹き抜けになっている。PASPY対応。定期券発売駅。
既存の駅では7色のステーションカラーが順番に振り分けられたが、当駅開業後は一部を除いてステーションカラーの使用が取りやめられるか、便宜上既存の駅で使用されていない白色で表記されるようになった。新白島開業後のステーションカラーに関する取り扱いについては広島高速交通から公式に明言されていない。
以下の情報は、広島市統計書に基づいたデータである。JRでは「1日平均乗車人員」を、アストラムラインでは「1年毎乗車総数」と「1年毎降車総数」の情報を公開している。アストラムの1日平均乗車人員データは、年度毎の乗車総数を365(開業年度の2014年度は実営業日数の18、閏年は366)で割った値を小数点2位を丸めて小数点1位の値にした物である。アストラムラインのデータは1,000で丸めて提供されているので、1年毎ではプラスマイナス500の誤差があり、1日当たりでは1.4人程度の誤差が発生する。
城北通り(広島県道84号東海田広島線)の北側、国道54号(祇園新道)沿いに位置する。
西隣に県営長寿園高層南アパート2号館があり、北アパート南側も最寄り駅になる(南アパート1号館は城北駅が最寄り、北アパート北側は白島駅が最寄りになる)。また、駅周辺は低層・高層の住宅が建ち並ぶ。
駅東側から白島電停(広島電鉄白島線・当駅からは約600m離れている)にかけての一帯は白島商店会のエリアに当たる。
アストラムライン駅舎付近に「新白島駅」停留所が駅開業と同時に新設され、祇園新道を経由する路線を運行する広島交通(深川線(30号線・33号線)・桐陽台線(72号線)・勝木線(73号線))・広島電鉄(広電バス)(12号線)・広島バス(30号線(高陽線))・中国ジェイアールバス(雲芸南線(30号線・33号線))が同日から乗り入れ、一部の高速バスが停車する。
停車する路線は以下の通り。
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