![仁川広域市 仁川広域市](/modules/owlapps_apps/img/errorimg.png)
仁川広域市(インチョンこういきし、朝: 인천광역시、英: Incheon Metropolitan City)は、大韓民国西北部の市(京畿道地方)。黄海に面した韓国を代表する港湾都市の一つである。沖合には仁川国際空港がある。
人口は約300万人で、広域市に指定されている。ソウル、釜山に次いで韓国で3番目の人口を誇るが、ソウル市の衛星都市的な性格が強いため、韓国第三の都市は仁川ではなく大邱とされることが多い。
仁川都心部には富平、九月洞、月尾島などの繁華街がある。郊外の埋立地は韓国最大の経済自由区域である仁川経済自由区域に指定されており、松島新都市、青羅国際都市などの建設が進められている。
首都ソウルから西に40キロに位置する港湾都市であり、内陸にあるソウルの外港として発展した。貿易港として栄え、韓国で唯一の中華街(仁川チャイナタウン)がある。中国とのつながりは強く、天津、大連、青島、煙台などの都市とフェリーで結ばれている。1883年に港が開かれたときには人口はわずか4700人あまりで、その当時は済物浦(チェムルポ・さいもっぽ)と呼ばれていた。
ソウルとは首都圏電鉄の各路線で結ばれており、共通の運賃で利用することが出来る。このため、ソウルへの通勤通学客は非常に多く、1つの経済圏を形成している。ソウルのベッドタウンとしての性格が強いため、一般的には「第3の都市」と認識されていない。これは日本の横浜市の状況と類似している。かつては京畿道に属していたが、1981年7月に広域市となった。日本の政令指定都市に近い制度である。ソウル都市圏の拡大に合わせ人口は増加を続け、1979年に人口100万人、1992年に200万人、1999年に250万人を突破した。現在は約300万人で安定している。近代都市としての顔を持つ一方、江華郡など広大な農村部も含み、市の面積の21%は水田であり、44%は森林である。
2001年に仁川国際空港が開港したことで韓国の空の玄関口となり日本の成田市と同じ位置づけになった。仁川国際空港が属する中区と成田市は1998年に友好都市の提携をしている。
2002年の日韓ワールドカップに合わせ建設が進められた仁川国際空港は自由貿易地域に指定されており、もう一つの自由貿易地域である釜山・鎮海自由貿易地域とともに金融・経済のハブとなるべく外資誘致を積極的に行っている。延寿区の松島新都市には韓国版シリコンバレーと呼ばれる情報産業団地も造成中である。
松島新都市に建設予定だった仁川タワーは、151階建て、高さ587メートルとして計画され、完成すれば韓国で最も高い超高層ビルになるはずだったが、2008年の着工直後に、世界金融危機をきっかけとした不動産景気悪化の影響で事実上の建設凍結となった。4兆7千億ウォンが必要な立体複合都市「ルウォンシティ」が計画されたが、これも同様の理由で中止された 。
2014年には、仁川アジア大会が開催されたが、仁川広域市は莫大な負債を抱えている中で、韓国政府の反対を押し切って誘致したものの、直前まで「開催を返上する」と韓国政府と揉めた経緯がある。
プロ野球チームのSSGランダース、プロサッカークラブの仁川ユナイテッドFC、プロバスケットボールチームの仁川電子ランドエレファンツ、プロバレーボールチームの大韓航空ジャンボスなどのプロスポーツチームの本拠地となっている。
先史時代から人が住み、仁川を始め永宗島・江華島で新石器時代及び青銅器時代の遺跡が発掘されている。 特に江華島の三郎城と塹城壇は古朝鮮とかかわる遺跡である。百済の始祖伝説によれば、仁川は沸流が建国した彌鄒忽の都だった。仁川はもともと百済に属したが、5世紀以降は高句麗や統一新羅の領土となり、買召忽と呼ばれていた。
統一新羅の景徳王の時に名称が変更されて仁川は邵城県、富平は長堤郡、江華島は海口郡、甕津郡は鵠島と呼ばれた。高麗時代、仁川は王室と深い関係を結び、慶源郡・仁州・慶源府に昇格した。江華島は940年に県が設置された後、1232年にはモンゴル帝国の侵略に抵抗するため開京の都を移したところである。李氏朝鮮時代、慶源府は1392年に仁州、ついで1413年に仁川郡と改称されて仁川という名前が初めて登場した。海岸の湊は済物浦と呼ばれる。
近代開国期に仁川は丙寅の役・辛未洋擾などで外国艦隊と交戦し、日朝修好条規によって1883年開港したため西欧の文物が仁川港を通じて流入した。1882年には済物浦沖の米軍艦上で米朝修好通商条約が調印された。条約港として発展し、日本統治時代に仁川府(当時の読み方、じんせんふ)が設置され、1949年に仁川府は仁川市と改称した。 1950年9月、国際連合軍は仁川上陸作戦を敢行し、朝鮮戦争の戦局を挽回した。
2022年8月31日に仁川市が発表した9区2郡への行政区画再編推進案によると、中区と東区を「済物浦区」と「永宗区」に再編し、西区の京仁アラベッキル以北の地域を「黔丹区」として分区する計画があり、2024年1月に国会での「仁川市済物浦区・永宗区および黔丹区設置等に関する法律」の通過により、2026年7月1日に実施する予定である。また、南洞区を分区する計画もある。
仁川広域市には8区が設けられているほか、2郡が含まれている。読みと各種表記は大韓民国の地方行政区画を参照。
2012年の時点で、典型的な箱物行政と月尾銀河レールのような安全性の問題により開業の目処が経たない公共事業など杜撰な開発が祟り、市の予算に対する負債比率は39.8%にまで達し市の財政は完全に破綻し大きな社会問題となっており、市の抱える負債は韓国の自治体では最悪の水準にあった。
2011年現在、市内には151島があり、有人島が39島、無人島が112島である。北方限界線に近い旧黄海道の「西海五島」(白翎島、大青島、小青島、延坪島、隅島)も含まれる。島部の面積は292km3と市域の28%を占める。
最高気温極値は38.9℃(1949年8月16日)、最低気温極値は-21.0℃(1931年1月11日)、過去最深積雪43.8cm(1922年3月23日)である。
2012年に国際連合傘下の気候変動枠組条約国際機関である緑の気候基金(GCF)本部が仁川の松島国際都市に設置され、仁川は韓国で初めて国連所属の国際機関本部を持つ都市となった。
4年制国立大学
4年制私立大学
私立専門大学
キャンパス
仁川 グローバルキャンパス
私立技能専門大学
国立遠隔大学
大学病院
(仁川国際空港)
圏域応急医療センターは、重症救急患者中心の診療、大型災害などの発生時応急医療支援、特定地域内の他の医療機関から移送される重症救急医療患者の収容、その外に保健福祉部長官が指定している圏域内の救急医療業務を遂行させるために、圏域ごとに指定された上級総合病院、または300病床以上の病院であり、全国29の圏域、40か所が指定されている。
このほか、中国の大連、丹東、青島、山東省、烟台、桃園、哈爾濱、ベネズエラのチャカオ市、ブラジルのリオグランデ・ド・スル州、フィリピンのアルバイ州、日本の横浜、ロシアのクロンシュタットと友好協力都市提携している。
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