奈良競輪場(ならけいりんじょう)は、奈良県奈良市にある競輪場。施設所有および主催は奈良県で、正式名称は奈良県営競輪場(ならけんえいけいりんじょう)。競技実施はJKA中日本地区本部近畿支部。実況は滝口久が担当。
本項では廃止された奈良競馬場(ならけいばじょう)についても記述する。
奈良競輪場は1950年に開設され、過去には奈良市も主催していた。1984年からの2月には記念競輪 (GIII) として「春日賞争覇戦」が行われている(2011年は時期移動で9月に開催)。なお2006年2月は初の特別競輪である第5回西王座戦(GII)を行なったため、記念競輪は実施せず「春日賞」は2日目のシード優秀競走として行なわれた。他にも、2010年10月には共同通信社杯秋本番が行われた。
2004年7月からA級ツイントーナメントで前半戦「イーストステージ」・後半戦「ウエストステージ」を実施していたが、2005年12月16日をもって終了している。
トータリゼータシステムは日本トーターを採用している。
2016年7月6日からミッドナイト競輪が開催されている(施設所有者である奈良県のほかに、和歌山県が施設・バンクを借り上げて実施することもある)。また、2020年1月25日よりナイター競輪を実施している。
入場料は無料だが、特別観覧席(飛天交流館)への立ち入りは有料(1000円)である。
2009年8月4日より重勝式投票「チャリロト」の発売が開始され、2012年12月10日からの開催よりキャリーオーバーを共有する『グループC』としての発売となり、玉野競輪場・高松競輪場・高知競輪場・広島競輪場と共有している。なおキャリーオーバーの対象外であるチャリロト3は奈良単独で発売される。
2017年9月28日より場内に「チャリロトプラザ」がオープンし、会員登録により重勝式の購入が現地でも可能となった。
1周333mを使用している。「コーナー上にゴールがある」と言われる程極端にゴール前の直線が短いバンクで、スピードを維持しやすく又出しやすいので圧倒的に先行・捲り選手有利。後方に置かれると手も足も出なくなるので、展開の移り変わりが激しい。
バンク全体を観客席で囲まれており、建物の合間から風が入り込み渦巻く事がある。長年一般席のみであったが一部を改造し、バックストレッチ側(ゴールとは反対側)に特別観覧席が設置された。
2019年2月、奈良県が県所有の施設について耐震性を調査したところ、この奈良競輪場では耐震性を示す構造耐震指標(Is値)が、いずれも1965年完成である中央スタンドで0.03、東サイドスタンドでも0.16と低く、震度6強以上の地震で倒壊する危険性が指摘されたことから、現在は具体的な耐震化対策が出されるまで、中央スタンドと東サイドスタンドはともに3階部分は立入禁止としている。また同様に車券購入窓口・払戻も限定しており、それらの業務はほぼ機械化されている。
バンク、スタンドに大型モニターは設置されていないが、メインスタンド1階にホールがあり、ここに大型モニターが備えられているほか、ステージでは時折イベントが行われる(奈良支部所属新人選手の紹介や、三谷竜生のダービー優勝報告会など)。
2コーナーと4コーナーの両方に同じ着順表示板が設置されている。
堅く収まる(低配当)レースが多いが波乱時の額も大きく、競輪の三連単史上最高額配当金である4,760,700円(2006年9月21日の第10競走)が出たバンクでもある。
敷地内から北東隣接地にかけて、かつて奈良競馬場があった。
奈良県馬匹畜産組合によって地方競馬として運営され、当初は1929年に生駒郡都跡村(現在の奈良市尼ヶ辻あたり)にて開設されたが、規模が小さかったため、1939年に現在地に移転した。元の尼ヶ辻競馬場(通称)は積水化学の工場のところであったらしい。1950年に休止となり、1954年に廃止された。
阪神競馬場内回りコースに似たおむすび型のコースで、地方競馬としては最大クラスの一周1600m、秋篠川沿いにホームストレッチがあり、平城駅駅前付近は3コーナーであったと考えられる。スタンドは元の京都競馬場の木造スタンドを移築したものであった。現在の道路形状に当時のコースの名残が残されており、航空写真でも一目でわかるため、文化財関係機関に年に数回は遺跡ではないかといった問い合わせがあるという。
廃止後は奈良県吉野町の津風呂ダム水没地の代替地として供与された。
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