『THE IDOLM@STER Dearly Stars』(アイドルマスター ディアリースターズ)は、バンダイナムコゲームスが2009年9月17日に発売したニンテンドーDS用アドベンチャーゲーム(公称「トップアイドルアドベンチャー」)。キャッチコピーは、『きらめく舞台(ステージ)に私も立ちたい!』『きっとなれる!トップアイドルアドベンチャー』。公式の略称は『アイマスDS』。
2009年5月28日にゲーム雑誌『ファミ通』の特報で発表され、翌29日に開催されたイベント「THE IDOLM@STER 4th ANNIVERSARY PARTY SPECIAL DREAM TOUR'S!! IN TOKYO」にて、『PROJECT IM@S 2ndVision』の第一作目として開発中であることが発表された。
本作は新たなる芸能事務所『876プロダクション』が舞台となる。それに伴い主人公アイドルも全く新しいキャラクターに変更されている。初めて主人公キャラクターに男性が登場しているのもこれまでと異なる。従来のシリーズとは違い、プロデューサーの視点ではなく、主人公である3人のアイドルの視点で物語が展開する。765プロダクションのアイドルも具体的なランクこそ明かされないが、既に人気アイドルとしての地位を確立しているという設定で登場する。本作のストーリーでは『SP』における961プロ関連の設定は存在せず、我那覇響・四条貴音も完全に765プロ所属アイドルとして登場する。一方、Xbox 360版からつながっていると言える描写が存在している。作中では石川社長・律子・美希の台詞にそれをうかがわせるものがある。また、『電撃「マ)王』2009年8月号の長谷川明子インタビューにも同様の発言がある。高木順一朗、音無小鳥などの765プロ社員は名前含め一切登場しない。
本作のオリジナルキャラクターのデザインは田宮清高が担当している。
現在の所、続編等の発表は無いが公式アフターストーリーが漫画企画の単行本3巻限定版に付属したドラマCDで描かれている。また、本作とは世界観が異なるが、テレビアニメ『THE IDOLM@STER』第10話に876プロの3人が本作同様の「後輩」的立場でゲスト出演し、エンディングテーマを一緒に歌っている。その後も台詞はないが第18話、最終話のEDで姿を見せている。
本作は従来のシリーズではなかった販促展開がいくつか行われている。少女漫画雑誌『なかよし』や児童向け雑誌『テレビマガジン』で紹介記事が組まれたほか、バンダイナムコゲームス自らも『Side-BN』で「女の子にもオススメの注目ゲーム」として本作をプッシュしている。店頭販促物やテレビCMも従来シリーズらしからぬライト向けであり、テレビCMはシリーズ初のゴールデンタイム帯の全国放映となった。これらの点も新規ユーザーを考慮したものであるとする見方が存在する。
一方で本作『DS』はCEROレーティングを「B(12歳以上対象)」とした『SP』よりも高い「C(15歳以上対象)」であり、女児ユーザーにも訴求したプロモーションとレーティングに差異が生じている。実際のゲーム内容も「プレイアイドルによって女児向けや高年齢向けが混在している」等の評が存在する事から、これら販促とレーティングの差異は従来層と新規層の両方に配慮した為の結果ではないかとも指摘される。もっともCEROレーティングは「Z(18歳以上のみ対象)」以外、全年齢が遊ぶ上での法的規制は存在しないため、本作を女児ユーザーがプレイする上の法的問題は特にない。
掲載誌は前記の『ファミ通』『なかよし』『テレビマガジン』の他、元来アイマスをプッシュしている電撃系ゲーム雑誌も発表から大々的特集を組むなど一貫して扱いを続けている。更に任天堂ハード専門誌の『ニンテンドードリーム』も見開きの記事だけでなく、同誌のバンダイナムコゲームスのファンページで「アイマスを知らない任天堂ユーザー向け」という扱いでアーケード版から『SP』までのシリーズを全て紹介。発売月の号には田中文啓(ブンケイP)の発売記念コメントも掲載している。
また本作のタイトル「Dearly Stars」や関連CD「DREAM SYMPHONY」の略称が全て「DS」であること、楽曲「"HELLO!!"」の歌詞に「Touch」などの表現があること、登場アイドルのイメージカラー(スプラッシュレッド、イノセントブルー、ノイエグリーン)が2009年3月20日発売のニンテンドーDSi「春の新色(ピンク、メタリックブルー、ライムグリーン)」と近似色且つプロモーションビデオでもそれらを訴求していたことから、これまでになくニンテンドーDSという「対応プラットフォーム」を強く押し出したアイマスをアピールしている。新規、特に女の子ユーザーも対象の新作、かつ『ProjectIM@S 2ndVision』の第一作目として、従来の765プロアイドルシリーズと異なる位置付けとしての販促展開が行われている。
本作はニンテンドーDSi(及びニンテンドーDSi LL、ニンテンドー3DS、ニンテンドー3DS LL、ニンテンドー2DS、Newニンテンドー3DS、Newニンテンドー3DS LL)の対応ソフトである。説明書にも記載があるが、本作の商品型番も従来のDSソフトの「NTR-P~」ではなく、「TWL-P-VIMJ」である。ニンテンドーDSi(DSi LL、3DS、3DS LL、2DS、New 3DS、New 3DS LL、New 2DS LLでも可)で本作をプレイすると利用可能な機能は次の通り。
なおニンテンドーDSiは従来のニンテンドーDSより性能面が向上しているが、本作ではグラフィック等が向上する効果はない。
本作は据え置き及び携帯ゲーム機で発売のシリーズで唯一、ダウンロードコンテンツを実施していない。
衣装、アクセサリーなどのアイテムは全てゲーム内に収録されており、ストーリーモードを進めたり、ニンテンドーDSi及びニンテンドーDSi LLのDSiカメラ(ニンテンドー3DS及びニンテンドー3DS LL、ニンテンドー2DS、Newニンテンドー3DS、Newニンテンドー3DS LL、Newニンテンドー2DS LLの場合には、3DSカメラ)でQRコードを読み取ったりすることで、コンプリート可能にしている。
基本システムは『SP』までを踏襲しているが、以下の点で変更が加わっている。
本作では、アイドルランクはストーリーの進行上オーディションをクリアすれば一定値ずつ上昇する仕様となっている。また、他のシリーズにてイメージレベルの段階として用いられていた「○○アイドル」といった名称は、アイドルランクの段階としても扱われており、イメージレベルの名称も従来作品と同じ扱いで残っている。ランクにおける個別の名称区分は以下の通り。
なお765プロのアイドルが現在どのランクにいるのかは明かされていないが、三浦あずさに限り現在のアイドルランクがBであることが暗に示唆されている。
ニンテンドーDSのスペックを感じさせない高い完成度となっており、本来はDSより性能が勝る『SP』より凝っている箇所も多い。本作のステージモードは細かいエディット機能が搭載されていることから「ダンスエディット」とも呼ばれる。『L4U!』に存在したコール入力のスコアをニンテンドーWi-Fiコネクションでのランキングで競うことも可能。
876プロに所属することになった新人アイドル3人を中心として物語が展開していくことになる。765プロ所属アイドルも先輩の立場として主人公3人と関わっていくことになる。
ニコニコ動画の公式チャンネル「たるき亭」で本作の関連番組『ディアリーステーション』が2009年7月11日から8月31日まで配信された。全4回+特別編1回。
司会進行は、本ゲームの出演声優である、日高愛役の戸松遥、水谷絵理役の花澤香菜、秋月涼役の三瓶由布子の3人が務めた。特別編である第2.5回のみ、天海春香役の中村繪里子とPROJECT IM@Sプロデューサーの坂上陽三が司会を担当した。
バンダイナムコゲームスのブログサービスoffy(後のバナフェスコミュニティ)に開設された、水谷絵理のブログを模したプロモ。2009年8月13日から12月14日まで更新され、その後彼女の誕生日記念として2010年3月5日にも更新がされた。
収録曲は全10曲。オリジナル曲(新曲)は4曲で、あとの6曲は過去の作品からの楽曲が使われている。
初めてゲームで使用された曲は太字で表記する。
エンターブレイン発刊の攻略本。本作の唯一の攻略本である。“絵理”が“絵里”となっているなどの誤表記がある。
『月刊ComicREX』(一迅社発行)2009年9月号(2009年8月8日発売)より2011年3月号(2011年1月27日発売)まで、以下の3作品が同時連載開始された。単行本は、第1巻は2010年7月9日、第2巻は2011年2月26日に、第3巻は2011年7月27日に3作品同時発売された。
基本的にゲーム本編のシナリオを踏襲しているが若干のアレンジが加えられている。序盤の3人が対決するオーディションで3作共に涼が合格を勝ち取っていることから、同じ世界で進行していることがうかがえる。 各単行本にはおまけエピソード1話ずつ描き下ろされている。
第3巻の特別版に収録されたドラマCD(公式アフターストーリー)にて、ゲーム版ではボイスがなかった日高舞・尾崎玲子・サイネリア・桜井夢子・武田蒼一・石川実に声優が新たに設定された。
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