『犬夜叉』(いぬやしゃ)は、高橋留美子による漫画『犬夜叉』のアニメ化作品群。
本作品は、2000年から『犬夜叉』というタイトルで、2009年から『犬夜叉 完結編』というタイトルで、テレビアニメ化されている。以降、前者を「無印」、後者を「完結編」と呼ぶ。
原作単行本第1巻から第36巻までをベースとし、読売テレビを制作局として日本テレビ系列にて2000年10月16日から2004年9月13日まで4年間放送された。放送時間は毎週月曜19:00 - 19:30(JST)。全167話。改変時期の特番放送のため、前番組『金田一少年の事件簿』終了(2000年9月11日)から一カ月以上空いてスタートしている。また、テレビ宮崎(フジテレビ系列・日本テレビ系列およびテレビ朝日系列トリプルネット局)でも劇場版のみ放送されたことがある。また、一時期のみ琉球放送(TBS系列)でも月曜 16:25 - 16:55に遅れネットされていたことがある。
これまで『うる星やつら』、『めぞん一刻』、『らんま1/2』など高橋留美子原作のアニメ作品の製作を担当していたキティ・フィルムがアニメ事業から撤退したため、今作はサンライズ(現・バンダイナムコフィルムワークス)が担当することとなった。
出演声優が前作『らんま1/2』においてレギュラー、脇役、チョイ役などで出演していた声優陣が数多く出演しており、前作の主人公、早乙女乱馬を演じた山口勝平は、原作者である高橋留美子の希望により、今作でも引き続き主人公の犬夜叉を演じることとなった。また、『らんま』でヒロインの天道あかねを演じた日髙のり子も、ヒロインのひとりである桔梗を演じている。
アニメ化にあたっては、放送コードに触れる残虐な描写を変更するなどの処置が取られた。首から上のない落ち武者の死体があるシーンや顔がもぎ取られるシーンなどは直接映らないようにシルエット処理で済ませた他、やむを得ず放送コードに触れるシーンを登場させる際にはフォローのセリフを入れるなどの処置が取られた。放送コードに触れる描写が多い桃源郷(桃果人)の話にいたっては映像化が後回しにされ、珊瑚の登場がこの話よりも先になった。また、女性キャラクターの乳首が映る描写などは削除された。
日本国外では、アメリカ・カナダでは高橋原作アニメとしては初めて全国規模で放送された。本来は暴力的な内容に分類されるが、残虐行為を受けるのがモンスターであるため、スリラーであるとして放送コードをクリアしている。ただ、部分的に放送できない所は各国で独自に修正されている。このほか、南米、アジア、中東、東欧諸国での放送が確認されている。
ほとんどのアニメ作品がセル画からデジタル彩色へ交替していく真っ只中に制作された作品ということもあり、本作の制作方式もオープニングは第3期より、エンディングは第4期より、そして本編は第99話(2003年2月3日放送)より、随時デジタルに移行している。本作はその移行が他のアニメと比べて特に遅く、殆どの作品が2002年までにデジタル化しており、本作以降にセル画を使用したアニメは『アストロボーイ・鉄腕アトム』(2003年 - 2004年放送)と『サザエさん』(2013年に移行)のみという状況だった。
番組本編前に流されるアイキャッチ(クロスプログラム)ではタイトルの前に「戦国御伽草子」という枕詞のようなものが付けられていた。エンディングクレジットの後に、2000年10月から2002年12月まで、「犬夜叉のツボ」と題した毎週1人ずつ(2人の時もあった)キャラクターを紹介するミニコーナーが行われていた。さらに、2003年1月から最終回まで、井戸の枠の中のキャラクター(モザイク付き)当てがその後にあった。
アニメが原作に追い付き、オリジナルストーリーによる継続の限界により、原作単行本第36巻の第8話を最終回として放送終了。続きは4年後に原作が完結したのち「犬夜叉 完結編」にて描かれることになる。総話数167話は放送終了当時はサンライズ製作の単一タイトルでは首位だったが、2007年7月に『ケロロ軍曹』に首位の座を明け渡した。
キャッチコピーは「ふたりなら、戦える。ふたりなら、守れる。」。2002・2003年に「東京アニメアワード」の優秀作品賞に選ばれている。また、2004・2005年に、米国のコミック・マンガ業界情報のICV2により、商品賞(Property of the year)に選ばれた。これは、TVシリーズと3本の映画のDVD販売好調が理由であった。
本作の主題歌はいずれも起用時点でエイベックスグループ所属のアーティストが担当している。これは後番組の『ブラック・ジャック』も同じであり、劇場版や『完結篇』でも踏襲されている。
完結編前後から無印作品をネット配信する際、下記のように分類するようになった
日テレプラスでも第○期の表記はないものの上記の編分けを踏襲している。
※ 話数が多いため、伸縮型のメニューとして掲載する。
「バンダイチャンネル」・「Hulu」・「Amazon Prime Video」・「Netflix」にて配信されている。
V6による第1話 - 第34話のオープニング音楽及び第147話 - 第165話のエンディング音楽、タッキー&翼による124話の挿入歌及び第128話 - 第153話のオープニング音楽は、ジャニーズ事務所の規制により放送当時のものとは異なっている。
無印のDVDは2001年5月30日 - 2005年7月27日にavex modeから発売され無印(全9巻)、2章(全10巻)、3章(全10巻)、4章(全5巻)、『特別篇 殺生丸を愛した女』、『特別篇 弐 めぐり逢う前の運命恋歌』、5章(全8巻)、6章(全10巻)、7章(全3巻)と区別されている。
無印のBlu-rayは2021年12月24日に第1期「出会い編」、2022年2月25日に第2期「成長編」、同年3月25日に第3期「七人隊編」、5月27日に第4期「激闘編」とネット配信の際の編分けで本編を16:9上下カットコンバート・HDデジタルリマスター化し新規描き下ろしイラストBOX仕様でavex picturesから発売される。各巻毎に特典DISCと主題歌を省いたオリジナルサウンドトラックCDが付属している。本編DISCのボーナスコンテンツとして各DISCの期間毎の、ノンテロップのOP・ED映像が収録される。 特典DISCには各巻毎のデジタルリマスター化前の本編映像が収録される。OP・EDの画角はメイン・特典問わず本編は特典DISCのみ4:3画角で収録している。 なお本放送に於いて2話を纏めて1時間スペシャルで放送したエピソードを通常通りの1話毎に分割したDVD・ネット配信版に対して本Blu-ray BOXでは本放送時の1時間スペシャル尺での収録となっている。
原作単行本第37巻から最終第56巻までをベースとした『犬夜叉 完結編』(UK:Inuyasha The Final Act)が、2009年10月より読売テレビを制作局として、一部の日本テレビ系列局で放送された。ハイビジョン制作。全26話。
約35巻分をオリジナルストーリーも加えつつ167話で描いた前期に対し、今期は約20巻分を26話で描く。そのため、残巻の半数を占める魍魎丸との戦いがわずか6話に簡略化されたことに伴って多数のエピソードが省略されたという理由からも、白童子、神楽、赤子、桔梗、鋼牙、神無といった『無印』のレギュラー陣が、倒されて死亡あるいは戦線離脱などによって序盤から退場していく。
次回予告については読売テレビ以外の他局では放送せず、読売テレビ公式サイトにて同じ内容のものが最新話放送後から1週間限定で配信されていた。また、『無印』では提供クレジットのナレーションは犬夜叉役の山口勝平だったが、今期では異なっている。
キャッチコピーは「半妖の犬夜叉と巫女の生まれ変わりのかごめが「四魂の玉」をめぐって仲間たちと共に宿敵・奈落と戦う、恋と冒険の戦国お伽草子!」。
『犬夜叉 時代を越える想い』(いぬやしゃ ときをこえるおもい)は、2001年(平成13年)12月15日より公開された。
キャッチコピーは「ふたりの想いが新たな軌跡を呼ぶ」。
読売テレビプロデューサー・諏訪道彦は本作のテーマを時代樹と位置付け、強い想いは時代を超えて伝わると言うメッセージを伝えたいと発言している。
『犬夜叉』の映画化企画はテレビ放送の企画と同時進行され、内容や公開時期は初回視聴率次第で検討されていた。しかし蓋を開けてみると東京で17.9%、関西で19.8%と好調であった事から一気に映画化の企画が始動した。
2000年11月時点で映画会社へのアプローチを始め、脚本を担当した隅沢克之は諏訪から「御神木で映画版の話を作れないか」と打診されたのが最初で、2000年年末頃に正式に依頼され、植田益郎とシナリオの打ち合わせをしている。翌2001年1月には監督の篠原俊哉やキャラクターデザインの本橋秀之等の主要スタッフは岩田幹宏との会議の末に決定しており、夏前にはキャラクターデザインが完成した。
原作者・高橋留美子は映画化に際し諏訪に「少年冒険者の王道部分だけは大切にして欲しい」と、篠原に「なるべくシンプルに」とそれぞれ要望している。篠原も余り複雑な物語より王道で分かり易くストレートな話の方が良いとの思想から、シナリオ第一稿は犬夜叉の父と御神木が中心で、現代と過去が複雑に交錯するタイムパラドックス物であったが、少々複雑過ぎる嫌いから修正した上で、本作の骨子が形成される。この時点では親子の因縁話の要素が大きく、犬夜叉の父親話に固執していた篠原は高橋から「その要素はばっさりと無くしても良いのでは」と助言され「あぁ、そうか、そうすればすっきりして、分かり易くなるなぁ」と納得出来、犬夜叉とかごめの関係に重点を置けたと発言している。そして瑪瑙丸が「親殺しの儀式」を行うアイデアの段階で犬夜叉との対比が完成する。それまでのプロットでは瑪瑙丸を復活した飛妖蛾が取り込む案も浮上したが、それでは瑪瑙丸が悲劇の貴公子みたいになるので没となった。そうした対立の構図が第三稿の段階で固定化された。
四魂の玉の欠片を探して旅する犬夜叉一行の前に妖怪・瑪瑙丸が現れる。彼の父親はかつて妖怪の大軍団を率いて日本に攻め込んで来た妖怪・飛妖蛾(ひょうが)で、犬夜叉の父親に自分の父親を殺されたことを恨んでやって来たのだった。こうして犬夜叉と瑪瑙丸達の戦いが始まる。しかし、真の目的は別にあり…。
『犬夜叉 鏡の中の夢幻城』(いぬやしゃ かがみのなかのむげんじょう)は、2002年(平成14年)12月21日より公開された。
キャッチコピーは「宿敵・奈落との最終決戦! そして恐るべき“かぐや姫伝説”の扉が開く。」。
ついに宿敵・奈落を倒した犬夜叉。その直後から満月が何日も続き、奈落の分身・神無と神楽を利用して「天空の姫」と名乗る妖怪・神久夜が復活する。彼女はかつて弥勒の祖父によって封印された妖怪で「天女を喰らい、永遠の命を手に入れた」といい、かごめの神通力に目を付けて彼女を鏡の中の夢幻城に連れ去った。
『犬夜叉 天下覇道の剣』(いぬやしゃ てんかはどうのけん)は、2003年(平成15年)12月20日より公開された。
キャッチコピーは「犬夜叉 vs 殺生丸」。
犬夜叉が誕生した日、彼の父は妻を救うため人間の武士・刹那猛丸と死闘を繰り広げ、相討ちとなり果てた。その戦いで使われた妖刀は、刀々斎の手により骨喰いの井戸に放り込まれ処分された。
そして現代、日暮神社で発見されたその刀・叢雲牙の目覚めと共に、犬夜叉・殺生丸の兄弟は戦いへと誘われる。
『犬夜叉 紅蓮の蓬莱島』(いぬやしゃ ぐれんのほうらいじま)は、2004年(平成16年)12月23日より公開。本作のみ『とっとこハム太郎 はむはむぱらだいちゅ! ハム太郎とふしぎのオニの絵本塔』との同時上映であったが、これは劇場版『とっとこハム太郎』シリーズの同時上映だったゴジラシリーズがこの年で一旦終了したため。本シリーズと『とっとこハム太郎』シリーズもこの年の作品が最終作となる。また、犬夜叉シリーズの曲を複数手掛けているDo As Infinityのボーカル・伴都美子がこの作品でゲスト出演している。
キャッチコピーは「すべてに決着(ケリ)をつけてやる!!」。
仲間との旅の途中、犬夜叉は半妖の少女に仲間を助けて欲しいと頼まれる。実は50年前に桔梗とともに行った不老不死の地、蓬莱島で、その少女と会っていたのだ。その少女をきっかけに、犬夜叉たちは四闘神との戦いに巻き込まれていく。
蓬莱島にいる四人組の妖怪。
かつて、人間と妖怪が平和に暮らしていた蓬莱島を襲撃し、そこに住んでいた多くの人々を虐殺、残された半妖の子供たちを支配した。
犬夜叉の父親とも闘ったことがあるらしく、その力は絶大で、現在は力の大半を封じられても尚、犬夜叉を圧倒出来る程。
蓬莱島に住む半妖の少年少女達。
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