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福田恆存


福田恆存


福田 恆存(ふくだ つねあり、1912年〈大正元年〉8月25日 - 1994年〈平成6年〉11月20日)は、日本の評論家、翻訳家、劇作家、演出家。日本芸術院会員。現代演劇協会理事長、日本文化会議常任理事などを務めた。名前については「こうそん」と音読みされることも多い。

概要

保守派の文士であり、進歩的文化人を批判した『平和論にたいする疑問』(1955年)は、戦後思潮の転換点となる。討議倫理が進歩派にも影響を与えるなど、戦後日本を代表する思想家。

また、同時期には『ハムレット』(1955年)をはじめとするシェイクスピア戯曲の翻訳、演出を開始する。新劇を日本の近代化問題の象徴的な弱点と捉え、演劇の革新に取り組んだ。

文藝春秋社「文藝春秋」、「諸君」、自由社「自由」などの保守派総合雑誌への寄稿でも知られる。産経新聞社の論壇誌「正論」は、福田と田中美知太郎、小林秀雄等の提唱によって1973年(昭和48年)に創刊された。

「レトリシャン」や「論争の手品師」といわれ、一流のリフレーミングの使い手でもあった。著書に『人間・この劇的なるもの』(1956年)、『私の英国史』(1980年)、戯曲『キティ颱風』(1970年)など。

経歴

出自と教育

1912年(大正元年)8月25日、東京市本郷区駒込東片町にて、埼玉県大宮出身の東京電燈社員の父・幸四郎、伊豆出身の石工の子孫である母・まさの長男として中間階級の家庭に生まれる。「恆存」は石橋思案の命名で、『孟子』に由来する。自然豊かな下町・神田で育ち、一家はしばしば劇場に通った。

1919年(大正8年)、東京市立錦華小学校(現・千代田区立お茶の水小学校)に学区外入学。大正デモクラシー教育の先進校であった同校では自学自習、自由研究、自由画などが導入されており、福田はリベラルな先進的教育を受けるが、小学生ながらも「新教育理論」に陶酔する教師に対して違和感を抱いていた。また、1922年(大正11年)の関東大震災により下町の気風は消え、福田は「故郷喪失者」となった。

1925年(大正14年)4月、第二東京市立中学校(現・東京都立上野高等学校)入学。高橋義孝と同級。同校でもリベラルな先進的教育を受けるが、校風の「自主の精神」には息苦しさを覚えた。当時の二中校長高藤太一郎により、優秀な教師が集められ、教師陣には英語の落合欽吾、岡倉由三郎、上田義雄、国語の横山藤吾、時枝誠記、西尾実、福永勝盛、東洋史の志田不動麿がいた。1929年(昭和4年)、四修で旧制浦和高等学校の受験に挑戦するが、落第した。

1930年(昭和5年)、旧制浦和高等学校文科甲類入学。当時の旧制学校は昭和恐慌もあり同盟休校が盛んに行われた「シュトゥルム・ウント・ドランク」(疾風怒濤)の時代だったが、福田自身は左翼的な学生運動には関わらなかった。小説から戯曲に関心を移し、高校時代に劇作家を志す。高校三年時に執筆した「我国新劇運動の過去と未来」では、小山内薫没後まもない演劇界の左翼・マルクス主義傾向を批判している。また同時期に、アドルフ・アッピア(舞台演出家)の"L'Oeuvre D'art Vivant"の第一章を英訳版から重訳している。1932年(昭和7年)開設の築地座に応募作品「或る人の街」を送り、佳作に選ばれた。

1933年(昭和8年)、東京帝国大学文学部英吉利文学科(英文科)入学。高校末期から大学初期にかけ執筆は劇作から批評に重きを置いた。これは小林秀雄の影響によるものだが、福田自身は小林の影響がこれ以上及ぶことを恐れ、『文藝評論』など僅かな作品にしか触れていない。。

戦前・戦中

1936年(昭和11年)3月、東京帝国大学文学部英吉利文学科卒業。卒業論文は「D・H・ロレンスに於ける倫理の問題」、英題"Moral Problems in D. H. Lawrence")。同年、徴兵検査を受け、丙種合格兵役免除。東大卒業後は旧制中学教師、出版社、団体職員などで勤務した。

1937年(昭和12年)1月、同期の友人高橋義孝に誘われ第一次『作家精神』の後継誌である『行動文学』の同人となり、論壇デビュー作として「横光利一と『作家の秘密』」を発表した。同年4月、不況下で就職先がなく、東京帝国大学大学院入学。1938年(昭和13年)5月から静岡県立掛川中学校(現・静岡県立掛川西高等学校)で教鞭を執るが、校長との不和により翌年7月に退職した。

1940年(昭和15年)には中学時代の恩師である西尾実の紹介により、雑誌『形成』編集者となる。このころ、神奈川県立湘南中学校(現・神奈川県立湘南高等学校)、浅野高等工学校(現・浅野工学専門学校)、日本大学医学部予科で教鞭を執る。1941年(昭和16年)、西尾の紹介で日本語教育振興会に参加し、雑誌『日本語』編集に関わった。翌1942年(昭和17年)には日本語教育振興会の命令により満州、モンゴル、中国を視察する。1944年(昭和19年)、日本語教育振興会退職。同年、太平洋協会研究員。

1944年(昭和20年)1月、西尾の媒酌により西本敦江(西本直民長女)と結婚。空襲が激しさを増す中で恆存以外の家族は静岡県に疎開する。同年6月、東京女子大学講師。

戦後

1946年(昭和21年)10月、月刊誌『展望』にて「民衆の心」を発表。同年3月、神奈川県中郡大磯町に移住し、一家を疎開先の静岡県から呼び寄せる。1947年(昭和22年)に『批評』同人となる。また、中村光夫、吉田健一と共に鉢の木会を結成する。1950年(昭和25年)に多摩美術大学教授。同年には岸田國士による「雲の会」創設に参加。1951年(昭和26年)、チャタレイ裁判に被告人側の特別弁護人として出廷し、小山書店社長小山久二郎の無罪を主張した。

1969年(昭和44年)、京都産業大学教授。京都には在住せず、月に一度の集中講義を行った。1983年(昭和58年)、京都産業大学退職。1981年(昭和56年)より日本芸術院(第2部)会員。

晩年

1987年(昭和62年)から1988年(昭和63年)にかけ『福田恆存全集』を刊行したが、平成に入ってからは、いくつかの雑誌に数ページ分の随筆・所感を書いた以外は執筆発表を行わず、『福田恆存翻訳全集』が完結した翌年の1994年(平成6年)11月20日に、肺炎により東海大学医学部付属大磯病院で没した。享年82。戒名は実相院恆存日信居士。12月9日に青山葬儀所で本葬・告別式が行われた。葬儀委員長は作家阿川弘之で、林健太郎、久米明等が弔辞を述べた。墓所は神奈川県中郡大磯町妙大寺福田家之墓。

主な業績は、前記の『全集』や『翻訳全集』にまとめられた。ただし自選により、短編の論文随想に加え唯一の新聞連載小説である『謎の女』(新潮社、1954年(昭和29年))をはじめ、生前刊行の全集・著作集には、未収録で知られざる論考著作も多い。2007年(平成19年)11月より、福田逸(次男・明治大学商学部教授で、演出家・翻訳家・財団法人「現代演劇協会」理事長として演劇活動を継いだ)等の編集により、『福田恆存評論集』(麗澤大学出版会、カバー装丁)が刊行完結した(下記の全集・著作集を参照)。

活動

文芸評論

『行動文学』の同人として、「横光利一と『作家の秘密』」などを発表し文芸評論を開始。文芸評論者としては嘉村礒多、芥川龍之介らに関する論考が、戦前や戦後間もない時期の主な作品である。また1947年(昭和22年)に『思索』春季号に発表された「一匹と九十九匹と」は、政治と文学の峻別を説く内容で、「政治と文学」論争に一石を投じた。この作品を福田の代表作とみなす見解も多い。『群像』1948年6月-7月に「道化の文学―太宰治論」を発表。1949年(昭和24年)より日英交流のための団体「あるびよん・くらぶ」に参加。

昭和20年代後半より、文学への関心は次第に個別の作家論や文芸批評を離れていった。この時期の代表作は、芸術をより根本的に論じた1950年(昭和25年)の『藝術とは何か』(要書房)や、芸術・演劇論から人間論にまで展開した1956年(昭和31年)の『人間・この劇的なるもの』(新潮社)などの著作である。1950年、多摩美術大学で教授を務めた。

政治

福田恆存の名を世間で有名にしたのは、進歩派全盛の中での保守派の論争家としての活動であった。1954年(昭和29年)に『中央公論』12月号に発表した「平和論の進め方についての疑問」で、当時全盛であった進歩派の平和論を真っ向から判した。

福田は、「平和論の進め方についての疑問」以降、論壇から「保守反動」呼ばわりされ、「村八分」の処遇を受けたと述懐している。『朝日新聞』論壇時評(1951年10月〜1980年12月)では、「平和論の進め方についての疑問」以降、言及が即座に無くなったわけではなく、1966年までは比較的言及されているが(言及数24)、しかし肯定的に取り上げられているのは17で31人中第28位となり、中野好夫(49)、小田実(40)、清水幾太郎(39)の半分以下となる。さらに、否定的に取り上げられているのは7であり、否定的に取り上げられる割合は30・8%となり、31人中のトップとなる。

例えば都留重人は以下のように取り上げている。

しかし1967年以降からは、肯定的・否定的に関わらず言及されなくなり、竹内洋は「『保守反動』評論家というレッテルが定着したのだろう」と述べている。このように福田は論壇では否定、そして無視されていくようになる。坪内祐三は、福田が『問ひ質したき事ども』(1981年)を刊行したころは保守論壇からも完全に孤立していた、と評している。

1977年(昭和52年)から1979年(昭和54年)には、フジテレビ系列の政治討論番組『福田恆存の世相を斬る』(世相を斬るシリーズにおいては第3代目)の司会進行でテレビ出演もしていた。この時期には韓国大統領朴正煕と親交があり、没時に回想記も発表した。

右派の漫画家・小林よしのりは、『修身論』後半の一章を使い、福田の「人間は生産を通じてでなければ付合えない。消費は人を孤独に陥れる」(「消費ブームを論ず」1961年 原文原題は本字体歴史的仮名遣い)を引用し、自身のスタッフに「福田恆存のこの言葉を噛みしめよ」と述べている。

国語国字問題

戦後の国語国字改革を批判し、1955年(昭和30年)から翌年にかけての金田一京助たちとの論争で(「国語改良論に再考をうながす」「知性」1955年10月号など)「現代かなづかい」・「当用漢字」の不合理を指摘した。その集大成が歴史的仮名遣のすすめを説く『私の國語敎室』(新潮社、初版1960年(昭和35年)、読売文学賞受賞)である。著書全ては歴史的仮名遣で書かれたが、出版社の意向で文庫再刊等の一部は、現代かなづかいを用いている。

翻訳

翻訳家としての代表作は、シェイクスピア「四大悲劇」を初めとする主要戯曲、ヘミングウェイ『老人と海』、D・H・ローレンス最晩年の評論『アポカリプス論』(初版は邦題『現代人は愛しうるか』白水社、1951年(昭和26年)に初刊)、ワイルド『サロメ』、『ドリアン・グレイの肖像』である。

堀内克明は、著書『誤訳パトロール』(1989年、大修館書店)で『恋する女たち』(新潮文庫)の福田のテキストから、「a long, slow look」を「遠いどんよりしたまなざし」としている語その他を「初歩を誤った」誤訳であると指摘している(堀内によれば、この表現は正しくは「ゆっくり、じっと」という、距離ではなく時間としてのlongとslowであるとする)。小川高義は、『老人と海』(光文社古典新訳文庫、2014年)訳者解説で、老人の「aloud」を福田が「叫ぶ、ののしる」など感情的に翻訳している点を批判、老人の性格描写および近現代の用法からその語は単に「口にした」程度のものである、と考察している。

演劇人として

劇作家、演出家でも活躍した。福田恆存(1912年生)は、1930年代の十代より評論、劇作を開始、『我国新劇運動の過去と現在』を発表するなど、新劇運動にも参画した。支持を表明する築地座(1932年結成)の戯曲公募にも応じ、処女作『或る街の人』が佳作に選ばれた事で、友田恭助らの面識を得る。文壇へのデビュー後には、岸田國士が主宰する雲の会(1950年結成)に参加し、文学座でのシェイクスピア悲劇『ハムレット』(1955年初演)の翻訳、演出を行った。1963年からは、財団法人・現代演劇協会の理事長を務め、協会附属の劇団雲、劇団欅、更には劇団昴を主宰する。

やがて芥川と対立すると、協会内で新たに「劇団欅」を設立し、「劇団雲」から手を引いて芥川らと一線を画するようになった。1975年(昭和50年)に芥川、仲谷、岸田、中村伸郎ら「劇団雲」の大部分が現代演劇協会を離脱し、「演劇集団 円」を設立すると、「劇団雲」の残留派と「劇団欅」を統合し、「劇団昴」を結成した。

1981年(昭和56年)に『演劇入門』(えんげきにゅうもん)を刊行。没後の2020年(令和2年)に『演劇入門 増補版』(2020年8月、中央公論新社)が中公文庫で再刊された。

家族・親族

  • 父: 幸四郎
  • 母: まさ
  • 長弟: 二郎
  • 長妹: 悠由枝
  • 次妹: 妙子(俳優加藤和夫夫人)
  • 末妹: 伸子(洋画家勝呂忠夫人)
  • 長男: 適
  • 次男: 逸

著作

評論

以下は没後刊
語句集
  • 『日本への遺言 福田恆存語録』(文藝春秋、1995年、文春文庫、1998年)
    中村保男・谷田貝常夫編 - ※著作を軸に約300篇の語録断章を編む
  • 『滅びゆく日本へ 福田恆存の言葉』(河出書房新社、2016年6月)
    佐藤松男編 - ※著作全体から約400篇の語句を編み解説

戯曲・小説

翻訳

  • ウィリアム・シェイクスピア
  • エーヴ・キュリー
    • 戰塵の旅 ロシア篇(坂西志保との共訳、日本橋書店、1946年)
    ※アジア篇も刊行予告されたが未刊。
  • アーネスト・ヘミングウェイ
    • 老人と海(チャールズ・E・タトル商会、1953年/改訂版1956年)
    • 老人と海(ヘミングウェイ全集 第10巻:三笠書房、1956年/改訂版1966年/決定版「第7巻」1973年)
    • ヘミングウェイ(世界の文学 第44巻:中央公論社、1964年/新装版1993年)、『老人と海』を所収
    • 老人と海(新潮文庫、1966年、改版1994年、新訂版2003年)
    • ヘミングウェイII(新潮世界文学 第四十四巻:新潮社、1970年)、『老人と海』を所収
  • T・S・エリオット
    • カクテル・パーティ(小山書店、1951年 / 創元文庫、1952年)
    • 現代世界文学全集 (26) T・S・エリオット(新潮社、1954年)、『カクテル・パーティー』、『一族再会』、『寺院の殺人』を所収。
    • エリオット全集 (2) 詩劇(中央公論社、1960年、改訂版1971年、新装版1981年)、同上
  • オスカー・ワイルド
    • ワイルド語録(池田書店、1950年)
    • 獄中記(新潮文庫、1954年、改版1968年)
    • サロメ(新潮社、1958年 / 岩波文庫、1959年、改版2000年)
    • ドリアン・グレイの肖像(新潮文庫、1962年、改版1967年、新装改版2004年)
    • アーサー卿の犯罪(中央公論社、1952年 / 福田逸との共訳、中公文庫、1977年)、短編集
  • J・M・バリー
    • あっぱれクライトン(鳴海四郎との共訳、河出市民文庫、1953年)
  • ジェームズ・サーバー
    • 現代イソップ(万有社、1950年)
    • SEXは必要か(E・B・ホワイト共著、南春治との共訳、新潮社〈一時間文庫〉、1953年)
  • D・H・ロレンス
    • 恋する女たち(新潮文庫 全3巻、1952年 / 改版全2巻、1969年)
    ※旧版は1950年-1951年に「ロレンス選集 9・10」で刊行(小山書店、上・中巻のみで中絶)
    • 性・文学・検閲(新潮社、1956年)、※論文集で中村保男が下訳
    • 死んだ男・てんとう虫(新潮文庫、1957年)
      • ロレンスI(新潮世界文学 第三十九巻:新潮社、1970年)に所収。
    • 現代人は愛しうるか 黙示録論(白水社、1951年 / 筑摩叢書、1965年)、※遺作「アポリカブス」の訳
      • 改訳版(中公文庫、1982年 / ちくま学芸文庫、2004年)、後者の解説は高橋英夫
  • G・K・チェスタトン
    • 正統とは何か(チェスタトン著作集(1)、春秋社、1973年、新装版1995年、2009年)、※実際は安西徹雄により翻訳。
    • 詩人と狂人たち(国書刊行会〈世界幻想文学大系〉、1976年 / 創元推理文庫、1977年)、※実際は中村保男により翻訳。
  • バーナード・ショー
    • 聖女ジャンヌ・ダーク(松原正との共訳、新潮社、1963年)
  • ヘンリク・イプセン
    • ヘッダ・ガーブラー(中央公論社、1979年)、※英訳版より翻訳
  • ソポクレス
    • オイディプス王・アンティゴネ(新潮文庫、1984年、改版2014年)、※英訳版より翻訳
  • コリン・ウィルソン
    • アウトサイダー(河出書房新社、1957年)、※中村保男との共訳

全集・著作集

  • 福田恆存著作集(全8巻、新潮社、1957年-1958年)、3巻目までは創作集、他の5巻は評論集
  • 福田恆存評論集(全7巻、新潮社、1966年)、5巻目までは上記新版
  • 福田恆存全集(全8巻、文藝春秋、1987年-1988年)、実質は自選集、第7巻に年譜、第8巻は創作集
  • 福田恆存翻訳全集(全8巻、文藝春秋、1992年-1993年)、半数がシェイクスピア作品
  • 福田恆存評論集(全20巻別巻1、麗澤大学出版会、2007年11月-2011年3月)
    ※当初は全12巻別巻1で、2009年中に完結予定だったが同年に変更。別巻はホレイショー日記・年譜、著書目録、索引ほか。
  • 福田恆存戯曲全集(全5巻別巻1、文藝春秋、2008年11月-2011年5月)
    別巻は「劇場への招待」、「私の演劇白書」、「觀客への訴へ」ほか。
  • 福田恆存対談・座談集(全7巻、玉川大学出版部、2011年4月-2012年10月)

主な編著

  • 芥川龍之介研究-作家研究叢書(新潮社、1957年)
  • 國語問題論爭史(新潮社、1962年)- 著者名は福田だが、実質は門下生土屋道雄がまとめた。
    土屋道雄『國語問題論爭史』(玉川大学出版部、2005年)、ISBN 4472403153 - 増訂版
  • 現代日本思想大系 32 反近代の思想(筑摩書房、1965年)- 福田名義での解説担当だが、実際は西尾幹二による口述筆記。
  • 中国のすべて 日本の将来(企画・監修、高木書房、1973年)
    • ソ連のすべて 日本の将来(同、高木書房、1974年)
    • 教育のすべて 日本の将来(同、高木書房、1974年)
    • 新聞のすべて 日本の将来(同、高木書房、1975年)
    • 国家意識なき日本人 日本の将来(同、高木書房、1976年)
    • 中国はどうなるか 続・中国のすべて 日本の将来(同、高木書房、1976年)
    • 憲法のすべて 日本の将来(同、高木書房、1977年)
    • 朝鮮半島のすべて 日本の将来(同、高木書房、1977年)
  • 福田恆存 世相を斬る(サンケイ出版、1978年)‐ ※日曜午前のテレビ番組でのゲストとの対談。

音声

  • 福田恆存講演 第1集 日本の近代化とその自立 (新潮カセット、新潮社、1996年4月)- 第1・2集は連続講演「処世術から宗教まで」。
  • 福田恆存講演 第2集 理想の名に値するもの(新潮カセット、新潮社、1996年6月)- 1976年3月から1977年3月にかけ三百人劇場で行われた。
  • 福田恆存講演 第3集 近代日本文学について/シェイクスピア劇の魅力(新潮カセット、新潮社、1996年8月)

評論・研究

  • 井尻千男『劇的なる精神 福田恆存』日本教文社〈教文選書〉、1994年6月。ISBN 4-531-01517-7。 
    • 井尻千男『劇的なる精神 福田恆存』徳間書店〈徳間文庫 教養シリーズ〉、1998年7月。ISBN 4-19-890934-2。 
  • 岩本真一「第3章 福田恆存の「近代の超克」論―「言葉」と「共同体」」『超克の思想』水声社、2008年12月。ISBN 4-89176-704-9。 
  • 遠藤浩一『福田恆存と三島由紀夫 1945〜1970』麗澤大学出版会(上・下)、2010年4月。ISBN 4-89205-596-4 / ISBN 4-89205-597-2。 
  • 岡本英敏『福田恆存』慶應義塾大学出版会、2014年4月。ISBN 4-7664-2128-0。 
  • 川久保剛『福田恆存 人間は弱い』ミネルヴァ書房〈日本評伝選〉、2012年7月。ISBN 4-623-06388-7。 
  • 金子光彦『福田恆存論』近代文芸社、1996年5月。ISBN 4-7733-5405-4。 
  • 久米明『僕の戦後舞台・テレビ・映画史70年』河出書房新社、2018年11月。ISBN 4-309-27985-6。 後半が師・福田恆存との回想記。
  • 向坂隆一郎『回想の向坂隆一郎』向坂隆一郎追悼集編集会、1984年。 
  • 斎藤禎『文士たちのアメリカ留学 一九五三~一九六三』書籍工房早山、2018年12月。ISBN 4-904701-54-2。 
  • 辻村明「偽善との戦い―孤高の精神 福田恆存」『自分と戦った人々』高木書房、1993年4月。ISBN 4-88471-042-8。 
  • 土屋道雄『福田恆存と戦後の時代-保守の精神とは何か』日本教文社〈教文選書〉、1989年8月。ISBN 4-531-01511-8。 
  • 坪内祐三「「一九七九年の福田恆存」および「丸山真男か福田恆存か」」『ストリートワイズ』晶文社、1997年4月。ISBN 4-7949-6301-7。 
    • 坪内祐三「「一九七九年の福田恆存」および「丸山真男か福田恆存か」」『ストリートワイズ』講談社文庫、2009年4月。ISBN 4-06-276332-X。 
  • 坪内祐三「一九八二年の「福田恆存論」」『後ろ向きで前へ進む』晶文社、2002年8月。ISBN 4-7949-6540-0。 
  • 中村保男『絶對の探求 福田恆存の軌跡』麗澤大学出版会、2003年8月。ISBN 4-89205-467-4。 
  • 西尾幹二「「素心」の思想家・福田恆存の哲学」『真贋の洞察』文藝春秋、2008年10月。ISBN 4-16-370370-5。 
  • 西部邁「「言葉の弓射る」精神の書 〈福田恆存全集〉刊行に寄せて」『ニヒリズムを超えて』角川春樹事務所〈ハルキ文庫〉、1997年11月、170-173頁。ISBN 4-89456-362-2。  - 日本文芸社(1989年)を改訂。
    • 西部邁「保守思想の神髄――福田恆存」『日本の保守思想』角川春樹事務所〈ハルキ文庫〉、2012年5月、224-264頁。ISBN 4-7584-3662-2。  -『思想史の相貌』(世界文化社、1991年)を改題・改訂
    • 西部邁「106 福田恆存」『学問』講談社、2004年4月、342-344頁。ISBN 4-06-212369X。 
  • 浜崎洋介『福田恆存 思想の〈かたち〉 イロニー・演戯・言葉』新曜社、2011年11月。ISBN 4-7885-1263-7。 
  • 福田逸『父・福田恆存』文藝春秋、2017年7月。ISBN 416-3906886。 
    • 福田逸『父・福田恆存』文春学藝ライブラリー、2021年6月。ISBN 416-8130924。 
  • 前田嘉則『文學の救ひ 福田恆存の言説と行為と』郁朋社、1999年4月。ISBN 4-87302-0204。 
  • 持丸博、佐藤松男『証言 三島由紀夫・福田恆存 たった一度の対決』文藝春秋、2010年10月。ISBN 4-16-373250-0。 
  • 『総特集 福田恆存―人間・この劇的なるもの』河出書房新社編、2015年5月。ISBN 4-309247091
    入門・福田恆存、インタビュー、メモワール、福田恆存論セレクション、福田恆存への10の視点、単行本未収録作品、主要著作30作ガイドほか

脚注

参考文献

  • 竹内洋『革新幻想の戦後史』(中央公論新社、2011年10月)ISBN 978-4120043000
  • 川久保剛『福田恆存-人間は弱い』(ミネルヴァ書房、2012年7月)ISBN 978-4623063888
  • 福田逸『父・福田恆存』(文藝春秋、2017年7月)ISBN 978-4163906881

関連項目

  • チャタレー裁判
  • 鉢の木会
  • 文学座
  • 劇団雲
  • 劇団欅
  • 福田・金田一論争
  • 日本の軍事(防衛論論争)
  • 日本文化会議
  • 朴正煕(大韓民国元大統領)、回想記がある
  • 国家基本問題研究所

関連人物

外部リンク

  • 福田恆存研究サイト
  • 現代演劇協会 デジタルアーカイヴ

Text submitted to CC-BY-SA license. Source: 福田恆存 by Wikipedia (Historical)


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