統一教会信徒の拉致監禁問題(とういつきょうかいしんとのらちかんきんもんだい)は、世界基督教統一神霊協会(統一教会、統一協会。2015年から世界平和統一家庭連合)の信徒に対して家族が脱会説得工作の専門家を通して強制的に隔離して脱会説得することを、統一教会が「拉致・監禁であり信仰の自由を侵害されている」と主張している問題。統一教会信徒側が刑事告発をしてもいずれも不起訴になっている。民事訴訟では、損害賠償を命じた確定判決(#脱会に至らなかった信者の証言参照)や「自由を大きく制約した」ことを認定した地裁判決はあるが、原告が敗訴して拉致監禁されたとの主張が認められない事例が多数存在している。
統一教会は、この問題は統一教会に反対する弁護士や牧師が多額の報酬を手にするためのビジネスになっており、その被害者は4300人に上ると主張している。統一教会系NGO・天宙平和連合日本事務次長の魚谷俊輔によると、元信者21人のうち18人が脱会時に監禁又は軟禁状態にあったと裁判で証言しているという。また統一教会広報部長の太田朝久らは著書「有田芳生の偏向報道まっしぐら」の中で「改宗拉致監禁を擁護しながら北朝鮮の拉致監禁には反対する有田の主張は矛盾である」と記している。
国際NGO団体を名乗るベルギーを拠点に活動する人権団体「国境なき人権」(en:Human_Rights_Without_Frontiers)は、2010年から日本における統一教会とエホバの証人に対する拉致監禁問題について独自の調査を行ない、2011年12月31日に「日本における棄教を目的とした拉致と拘束」と題したレポートを発表した。その中で国境なき人権は「強制棄教を目的とする拉致の存在を確認できた」と報告し、「警察と司法当局は、成人を監禁下で強制棄教させようとする拉致行為に直接間接に関与した人々を起訴すべきであり、刑事事件化を差し控えるべきでない。」と勧告した。
朝日新聞は1984年(昭和59年)5月14日の夕刊「ルポ'84」で「信仰切れず、鎖が切れた」と題した改宗拉致の記事を掲載。ある女性は東京都内の大学で勧誘され統一教会系の学生組織・原理研究会に加わり組織の合宿寮から通学。実家に帰らない女性を親が山荘に連れ出し足首を鎖で繋いでいたが、20日後に女性は爪切りで鎖を切断し逃走した。記事を執筆した高木正幸編集委員は統一教会について、家族との関係の変化から起こるトラブルの多さが社会的に問題視される一因とした上で、暴力などで入信したわけではない若者達を強制的に切り離すやり方には、教会を批判している宗教家や学者も否定的だとしている。
2010年12月3日、青山丘・元衆議院議員が『全国拉致監禁・強制改宗被害者の会』主催の決起集会に参加。民主党の吉田公一衆議院議員と国民新党の下地幹郎衆議院議員の公設秘書が請願書を受け取った。吉田は陳情書を受け取った事を有田がブログで非難した事について、”「信教の自由」は自由権的基本権の根幹であり、民主主義制度の骨格を貫く基本的な人権だと認識している。もちろん、いわゆる「霊感商法」に関しての有田議員のご主張は承知している。私も同じ立場である。”と述べている。また有田が議員が陳情書を受け取るのは党規違反だと指摘した事については党国会対策委員会と幹事長室の了解を得ており、また党の方針として議員個人が請願を受けることに許可は不要と反論している。また有田は、この陳情のために国際勝共連合幹部が自民党議員などに依頼していたと述べている。
統一教会の男性信徒が、親族に「拉致監禁され、信仰を捨てるよう強要された」として計約2億円を求めた損害賠償請求訴訟で、東京地裁は、2014年1月28日に、「親族らは長期間、男性の自由を大きく制約した」と認定し、計約480万円の支払いを命じた。
以下全て、統一教会または統一教会を擁護する側である
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