ワールド・ベスト・レースホース・ランキング (World's Best Racehorse Rankings; WBRR) は、国際競馬統括機関連盟 (IFHA) が発表する、世界の競走馬の格付けである。
時計メーカーのロンジンが公式スポンサーを務めており、2013年6月発表分からはスポンサー名を冠して「ロンジン・ワールド・ベスト・レースホース・ランキング」(the LONGINES World's Best Racehorse Rankings; LWBRR) とも表記する。
2004年度から2007年度までは「ワールド・サラブレッド・レースホース・ランキング」(World Thoroughbred Racehorse Rankings; WTRR)、2008年度からは「ワールド・サラブレッド・ランキング」(World Thoroughbred Rankings; WTR) と称し、上位馬を「ワールド・リーディング・ホース」(World's Leading Horses) として発表していた。
さらにその前身は、1977年から2003年まで「インターナショナル・クラシフィケーション」(International Classifications) として発表されていたものに遡る。
元々1977年にイギリス・フランス・アイルランドの3カ国でスタートし、その後拡大されてきたレーティングをインターナショナル・クラシフィケーションと銘打っていたが、競馬の開催シーズンの分岐点が国・地域によって異なり(日本の場合は1月1日〜12月31日を1年の基・終点とする)、香港・オセアニア・アラブ首長国連邦 (UAE) などのように発表時期の1月がシーズンの途中であるため、世界規模の統一したレーティングを出しにくいというデメリットも生じた。
そこで、2004年度の発表から年間2回(1月・8月)にそのレーティングを発表し、全世界的な競走馬のランキングを出しやすくするようになった。8月の回では主に前年8月基点 - 当年7月終点の国をランキング発表の対象にしている。なお、全世界上位50頭のレーティングについては1月、8月を含む年間5回程度発表される。
これらのレーティングは国際競走の格付け認定のための重要なファクターとなる。各競走4着までの入線馬の平均レーティングを基に、GIでは115、GIIは110、GIIIは105、またはそれ以上の平均レーティングが必要となっている。なお、性別や産地などの条件によって負担重量が減じられたときはレーティングもその分減算されるため、それらの馬を対等評価するときはその減量分をポンド換算した値を加算してから比較するということがしばしば行われる。例えば、牝馬2kg減の競走で性別差を排して換算をするときは、2kgは約4ポンドなので牝馬のレーティングに4を加算して比較する。
日本調教馬の上位5頭はイクイノックス(135ポンド・2023年)、エルコンドルパサー(134ポンド・1999年)、ジャスタウェイ(130ポンド・2014年)、オルフェーヴル(129ポンド・2013年)、エピファネイア(129ポンド・2014年)である。
2013年1月、過去のレーティングが見直されることになった。ワールド・サラブレッド・ランキングと、その前身であるインターナショナル・クラシフィケーションにおいて、1977年の開始から1990年代までの評価が、その後に比べて全体に高すぎる傾向にあったというのが見直しの理由である。
この見直しによって、1977年は全馬が7ポンドのマイナス、1978年は全馬が6ポンドのマイナス、1979年は全馬が5ポンドのマイナス…、というように、1977年から1991年まで、最大7ポンドから最小1ポンドのレートが引き下げられた。2004年に関しては逆に全馬に1ポンド加算されることになった。
この結果、それまで141ポンドと評価されてきたダンシングブレーヴが138に、140ポンドのアレッジド・シャーガーがそれぞれ134・136に引き下げられることになった。この引き下げには賛否両論がある。
しかしながら従来のレーティングが正しいものとなっている。
日本では、このワールドランキングを参考に毎年1月と8月、「JPNサラブレッドランキング」が発表される(8月は上半期分=7月までを対象)。ワールドランキング数値の決定法に則って、世界各地の競走に出走して100ポンド以上の評価を得た日本調教馬(国内産、外国産問わず)、並びに国際競走などで日本の競走に出走した外国調教馬でベストの評価を得た馬がレーティングの対象となる。
かつては、中央競馬会のハンデキャップ作成委員によるフリーハンデが1962年から『優駿』誌上で発表されていたが、1995年から国際基準に合わせたJRAクラシフィケーションを発表するようになる。また、1996年からインターナショナル・クラシフィケーションの評価対象となる日本の出走馬が大幅に増え、1997年に日本も全面移行してレーティングを導入。足並みを揃えながら1998年にJPNクラシフィケーション、2004年にJPNサラブレッド・ランキングと名称も改められた。
負担重量に関する用語は、負担重量の記事も参照のこと。
レーティングは成績表にある材料のみで作成する。斤量、着差、出走馬の実績から判断するのが基本である。着差の換算基準は、マイル1kg=1馬身=2ポンド、1ポンド=0.45kg。
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