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詩城の旅びと


詩城の旅びと


詩城の旅びと』(しじょうのたびびと)は、松本清張の長編小説。『月刊ウィークス』に連載され(1988年1月号 - 1989年10月号)、1989年9月に日本放送出版協会から刊行された。南仏プロヴァンス地方を舞台に、画壇の策謀に端を発する愛と復讐の交錯を描く、サスペンス・ロマン。

1989年にテレビドラマ化されている。

あらすじ

OLの投書から、「プロヴァンス国際駅伝」の企画が動き出した。和栄新聞社の木村信夫は南フランスへ飛び、世界の陸上競技の利権を支配するバローナ会長との交渉によって、企画を有利に進めようとする。

しかし企画の裏には、投書主・多島通子の隠された意図がひそんでいた。視察・交渉で木村の行く先、朝霧のカマルグでは葦を折る幻想的な人影に遭遇し、エクス=アン=プロヴァンスの丘にそびえる領主の館「星の館」は、すでに黒い怨念が渦巻く場所となっていた…。

主な登場人物

  • 原作における設定を記述。
木村信夫
和栄新聞社企画部長。「プロヴァンス国際駅伝」企画の責任者となる。
多島通子
プロヴァンスでの駅伝プランを和栄新聞に投書したOL。兄・明造は不遇の画家であった。28歳。
ピエール・トリオレ
エクス=アン=プロヴァンスの大地主。猟や天体観測を趣味とし、占星術に凝る。パラノイア気質。
マダム・タカコ
トリオレ伯夫人。日本女性。伯家の経済を実質的に支え、地域の評判も高い。
小宮栄二
多島明造の友人だったが、画壇のボスの力を利用して明造を追放した。その後行方不明となる。
柏原尚志
和栄新聞社運動部次長。視察・交渉の際に木村と同行する。
ホセ・マルティーヌ・バローナ
世界陸上運動連合本部の会長で、全面的な決定権を握る独裁者。スペイン人。62歳。

関連項目

  • 明正井路一号幹線一号橋…大分県竹田市にある水路橋。プロヴァンス地方と竹田市の類似が本作のモチーフの一つとなっている。
  • マルセイユ、サント=マリー=ド=ラ=メール、レ・ボー=ド=プロヴァンス…いずれも小説の舞台。なお、小説中、木村と柏原がマルセイユで宿泊する「オテル・ソフィテル・ビュ・ポール(Sofitel Marseille Vieux Port)」は、2016年現在も実在するホテルである。

テレビドラマ

1989年10月9日から11月6日まで、NHKの「ドラマ10」枠(22:00-22:50)にて全5回の連続ドラマとして放映。53日間にわたるフランス・ロケを実施した作品。原作と異なるラストを設定している。

キャスト

  • 木村信夫:緒形拳
  • 多島通子:中川安奈
  • 小宮栄二:根津甚八
  • トリオレ伯:フィリップ・ルメール
  • バローナ:ニコラ・ヴォージェル
  • エレーヌ:イレーヌ・ジャコブ
  • 柏原尚志:長塚京三
  • 画商・巽:江見俊太郎
  • 辻秀三:新藤栄作
  • 山口泰子:原日出子
  • 田村記者:寺田農
  • 多島明造:内藤剛志
  • 木村正子:岩本多代
  • 木村美香:寺島しのぶ(クレジット表示は「寺島忍」)
  • 宣報社・吉岡:津村鷹志
  • 「円展」職員:堀勝之祐
  • 野中記者:永石優
  • 通訳:関由美子
  • バローナの秘書:ジャック・ルグレ
  • マリア:リュシー・クレリコ
  • 画商:ロジェ・ランビオ
  • リュック:ポール・シルヴ
  • 館野業務局長:勝部演之
  • 大原編集局長:高松英郎
  • 土屋良孝:島田正吾
  • たか子・トリオレ:富司純子

※以下、カッコ内は出演話数

  • 高橋豊(1)(3)(4)、佐藤百起(1)(3)(4)、加藤治(1)(3)(5)、おやま克博(1)(3)(5)、真鍋敏(1)(3)(5)、石原慎一(1)(3)(5)、谷津勲(1)(3)(5)、関篤(1)(3)(5)、船戸健行(1)(3)(5)、安河内秀臣(1)(3)(5)、麻木久仁子(1)(3)、山崎満(1)(4)、平野元(1)(5)、川部修詩(1)(5)、北村耕太郎(1)(5)、加藤正之(1)(5)、明石良(1)(5)、ト字たかお(1)(5)、野村信次(1)(5)、安威宗治(1)(5)、稲川善一(1)(5)、高杉哲平(1)(5)、中村修(1)(5)、小倉馨(1)(5)、大山豊(1)(5)、池田功(1)(5)、小寺大介(1)(5)、加世幸市(1)(5)、玉井美香(1)、三井善忠(1)、岸本功(1)、山本寛(1)、平井誠一(1)、町田幸夫(1)、高橋秀久(1)、原口よし子(1)、多々良久子(2)、丸山詠二(3)、吉竹加世子(3)、千田実輝(3)、新みのる(4)、村上幹夫(4)、山内佐江子(4)、レミー・ジウスティ(2)(4)、ヴィルジニー・セレダ(2)(4)、エドワール・プルドロン(2)(5)、イザベル・カスガ(2)、フランソワ・パランク(3)(5)、ピエール・パストル(3)、ドミニク・ヴァリエ(4)、ジャン・トマフ(4)、マリカ・ブケンナ(5)、ミレイユ・ファルシィ(5)

スタッフ

  • 企画:岡本由紀子
  • 脚本:寺内小春
  • 演出:吉村芳之
  • 音楽:三枝成彰
    • 劇中音楽は『プロヴァンス組曲』の題名で後にCDリリースされた(指揮:外山雄三、演奏:NHK交響楽団、胡弓:篠崎正嗣、ギター:山下和仁)。
    • 上記の1曲、チェロ独奏をともなう「レ・ボー」(上記では堤剛独奏)は、12人のチェロのための「自由への頌歌」に編曲され、向山佳絵子のアルバム『白い風景』に収録された。
  • 技術:渡辺秀男、根来雅晴
  • 美術:藤井俊樹
  • 撮影:遠藤信明
  • 仏語翻訳:カトリーヌ・横山
  • 英語翻訳:デビッド・パワーズ
  • 絵画指導:佐藤一郎
  • 絵画指導協力:鈴木 淳
  • 浮世絵考証:安達以乍牟
  • 制作:NHK

サブタイトル


Text submitted to CC-BY-SA license. Source: 詩城の旅びと by Wikipedia (Historical)