ブローニュ=ビヤンクール(Boulogne-Billancourt)は、フランス中北部の都市である。イル=ド=フランス地域圏オー=ド=セーヌ県に属し、パリ近郊の都市としては最も人口が多い。1926年に現在の名称となるまではブローニュ=シュル=セーヌ(Boulogne sur Seine)と呼ばれていた。
地理
パリ南西部と市境を接する。西と南はセーヌ川を境界とし、東はパリ16区と、北はブローニュの森と、西はサン=クルー及びセーヴルと、南はイシー=レ=ムリノー及びムードンと接している。
概要
1920年代にルノーの工場があったことにより大きく発展した街である。
この時代に作られたアールデコ様式やパクボ (Pâquebot 蒸気船) 様式と言われる白く四角いコンクリート建築の近代住宅の傑作が多数並んでいる。ル・コルビュジエの初期建築「リプシッツ=ミスチャニノフ邸」「クック邸」「テルジニアン邸」がある。いずれも一般邸宅だが、ル・コルビュジエ財団による内部見学案内がある。境界界隈のパリ16区ナンジェセール・エ・コリ通り (fr) 24番地にある「イムーブル・モリトー (fr)」 は、コルビュジエ自身が1935年から亡くなる1965年までアトリエ兼居住した建物で、現在ル・コルビュジエ財団になっている。
また、ブローニュ映画撮影所があり、フランス映画の重要な産業地帯となっている。かつては市内にもう一つビヤンクール映画撮影所(1992年閉鎖)も存在した。
その他「1930年代美術館」、T.ガルニエ設計の市役所などが並ぶ。また日本庭園を含む多数の様式の庭が並ぶアルベール・カーン庭園、ポール・ランドゥスキ美術館がある。
交通
道路
鉄道
- 地下鉄・メトロ (RATP) (Métro)
- 9号線
- ポン・ド・セーヴル駅 – ビヤンクール駅 – マルセル・サンバ駅
- 10号線
- ブローニュ=ポン・ド・サン=クル駅 – ブローニュ=ジャン・ジョレス駅
経済
- ルノー本社
- カルフールグループ本社
- レキップ本社
- セフォラ本社
- エーグル本社
- エルベ・シャプリエ本社
教育
関係者
- 出身者
- エドモン・バンジャマン・ド・ロチルド(男爵・銀行家、パリ・ロチルド家初代ジェームスの末子) - ブローニュ=ビヤンクールに生まれ、同地で死去。パリ10区マジャンタ大通り115番地等に居住。
- ルイ・アルフヴィドソン(建築家) - 作品に、パリ14区モンパルナス地区にある1910年築カンパーニュ・プルミエール通り31番地bis建物など。アール・デコの予兆を見せるアール・ヌーヴォー様式の建物。
- クロード・ピノトー(映画監督)
- エディット・クレッソン(元フランス首相)
- フランソワ・シャトレ(哲学者、思想家)
- フランス・リュミイ(女優) - 映画『ルイ・ド・フュネスのサントロペシリーズ』の修道女役で知られている。
- カトリーヌ・スパーク(女優、歌手、タレント)
- シャルル・ナポレオン(ナポレオン7世、ボナパルト家)
- セシリア・アティヤス(元フランス大統領ニコラ・サルコジの前妻)
- フロランス・パルリ(現フランス軍事大臣)
- ザジ (歌手)
- 居住者
- ジェームス・ド・ロチルド(男爵・銀行家、パリ・ロチルド家初代) - 1855年-1861年の間、ルイ14世様式(バロック建築)の Château Rothschild をこの地に建造した。
- ルイ・ルノー(実業家、ルノー創業者) - パリ8区アンリ=ベルグソン広場(fr)界隈で生まれ、ブローニュ=ビヤンクール、パリ16区フォッシュ大通り界隈に居住。
- 守谷慧(守谷絢子 (高円宮絢子女王) の夫) - 幼少期に通産官僚の父親の赴任で滞在居住。
ギャラリー
脚注
注釈
出典
参考文献
- 「ル・コルビュジエを歩こう」吉野弘、BIR+TUE有志・著、エクスナレッジ ISBN 4-7678-0244-X
- 「パリからの小さな旅」稲葉宏爾・著、TBSブリタニカ ISBN 4-484-02210-9
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