『ほんとにあった怖い話』(ほんとにあったこわいはなし)は、学校の怪談など、本当に起こった(とされている)怖い話を集めた朝日新聞出版刊のホラーコミックおよび、それを基に制作されたオリジナルビデオと、さらにそれを基に制作されたフジテレビのテレビドラマである。通称は『ほん怖』。
この番組は『真夏の恐怖ミステリー ほんとにあった怖い話』として『金曜エンタテイメント』枠で1999年夏に放送されたのが最初だった。これはフジテレビ後藤博幸プロデューサーがオリジナルビデオ版『ほんとにあった怖い話』(下記参照)を高く評価して企画・監督・脚本の鶴田法男に連絡を取ったことが発端だった。二人は当初、深夜の低予算番組として企画していたが、フジテレビ・ドラマ部の当時の部長だった亀山千広がゴールデンタイムの企画にするよう英断をくだしたことで『金曜エンタテイメント』枠での放映となった。
その後2004年1月に3 - 5話程度のオムニバスショートドラマを放送、小学生中心の6名「ほん怖クラブ」らが館で館主の稲垣吾郎と話の内容を分析するという内容になり、毎週のレギュラー放送(1月 - 3月のみ)となった。また、心霊写真を鑑定するコーナーもある。現在の「ほん怖クラブ」では、オムニバスドラマを放送する面では、以前の2時間時代と同じだが、要所要所に館主と子供達によるバラエティ的な要素や感動的なストーリーがあり、怖さを若干軽減させている。また子供でも見ることのできるように、通常のホラー番組よりバラエティに近い演出がある。内容についても原作の実話を大胆にアレンジしたものが多い。「第9回アジア・テレビジョン・アワード」のドキュメンタリー・ドラマ部門最優秀賞を受賞。また、毎年夏のイベントのお台場冒険王でもアトラクションを出展している。なお、かつてテレビ朝日系列で放送された「夏の不思議ミステリー 本当にあった怖い話」、ブロードウェイが制作・販売しているオリジナルビデオシリーズ「ほんとうにあった怖い話」とは関係ない。
2011年からは毎年1回、お盆後となる夏(8月)の『土曜プレミアム』枠で放送されており、稲垣の2016年のSMAP解散と翌2017年のCULENへの事務所移籍を経てもシリーズは継続されている。2019年には20周年を迎え秋(10月)に放送された。2020年には初のハロウィーンの日に放送(自宅で『ほん怖』を見て外出を控えて“密”を避けて“ハロウィーン&ホラー”ムードを堪能する意味も含まれている)。
これは、「怖い」と思う弱い心を吹き飛ばすおまじないである。ホスト進行役の稲垣吾郎と子供達の専門家による解説コーナーで行う。
密教真言の一、「退魔の早九字」(正式には「九字護身法」)を真似た物。なお「イワコデジマ イワコデジマ」は「マジで怖い マジで怖い」の逆読みである。ちなみに手を合わせて合掌するとき「のんのん」と全員でいうことがあるが「のん」は、ゲストの専門家の解説によれば観音様のこと。(観音様、どうか悪霊からお守りください)の意味。
本作はかつて後藤歯科医院という歯医者だった空き家を改装した館を拠点とし、そこへ全国から届く心霊による恐怖体験や不可思議な現象を綴った手紙、通称『恐怖幽便』を元に、ほん怖クラブのメンバーと館の主たる稲垣吾郎が日夜心霊研究に励んでいるという設定。
ストーリーテラー
ほん怖クラブ
開始前に「これは一般の人が体験した実話を再現したものです」「ただし、登場する地名、団体名、個人名などは、架空もしくは仮名であり事実とは一切関係ありません」のテロップが表示される。
2005年1月17日放送から、芸能人が「ほん怖ラブ」に訪れ自身の体験を基にした「恐怖幽便」を読む、という形式も取っている。
上記以外は過去に放送された作品をリマスター版で8話 放送
※○は第2シリーズ未放送
フジテレビ版『ほんとにあった怖い話』は1991年から1992年にオリジナルビデオとして製作・公開された『ほんとにあった怖い話』が基になっている。
このオリジナルビデオ版は鶴田法男監督が原作の映像化権をおさえて脚本まで書いてビデオ・メーカーのジャパン・ホーム・ビデオに企画を持ち込んだ事から立ち上がった。企画にGOサインが出てから脚本家の小中千昭が参加して製作された。本作がJホラーの原点と言われる。中でも「夏の体育館」におけるゆらゆらと蠢く不気味な人影は黒沢清監督『回路』に明確に応用されている。また、『新・ほんとにあった怖い話 幽幻界』の『踊り場の友だち』での踊り場に突如現れる幽霊の演出は清水崇監督の『THE JUON/呪怨』で模倣されている。これは清水崇監督が鶴田法男に許諾を求めて実現した。また「霊のうごめく家」におけるあり得ない(想定外)の場所に現れる人影は、その後のJホラーを特徴付けるエポック・メイキングな演出方法として名高い。なお、ナレーションは第1作・第2作では玄田哲章、第3作では相見陽子が担当した。
「ほんとにあった怖い話 第二夜」(1991年)
「新・ほんとにあった怖い話 幽幻界」(1992年)
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