『機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還』(きどうせんしガンダム エムエスブイ‐アール ジョニー・ライデンのきかん、英: MOBILE SUIT GUNDAM MSV-R RETURN OF JOHNNY RIDDEN)は、Ark Performanceによる日本の漫画作品。原作:富野由悠季、原案:矢立肇、メカニックデザイン:大河原邦男。角川書店の漫画雑誌『ガンダムエース』にて2010年6月号から2023年9月号まで連載された。
雑誌「ガンダムエース」で連載されたメカニックデザイン企画『MSV-R』を題材にした作品。「第二次ネオ・ジオン抗争」前夜である「宇宙世紀0090年」を舞台に、歴史に埋もれた『MSV-R』に登場するメカニックの解説と模型企画『モビルスーツバリエーション(MSV)』のエースパイロット「ジョニー・ライデン」の行方と、所属していた「キマイラ隊」の解明を織り交ぜて描いた内容となっている。
なお、同作者の漫画『機動戦士ガンダム ギレン暗殺計画』、『機動戦士ガンダム 光芒のア・バオア・クー』とは設定を共有している。
一年戦争(宇宙世紀0079年)で散逸した情報や資料を、収集編纂し保存する組織である地球連邦政府のFederation Survey Service(略称FSS)に所属しているMSパイロット、レッド・ウェイラインは、宇宙世紀0090年、シミュレーションによるMS戦闘データ調査中に不審な出来事に遭遇し、チームのリミア・グリンウッドと共に「ジョニー・ライデン」のことを調べ始める。
しかしレッド・ウェイラインを「ジョニー・ライデン」本人の可能性があると判断した、キマイラ隊残党のユーマ・ライトニング、現在は連邦議会議長ゴップの養女となっているキマイラ隊残党であり強化人間のイングリッド0、連邦軍特殊部隊「ナイト・イェーガー」といった様々な勢力の思惑が絡み合う中、次期首相と名高い首相補佐官オクスナー・クリフの猟犬と呼ばれる「民間軍事会社テミス」の社長ジャコビアス・ノードが、FSSを訪れてレッド・ウェインラインとリミア・グリンウッドに自分もキマイラ隊の残党であること、キマイラ隊の真実を証言し、解体された今は既に探るようなものは何も無いと告げて手を引くことを求める。
しかし、オクスナー・クリフとジャコビアス・ノードは宇宙を彷徨うキマイラ隊の最重要機密と言えるMS製造プラント船「ミナレット」の航路を唯一解析できる旧ジオン公国の機動巡洋艦「サングレ・アスル」をジャブロー基地跡に秘匿していた。
地球連邦政府の「首相補佐官」、「連邦議会議長」、勃興しつつある「新生ネオ・ジオン」、そして「キマイラ隊」の残党達は、「サングレ・アスル」、「ミナレット」、更には「ミナレット」から起動される「ザビ家の復讐装置」、そしてその鍵となる「ジョニー・ライデン」を求め更なる政争、紛争をひき起こすことになる。連邦議会のほうも「ミナレット」の破棄を望むゴップ議長と首相補佐官オクスナー・クリフとが対立。互いの手ごまとして、ナイト・イェーガーから引き抜いた議長直属部隊とテミスとの間で「サングレ・アスル」を巡っての戦闘が始まる。レッドらもこの戦闘に乗じるが、「サングレ・アスル」は宇宙へと打ち上げられる。当初の目的地はサイド3であったが、アイシュワリヤのデータ改竄によって「サングレ・アスル」はコンペイトウへと向かう。
コンペイトウ近傍宙域で、「サングレ・アズル」の捜索を行う、ジオン残党とテミスを取り込んだFSS、追撃する議長直属部隊、シャア・アズナブル率いる新生ネオ・ジオン、キマイラ隊残党、コンペイトウ駐留艦隊による混戦となる。かろうじてサングレ・アスルを確保したFSSはキマイラ隊残党に導かれて、キマイラ隊残党の本拠地である茨の園へと着いた。
略称FSS。戦史や戦争によって散逸したデータ収集と資料の編纂を行う一種の外郭団体。公的機関や民間に対しての公開可能なレベルの調査資料の提供や、一般公開可能な資料に基づいたドキュメンタリー番組の制作・それらのソフト販売も行う。レッド・ウェインラインたちの所属するチームは、調査部第一課に属し、特にモビルスーツを始めとした機動兵器の調査を行っている。
各巻にはFSS報告書が挟まれている。
旧ジオン公国系の企業を買収し急成長を遂げた軍産複合企業。新規に開発した機材の「試用とその運用データフィードバック」を引き換えとして旧キマイラ隊第2小隊を事実上匿っている。MS開発(軍用のみならず、民生品)に関しての基礎技術の不足を懸念しており、オクスナーとゴップ議長双方に通じて、双方に資金や様々な武装やデータを提供することで、ミナレットのデータ入手を狙っている。 最終決戦後には、ゴップからミナレットを木星に沈めるまでの出発予定の3ヶ月後までに、ミナレットのデータを入手する形で決まった。
作品の舞台は「第二次ネオ・ジオン抗争」前夜であり、アデナウアー次官によるネオ・ジオン崩壊後のアクシズ接収について触れられているほか、サイド1コロニー「スウィート・ウォーター」に不穏分子が集結していることなども語られている。
一年戦争終結後もユーコン級潜水艦で海洋に潜伏し、活動していた者たち。ジャブロー戦後、ニカーヤの先導でキャリフォルニアベースに入港。フーバーからの依頼と「“ジョニー・ライデン”の説得」で連邦軍所属となり、FSSがニカーヤを中心として編成する3隻のムサイ級軽巡洋艦「パムプレードー」「エニューオー」「デイノー」のクルーとして協力する。多少の改修はされているが、旧式の機材と長年の海での生活によるブランクなどに苦労しつつも実力を発揮している。
MS隊は当初、FSSから貸与されたジムIIを使用していたが、茨の園入港後はアナハイムから提供されたネモを使用している。
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