『100分de名著』(ひゃっぷんでめいちょ)とは、NHK Eテレが2011年3月30日に放送を開始した教養番組である。
概要
2010年9月に4日連続で放送した特集番組『一週間de資本論』を基にした番組である。毎回古今東西の名著にスポットライトをあて、その作品の奥深さを、「噛み砕いて解説したらこの人の右に出る人はいない」というプレゼンターがわかりやすく、かつ楽しく解説するというものである。題名の「100分」とは毎週25分間、4回で100分間に亘ってその作品の背景他を詳しく解説するという狙いで付けられた。
『一週間』は定時再放送以外に3度再放送が行われた。また、『一週間』では司会の堀尾正明と解説以外にゲスト解説を招く格好で放送したが、『100分』では最終回(週)のみゲストが出演する(出演しない月もある)。
理解を促すため朗読のほかに、アダチマサヒコ、ケシュ#203(仲井陽・仲井希代子)、高橋昂也、ブリュッケ(川口恵里・塚原菜緒)などが制作したイラストとアニメーションが多用されている。
番組のNHKテキストとともに「100分de名著ブックス」がシリーズで刊行されている。
放送日時
同じ月に初回放送が5週ある場合は、第5週は第4週の再放送となる。
- 2011年度
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- 初回放送:水曜 22:00 - 22:25
- 再放送:翌週水曜 5:35 - 6:00、11:30 - 11:55
- 2012年度 - 2014年度
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- 初回放送:水曜 23:00 - 23:25
- 再放送:翌週水曜 5:30 - 5:55、12:25 - 12:50
- 2014年7月8日の早朝回の再放送は2014 FIFAワールドカップの準決勝戦中継のため休止した。
- 2015年度
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- 初回放送:水曜 22:00 - 22:25
- 再放送:翌週水曜 6:00 - 6:25、12:00 - 12:25
- 2016年度 - 2021年度
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- 初回放送:月曜 22:25 - 22:50
- 再放送:同週水曜 5:30 - 5:55、12:00 - 12:25
- 2022年度 -
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- 初回放送:月曜 22:25 - 22:50
- 再放送:同週火曜 5:30 - 5:55、翌週月曜 13:05 - 13:30
出演者
司会
- 2011年度
- 堀尾正明(元NHKアナウンサー)『資本論』にも出演。
- 瀧口友里奈
- 2012年度
- 伊集院光
- 島津有理子(当時NHKアナウンサー)4月 - 6月、10月分 - 2013年1月分担当
- 伊東敏恵(NHKアナウンサー)8、9月分担当
- 武内陶子(NHKアナウンサー)2013年2月分担当
- 2013年度
- 伊集院光
- 武内陶子 4月 - 11月、2014年1月分担当
- 礒野佑子(NHKアナウンサー)12月分担当
- 2014年度・2015年度
- 2016年度
- 2017年度
- 2018年度
- 伊集院光(8月度を除く)
- 島津有理子(4月 - 9月)
- 安部みちこ(NHKアナウンサー) 10月 -
- 2019年度 - 2021年度
- 2022年度
テーマ音楽
- 2011・2012年度:「100分 de 名著 -Theme-」(作曲・横山克)
- 2013年度からは椎名邦仁作曲のテーマ音楽が使われている。
内容
レギュラー放送
2010年代
- 2010年
- 2011年
- 2012年
- 2013年
- 2014年
- 2015年
- 2016年
- 2017年
- 2018年
- 2019年
2020年代
2020年
2021年
2022年
2023年
2024年
スペシャル放送
100分間拡大スペシャルで、司会の武内(2013年度 - 2015年度)・礒野(2016年度)・島津(2017年度)・安部(2019年度 - 2022年度)と伊集院(2013 - 2019、2021 - 2022年度8月)・稲垣吾郎(2019年度)・カズレーザー(2020年度)・バービー(2022年度1月)に加えて4名の指南役が出演、指南役が原則1作品ずつ取り上げた。
- 2014年1月2日 22:00 - 23:40『100分de幸福論』
- 文学部門 井原西鶴『好色一代男』『好色一代女』(解説:島田雅彦)
- 経済部門 アダム・スミス『国富論』(解説:浜矩子)
- 哲学部門 ヘーゲル『精神現象学』(解説:西研)
- 心理学部門 フロイト『精神分析入門』(解説:鈴木晶)
- 2015年1月2日 21:30 - 23:10『100分de日本人論』
- 日本人の美学 九鬼周造『「いき」の構造』(解説:松岡正剛)
- 日本人の感受性 折口信夫『死者の書』(解説:赤坂真理)
- 日本人の心のかたち 河合隼雄『中空構造日本の深層』(解説:斎藤環)
- 日本人の根源にあるもの 鈴木大拙『日本的霊性』(解説:中沢新一)
- 2016年1月2日 21:30 - 23:10『100分de平和論』
- 戦争と人の心 フロイト『人はなぜ戦争をするのか』(解説:斎藤環)
- 経済と平和 ブローデル『地中海』(解説:水野和夫)
- 江戸の平和 井原西鶴『日本永代蔵』(解説:田中優子)
- 寛容への祈り ヴォルテール『寛容論』(解説:高橋源一郎)
- 2016年11月12日 23:00 - 翌0:40『100分de手塚治虫』
- 性の揺らぎを描く『リボンの騎士』・手塚が描いた同性愛『MW(ムウ)』(解説:ブルボンヌ)
- 手塚の「線」の魅力『鉄腕アトム』(解説:園子温)
- 「多声的」な長編物語『奇子(あやこ)』(解説:斎藤環)
- 漫画と宗教性『火の鳥 鳳凰編』(解説:釈徹宗)
- 2018年3月17日 23:00 - 翌0:40『100分deメディア論』
- 世論とメディア リップマン『世論』(解説:堤未果)
- なぜ偏向報道は生まれるのか サイード『イスラム報道』(解説:中島岳志)
- メディアと「空気」 山本七平『「空気」の研究』(解説:大澤真幸)
- メディアの未来 オーウェル『一九八四年』(解説:高橋源一郎)
- 2018年9月8日 23:00 - 翌0:40『100分de石ノ森章太郎』
- 少女漫画と石ノ森『さるとびエッちゃん』(解説:ヤマザキマリ)
- 『マンガ家入門』(解説:竹宮惠子)
- 未完の石ノ森『サイボーグ009」・「幻魔大戦』(解説:名越康文)
- マンガ表現の探究者『佐武と市捕物控』(解説:夏目房之介)
- 『石森章太郎選集』(解説:島本和彦)
- ヒーローの父『仮面ライダー』(解説:宇野常寛)
- 2020年1月1日 22:00 - 23:40『100分deナショナリズム』(朗読:松尾諭)
- ナショナリズムの誕生 アンダーソン『想像の共同体』(解説:大澤真幸)
- ナショナリズムの前夜 マキャベリ『君主論』(解説:島田雅彦)
- ナショナリズムにむかう心 橋川文三『昭和維新試論』(解説:中島岳志)
- 選択と排除のメカニズム 安部公房『方舟さくら丸』(解説:ヤマザキマリ)
- 2021年1月2日 21:30 - 23:10『100分de萩尾望都』
- 性別を越境する少女漫画『トーマの心臓』(解説:小谷真理)
- 家族という病『半神』・『イグアナの娘』(解説:ヤマザキマリ)
- 夢と現実のパラレルワールド『バルバラ異界』(解説:中条省平)
- 人間ならざるものの孤独『ポーの一族』(解説:夢枕獏)
- 2022年1月3日 22:00 - 23:40『100分deパンデミック論』(朗読:奥野瑛太、伊勢佳世)
- ジジェグ『パンデミック』(解説:斎藤幸平)
- 『大杉栄評論集』(解説:栗原康)
- ウルフ『ダロウェイ夫人』(解説:小川公代)
- サラマーゴ『白の闇』(解説:高橋源一郎)
- 2022年8月27日 14:00 - 15:40『100分de水木しげる』
- 妖怪との出会い『のんのんばあ』・『のんのんばあとオレ』(解説:釈徹宗)
- 高度経済成長が置き去ったもの『墓場鬼太郎』・『ゲゲゲの鬼太郎』(解説:中条省平)
- はじめは画家になりたかった『ラバウル戦記』・『総員玉砕せよ!』(解説:ヤマザキマリ)
- 地下世界の魅力『悪魔くん』・『河童の三平』(解説:佐野史郎)
- 2023年1月2日 22:00 - 23:40『100分deフェミニズム』(朗読:安藤玉恵)
- セジウィック『男同士の絆』(解説:上野千鶴子)
- アトウッド『侍女の物語』(解説:鴻巣友季子)
- ハーマン『心的外傷と回復』(解説:上間陽子)
- 『伊藤野枝集』(解説:加藤陽子)
- 2024年1月2日 22:00 - 23:40『100分de宗教論』(朗読:黒田大輔、瀧内公美)
- 宗教誕生のメカニズム フェスティンガーほか『予言がはずれるとき』(解説:釈徹宗)
- 日本を愛したロシア人宣教師 『ニコライの日記』(解説:最相葉月)
- 戦前の日本を見つめる 杉本五郎『大義』、城山三郎『大義の末』(解説:片山杜秀)
- 神はどこにいるのか 遠藤周作『深い河』(解説:中島岳志)
ラジオ番組「101分目からの100分de名著」
番組の舞台裏や過去紹介された名著と近々の世界情勢について番組関係者が語る特別番組が、NHKラジオ第1放送にて2023年5月4日に放送された。前後編に分かれた50分ずつ=計100分のスタイルを採り、安田登、中江有里、斎藤幸平がゲスト出演。若松英輔、島津有理子と番組プロデューサーの秋満吉彦が進行役を務めた。2024年3月17日に第2回を同じく前後編に分けて放送。植木雅俊、沼野恭子と若松英輔をゲストに迎え、秋満、島津と中江有里が進行役を務めた。
受賞歴
- 100分de平和論(2016年1月2日放送)
- (NHKエデュケーショナル/テレコムスタッフ/日本放送協会)
- ギャラクシー賞・2016年1月度月間賞
- 第42回放送文化基金賞
- テレビエンターテインメント番組部門優秀賞
- 演出賞(羽根井信英)
- 100分deメディア論(2018年3月17日放送)
- (NHKエデュケーショナル/テレコムスタッフ/日本放送協会)
- ギャラクシー賞
- 2018年3月度月間賞
- 第55回ギャラクシー賞優秀賞
- ATP賞
- 第34回ATP賞奨励賞
- 100分deパンデミック論(2022年1月3日放送)
- (NHKエデュケーショナル/テレコムスタッフ/日本放送協会)
- 第48回放送文化基金賞
- テレビエンターテインメント番組部門優秀賞
エピソード
- 2013年4月から2014年8月にかけ、背景の書棚に文鮮明(統一教会教祖)の自叙伝『平和を愛する世界人として』が2か所排架されていた。NHKは取材に対し、スタジオセットのための古書大量購入の結果と回答した。
- 司会を務めていた島津は、2018年5月に取り上げた『生きがいについて』(神谷美恵子)に啓発を受けて医師になることを決意、同年9月限りでNHKを退職し、医大生となった。
- 2020年のCOVID-19パンデミックに伴い、4月の「ピノッキオの冒険」第3回から声優の招聘は断念され、園部啓一の音声解説は付かずナレーターも交替。解説者を交えたスタジオ収録も不可能となり、当初5月に採り上げる予定だった「純粋理性批判」は4月初旬に2週分収録を終えた時点で中断が決まり、放送は6月に延期。4月中にはパンデミックとパニックを描く内容からリクエストが多く寄せられた「ペスト」、報道の危うさを訴え当時のNHK会長への批判がそのまま放送された「100分deメディア論」の再放送が行われ、5月のレギュラー枠には「平家物語」の再放送が充てられた。また5月11日から6月25日まではEテレサブチャンネルでも、休校や分散登校で自宅待機となった小中学生向けに「夏目漱石スペシャル」、「ファーブル昆虫記」などの再放送が行われた。
脚注
注釈
出典
外部リンク
- 公式ウェブサイト
- 100分de名著 - NHK放送史
- テレコムスタッフ - 制作会社公式サイト
- 100分de名著 (@nhk_meicho) - X(旧Twitter)
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